【レビュー】 JOYROOM JR-E100
総合評価×
前回、どちらかというと海外で好評を博しているとしてE107を紹介しましたが、今回は更にマイナーなE100を紹介しておきます。
E107とは違いドライバーの振動板直径はおそらく普通のサイズだと思われますので、E107よりも普通のDDに近い音ではないかと予想していました。
【JOYROOM e100 スペック】
【JOYROOM e100 音質】
帯域バランスは中高音寄りとなっています。再生の難しい曲でもボーカルが埋もれずに鳴らすことができます。
ところがやはり重低音の再生に難があり、ソースの中で鳴らすと重低音が出てきません。また低音がかなり不明瞭なところがあるので、低音重視で音を聞き込みたい方向けのイヤホンではありません。
この再生バランスはDZAT-DF10やダルシマーに近いバランスだと思います。
その分、中高音域はスッキリとした見通しが有るのですが、全体にわずかな雑味がのりますので、その見通し分を差し引いてしまい、全体的には興味のある音質だとは言いがたいと感じています。
ボーカル域もまたわずかに明るいのですが、やはりハウジングからくる雑味なのかが声に載ってくるのでイマイチと云う感想です。
【JOYROOM e100 まとめ】
低域側のエッジが緩く、量も少なく、また一部の音が積極的に出てこないところがあるのでこのあたりは問題が大きいと感じています。
また全体にうっすらと載る雑味は音質を汚しているので、こちらもまた看過できない問題であると思います。
一聴すると決定的にダメイヤホンであると言い切れるほどではありませんが、細部まで聞き込んでいくと細かな問題が多く、音質は全体的に汚れ気味です。
これはエッジの緩さからくると言うよりもハウジング側で音をボケさせてしまっている可能性が高い音です。
ドライバーも一部低域を出にくくさせてしまうようで、判定は×とさせて頂きます。バランスが似ているとはいえ、ボーカルの明瞭性という点で云えばDF10やダルシマーの方が明らかに上だと思います。
JoyRoom 3サイズイヤーピースノイズ分離ステレオインイヤヘッドフォン、マイクforスマートフォンe100?(レッド)
- 出版社/メーカー: Joyroom
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JOYROOM 高音質 ステレオイヤホン ボリュームコントロール可能 マイク付 ハンズフリー通話 ハイクオリティ メタリック / ゴールド (ゴールド)
- 出版社/メーカー: JOYROOM
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【レビュー】 KZ ED8
総合評価△
こちらもマイナーなKZのED8となります。
ED1と同じくディスコン気味で手に入れづらくなっているようなので、コレクター傾向の方は早めに手に入れておくと良いかも知れません。
ED8mとED8sがあるようですが、スペックは結構違います。
購入時には間違えないようにした方が良いでしょう。今回レビューするのはmの方となります。
【KZ ED8スペック】
■モデルナンバー KZ ED8
【KZ ED8音質】
基本的な音質はニュートラル気味です。
ED8の特徴は、かなり強めの低音域それも重低音とその少し上の帯域のみがブーストされているという事に尽きます。
この為、ソースによっては普通に聞けてしまうのですが、重低音や低音が多めのソースを流し込むとわずかに混濁を始め、中域が少し埋もれます。また帯域バランスは崩れ気味になります。
音の分離や明瞭感はそこそこと云ったところでED3やED9あたりと比較すると分離よりも一体感と少し厚みのあるボーカルの質感で押し切っていくタイプです。
ただし、ED9のような中域の攻撃性が少ないので聞きやすさという点ではなかなか良いレベルを持っているといえると思います。
ボーカルのサ行は少し強めに出てきます。ボーカルの明瞭感はED9の方が上ですが、ED8のボーカルはKZ比較ではわずかに前に出るエネルギーが有り、質感は悪くありません。
【KZ ED8まとめ】
KZイヤホンの製品ピラミッドの序列で云えばED4やED7といったどうにもならない駄作からすると、それよりは上の位置にある事は確かです。
低音域の下の方の領域ののブーストがKZの中でもかなり強めなので、その点だけがかなり惜しいところとなります。
低音域はブーストされているとはいえ、階調表現などは意外にしっかりとしています。ただし、このバランスで低音もしっかりと聞きたいというのならDZAT DR20の方が上でしょう。しかもやはり低音が入り込むとソースだと少し混濁するのでこのドライバーの実力はこの程度だとはいえます。
こちらのED8は、低音があまり入らないソースでなら意外に力を発揮します。
KZシリーズの中では平均よりも上の実力があり、持っておいて損はありません。
聞き所はやはりボーカルの柔らかさと質感の良さによる聞きやすさという事になると思います。
低音域のブースト感がかなりあるので、その点では全体的に解像感は低くならざるを得ませんが、KZの中でもかなり質感の良い聞きやすいボーカルのひとつではあるので、ATRやATEあたりよりももう少しエッジを立てたボーカルの質感という事でコレクターアイテムとして勧めておきます。
ただし音全体の実力という事なら取り立てて購入する理由はなく、この帯域バランスで低音のブースト感なら階調表現力がかなり上であるDZAT DR20があれば必要ないとはいえます。
ちなみにこちらのED8はDR20よりもかなり低域を強めるので、相当に低域が盛り上がっているとみて間違いありません。
こちらはED8sです。
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【レビュー】 senfer PT15 グラフェン・イヤホン [インナーイヤー]
総合評価✖
senferのPT15となります。
今話題の新素材グラフェンを使用したインイヤータイプで格安という衝撃的なイヤホンです。
グラフェンとは、「炭素原子がハニカム状に互いに強固に共有結合した単原子シート」と云うことになり、原子一個分の厚さしかないにもかかわらず、非常に強靱でしなやかな特性を持っていて、引っ張り強度ならダイヤモンドよりも強靱だという素材です。
こういう素材は次から次に出てきますが、たいていの場合は「宣伝文句」に終わるという宿命を持っています。
こちらのグラフェンはかなり高価な素材のようで、こちらを使用したスピーカもマジコ社からM3として発売されていますが、M3はグラフェンをスコーカーとウーファーに使用しています。
ちなみのM3の価格は税別で950万なので、ピュアのハイエンドスピーカーの中でも更に上の領域に存在しているスピーカーです。
もうひとついっておけばこちらのM3はトゥイーターにベリリウムドライバーを使用しています。グラフェンという素材からいって「高域及び超高域向け」の素材だという認識があったのですがこちらのM3では中低域用にグラフェンを使用しているのが興味深いところです。
音の傾向というのは現時点ではまったく分かりませんが、PT15に限れば感度及びシート状の素材という事から類推すると「繊細な音だが低域が出ない」と予想していました。
イヤホン用としては最近発売されたMaGaosi K3がグラフェン仕様となっています。
発売時価格が確か19800円だったのですがセールで安くなっているところを見るとさすがに発売時の2万近い価格では価格が高いと云う事で売れ行きに問題があった可能性が想定されます。
ちなみにPT15の方はAliexpressではほぼ絶賛に近い評価でかなり売れているようです。
こちらはMaGaosi K3 グラフェン仕様の3WAYイヤホンです。
【senfer PT15スペック】
■モデルナンバー senfer PT15
【senfer PT15音質】
非常に明るく明晰だが雑味のある音がします。
最大の欠点は、高域に感じるエッジの鋭さと重低音がほとんど出てこないと云うことになります。
低音も少なめで、かなり出にくいイメージとなり、帯域バランスは全体的に腰高な中高音寄りの音となるのが特徴です。
中域はかなり特殊で雑味のある独特な音質となっていますが、サ行の引きずりはなく柔らかで明瞭感は高くなっています。
強いていえば、評価できるのはそこだけです。
高域側はBA単体よりも上に広がっていますが、よく出来たDDドライバよりも早く高域側が詰まります。
この音から判断するとおそらくこのPT15は高域側の音がかなりエッジ立ち気味の独特な音質ではないかと思われるところがあり、この高域のきつさは一種独特なものがあります。
なお、リバーブはかなり付け足してくるようです。
このPT15は、全体的に音にパワーがなく、音楽が鳴っているとはいいがたいと思います。
装着に音がかなり左右されますが、どう装着しても高域側のエッジの問題と重低音は出てこないので、これはこういう音だと判断せざるを得ません。
全体を覆う妙な雑味は普通に考えるとドライバ側の問題ではなく、ハウジングの設計ミスの可能性が高いのですが、KC06Aと同じく新素材ドライバーを使ってしまうとどちらの問題なのかが判別しにくくなると言うことでこの点は不明とさせて頂きます。
【senfer PT15まとめ】
ハッキリ申し上げてこの価格で本当にグラフェンを使用しているのかどうか?という疑いの目は当然向けておかなければならないわけですが、それは事実が分からないのでおいておくとして、音の評価はとても低いです。
新素材というのはかなり真面目にコストをかけないとたいてい碌でもない音がするものですが、こちらのPT15にもその傾向があります。
かなり明瞭感のある特殊な音で、強いていうのなら独特だが明るく前に出るボーカル専用という事になるでしょうが、エッジが立ち気味なので長時間の試聴は辛いものがあります。
帯域バランスもかなり中高音寄りとなっていますので、その点でも注意が必要です。
重低音が出なくても良い、低音にパワーがなくても良いが、明瞭感重視でユニークなボーカルが聞きたい方向けだと思います。
こちらのPT15は乱暴な言い方をするとKC06Aの劣化版のような帯域バランスと音の明晰感だと感じています。
要するにKC06Aの音のエッジを少し鈍らせて雑味を加えた感じとなっています。
もしかすると「膜系」の音はこういう方向性を持っているのかも知れませんが、全体の特性的に感心するような音ではないことだけは確かです。
以上のことは「音から判断」している事なのでこの価格で本当にグラフェン?というのは未だによく分かりませんが、ちょっとDDやBAとは傾向の違う音が出てきていることだけは間違いありません。
ヘッドホンで云うと平面駆動タイプの音の感覚に近いかも知れませんが、それを高いレベルでイヤホンを使って実現するのはちょっと難しいのかも知れません。
同じくsenferのイヤホン各種となります。
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【コラム】 中華イヤホン評価とテスト方法、リファレンスについて。
サイトを立ち上げてからほぼ1ヶ月が経過したわけですが、紹介する中華イヤホンのほとんどが「激安」価格でもあり、結構お手軽お気軽に変える価格帯のものを中心に据えてきましたが、これはひとえに僕のポリシーによるものです。
中華で高額なイヤホンを購入するのなら、何も中華である必要はほとんど無いような気がするわけで、単なる中華メーカーの「養分」と化してしまう傾向が出てくると僕は考えています。
イヤホン如きに数万円投資してもそれに見合うリターンというのがどうしても想像できず、特に格安品に限って紹介してきたわけです。
このあたりで一度振り返って「評価のあり方」をまとめておこうと考えましたので、何かの参考にしてください。
【テスト方法について】
途中から「ボーカルテスト」をより厳密に行うためのテスト曲を増やしたので、今のところ「合計2曲」がテストソースとなっています。
これは厳密に選定したので、基本的にはこの2曲だけで音質や帯域バランスを判定しています。
主にチェックしているのは以下の項目となります。
- ボーカルの質
- 各帯域のエッジ
- サ行の引きずり
- 低音の出方
- 全体の音質
- 帯域バランス
今後のテストですが、暫定的に一部のイヤホンの高域の周波数特性が実質的にどこまで出ているのか?という点をチェックするかどうか迷っています。
というのもダイナミックドライバ1発の方が高域が詰まらないのですが、1BAドライバはその性質上、どうしても ダイナミックドライバと比較すると上が頭打ちになるのが早いからです。これは聴覚上のテストでも確認しています。
音楽を聴くと言うことにおいて、高域が詰まっても特に問題なく聞けてしまうので、ハッキリ申し上げて本質的に重要なことでは無いと感じています。
元々高域はダラダラと下がっていくものなので、この頭打ちが少しくらい早くても耳で聞いて判別できるかはまた別なことだとも思います。
スピーカーなどでは「高域」はほぼ全部素材と駆動方式で音色は決まってしまいますが、イヤホンはどれを聞いてもそこまでシビアに音色の違いは描き分けないので、高域側はもう少しテストしてからチェックソースを導入するかどうか考えてみます。
【評価について】
基本的に✖評価は「ゴミに近い」と思っていただいて構いません。
△評価は「普通」です。これはいろいろな意味で一芸に秀でているイヤホンが多いと考えてください。ですので、購入するのなら△以上を目安にしてください。
〇評価のイヤホンに関しては特に一芸に秀でていたり、全体的に優れていたりと、買う価値を感じたものに付けています。
残念ながら、評価は随時変更しています。
といっても大幅に変更することはありませんが、いろいろなイヤホンをテストしているうちにバランスや音質などを再評価することはよくあります。
これはその日のコンディションで音が変わって聞こえたり、更に聞き込みを続けて居るうちに判断を変える場合があるからです。
音響機器の場合はこういったことがよくあるのは避けることが出来ません。
【リファレンス機器について】
いまのところHLSX808をリファレンスとして使用しています。
代用品としてKZ ATRもリファレンスとして使用することができます。
今のところ、この2つのうちのどちらかを持っていればモニター的な音の判定基準に使っても問題はありません。
DAPはDP-X1を使用していますが、デジタルなので音はあまり良いものではないです。
特に音の荒れ方が酷いのですが、昨今のデジタルDAPの音を代表するものとしてリファレンスとしています。
これはX1の問題と云うよりも他のデジタルDAPでも同じように音はダメ、なのですが今多くの方がプレイヤーとして使っているのはデジタルでしょうから、致し方なく推奨しているものです。
少なくともデジタルにありがちなノイズと低音の問題は見かけ上一応クリアしているので、今のところの判定機器としてX1を導入していると考えてください。
少なくともこれはイヤホン専用です。それでも少し厳しいくらいですが、それ以上の判定には音が悪すぎて使えません。
ちなみに良い音を追求するつもりならX1を含めたデジタルDAPではどうしてもエッジがキツくなるので高いレベルの音には「絶対に」たどり着きません。
もっとハッキリ言えばエッジどころか音自体が荒れるので・・・
なので例えば10万のイヤホンを購入しても送り出しがデジタルDAPではその音の限界はどうしても低くならざるを得ません。
良い音を目指すというのなら、DAC以降にアナログ系の機器を間に噛ませてそれで何とかいけるかどうかと云うのが本当のところです。
別にデジタルを全面的に否定しているわけではありませんが、デジタルの場合、そうとうに設計をうまくやらないと「デジタルの問題」を解決するのは難しいと感じています。ノイズとD級スイッチング電源による低音の問題、また音の荒れ、このあたりを解決するにはメーカー側の見識とコストのかけ方が問われていると思います。
もうひとつ言っておきますが、いまのDACはもうどれを選んでもほとんど音は変わりません。少なくともイヤホンやヘッドホン程度では判定はかなり難しいです。
なので、DACに投資してもそれに見合うリターンはありません。いまどきのDACで基音が変わるなどと思っているのならもう一度よく音を聞いた方が良いです。
DACでは倍音のコントロールと微妙なサウンドキャラクターのコントロールを行いますが、最もわかりやすくいうとこれはライブ盤などでコンサートホールでの座席位置の微調整などを主にスピーカーで行うものです。
最後に行っておきますが基音が変化してしまうようなDACは欠陥品です。
安物にはたまにあるようなのでその点だけは要注意です。
要するに低音が増えたり減ったりするようなものがあればそれはもうDACではなく、単なるイコライザです。DACの仕事はそんなことではありません。
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【レビュー】 Inateck BH1105M 木製イヤホン
総合評価✖
inateckの木製ハウジング・イヤホンBH1105Mです。
外観を見る限りは木のテクスチャーなどを貼り付けたものではなく、キチンと木製のハウジングのようです。
ほとんど無名のイヤホンにもかかわらずAmazonでは意外な高評価を勝ち得ています。
価格はわずか1000円ほどで木製ハウジング搭載の実力がどの程度なのか聞いてみました。
このイヤホンの出自はおそらくどこかのOEMだと思うのですが、元のイヤホンにたどり着かずスペック共々不明となります。
1000円でダブルドライバー搭載品で木製ハウジングというのが大きな特徴でしょう。ポートは背面に1つ設置されています。
【BH1105Mスペック】
【BH1105M音質】
木製イヤホンの「ぬくもり」などと云うつもりはありませんが、基本的に音質はスーパーウォームとなっています。
しかも帯域バランスは低域がかなり強めですが、問題なのは籠もったような音なので音自体にヴェールが2枚くらいかかったような雑味のある酷い音がします。
エッジはかなり丸まってしまい、なおかつ解像感が驚くほど低く、評価に値する以前の音だと思います。
特にこのイヤホンは音量を下げるとその傾向が強まるので、音量は上げ気味で使用するのが基本となりますが、間違って買ってしまったというのでもなければわざわざこちらを使用する意味がありません。
HI-FIとかウォームな音などという以前の問題で、こちらのイヤホンは欠陥品レベルの音だと思います。
真剣に聞きこむような音ではない事は確かだと思います。
【BH1105Mまとめ】
音はほとんど「籠もり」に近く、とてもではないですが「評価する以前の音」と云わざるを得ません。ギリギリ籠もってないといえるレベルですが、ソースによっては「籠もる」という事になるでしょう。
そもそもがかなり酷い音質でレベルはかなり低くく、唯一なんとか聞けるのはアコースティック系のボーカルのみだと思われます。
初期の頃の中華格安イヤホンを彷彿とさせる音質で、当時ほどの酷さはありませんが、もはや聞けたものではないというのが本音です。
「返品」レベルの音、それがこのイヤホンの特徴となります。
一応ダブルドライバー実装と言う事ですが、おそらくこの辺りのクロスオーバーなどに問題を抱えている可能性の高い音ではないかと感じています。
【レビュー】 KZ ED3
総合評価〇
KZ ED3となります。別バージョンでyouthバージョンという青少年バージョンが売られていますが、そちらとはまったく音が違います。
youthバージョンを購入するくらいならED3のノーマルバージョンであるこちらの方が音は格段に良いと思います。
【KZ ED3スペック】
【KZ ED3音質】
KZのED3 YOUTHバージョンとの比較ではちょっと落ち着いた音質となりますが、YOUTHバージョンの音が中高音寄りであえて言えば酷すぎる音なので、それと比較するのならば落ち着いたと云うことになりますが、一般的な基準で云えば「明るめ」でニュートラルよりな音質となります。
ボーカルは一般的には前に出るタイプとなります。
ボーカルの質感が正直イマイチなのですが、KZとしては明晰感があるボーカル域を持っていますので、好ましいところだと感じます。ただしボーカル域のエッジが立ち気味なのが気になるところです。
中域のエッジの攻撃性が多少強い分、比較的に音の分離感という意味ではKZの中では優秀な方です。
低音のバランスはいつものKZで多少強めとなっています。
低音域のエッジは比較的しっかりとしているのでそれほど悪い物ではなく、ドライバーの混濁もあまり感じられません。
このあたりはKZはもちろんのこと他のイヤホンと比較的しても優秀だといえると思います。
【KZ ED3まとめ】
一言で言うのならED9とバランスや音質が近似しています。
KZの中では音が比較的に立ち気味で派手目となりますが、基本的な音質は一般的には明るめの方向性と云う事になると思います。
ボーカル域のエッジの立ち方も他のKZと比較した場合はちょっと攻撃性が有り、明瞭なので短時間の試聴向きな音質です。
KZの中では1本持っておいても損するようなことはありません。YOUTHバージョンはどうにもならない音がしていましたが、こちらはKZの中でも比較的レベルの高い音を出します。
ボーカル域の明晰さはkZの中では上位に入りますが、質感が一段落ちることが残念なところとなります。
ちなみにボーカル域だけとればED9の方が上になりますが、全体的にはED3の方が明瞭でレベルは高いと感じています。バランス的にはED9と同程度だと思います。
総じてED3はなかなか分離の良い意外に良いポジションにあるイヤホンだと判定します。
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【レビュー】 JR-E107 JOYROOM
総合評価△
JOYROOMのJR-E107となります。
ハウジングはアルミ製で質感はとても良く、ハウジングが異様なまでに小さいタイプのイヤホンとなります。
イヤホン背面にポート穴がひとつ設置されていて、ここでだいぶ音の調整を行っているようです。
このイヤホンは海外で評判が良かったようなのですが、日本では早々と取り扱いがなくなってしまったものです。
【JOYROOM JR-E107スペック】
【JOYROOM JR-E107音質】
帯域バランスはすこぶる良好で、この点だけで云えば中華の標準的な帯域バランスレベルよりもかなり優秀です。
バランスという点では大きく評価しても良いと思われます。
ですが、このイヤホンは「音がつまらない」という欠点があります。
音が非常に「地味」で、華やかなところがまるでありません。
おそらく高域がハイ下がり気味の音質傾向に思えるのですが、こういう音は日本人にはあまり好まれない傾向の音です。
また全体のクリア感が足らず、どうも背面ポートから音が「抜けている」ような感じで、音にパワーがありません。
低域も表現できてはいるのですが、重低音はかなり弱く、輪郭も緩めです。
まるでオープンエアタイプのように音が抜けてしまっているので迫力がなく、全体的にも雑味が感じられます。
ボーカル域のエッジは少し立ち気味で、音質も地味な808比較でもさらに地味となり、雑味もある為あまり質が良いとはいえません。
【JOYROOM JR-E107まとめ】
珍しいことに5mmという極小ドライバーを搭載しています。
どうもこちらのイヤホンは「音が極めて地味」で、日本人が好む音作りとはちょっと方向性が違う印象です。
しかも背面ポートからの音の抜けが激しいようで、ここを手で塞ぐとちょっと華やかな音に変わりますので、やはりオープンエア並みに音を逃がして音作りしているイヤホンだと思います。
重低音も出にくいところがあるので、音に迫力がなく、元々の性質でパワーもありません。雑味も多いので、総合的に考えると✖評価まではいきませんが、△評価の普通としておきます。
帯域バランスが悪くはないので、駄作とまではいえませんが、あえて買う価値があるかというとマニア向けの音作りだと思います。
このイヤホンはどちらかと言うと海外で好まれるタイプのハイ下がり気味の音作りではないかと思われます。
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【コラム】 ケーブルで音が変わる? 高額ケーブル詐欺
もしあなたが「ケーブルで音が変わる」などと本気で思っているのなら、おそらくどのイヤホンやヘッドホンを買ってもすべて一緒なので、適当なものをひとつ買えばそれで済んでしまいます。
なぜならあなたは「音を脳内で勝手に都合良く変換できる才能」の持ち主なので、何を買っても一緒です。
どのイヤホンを購入しても「自分に都合の良い聞きたい音が聞ける」でしょうから、選ぶ必要がどこにある?と云いたいくらいです。
おそらく「木製イヤホン」を買えば「木の暖かいぬくもり」とやらが聞こえてくるでしょうし、ベリリウムの金属製振動板のイヤホンを買えば「硬質な音」が聞こえてくるはずです。
銀のケーブルを使えば「深みのある音」がするでしょうし、99.9%のOFC銅線のケーブルを買えば「純度の高い音」にきこえるでしょう。
ですが、そんなものは全て幻想です。
一部のカルトチックなオーディオマニアとオーディオ業界が作り出した「飯の種」に過ぎません。
騙されて養分になりたいのならそれを止めたりはしません。
ある意味、誰にも迷惑をかけていないのでどうでも良いことです。
ですが、SNSで拡散するのはどうか辞めていただきたい。
これは詐欺の片棒を担いでいることと一緒なので看過できません。
特に経験の少ない初心者を騙す行為になります。
これをやるとピュアオーディオが衰退していったように、業界を長い目で見れば衰退させる行為です。
閑話休題。
さて、ケーブルで音は変わるかと云う事なら、答えは簡単です。
ケーブルで音など変わりません。
変わるわけがないのです。
例えばそれを公的に証明した人は世界中に誰も居ません。
にもかかわらずSNSやネットの世界では「数え切れないほどの超人」が見受けられます。
そこのところをどうかもう一度よく考えてみてもらいたいのです。
またもっと直裁に云えば、ケーブルの大本の線材を生産できるメーカーは限られています。
販社は生産元メーカーに仕様書を書き発注を入れて作ってもらいます。
要するに「生産元が同じケーブル」が巷には溢れているわけです。
外装と太さが違うだけのものをありがたがって音が違うと考えているケースも多数にのぼっていると推測しています。
ただし、ケーブルでノイズは確かに変わるのでそこのところはキチンとさせておきたいと思います。
特に強いシールドを使ったケーブルを使うと背景が静かになりますが、細かな音が消えます。
これはケーブルの価格とは一切関係がなく、何本も適当なケーブルを買って試す意外にはありません。
もう一度云います。
ケーブルで音は変わりませんが、ケーブルに施されたシールドで細かい音が消えてしまうケースはよくあります。
これを防ぐためには「適度にウルサいケーブル」を使う方が結果的には好ましいです。
これはケーブルの価格とは一切関係ないので、手持ちのケーブルのノイズを確かめてみると良いでしょう。
ただし、一番良いのは「訳の分からないケーブル」をあまり間に挟まないことです。
注記
もう少し詳しく書くと、シールドが強すぎると細かい音がシールドに吸い取られてしまいます。
また、シールドが弱すぎると今度は細かい音がノイズに邪魔されて聞こえなくなります。
と云うわけで「適度にウルサいケーブル」が一番良いというわけです。
そういう意味でなら、ケーブル選びは結構難しい物です。
ですので初心者の方はあまり気にしないで音楽を楽しんだ方が良いと考えています。
ちなみに僕のメインのスピーカーシステムはケーブルノイズはある程度気にしていますが、ヘッドホンやイヤホンではまったくこだわりはありません。もともと解像度が高めのヘッドホン・イヤホンではそこまでこだわらなくても「細かい音が聞こえやすい」のでそんなに神経質になる必要はなかったりします。
注記2
昔、ケーブルマニア絶賛の高額ケーブルの中身を分解したらベルデンのメーター数百円のケーブルが出てきたことがありました。
当時は話題になり、検証写真なども上がっていましたが、今探してみるとブログが閉鎖されたりしています。
当時絶賛していたケーブルマニアはいったい何を聞いていたのでしょう?
深く疑問です。
【コラム】 イヤホンの低音を鳴らすために必要なアンプとは何か? 駆動力のお話し。
。
昨今ではiPhoneなどのスマホもかなり高音質になり、普通にイヤホンを聴く程度ならそうそう不足のない音を出してきます。
iPhone6Sと7の音については以前僕のメインブログである「ぶろぐなんかめんどくせえよ」で何度か語りましたが、ここ数年でiPhoneの音質は劇的に向上していますし、これはもうスマホだからと簡単にバカにできないレベルの音がしています。
通信機能のないiPod touchなら更に良い音になっていたりします。
touchがiPhoneより高音質な理由は「通話機能がない」ことで内部の高周波ノイズがなくなっているからです。
より背景の静かな音がするのがiPod touchの高音質の秘密です。
ではiPhoneが今どのレベルなのかというと、このブログやメインブログで紹介したAGPTEK M20やらIMP程度のプレイヤーならまずもってiPhoneには勝てません。
勝てない最大の理由は「電源部の作りの差」となります。
これがあるので「低音の出方」いわゆる「駆動力」が違うのです。
中高音に関してはエッジの立ち方が違ってきますが、iPhone系は比較的エッジの鋭く立ち気味な荒れた音を出してくる傾向があります。
エッジがマイルドか尖っているかは「好みの差」なのでこちらに関しては良いも悪いもなかったりしますが、低音部分の差はごくわずかでも決定的な差となります。
こちらは好みの差ではなく、単純に「性能の差」といえるからです。
これがあるのでiPhoneを聴いている方はより上位のDAPに買い換えるのなら定価ベースで5万円以上のDAPでないと意味がないと申し上げてきたわけです。
僕などもiPhoneの音を聞いて驚いてしまい、結局、確実にiPhoneを超える音ということでONKYOのDP-X1を買うハメになったくらいです。
その目的であればX1は確実にiPhoneを超えていますが、主に重要な点は2点となります。
- ■低音部の駆動力が違う
- ■背景がより静かになる
ということです。
更に云うのならばX1はその音のキャラクターとして「強烈にエッジが立って」います。
1枚ベールを剥いだようなとても鮮烈な音がするのですが、これが基本的にデジタルアンプに通底するキャラクターそのものとなります。
イヤホンをならす場合、基本的に音のグレードが低いのであまりシビアに音の描き分けができないのですが、それでもM20やiPhoneで鳴らした低音とX1の低音は明確に違います。
もちろんX1の方が低音の表現がよく出てきます。
これは電源部へのコストのかけ方の差そのものです。
ここに必要な物量を投入しているが故に、低音の階調表現などがより明確に出てきます。要するにドライバをしっかりとコントロール出来るわけです。
つまり、イヤホン程度のわずか6-10㎜程度の振動板の低音を鳴らす場合でもしっかりと鳴らしたい場合は最低でもX1クラスの電源部/パワーアンプ部の作りが必要だと云う事です。
イヤホンの低音を鳴らし切る場合に必要な駆動力が満たされている場合は、それ以上にコストをかけた作りの高価なアンプを持ち込んでも低音は既に十分に駆動されているので音の変化はありません。
それ以上必要ならば「ヘッドホンの駆動」も視野に入れる事になりますが、現状ではおそらくヘッドホンの低音は機種にもよりますが手の平サイズの薄型DAP程度ではどうやってもキチンと鳴らなかったりします。
ただし、これはより駆動力のある「真空管アンプ」などを通して低音を比較しないと「完全に低音が鳴らせていない」というのは分からなかったりします。
(ピュア出身の相当なスピーカーマニアでも単独ではそのスピーカが鳴らし切れているのかどうかは簡単に判定できません)
と云うわけでイヤホンの話しに戻りますが、最低でもイヤホンの低音を確実に駆動するためにはどうしてもX1クラスの電源部がひとつの目安になるということはいっておきます。
つまりiPhoneやM20/IMPクラスのプレイヤーではそのイヤホンの低音はまだ完全にコントロール出来ていない可能性がある、と云うことは覚えておく良いと思います。
なのでたかがイヤホンですが、その実力を発揮させるためにはやはりそれなりの駆動力のあるアンプを投入する必要がある事は忘れてはいけません。
注記
カタログスペックを見てもそのアンプの駆動力はまったくもって分かりません。駆動力は見かけのワット数ではありません。
これは実際に鳴らしてその音を聞かない限り判定できないのです。
ですが経験から言わせて頂ければ、半導体のアンプよりも真空管のアンプの方が駆動力は高い傾向があります。
しっかりと低音を鳴らせる真空管アンプの音は低音のリファレンスとして使えたりします。ただし、設計のダメな真空管アンプを持ち込むと低音の音階がなくなってしまうので、その点は真空管アンプなら何でも良いと云うことにはならないので注意して下さい。
Pioneer デジタルオーディオプレーヤー XDP-300R(S) ハイレゾ対応
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- 発売日: 2016/10/28
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