【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【レビュー】 GGMM C300 チタン振動板

 

 

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総合評価〇

GGMMのエントリーモデルであるC300です。

特徴として「チタン振動板」採用ということが挙げられます。

 

通常この手の超高剛性素材は「高域」に効いてくるものですが、その分フルレンジで使用すると低域が甘くなる事が多くなります。

しかし、ベリリウム素材の記事でも述べましたが、そもそも中華イヤホンのイヤホン程度のドライバーでは「音だけで判断すると素材の良さが高域に活きてこない」と感じるので、そのあたりも踏まえて音質チェックしていきたいと思います。

 

 【GGMM C300スペック】

■モデルナンバー GGMM C300
■ドライバー 1DD/8.7mm
■感度100db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 

【GGMM C300音質】

基本となるドライバーの基調となるキャラクターはニュートラルで、音は明るめに出てきます。高域側のエッジはわずかに立ち気味ですが、音に華やかさが有り、きらびやかなイメージの音です。

 

ボーカル域もクリア感があり、質感は雑味がなく、かなりレベルは高い表現力をもっていますが、サ行がわずかに引きずります。

それでも引っ込まずに明るく華やかなボーカルが聞けるので、これはこれでとてもレベルが高いといえます。

そこらにある凡百のレベルのイヤホンは確実に上回っているので、中高音域は明らかに平均を上回る高いレベルを達成しているといえるでしょう。

 

やはり問題なのは低域で、こちらはかなりブーストされています。

 

しかも特に重低音域が不明瞭で、この低域の下の方の緩さはちょっと看過できません。

低域全体としては、帯域バランスがかなり下寄りになっているとはいえ低域の表現力はそれなりに高いので重低音域がブーミーにあふれ出てきて台無しにしてしまうのが唯一にして最大の欠点だといえます。

 

【GGMM C300まとめ】

 GGMMの中ではかなり良い部類に入るイヤホンです。

これまで聞いた同社のイヤホンの中ではトップだといってしまって良いでしょう。

 

特に中高音域の出来映えは良く、高域側にチタン振動の良さはまったく感じられませんが、それでもこの派手ともいえる華やかな音の洪水を出せるのはこちらのイヤホンのメリットのひとつでしょう。

 

低域のバランスがかなり強く入るので屋外での通勤通学などに使うにはこちらのイヤホンはオススメできます。

 

少なくとも価格を超えた価値を感じることが出来ると思います。

なかなかよく出来た良イヤホンだと思います。

 

 

【コラム】 エージングとバーンインについて 【オーディオ】

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このブログを始めてから書いていないものを含めてイヤホンを50本ほど聞いたはずですが、ちょっとここ最近思うことがありますので、理論的なことは分かりませんが、イヤホンの鳴らし始め初期の音の違いについて書いておきます。

 

僕はブログのあちこちで書いていますが「エージング」という言葉については今も「否定」の立場である事には変わりありません。

これに関しては以下の記事なども参照していただけるとありがたいのですが、基本的には「脳は50-100時間」も音の記憶など保持できません。

 

なので100時間経過して、音がこれだけ変わったなどまったくのデタラメだと言い切ってしまってもよろしいでしょう。

 

また、記憶の改竄だけではなく、昨今のSNS等の同調圧力で音の記憶など容易に改竄され、書き換えられてしまいます。

 

僕の考えではもしその機器に鳴らし始めてから顕著な音の違いがあるとすれば、その変化は「ユニットが馴染む程度の数時間」で十分です。

 

karapaia.com

 

ameblo.jp

 

特にイヤホンに関しては「鳴らし始め」1-2時間については顕著に音が変わるイヤホンが結構な数で見受けられますので、この点については「バーンイン」という言葉で表現するのが適切かどうかは分かりませんが、エージングという摩訶不思議な言葉と区別するために以降はバーンインと記述させていただきます。

 

イヤホンに関しては今までの経験上から言えば「バーンイン」については「ほぼ必要」と理解しています。

 

バーンインの適正な時間はおよそ30分-2時間程度は必要なようですが、これはそのイヤホンにより適正な時間に幅があり、ものによってはほとんど必要ないものもあります。

 

僕が聞いている限りはこれ以上時間をかけても変化はありませんでしたので、上記の時間位くらいはあらかじめ鳴らしておいた方が良い結果を生みます。

 

特に変化が大きいのが「低音」で、次にエッジが柔らかくなりますので、やはりドライバー関係に起因しているのか、ハウジングあたりの接着が関係しているのかというところではないかと思われます。

 

と云う訳なのでイヤホンはたぶんこのあたりのバーンインによる変化がなぜかヘッドホンやスピーカーよりも音を聞いている限りは大きいと思われます。

 

僕も最初は耳の方が音になれてしまったのかと思ったのですが、どうも複数のイヤホンで最初の鳴らし始めは「異様な音がしやすい」ということで検証した限りでは、最長で2時間程度のバーンインを行わないと音の評価ができないという結論に達しました。

 

ただし、もう一度言っておきますが、これは50-100時間鳴らしてどうのこうのというエージングといった人間の記憶を超越した作業ではなく、あくまで鳴らし始め初期段階の「ユニットやハウジングを馴染ませる」という意味でバーンインと呼称させていただきます。

 

今までも30分から2時間程度は音出ししてからテストしていますので特にこれにより何らかのレビューの変更はありませんが、SNS等に上がる「届いた直後の音の印象 」はイヤホンに関してはずいぶんと「ズレる」可能性がありますので、その点だけ注意が必要かもしれません。

 

www.buzzfeed.com

こちらの「トンデモ理論」なども一度は目を通しておくべきです。

オーディオもトンデモ理論が幅を効かせる世界です。

こちらの記事の一部文言を「オーディオ」や「ケーブル」などと読み替えるとそれなりにおもしろくなります。

【コラム】高域をポエムに語るレビュワーには気をつけた方がいい場合が多い

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高域というのは判断がとても難しい音域で、一筋縄ではいきません。
これが分かっている人ほど「高域」をあまり語りたがりません。
 
幾つか簡単に書くとこういう問題があります。
 
■詐欺に使われやすい
■錯覚を起こしやすい
■個人の耳の個体差が相当にある
 
オーディオではもっとも詐欺に使われやすいのが「高域」で、ハイレゾ詐欺による聞こえもしない領域への拡大による機器の買い換え促進や、やたらと高域をポエムで語るレビュワーのおかげでずいぶんと訳の分からないことになっているのがオーディオの高域という音域の特徴です。
 
今回は僕自身も高域に関してはいまだに不明な部分が多いので、ざっくりと書いておきますが、一般的に言って高域の判断はかなり難しい場合が多いです。
 
「音は経験」とはよく云われますが、高域に関しては経験よりもむしろ「若ければ若い方が判断が正確」である場合も多いと感じていますので、高域に関しては10代の方の意見も無視できません。
 
むしろ10代や20代前半の方の方が余程正確に聞いている場合が多い訳です。
 
 
ココにひとつの仮定をしてみましょう。
AとBと云う2つのアンプを思い浮かべてください。
 
A 低域はタイト
B 低域はブーミー
 
他はすべてまったく同じ性能だと仮定します。
 
この2つのアンプの低域以外はまったく同じ性能なので、リファレンスのイヤホンを使用したときに「高域」はまったく同じ音が出る筈です。
 
例えばスイープで高域成分のみを流したとしてAB2つのアンプの音はまったく同じ筈です。
 
これは誰でも理解可能だと思います。
 
では、この2つのアンプで低域成分のガンガン入った音楽ソースを鳴らしたとするとどうなるでしょう。
 
理論的には同じ高域が出ているにもかかわらず、現実には2つのアンプの高域の音は違って聞こえるケースが出てきます。
 
この理由は「錯覚」です。
 
低域の出方で中高音域が変わって聞こえてしまうので、実際はまったく同じ高域の音が出ていたとしてもAB2つのアンプの高域の音が「違って聞こえてしまう」という問題をはらむ訳です。
 
これは「耳の錯覚」のひとつで、この判断が一筋縄ではいかないわけです。
 
単純にここに加齢による耳の劣化が加わるので、更にやっかいなことになるのはおわかりになるかと思います。
しかもプラセボ効果まで加わると・・・・・
 
と云うことなので、「高域が伸びる」など言語明瞭意味不明な単語を駆使したり、ポエムな言葉で高域を語ることがいかにいい加減で愚かなことかは少しは分かっていただけるのではないかと思います。
 
要するに強引にまとめてしまうと「高域」の判断は本来とても難しいものだということを理解しておいていただきたいのです。
それを簡単にあーでもないこーでもないと詳細に「それっぽく」書く人にはちょっと気をつけた方が良いかも知れません。
 
少なくとも僕が現時点でハッキリと断言できるのは「高域の基本的な音質キャラクター」はドライバーの素材と駆動方式で決まってしまうということ、それ以外の部分での変化については倍音を除いてよく分からない部分が多いのが高域だと理解しています。
 
こういったことがあるのでオーディオショップなどでアンプやヘッドホンを売りつけようとするときに「これは高域が綺麗に出る」などと云うセールストークをよく聞くようになるのだと思います。
 

【レビュー】 KZ ZS5 期待の大型新人の実力とは?

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総合評価〇
話題のマルチドライバ搭載の驚異の低価格KZイヤホンであるZS5です。
先日やっと到着し、音出しできましたのでだいぶお待たせしてしまいましたが、レビューを書いておきます。
 
【KZ ZS5スペック】
 
■モデルナンバー KZ ZS5
■ドライバー 1DD/10mm 1DD/6.4mm BA*2(型番30095/1205ユニット)
■感度106db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 
断線には強い2pinリケーブル対応です。
 

【KZ ZS5音質】

基本的に明るめでニュートラルな音質があり、聞いていてとても楽しいイヤホンのひとつです。
音の分離感や明瞭性は平均以上で相当に優秀に聞こえます。
正に価格を疑うほどの出来映えの良さで賛辞しか出ないレベル。
 
音に先鋭な鋭さがあり、粒立ちも良好です。エッジがすこし立ちぎみとなっていますがこの尖ったエッジはニュアンス的に楽しめる範囲の素晴らしい出来映えです。
 
特に評価すべきが明るく前に出るボーカル域で、その発音の正確さも 並み居るイヤホンをなぎ倒し、ATRとほぼ同等のレベルを達成しているのは驚くべき事だといえるでしょう。
これだけの正確さを持っていながら、それでいてこの音の明るさと前方展開するボーカルは高く評価せざるを得ません。
 
中高音域の出来映えに関してはすこしエッジの先鋭さはありますが本当に脱帽する出来映えです。
 
唯一の欠点が低域のレベルがかなり強めになってしまっているのでリファレンスとしては使えないこと、また低域側の階調表現やエッジが少しボケること位です。
低域側のブーストがかなり強めなので、これならもう少し低域側の階調表現能力は磨き上げて欲しかったとは感じます。
低域側の輪郭の緩さは、他の優秀なイヤホンと比較するとレベルとしてはちょっとこの部分は低いと言わざるを得ません。
 
ですが、全体的には本当によく出来たイヤホンで、KZの放つ「傑作」と云いきってしまっても良いでしょう。 

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【KZ ZS5まとめ】

これは「買い」です。

 

音質傾向が基本的に明るめに出るのでZSTに近いのですが、中域の出来の良さなどもう比較にならないほどZS5の方が優れています。

この明るさを持った音でこのボーカルを実現するのは結構至難だと思うのですが、よくぞここまで磨き上げたと思います。

 

音の分離や明瞭感も平均以上でマルチドライバをうまくチューニングした好例でしょう。

 

ATRのリファレンスとしての位置は不変ですが、より一般的に音楽を聴くという用途ならZS5の方がより楽しく、より鮮明に聞けるでしょう。

その意味では低域のレベルがもう少し低く、低域がもう少し曇らなかったらと思うのが唯一の残念な点だと思います。

 

たいして期待していませんでしたが、これはほぼ「即買い」レベルの出来映えだと判断します。

 

追記

ちょっとソースによっては中域に濁りが出ます。

たぶん低域がクロスオーバーの関係で被ってきてしまうのだと思います。

やはり低域が少し強いのが惜しいところです。

ただし、それでも傑作のひとつに間違いなく名を連ねるイヤホンには変わりありません。

 

 

 

  

【コラム】小さくて軽いデジタルアンプを全力でdisる

 
 

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ピュアオーディオマニアの中にはアンプは重ければ重い方が良い、という事を言う方もいらっしゃいます。
スピーカーで普通に音を追求すると、スピーカーはドンドン大型になり、それに併せて
パワーアンプなども高価で重くなります。
自宅には人の背丈ほどのスピーカーが鎮座し、パワーアンプは軽く30キロを超えてきたりします。
それをモノラルで設置するわけですから移動も一苦労です。
 
それを揶揄する方もいらっしゃいますが、それは間違いです。
 
むしろそのことが分からないという事は少なくとも音を追求したことがない人だと断言しても良いでしょう。
 
こういった小話のような知識は、イヤホンやヘッドホンでも同じく関連しているのですが振動板の関係で分かりづらい部分があります。
ですが、オーディオとしては関連する事項なので頭の片隅に入れておく必要はあります。
 
まずなぜスピーカーやアンプがバカでかく重くなるのかというと、これは一言で「低音」を追求するためです。
 
低音の量と質を共に追求するとどうしても着地点は、バカでかいスピーカーととても重くてデカいパワーアンプに必然的に収斂していくことになります。
 
これがイヤなら、ハイエンドのブックシェルフを買って低音を切り捨て、中高音域を高め上げる方向に向かうしか道はありません。
 
何しろ音を聞けば聞くほどスピーカーはある程度の大きさがないとまともな低音がでて来ないことに気がつき、その低音を鳴らすためには小さかったり薄かったりするアンプではまともな音がしない、と云う単純極まりないことにすぐにぶち当たるからです。
 
これはもうそういうものなのでバカにしようが否定しようが、どうにも変わらない現実です。
それほどしっかりと物量投入された電源部の出来の違いは音に影響を及ぼしてくるのです。
 
僕がオーディオを始めた頃には「デジタルアンプ」など影も形もありませんでしたが、マーケットにやっとピュア用のフルサイズのデジタルアンプが出てきて思ったものです。
 
「これでやっとバカでかいアナログアンプから解放される」と。
 
その頃、既に人の背丈ほどでウーファーが鳴らしずらいことで有名なスピーカーを導入していた僕は「鳴らない低音」に四苦八苦していましたが、その時に色々なパワーアンプを試してみて、少なくとも「駆動力」という点では「より大型のアンプ」の方が鳴らしやすい事には気がついていました。
重くてデカければ鳴るわけではないのですが、そもそも重くてデカくないと平均以下の低音しか出てこないのです。
 
プリアンプの方はピュア用の入門機でもなければ価格がある一線を超えると「差が小さくなる」と感じていましたが、パワーアンプでもそれは同じ事なのですが、価格帯のレベルがなぜか跳ね上がってしまうのです。
 
100万クラスからやっと評価が出せる、みたいなことになるわけです。
 
この事は重いウーファーを搭載したスピーカーで試すとハッキリと現れてしまうので誤魔化すことができませんでした。
 
そこで颯爽と登場してきたのがデジタルパワーアンプです。
 
これが現実に効果があるのなら、recordをCDが駆逐したように「革命」となるはずでした。
このようにオーディオマニアの夢と希望が詰まっていたのですが、まず自宅にピュア用のパワーアンプを借り出して視聴して僕は驚きました。
 
駆動力があり、確かに音が鳴るのです。
デジタルは見かけのワット数もかなり高いものが多いのですが、確かに低音が鳴ることをこの耳で聞いてしまったわけです。
アナログのパワーアンプではそれなりのクラスのものを投入しても輪郭が崩れて制動できなかったのに、デジタルはとてもタイトに低音を鳴らしてきました。
 
僕は狂喜乱舞したものです。
 
その後このデジタルパワーアンプを正式に購入することにするのですが、自宅で聞き込みを続けると希望が絶望に変わってしまいました。
 
確かにアナログよりも低音を「制動」しているのは確かなのですが、聞き込んでいくと何かがおかしい。
 
まず質感が違いました。
次に低音の「量」が表現できません。
 
聞き込めば聞き込むほど、何かこう「異様な音」が出てくるわけです。
 
これは僕が購入したデジタルパワー固有の問題だとその時は思っていたのですが、その後にジェフローランドのアイスパワーと云うデジタルアンプの音を確かめに行って疑念が確信に変わりました。
 
まったく同じ「異様な低音」が出てきたわけです。
 
そう、これはデジタルの低音の問題だったわけで、根本的に問題のある音です。
 
この事に関しては更に確認するために総額1000万超えのLINNのスイッチング電源の薄型アンプの音も聞きに行きましたが、その音はもはやお話にならないレベルだったのでデジタルに見切りを付けたのでした。
 
この問題は慣れて居る方なら例え軽めのウーファーを鳴らしても気がつくレベルです。
 
この後僕はまたアナログアンプの世界に戻るのですが、ナチュラルな低音と云えば良いのでしょうか。
そういう音はよく出来たアナログからしか出てこないのを知ってしまったわけです。
 
余談ですが、この時使っていた重いウーファーのスピーカーは程なくして処分することになります。
理由は、鳴らすことがおそらく不可能と決断を下したからです。
 
もしかすとる1000万超えのパワーアンプなら鳴らすことができるのかもしれません。
ですがそれを確認する方法がないので、今の僕では不可能と結論して手放しました。
 
このようにスピーカーによってはそもそも鳴らし切ることが不可能に限りなく近いものも現実に売られているので、これを早めに見極めないと無駄な投資が際限なく発生しますので注意が必要です。
 
今回こういった記事を書いたのは、おそらくイヤホンやヘッドホンを中心に楽しまれている方が多いことがあるのと、昨今の現状でデジタルしか聞いたことがないのではあまりにももったいないと思うからです。
 
確かにポータブルに持ち運ぶなどとは行きませんが、オーディオの世界では軽薄短小と音は両立しない場合が多く、デカくて重いアナログ機器しか奏でられない音もある事は知っておいて欲しいものです。
なので時代遅れと馬鹿にするようなことは言っている人があれば、本当に笑われるのはどちらなのかはよく考えるべきでしょう。
 

余談1

あるとき、僕は新発売になったミドルクラスのスピーカーの視聴にオーディオショップを訪れて音を聞かせていただきました。
ところがこのスピーカー、価格はミドルクラスで小口径ウーファー2発搭載なのですが、どうにもこうにも音離れが悪く、いわゆる鳴らないスピーカーでした。
買い換えすら検討していたのですが、これではパワーアンプに強大な駆動力を持ったものを投入することが前提となります。
当時はまだアナログのセパレートタイプのパワーアンプでしたがステレオだったのでそちらの買い換えも視野に入れると頭が痛くなったものです。
 
いわゆる一流のドライバーを積んでいましたが、あまりにも音離れが悪いのでしばしスピーカーの前で佇み考えていると、近くに居たお客のベテランの老人が話しかけてきました。
 
「どうしたの?」
「いや、あのこれずいぶん音離れが悪いなぁと思って考えていたんですよ。うちのパワーアンプでは鳴らないなと思って」
「あー、そういうことね。これ鳴らないよ。ほら、ここ、ウーファーのエッジがフラットだよね」
「確かに、フラットです。エッジがほぼないですね」
「そうそう、こういうのは強烈なパワー入れないとそもそもウーファー動かないよ。これ気に入ったのならパワーアンプにも相当にお金掛かるね。こういうところも見た方がいいよ」
 
そう言って老人は帰って行きましたが、さすがに経験のある方は違うなと、思ったものです。
音を聞かなくても分かってしまうのはさすがでした。
といっても100万のソリッドステートアンプではおそらくこういうのは鳴らないので、モノラル仕様で200万コースとなります。
 
下手するとそれでも鳴らないので困った物です。
 
ピュアとは業が深いものなのです。
 

【コラム】 一定水準以上の音とは何か。オーディオの音色のお話し。

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僕はレベルの高い音に関して「一定水準以上の音」という言葉を使って表現していますが、実際にこれを言葉で表現することはとても難しい事だと思っています。

 

少し強引ですが絵に例えると「ゴッホ」や「セザンヌ」や「モネ」などの超一流の画家が書いた絵のレベルに近いかもしれません。

絵のタッチなどにそれぞれ好みはありますが、全員が「一定水準以上のレベル」にあることを疑う人は居ないと思います。

 

僕が知る限りではこういう極めてハイレベルな一流の音はデジタルアンプからは永久に出てこないですし、一部のアナログアンプのみが出すことができます。

 

たぶん皆さんは思うでしょう。

 

音の7-8割はスピーカーで決まってしまうと。

アンプの影響力や支配力はもっとずっと低いはずだと。

 

確かにそれはそうです。

 

まずお金をかけるのなら音の出口であるスピーカーなりヘッドホンなりに投資の割合を増やすのは「良い音」にたどり着くためには必須ではありますが、それ以上の水準の音を出すためには「その音が出せるアンプ」が絶対に必要です。

 

例を挙げましょう。

 

一流の音のするスピーカーを購入したとします。

これにデジタルアンプは論外なのですが、並のアナログアンプを組み合わせて音を鳴らしたとしても、この時点では「平均以上の音」は一流のスピーカーのおかげで簡単に出ては来るのです。

駆動力が低音を制動できるレベルのアンプを使っているのであれば、普通の人はその投資に見合うだけの価値のある音は出せるのです。

(本当は駆動力も大変やっかいなのですが、ココでは話しを単純化します)

 

ところがこれだけでは「一定水準以上の音」が出てきません。

 

何がかけているのかというと「音色/ねいろ」が出せないのです。

 

もう少し具体的に話しましょう。

 

一部のスピーカーはボーカルに「妖艶な艶がのる」という話しは聞いたことのある方も居るでしょう。

ごくわずかな一部のスピーカーのみそれ単独でボーカルにとても美しい色をのせることができます。

僕はこれを「音色を出せる」と表現していますが、この音色が出ている音を「一定水準以上の音」と呼んでいます。

 

言うのは簡単ですが、これが現実には至難の事でそういうスピーカーは存在しているのですが意図的に分かって探さない限りは出会えるものではありません。

  

また、スピーカー単独で視聴したときにその色がなくても、そのスピーカーが一定の水準以上にあると、その色を出せるアンプと組み合わせると全域にわたって「音色」がでてきます。

 

おわかりでしょうか。

 

この為、一定水準以上の音にたどり着くためにはどうしてもその音色を音にのせることのできるスピーカーとアンプが必要なのです。

  

この音色に関しては「聞くのが1番速い」と思うのですが、簡単に聞くことが出来ないので試聴に歩くしかないかも知れません。

 

この音はそれを目指して作られた「選ばれた機器」からしか出てこないので、アンプとスピーカーの両方を組み合わせる必要があります。

 

というのも自宅でテストしてみた限りでは、音色の出せるアンプを使ったにもかかわらず、ブックシェルフの入門機ではその音は出てきませんでした。

 

 

最後に経験上のお話しですが、この音にたどり着くためにはとにかくアンプを探し出すことです。

その音色の出せるアンプを基準にスピーカーを選んでいった方が遠回りせずにすみます。

 

全体的に少し分かりにくいかもしれませんが、一流の機器は音色を出すことができるということを知っておくと良いでしょう。

 

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp

 

【次回予告】 KZ ZS5 とちょっとした近況など。

 

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次回予告などしたことはないのですが、フォロワーさんから発売前に聞いていたKZ期待の大型新人に遂に飛び込みます。

 

KZ ZS5

 

です。

 

例によって他人のレビューはほとんど見ないので独断と偏見です。

 

ただ、どうなんでしょう。

 

twitterなどで否応なしに目に飛び込んでくる評価だとイマイチかんばしくないのですが・・・

 

うーむ。

KZなので「当たり外れ」があっても別段おかしくはないのですが、ED10なども賛否両論でしたが、聞いてみればどうにもならない音がしてしまった、と云うわけでKZの賛否両論は結構怖いかもしれません・・・

 

個人的な意見だと、1DDでいけるのなら1ドライバーでイヤホンは行くべきではないかという思いもあります。

イヤホンはスピーカーでは出すことの難しい「低音」を比較的簡単に出せるのがよいところの1つなので、かつて滅びてしまったスピーカーの「フルレンジ一発派」の理論が十分に通用する世界でもあると思うのです。

 

とはいっても期待はせずにはいられませんが。

 

KZなので品質に問題はあってもそろそろ落ち着いたのではないか、という思いでそろそろ飛び込んでも良い頃ではと思い発注が完了しましたので、珍しくご報告する次第です。

 

たぶん1-2週間ちょっとでレビューできるのではないかと思います。

ZS5の発売をお知らせ下さったフォロワーの方、お待たせしました。

もうしばらくお待ち下さいませ。

 

 

なお、これだけではサザエさんの次回のお知らせみたいになってしまうので、珍しく「個人的な事」を書かせていただきます。

 

僕はメインブログの方でもほとんどキャラを出さないのですが、5月から月の終わりに「近況報告」みたいな記事を書かせていただくようにしています。

主に趣味のことや購入したものの経過報告をさせて頂くようにしています。

 

ざっくりとこちらのイヤホンなどの事も少し書かせていただいています。

ただ、たいした事は書いていないので別にわざわざ見に来ていただく必要はありません。

 

ちょっとこちらのブログは月の更新をほとんどしないにもかかわらず少しずつPVが増えているのでありがたい限りですが、なんとリピーターが50パーセント近いので例えば1日100人訪れてもそのうち50人くらいは毎日毎日なぜかリピーターです。

 

そんなに来ていただいてありがたいのですが、とにかく更新が少ないので・・申し訳ない気持ちで一杯です。

2月のグーグルアルゴリズム変更以降もまったくPVが減ることはなかったので、感謝しかありませんです。

 

よく分かりませんがイヤホンの専門サイトだとどこもそんな感じなのでしょうか?

ちなみにユーザーは10代から30後半くらいまでの方で占められています。

 

さて、ココからは単なる余談です。

 

僕は自分の使用しているメイン機器は一切晒しません。

 

例えばメインシステムのアンプやスピーカ、ヘッドホンのメインアンプ等です。

これはどうしてかというと、オーディオマニアの中には「機器の価格」でしか議論出来ないタイプの人がいらっしゃるわけです。

 

例えばポタアンなら「30万のポタアンを買って出直してこい」みたいな方です。

そこにSNSで写真さらしが始まると、自尊心の泥沼に陥る事がありますので、個人で買える範囲でじっくりと楽しむ事が肝要かと思っています。

 

ピュアの中にもこういった種類の方は多く、機器をさらすと議論にならないケースが今まで多々あったのでうんざりしてほぼシステムは晒さないようにしています。

 

そういう訳で今後もメインやサブの機器を晒す予定はありません。

 

といってもメインブログの方にはサブのアンプだけは記事を書いていますが・・・これは例外です。

 

読者の方でいつの日かイヤホンからヘッドホンへ、そこからブックシェルフのスピーカーあたりまで駆け上がっていただける方が出てくれれば望外の喜びです。

 

それでは。

 

追記

ZS5レビューしました。

 

  

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp

 

 

 

 

【コラム】オーディオの音はどこまで明瞭であれば良いのか?

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音の明瞭性、つまりクッキリハッキリとクリアに聞こえる性能はどこまで必要なのかと言うと、標準的であればそれでよいのです。
今回はその部分について書いておきます。
 
イヤホンをとっかえひっかえして聞き込む方がよく陥りがちなのですが、ABふたつのイヤホンの音を聞き込んだと想定します。
 
Aイヤホン 音がかなり明瞭でクリア
Bイヤホン 明瞭性やクリア感はごく普通
 
というタイプのイヤホンを想像して下さい。
 
両方のイヤホンをとっかえひっかえしながら聞き込むとBのイヤホンの音は鈍ってボケて聞こえるはずです。
普通の方はこの時点でBイヤホンは「ダメ」と烙印を押してしまうかもしれません。
 
ところがBはあくまで平均的な性能で、何ら問題は無いのです。
 
この判断をどうするかという事ですが、実に簡単です。
 
Bイヤホンを半日ほどして耳と脳をリセットした状態で再度30分ほど聞き込んでみて下さい。
それで特に問題が無いのならBイヤホンの明瞭性は「合格点」にあるのです。
 
問題なのはこのリセットした時点で「ボケて聞こえる」という状態です。
 
この場合、そのイヤホンの明瞭性は平均以下なのでゴミ箱行きとなります。
 
これを例えて言うのならデジタル写真をアプリで調整したときに「明瞭度」や「シャープネス」といったパラメータをいじった時に似ています。
風景写真でも明瞭度を最大の方向にスライドさせる等という事は普通はしません。
ましてや人物が写っていたらむしろ「適度に美しくぼかす」と思います。
 
音もこれと似ているところが有り、音の明瞭度はそこそこ平均付近にあれば十分なのです。
 
なのでイヤホンをとっかえひっかえしてテストするときにあまりにも音がクッキリハッキリとした「明瞭度の高いもの」と比較検討してしまうと「あくまで普通のイヤホン」がむしろ劣って聞こえてしまうのです。
 
ですがこれで音の明瞭度を判断するのは誤りだと僕は思います。
 
そもそも脳は絶えず音を補正します。
それが正常なので、リセットして脳の補正の範囲内にある音ならば特に問題にすることはないのです。
 
今までの経験からいっても「音の明瞭度が高すぎるイヤホン」は音的にはイマイチの物が多く、比較するとよく聞こえて素晴らしいのですが、単体で聞いていると味気なく長期の視聴に耐えられない製品が多いのです。
 
と云う訳なので、音の明瞭度が平均以下のモノは論外としてもそれを判断するために必ず耳と脳をリセットした状態で聞き込んで最終的な明瞭度の判断をする必要があります。
 
特に多数のイヤホンをお持ちで、常に比較試聴する方は強く留意する必要があります。
 
 

【レビュー】 KZ ZST 1DD/1BAハイブリッドドライバー搭載

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【重大な追記】

現在、既に市場にあるZSTは新型に移行しています。
 
ZSTカラフルとかPROと呼称されているものです。
 
音質が劇的に変化していますので、今からの購入ならZSTカラフル/PROの方のレビューを参考にして下さい。
 
 
総合評価〇
 
KZのZSTです。
ここ最近のKZのモデルの中では比較的に世間での評価は高いようなので、これはぜひ聞いてみなければと思い、購入した次第です。
 
まずデザイン性が高いのは良いのですが、ハウジングが最近の多ドライバー搭載機のような大きさがありますので、耳の小さい方などでは左右でフィットさせづらいかしれません。
 
シュア掛け専用なので装着は面倒です。
左右も分かりづらいところがあります。 
 

【KZ ZST スペック】

■モデルナンバー KZ ZST
■ドライバー 1DD/8mm/1BA
■感度120db
■インピーダンス18Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 
2pinタイプのコードでリケーブル可能となっていますがMMCX対応ではありません。
コード如きで音質の変化はあり得ませんが、日常使用時の断線に対する対応力の向上などを考えればメリットはあります。

【KZ ZST 音質】

さすがに話題になり、オススメする人も居るだけあって音質は全体的に見ればそれほど悪い物では無いといえます。
なので一聴して「気に入る方」が居ても確かにおかしくはありません。
KZイヤホンの中でもボーカルの出来映えや中高音域のエッジの立ち方はかなり優秀です。
 
ただし、音質的に気になる部分もあって、箇条書きにすると以下の点となります。
■低音が少し強めにでる
■重低音がブーミー
■音質が全体的に汚れている
 
この欠点の中で最も問題なのが低音から高音まで音が汚れている、という点になります。
これはsenfer UE等を聞いたときにも思ったのですが、同じように全体的に音にテクスチャーを貼り付けたかのような雑味が感じられます。
おそらくこれはハウジングの強度不足か設計ミスのどちらかでしょう。
この為、一言でいうと音のクリア感が足りないといえます。
 
最初に述べましたが良い部分はかなり良いので、KZイヤホンを含めて中高音域のエッジの描き方やボーカルの出来はトップクラスと言っても良いのですが、個人的には雑味の多さは評価を下げざるを得ません。
 
重低音部分を除いた全域でのエッジの描き方は相当に優秀ですが、音質の濁りが酷く解像感や分離は劣ります。
 

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【KZ ZST まとめ】

世間の評価の高さはある程度理解できるイヤホンです。
 
低音も強烈な強さを持っているというわけでは無く、かなり強めとはいえ屋外使用などでは強めの方が楽しめますので、単独で聞いて居るのなら納得してしまう程度のレベルです。
帯域バランスという点では「正解」ではありませんが、DZAT DR20あたりのレベルと同じくらいなので確かに強めとはいえ悪くはありません。
ただ、重低音の表現がかなり緩いので低音の下の帯域は問題があります。
 
更に問題なのが音質全体に渡って感じる「汚れ」とか「雑味」という点となります。
ドライバーそのものも多少のウォーム傾向を帯びているのだと思いますが、それだけとは言い切れない音質の濁りがあるので、この点はかなり惜しい点です。
 
ただしこれがもっとクリアだったとしてもKZイヤホンの中でトップを貼れるとは言いがたいのですが、KZのトップグループに位置することは疑いないのでは無いでしょうか。
そういう意味では「大ハズレ」等という事は決してなく、それぞれの欠点を考慮しても間違いなく平均点以上はあるイヤホンです。
 

【レビュー】サウンドピーツ B20

 

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総合評価△

花梨木製(カリン)の木製ハウジングを持つサウンドピーツのB20です。

この唐木細工によく使われる花梨が単なるテクスチャなのか削り出しなのかが判別できませんが、花梨特有の黄色みを帯びた色彩が美しいイヤホンです。

 

前回紹介したB10の方がかなりの出来映えで、特にタイトながらも低音の表現能力の高さは素晴らしいものがありました。

そのサウンドピーツのセレクト品で有り、B10の後継型番のようなB20という名前のついたイヤホンです。

 

【サウンドピーツ B20スペック】

■ドライバー 1DD/9.8㎜

■インピーダンス 16Ω

■感度 82db

■周波数帯: 20-20000hz

■コード長1.2メートル

■プラグ:3.5mmミニプラグ

 

こちらのB20は「左右」がわかりにくいという装着における問題があります。 

 

サウンドピーツ B20音質】

 基本のドライバー音質はウォーム傾向ですが、解像度はそれなりに聞こえます。

低音はわずかに強めではあっても低音の輪郭はよく描き、弾むようです。

ただし階調表現能力が低いようで、低音域全体として聞くと不満が大きくなります。

特に低域の下の方は表現するのが苦手なようです。

 

全体的な解像度が低いように聞こえるのも問題なのですが、こちらのイヤホンの最大の問題は「中高音域」のエッジの立ち方です。

 

ボーカルはかなり前に出るタイプでその帯域は聞きやすさがあるのですが、質感も弱く、中高音域全体のエッジの不必要な尖りに引きずられてボーカルを含む帯域から上がかなり痛い音を出してきます。

 

分離やクリア感などはそれなりに感じられるので、帯域バランスを含めてそんなに素性の悪いイヤホンではありませんが、欠点が利点を上回るという感じでは無いかと思います。

 

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サウンドピーツ B20まとめ】

 残念ながら優秀なB10と比較するほどのイヤホンではありません。

音質全体は若干ウォームに傾き、ボーカルは前に出て明るく鳴りますが質感が低く、全体的に音が痛く荒れています。

 

うっすらとベールを被ったような音質ですが、明瞭さというかクリア感はそれほど劣ったものに感じないのは不思議なところです。

 

決定的なダメイヤホンというわけではありませんが、中高音域のエッジの描き方の問題と低音の下の帯域の描き方に不満があるので△評価としておきます。 

 

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