【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【レビュー】 MEMT X3 [インナーイヤー]

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総合評価✖

インナーイヤータイプなので過去にレビューしたsenfer PT15と同じタイプとなります。

外観はメタルハウジングでクオリティは高く、色も三色とラインナップも優れているので女性でも使いやすいタイプだと思われます。

 

PT15で久しぶりにまともにインナーイヤータイプを聞きましたが、こちらのX3も音の傾向はPT15と同じとなります。

 

要するに「低音が出ません」

 

これはインナーイヤータイプの特徴の1つだと思われます。

イヤホンでは「低音が出る」というのが利点の1つだと思っていますので、それを切り捨てるという事は、例えばカナルタイプでは長時間使用が厳しいとか、耳が痛くなるのでインナーイヤーしか使えないという人が選ぶもので、積極的に選択する理由は特にないと思っています。

 

少し余談になりますがこういったインナーイヤータイプの音の出方はブックシェルフタイプのスピーカーに近い鳴り方をします。

 

【MEMT X3スペック】

■モデルナンバー MEMT X3
■ドライバー 1DD/13.5mm
■感度100db
■インピーダンス32Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル

 

【MEMT X3音質】

インナーイヤータイプなので、カナルタイプのような低音は出てきません。

質感も悪くエッジは不明瞭で、低音はほぼ切り捨てというのがこのタイプのイヤホンの特徴の1つだと思います。

 

人の声の帯域を存分に味わうと云うのがインナーイヤータイプを使うメリットの1つな訳だと思うのですが、このX3はこの帯域のクオリティーに雑味を感じることが多く、なおかつ高音域のエッジが不自然に尖るためどうにも音を楽しむことが出来ません。

 

とてもではないですが「音楽を聴く」と云う用途の為のイヤホンではありません。

 

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MEMT X3まとめ】

結論から言うと買う価値はありません。

低音はあまりにも量が少なく質が悪いです。

 

このバランスの音ならどうしても「中高音域のクオリティ」が優先されますが、この帯域も決定的に質が悪く、雑味と不明瞭な音でどうにもなりません。

 

これならPT15の方が数段良い音がしています。

少なともPT15は中域がこれほどまでに不明瞭な音は出しません。

 

耳が痛くなるのでカナルタイプが装着できないという方の為のイヤホンとしては存在理由はあるのですが、そうなると中高音域の質感だけは譲れないため、この帯域が決定的に質の悪いX3を購入する意味はありません。

 

 

  

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【レビュー】 KZ ED1

 

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総合評価△

 

KZのED1となります。

ここまでKZを順番にレビューしてきたので、既に手に入らないとはいえ記録として残しておくことにしました。

注記

gearbestの方ではまた販売していることを確認しました。

 

デザインが独特なので見た瞬間にED1だといえる特徴的な外装を持っています。

 

【KZ ED1スペック】

 ■モデルナンバー KZ ED1

■ドライバー 1DD/10mm
■感度 不明
■インピーダンス18Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 

【KZ ED1音質】

こちらのED1は低音がかなり強めとなっています。

籠もるというところまでは行きませんが、低域のレベルは相当に強いです。

DZAT DR20よりもちょっと強めに表現するので帯域バランス的には相当に厳しいと思います。

 

ただし、低音の階調表現とドライバが混濁しないで持ちこたえるという点においてはかなりレベルが高く優秀だといえるでしょう。

1DDとしてはかなり実力の高いドライバーを搭載していると判断しましたので、この点では低音がボケ気味なものが多いKZの中でもトップクラスと判断することが出来ます。

ED1の低域のエッジのボケはほんのわずかなので、これで量がもう少し控えめなら相当な実力機となっていたことでしょう。

 

ドライバーはウォームよりで、ボーカルは前に出ます。

エッジは立たないのですが、明瞭感が少し足りません。

攻撃性の少ない相当に明るいボーカルの特徴はED1が備える大きな特色の1つだと思います。

 

高域側はちょっとエッジが立ち気味なので音に痛さを感じます。

 

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【KZ ED1まとめ】

低域強めの帯域バランスに問題があることと、中域の質感に今ひとつクリア感が足りませんが、もう少し詰めれば良いイヤホンになった片鱗は感じます。

 

明るくウォームな音の質感にわずかに雑味が載っているのか判断に迷うところは感じるのですが、「惜しい」イヤホンではあると思います。

ZS1の時にももう一歩詰め切れれば優秀なイヤホンになったのにと感じたのですが、それと同じ事をこちらのED1にも感じます。

 

総じて、ドライバーは優秀だが詰め切れないところが本当に「惜しい」イヤホンです。

 

 

www.gearbest.com

ED1はgearbestの方でまだ手に入るようです。

 

 

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【レビュー】 イヤホン収納 チャムス コインケース&ミニポーチなど Beanbag/ Eco Round Coin Case

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いつもイヤホンを持ち歩くのが面倒なため、僕が使っているミニケースとポーチとなります。

チャムスなのでオシャレ度が高く、サイズも手の平にすっぽりと収まるほどで、とても使い勝手が良いので大変気に入っています。

 

いつもこの中にお気に入りのイヤホンと、念のためのiPhone7用のライトニング変換ケーブルを入れています。

出かけるときはこちらに市販のカラビナを付けたものをベルトループに引っかけて外に行くだけなので、持ち運びが素早く、迷いがありません。

  

だいたい男はバッグなど持ち歩かないのでいつもイヤホンをそのままポケットに入れると邪魔でどうにもならないのですが、こういったミニケースやミニポーチなら全部解決します。

 

こんなものは何でもよかったりしますが、チャムスは女性受けが良いところが有り、人前で出しても恥ずかしい思いをしません。

 

普段イヤホンの持ち歩きに苦労している人は検討すると良いと思います。

 

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【チャムス CHUMS ポーチ Beanbag Pouch Sweat】

こちらはコットン・キャンバス地のスウェット製です。

イヤホンは余裕をもって2つは入れられます。

  • タテ4cmxヨコ7cmxマチ5.5cm

 

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【チャムス CHUMS コインケース Eco エコラウンドコインケース】

こちらは元々コインケースなのですが、イヤホンをひとつ持ち歩くのにちょうどいい大きさです。

こちらはスウェット地ではなく、ポリエステル製なので頑丈です。

普段良く持ち歩くのならこちらの方が耐久性が高いです。

  • タテ:7 cmX ヨコ:7 cmX マチ:1.5 cm

 

 

 

【レビュー】 GGMM Nightingale

 

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総合評価✖

 GGMMのNightingaleというサヨナキドリという鳥のネームをもったイヤホンです。

ヨーロッパのウグイスに似た鳥で、夕方から夜まで美しい声で鳴くそうです。

 

アルミ製のハウジングでビルドクオリティは良いものです。

 

【GGMM Nightingaleスペック】

■モデルナンバー GGMM Nightingale
■ドライバー 1DD/8mm
■感度93db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル

 

【GGMM Nightingale音質】

まずどうにもならないのが「不明瞭な音」です。

これはあらゆる帯域に被さってきますので、ドライバーかハウジングに問題があるのではないかと感じています。

いわゆる音の分離に相当な問題を抱えたイヤホンです。

 

低音は少し強めとなっていますが、どちらかというと低音の一部分が持ち上がっているようで、帯域バランスそのものにも問題を感じます。

 

ボーカルはかなり前に出る印象が有りますが、相当にユニークなウォーム系の音質に聞こえます。

サ行は尖りませんが、全体を覆う不明瞭でボケ気味なエッジに引きずられて、聞けば聞くほどボーカルが溶けてピントが合いません。

 

全体的な帯域バランスは低音が少し強めとなりますが、一部帯域に過剰なブーストがあります。

ドライバーはスーパーウォームとなり、ボーカルは明るくやたらと前に出ます。

 

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【GGMM Nightingaleまとめ】

このGGMMのNightingaleは一聴した段階では低域の一部がかなり強い印象でしたが、聞き込みを続けると「全体的に音がガッチリとボケる」ので、評価が難しいレベルの音です。

この原因ですが低音の一部が籠もる寸前のレベルに有るのでその性かと思いましたが、どうもそれだけではなくハウジングの方も不備があるようです。この為、ソースを変えていくら聞き込んでも音がボケます。こちらのイヤホンでは1音1音が判然としません。

 

雑味と云うよりもエッジが溶けてしまっているようで、とてもではないですがギリギリのレベルにあるイヤホンなので購入は推薦できません。

 

 

 

 

 

【レビュー】 Xiaomi Mi PISTON2 ベリリウムイヤホン/ シャオミ ピストン2

 

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総合評価〇

 

有名なイヤホンですが、かつてメインブログでこき下ろしたピストン2となります。

この時は自腹購入で、ベリリウムの音が聞きたいと言うことでわざわざ買いましたが、ベリリウムの高域の特徴的な音がまったくしなかったので、頭にきてこき下ろしました。

僕はかつてベリリウムドライバー搭載のスピーカーを所有していたので、あの高域がもう一度聞きたいと思ったわけですが、残念なことにベリリウムの音はまったくしませんでした。

 

今回は、怒りを抑えて穏やかな気持ちで再度評価しておきます。

 

【PISTON2スペック】

■モデルナンバー Xiaomi Mi  PISTON2

■ドライバー 1DD/ベリリウム
■感度107db
■インピーダンス18Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 

【PISTON2音質】

こちらのピストン2は、ちょっと独特な「鳴り方」をします。

これはベリリウムうんぬんではなく、帯域バランスの問題だと判断しました。

というのもこちらはおもしろいことに低域の上の方の帯域がかなりブーストされています。

こういう音の出方をするイヤホンはあまり例が無く、普通は低域の下の方をブーストするイヤホンが多いのですが、こちらはなぜか少し上の方を過剰に表現します。

このおかげでかなり不思議なバランスで鳴りますので、その点は注意が必要です。

 

低域寄りのエネルギーを持ったイヤホンなので1DDですとDZAT DR20クラスが比較対象となるのですが、この低域のレベルであればDR20にはエッジと階調表現ではとても太刀打ちできません。

 

ボーカルはサ行を引きずるところがありますが、悪くはなく、前方に出てくるタイプです。質感は決して劣っている訳ではありませんが、わずかにウォームでわずかに雑味が載りますが合格点を与えても良いと思います。

 

ドライバーは少し混濁するのでソースを選ぶ部分もあります。

 

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【PISTON2まとめ】

少し不思議なバランスを持ったイヤホンなのでモニター的な用途には厳しいと思います。

低域の表現にこだわるのであれば優秀なDR20やVJJB V1クラスのレベルには追いつくものではなく、かといって中域の質感ではボーカルの優秀なイヤホンには負けるので立ち位置がちょっと不明確なところを感じます。

 

実力的には平均以上はあるのですが、かなり気になるバランスを持ったイヤホンで低域の質感とエッジにも不満が多いので、こちらは購入しても損はしないが、あえてオススメしないと云うことになります。

 

既に購入して聴かれている方も多いと思われますが、こちらのイヤホンで聞き込みを続けると聴感上の帯域バランスが狂うところがあるので注意は必要です。

もしこちらのPISTON2で低域側の解像度が高いように聞こえる場合、それは解像度ではなく、ある特定の帯域ブーストでそう聞こえるだけなので判断は慎重に行った方が良いと感じます。

 

〇評価か△かとても迷ったのですが、独特な帯域バランスがソースによってはまったく気にならないところがあるので〇評価にしておきます。

 

 

 

【コラム】我レ、未ダナヲ達セズ ピュアオーディオの覚悟

 

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残念ながら、この世界では「レベルの高い音」というものが厳然と存在します。

 

僕はこれをメインブログである「ぶろぐなんかめんどくせえよ」では「一定水準以上の音」と表現していますが、ジャンルや好みなど消し飛んでしまう明らかに水準そのものが高い音というのが確かに存在しています。

 

そして、この一定水準以上の音の中でもおそらく更に高い最高水準の音というものもまた存在すると僕は信じています。

 

かつてCDが影も形もなかった時代に、世界でごくわずかの選ばれた人たちがレコードで既にCD並の音質を堪能していたのを知っている方もいると思われます。

当時、この水準の音にたどり着けたのはおそらく日本で数人から数十人、世界中でも百人ほどでしょうか?

この音にたどり着くためには幾つもの厳しい条件があり、一般人がその入り口にすら佇むことを許されなかった音です。

 

それは豊かな資産と豊富な音の経験が共に必要とされ、一般人は想像することも許されませんでした。

こういった最高水準の音はいまでも極一部の人たちだけが堪能できる特別な世界となり、これはある意味で音の特権階級の話しです。

努力だけではたどり着くことが出来ず、その音に触れるためには「選ばれる」必要があります。

 

さすがにここまでの音を一般人が出すことは不可能ですが、それでも「一定水準以上の音」を出すことは可能です。

ただし、ある程度の資金の投入と音の経験、そして時間が必要となってきます。

こういったレベルの音はそもそも出せる機器が限られてくると云う事もあるのですが、アンプとスピーカーがある一定水準を超えると、ジャンルだの個人の好みだのを超えた普遍的な音がすることは事実です。

 

この水準が高い低いというのは誤解を招きやすいのですが、こればかりはもう自分の足を使って音を聞き続けるしか方法がないことも確かです。

 例えば極一部のスピーカーはボーカルにとても妖艶な艶がのりますが、これがどれほど美しいかは聞いたものしか分かりません。

しかもこういった音が半導体のアンプを使って素で出せるスピーカーは僕はいままででひとつしか知りません。

 

大事なことは、今もどこかでこういった音をひっそりと出している人が居るという事です。

 ピュアオーディオを目指すという事は、この水準に達することと同義だと僕は思っていますので、僕は自分が苦労して買った機器を絶えず否定し続けるのです。

 

「まだ足りない」そう思うことだけがたどり着くための唯一の解で、それがピュアオーディオの矜持でもあるのです。

 

なのでこのブログに一部ご不快思われる表現などがあると思われますが、既に死に絶えつつあるピュアオーディオ出身として、最後のプライドだと思っていただければ幸いです。

 

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【コラム】 イヤホン測定結果置き場

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先日、僕のこのブログをご覧になられた方から連絡を頂きました。

検証的なイヤホンサイトを運営されている方で、とても誠実な方だと思われます。

 

こういった方は共通して「ポエム」レビューを行いません。

 

この方は僕の「イヤホンで音が消える」という現象について色々と「原因」のアドバイスをくださったのですが、忙しい方なのか今のところサイトの運営が止まっています。

この件に関しては「学術論文」を送ってくださったりしたのですが、僕が勝手にアップするわけにはいかないので詳細を知りたい方は連絡を取ってみることを推奨しておきます。

結果だけ申し上げれば「やはり音は消えます」

 

ちなみにこの方はエージングなども検証していまして、結果として「差はない」という事のようです。

興味のある方はご覧になると良いと思います。

 

ケーブルにしろ、オカルトチックな差についての科学的な検証結果は全て「NO」なのですが、結果を受け入れないのは強固な思い込みなのでしょう。

変化のあるものとないものはしっかりと分けなければなりません。

 

また、オーディオについては正直な人は「差が分からない」とハッキリ言える人です。

そもそも思い込みやプラセボで音を聞いている人は共通して「何を聞いても音が違う」と言い出すという特徴があります。

 

オーディオではクロックなど差がないものはたくさんあります。

それが分からないと単なる業界の養分と化します。

 

monoadc.blog64.fc2.com

 

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【コラム】 DAPの音の差とは何か? 

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オーディオにおいて、基本的な事がなんとなくでも分かっていないとただ単に騙され、業界や中華の養分となる事が多発します。

逆に「なんとなくでも理解している」と、語弊がありますが、音を聞かなくても製品の立ち位置や投資すべき物がなんなのかある程度分かりやすくなります。

 

【オーディオは枯れ果てた技術】

オーディオというのは実際のところは既に「枯れ果てた技術」の集合です。

新しい技術などパラダイムシフトでも起こらない限り、ほとんどありません。

メーカーも業界もそんなことは百も承知なので、常に目新しいことを前面に出してユーザーを騙そうとしてきます。

 

要するにもう既に進化がないと云うことになれば新しい機器が売れないので、次から次に古い技術を新しい言葉で言い換えて、さも音が良くなったように思わせますが、実際には新しい技術などほとんどありません。

 

SACDが廃れたので今度はハイレゾで有り、更にハイレゾでもDSDだと、次から次へと詐欺商法がまかり通ります。

また、ヘッドホンならとうの昔に淘汰された平面駆動を再度持ち出してさも「音が良い」という宣伝で売り出します。

 

このような感じなので、これだけは憶えておいていただきたいのですが、一度廃れた技術はそもそも音に問題があるので廃れているわけで、同じ技術でリバイバルしてきても結局は以前と同じく廃れます。

例えそれが「新しいキャッチコピー」を身にまとっていたとしてもそれ自体には意味がありません。

オーディオの歴史を知るという事は、ある意味このように何度も騙されることが少なくなるので「過去は大切」というわけです。

 

ところが何十年に一度、大きな転換が訪れます。

技術の転換ともいえる事が起こりますが、この時は重大です。

 

具体的に云えばレコードからCDに置き換わったのはパラダイムシフトでした。

この変化はとても大きく革命的ともいえることでした。

大事なことは、こういった大きな技術革新が起こると、しばらく機器の性能が安定しません。

デジタルのCDでいえば特にDAC部分の性能差は初期においては確かに大きなモノがありましたが、マルチビットDACからワンビットDACに移行して、今現在ではDACの性能差など測定機器でやっと分かる程度の差で有り、後の差は倍音の描き方などのごくわずかな差になっています。

 

ハッキリ言えばDACなどはもう既に技術的に本質的な差はほとんど無く、強いていえば「味付けの差」程度で、これもしっかり分かっている人でなければそもそもDACを活用できなかったりします。

 

オーディオの技術は実際にはほとんどこのような感じで、パラダイムシフトが起こりしばらくすると機器の性能差はほとんど無くなります。

ありていに言えば進化の余地がもうほとんど無いのだと思います。

そして、大事なことは「これが正常な姿」だということです。

 

これが分かっていると、熟成された機器の分野では音は聞かなくても「差は小さい」というのが理解できるようになります。

オーディオの世界で「機器の価格に比例して音の差が小さくなる」と云われているのはまさにこの為です。

 この言葉はアナログ機器の時代によく云われていましたが、コストをかけて良い部品を使ってしっかり作り上げたものは一聴して感じるような差はドンドン少なくなってくると言うことを言い表しています。

 

こうなると残ったわずかな差ですら、音質の差と云うよりも、「味付けの差」程度の話しになるという事になります。

なので、例えばアナログのプリアンプで50万の機器と100万の機器で同じ半導体の製品同士なら「聞いた瞬間に音質が上」などという事は既に起こらなくなります。

もしこんなことが起こったとすると「中身が粗悪品かプラセボ効果」のどちらかしかないということにもなるのです。

 

年月をかけて熟成されたオーディオ機器というのはこういうものです。

 

逆に言えば「熟成された機器の分野」ではあまりにも差が小さいので、オーディオ評論家などは「ごくわずかな差」を殊更に強調し出します。

もっと云えば、語るところがそこしかないとも言えるわけです。

 

更に突っ込んで云えば、誰もが一聴して分かるような差がある機器というのは「中身が欠陥品に近い」ものかまたは「発展途上の技術」であるという事を意味しています。

特性的に狂った音の機器ほど差が感じられるという皮肉な状況が起こります。

 

イヤホン系のアンプでいえば「中華製」もしくは「格安品」には音が悪いものが多いですが、これはまさに「中身がほぼ欠陥品」か「粗悪な部品」だったりするわけで、半導体系では基本的な音質にすら達していないアンプが多いです。

ですが、ある程度の価格のする「まともな設計のDAP」なら真面目に聞けば聞くほど差は小さいというのが実際のところです。

 

なのでもう一度ピュアオーディオで云われている格言を繰り返しておきます。

 

「機器の価格に比例して音の差が小さくなる」

 

10万のまともに作られたDAPと30万のDAPの音の差は、良し悪しではなく「味付けの差」程度の可能性が極めて高い、と云うのを申しておきます。

そもそも30万のDAPでも、僕に云わせればあの程度の薄型デジタルアンプでは「まともな音はしない」といっておきますが・・・

 

【コラム】 デジタルプレイヤーの音はなぜ悪いのか?

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イヤホン用のデジタルポータブルプレイヤーについて思うことを書いておきます。

まだこちらの分野はピュアとは違い、経験が足りない部分があるのですが、現時点で感じていることを記しておきます。

 

これまでデジタル機器はかなりコストをかけたピュア用のパワーアンプなどを使ってきたりもしましたが、どうにも音に満足がいきませんでした。

 

それなりの定評のある機器を購入したりもしてきたのですが、ノイズと低音の問題は僕の耳にはデジタルそのものの問題にも感じたものです。

 

ですがノイズについてはうまく処理をするとほぼ背景は静かにできる可能性を感じていましたが、どうにもならなかったのが低音です。これは幾つかのデジタルアンプでスピーカを鳴らしたときに共通に感じた違和感でした。

 

デジタルではアナログのよく出来たパワーアンプの音と比較するとどうにもタイトな低音が出てきてしまい、特に重いウーファーを積んだスピーカーほど顕著にその傾向が現れたりしました。

 

いまはピュア用の機器は一部を残して真空管に切り替えてしまいましたが、ここ最近中華の格安DAPを含めてポータブル機器を数台手に入れてみると、やはりそれらの問題が奥底に潜んでいたりするので、ちょっと考え込んでしまった次第です。

 

そこで「ノイズと低音の出方」というのは少し横に置いておくとして、それ以外のデジタルプレイヤーの持つ問題を書いておきます。

 

まず一般的に音を出すためのアンプについて考えると幾つかの部分から構成されています。

  • トランスポート/プレイヤー部分
  • DAC
  • プリアンプ部分
  • パワーアンプ部分

 

これが普通のアナログ系オーディオでの最も一般的な構成となります。

 

音への支配力という事で云えば、影響が大きいのはプリアンプとパワーアンプで、DACやプレイヤー部分は相対的に音質の支配力はそんなに高くはありません。

 

スピーカーであればDACは倍音コントロールに欠かせないものなので、剛性の高いスピーカーであれば響きの多いものを使ったり、木製のスピーカーなら響きの少ないDACを使用して倍音を調整したりしますが、現在のDACであれば可聴帯域上の微少音が消えるなどと云う事は耳に聞こえる範囲ではほぼ起こらないので倍音以外での性能差は限りなく少なくなっています。

 

しかもイヤホンはあまりシビアな音の描き分けができないのでDACの違いをイヤホンで判定するのはほぼ不可能とは云いませんが、かなり面倒事になります。

 

DACでは、上記に示したようにイヤホンでの倍音コントロールなど「音場がそもそも表現できない」のでコントロールする意味がありません。

イヤホンではスピーカーのようにコンサートホールのどの位置に座っているのか「見える」という事にはならないからです。

にもかかわらずイヤホンの表現において「音場」等という言葉を使われる方が多いのには愕然としますが、人によってはイヤホンで「音像」などという言葉を平気で使われる方もいるのでちょっと考えられません。

あえて使うのなら「音場感」という言葉がいくらか正しいかもと思ったりします。

 

少し話しが脱線しましたが、要するにイヤホンではプレイヤーの送り出し部分いわゆるトランスポートとDACは少なくともイヤホンでの音質に対して決定的に重要ではないと云いたいわけです。

 

 なので昨今の訳も分からずにDACに投資してイヤホンの音が良くなったと喜んでいる人たちは本当に何を聞いているのかと疑問が沸いてきますが・・・

 

さて、先ほど述べた4つの構成要素に対して、1つは抜いても音が出てしまう部分がありますが、それが「プリアンプ」となります。

 

古くからのピュアオーディオを嗜んでいる方は試した方も多いと思われますが、プリアンプ無しでもDACからの音を直接ボリューム付きのパワーアンプに送り込んでしまえば特に問題なく音は鳴ります。

 

しかもプリアンプを通さない方が解像度はかなり高くなります。

 

ではなぜ、わざわざ解像度の下がる余計なプリアンプを通すのかというと、全ては美しい音のためです。

 

プリアンプは音色に対する支配力が弱いのですが、音を滑らかに美しくする、という点では絶対に取り外すことのできない機器です。

市販のプリメインアンプのプリ部はかなり音が悪いのですが、キチンと作られたセパレートのプリアンプはもう一聴して実力が違い、これを通しただけで一気に音が変わります。

滑らかで立体感のある音を出そうと思えばプリアンプ無しでは不可能です。

 

美しく音を立体的に整えるのがプリアンプの仕事となります。

そしてその音をパワーアンプに引き渡すことで、初めて音が鳴ります。

 

パワーアンプは音色と駆動力が大事な部分となり、イヤホンの特に低音を制動すると云う大きな役目があります。

 

なぜなら低音が駆動できていないとそもそも中高音域はキチンと駆動できていないと云うことになるからです。

 

なぜ、わざわざこんな話をしているのかというと、鋭い方ならもうおわかりだと思います。

デジタルプレイヤーの音が悪い大きな原因のひとつが「プリアンプ」が省かれている、と云う理由によるからです。

 

ピュアの方はよく知っている話しだと思いますが、プリアンプを通さないと「鮮烈で解像度が高いがとても荒れた音」が出てきます。

 

そう、いまデジタルのポータブルアンプから出てきているのが正にこの音になります。

 

最初にX1を聞いたときにどうにもならない違和感のある音を感じましたが、それはどこか昔に聞いたことのある懐かしい音でもありました。

 

数ヶ月、音を聞きながら不思議なデジャヴのように「荒んだ違和感のある音」を聞いていましたが、ある日、「ああそうだ、このどうにもならない音は昔よく聞いたCDとパワーアンプを直結したときの音だ」と気がついたのでした。

 

僕は断言しておきますが、この音はどこにもたどり着かない音です。

 

この部分をしっかりと考えておかないとポータブルプレイヤーで「良い音」など永久に出て来ないので、少しでも良い音で鳴らしたいと願うのなら避けて通ることのできない問題となることを憶えておくと良いでしょう。

 

 

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【コラム】 一部の音が消える? イヤホンの音が消える解像度の問題について

 

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イヤホンに限らずスピーカーでも「一部の音が消える」という事が起こります。

有名なところではスピーカーは「定在波」によって一部の低域が大きく落ち込んだりします。

今回書いておくのは、定在波ではなく、おそらくドライバーかハウジングに由来する問題だと感じている部分の話しとなります。

意外に数が多いので、この問題は注意深く聞き込まなければなりません。

 

特にここ最近、イヤホンの音を集中的に聞き込んでいるのですが、やはりどうも一部のイヤホンで音が消えてしまっていたり、出にくい音が出てきていますので、この問題について少し書いておくことにしました。

 

どのイヤホンなどもそうなのですが、スイープで音を流して確認する限りはすべてのイヤホンがキチンと音は出ているのです。

ところが複雑なソースを流し込むと途端に音が消えたり、出にくい帯域が出てくるものがあります。

具体例で上げるとDZAT DF10やtenmarkのダルシマー、JOYROOMのE100など、僕のレビューでは一部帯域が出にくいと書かれていたり、低音が出ないと書いてあるイヤホンはたいていこの問題を抱えています。

 

この問題を顕著に抱えているイヤホンの音を聞くと中高音域がスッキリと整理した印象がでてきます。

人によってはこういった見通しの良い音が好きな方もいらっしゃるかも知れませんが、こういうバランスの音は狙って作ったと云うよりも単なる設計ミスの可能性がとても高いと考えています。

 

僕も専門家ではないのであくまで音を聞いて判断しているのですが、この原因は主に2つではないかと考えています。

 

  • 分割振動
  • ハウジングの共振

 

この問題は特に音量を大きくしてチェックすると分かりやすくなるようです。

特に気がつきやすいのが「低域」だと感じています。

おそらく中高音域の帯域も一部消えてしまったりしてもおかしくはないのですが、どうも見通しが良くなる傾向があってもどの音が弱くなったり消えてしまったりするのかが確認できません。

ところが低域はかなり顕著にバランスが悪くなるのでどの部分がというのが比較すると分かりやすいのです。

 

この問題を抱えたイヤホンは先ほども述べたとおりで、「一部の帯域が弱くなったり、消えてしまったりする」ので、特に低域で発生すると中高音域は明瞭さが増したりします。

ですが、正しいか正しくないかと云われれば「おそらく正しくない」というのが本当のところだと思います。

 

なぜなら本来なら聞こえなければならないはずの音が聞こえないわけですから、せっかく解像度にこだわっても意味がないことになります。

 

そもそもドライバーは振動して音を出すわけですが、低域は低い周波数から振動し始め、高域は高い周波数で振動を始めます。

マルチウェイの複数ドライバをスピーカーが使うのはこの問題を解決する1つの手段な訳ですが、1ドライバーのイヤホンでは低域から高域までフルレンジで満遍なく同時に鳴らすので振動板は複雑に振動して各帯域に干渉を始めます。

この過程での振幅・振動が微妙なピークやディップを生み出し、結果的に聞こえなかったり出にくい音が出る原因になります。

 

また、おそらくドライバー側だけではなくハウジングの強度不足・設計ミスによる共振などでも音が打ち消し合って同じような現象が出ているのではないかと云う事もあると推察しています。

 

ただし、原因についてはおそらくという事で書いているものであって、これが確実に原因だとはエンジニアではないので言い切れません。

ですが、音を聞いている限りは間違いなくそのような現象が起きているので、特に1DDのイヤホンに関しては注意して音を聞く必要があると感じています。

  

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