【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【コラム】 DAPの買い方・選び方のまとめ

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このあたりでDAPの買い方の目安について思うところを書いておきます。
 
もちろん市販のDAPについては「中華」が市場に進出してからは選択肢が無数に選べるようになり、その多くを聞くことは適わないわけですが、ある程度の目安として参考にしていただければと思うところです。
 

【一万円以下のDAPについて】

 
5000円未満の製品についてはまだかなり粗悪なDAPが多いので、購入する場合はかなりの確率で「博打」になります。
音が極端に歪んでいたり、低音の量が少なかったりというゴミに近い製品がほとんどを占めるのがこの価格帯となります。
 
むしろ「当たり」に出会える方が希でもあるので、極端な冒険は控えた方が身のためです。
 
この価格帯ではいまのところ
 
Agptek M20/M20s 
Agptek C05B 主にスポーツ用
 
のどちらかを購入すれば音質に関しては高い満足感が得られると思います。
 
またほとんどの方がスマホをお持ちだと思いますが、「音質」でいえばiPhone6以降の方は両DAP共にiPhone以下の音質ですので買い増しする場合は用途などを良く見極めてください。
バッテリーが持たないので安くサブDAPが欲しい方やiPhone7でイヤホンジャックがなくなってしまったので迷惑している方などが対象になると思います。
 
アンドロイドの方は高音質に定評のあるスマホでM20と同等程度だと思います。
もちろん星の数ほどアンドロイドスマホがあるので一概には言えませんが、一般的に言って普通のアンドロイドスマホはiPhone以下の音質の筈なのでM20クラスのDAPを購入して聞き比べて音質の判断をするのもありかと思います。
 
5000円以上から一万クラスのDAPでは「粗悪品」はかなり少なくなってきます。
いきなり「ハズレ」という場合はほとんどありませんがM20クラスの音を大きく超えるかというとちょっと難しい場面も多くなってきますので、M20からグレードアップする場合でも積極的に推薦できる価格帯ではありません。
 

【1万円以上5万円未満のDAPについて】

 
この価格帯は中華などがドンドン進出してきているのですが、正直、iPhoneの音質に勝てるのかというと疑問符がつくことも事実です。
特にこの価格帯にはiPod touchが君臨しているので更に音質で超えるのが難しい価格帯となります。
 
アップル最高峰の音質を持っているのがiPod touchなので部品コストなどのスケールメリットを考えればアップル製品に単体のDAPで勝つのは相当に困難が伴うのはわかると思います。
 
同じ価格帯ならアップル製品は部品にかけられる手間とコストが桁違いなので音質優先ならまずiPodtouchを考慮しましょう。
 
ただ、僕などもそうなのですが「単体の専用DAP」はそれだけで気分的に「いい音がするような気がする」ものなのです。
いろいろと機能的におもしろい製品がひしめいているのも事実なのですが、最後のライバルはiPodtouchというのは忘れないようにしましょう。
 
少なくともこの価格帯で音質で有利に立つにはiPodがひとつの目安であり、超える必要がある事は確かなことです。
 

【5万円以上のDAPについて】

 
この価格帯から初めて専用DAPがiPhoneやiPodを超えられる音質を実現できてきます。
 
特に注目すべきは低音の性能、いわゆる駆動力と背景のクリアさが着目点となります。
 
電源部は単純に物量投入が効いてくる場面でもあるのでここにキチンと必要な性能が確保されているかはチェックのしどころとなるでしょう。
 
ただしこれはイヤホンの場合であってヘッドホンを視野に入れる場合は薄型のポータブルアンプでは駆動力の確保はかなり厳しいのでどちらにしろキチンと駆動させるのなら据え置きタイプのアンプが必要となりますので、それはまた別途で考えた方がいいかと思います。
 
またこれはあちこちで書いていますがDAPはデジタル機器なのでアナログのように単純に高級な部品を使えば音が良くなるというものではありませんので、五万以上の機器に関しては価格の差に比例して音の差になるとは言い難い部分が出てきますので、全体的に音質をキチンとチェックすることも大事です。
 
これを見極めていかないと内部の部品というよりもむしろ外装などの見かけにコストをかけたインチキくさい機器を手に入れてしまうということもないとは言い切れません。
 
オーディオでは胡散臭いメーカーはまずもってガワのデザインや筐体などにコストを投入してそれっぽく仕上げて高値で売りつけるということを昔からよく行います。
 
高価なDAPは利益率が高いので雑誌やオーディオ評論家とタイアップして宣伝広告費を払っても十分に元が取れます。
彼らさえ動かせれば後はオーディオブロガーが勝手にポエムを広めてくれるので問題なしというわけです。
 
というわけですので五万以上のDAPに関しては試聴でのチェックでどこにどのような差が有るのかを含めて見極める必要があります。
 

【レビュー】 AGPTEK C05  スポーツ用超軽量中華格安DAP 

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総合評価〇

AgptekのBluetooth接続対応となる格安DAPのC05Bです。

非常に軽量で、重さは実測値で25グラム、プラスチック製の筐体をもつ中華DAPとなります。

 

最初に述べておきますが、こちらは「音がかなり良い」ということは断言しておきます。

 スポーツ用の軽量低価格DAPの購入候補としてはまず第一に検討するべき優秀なDAPです。

 

【AGPTEK C05B 機能について】

 中華DAPについている一般的な機能はすべて網羅されています。

特筆すべきはFMラジオ機能で、日本国内周波数完全対応となります。

 

しかもこのFMラジオがかなり優秀でチューナーの性能はかなり高いと言ってしまって良いと思います。

中華DAPに付属しているFMラジオ機能はたいていの場合、おまけのような使い物にならない場合が多いのですが、例外的にC05Bのラジオ性能は極めて高性能です。

【AGPTEK C05B 注意点】

まず操作性がかなり悪く、慣れるまで結構イラッときます。

中華によくある上下スクロールが左右キーに割り振られている例のアレな操作感を持っています。

 

また、こちらはBluetooth2.1対応なのですが、なぜか手持ちの二種のBluetoothヘッドセットに接続できませんでした。

この価格でBluetooth機能付きというのも凄いのですが、こちらの機能に関しては「つながればラッキー」くらいの軽い気持ちであまり大きな期待をしない方がよろしいかと思われます。

おそらく接続に関してなんらかの「相性」問題があるのだと思われます。

 

完全に試せてはいませんがアマゾンレビューではバッテリー持ちが悪く4時間程度しか持たないということが報告されています。

これが個体差なのか、それともC05Bの実力なのかは分かりませんが、価格から言ってあまり良いバッテリーを搭載しているようには思えませんので、あくまで短時間使用を前提とした機種だという理解でいた方が良いかもしれません。

 

【AGPTEK C05B 音質】

かなり驚いたことにこちらのC05Bは音質がかなり良いです。

 

少なくとも格安系のDAPの音としてはM20とほぼ同等で、価格なりの背景のうるささと駆動力不足から来る低音の輪郭の緩さはありますが、かなりレベルの高い音を出してきます。

 

特性的な「歪み」やエッジの異常な尖りなども感じられませんので、音質に関してはまずもって優秀です。

このあたりはM20のレビューを参考にして頂ければ背景雑音のうるささ以外はほぼ「同じ音」なので参考になるかと思います。

 

 【AGPTEK C05B まとめ】

スポーツ用で超軽量DAPを探している方は、こちらのC05Bは「買い」を推奨しておきます。

おそらくこちらを「音質」で超えるスポーツに最適な格安軽量DAPはそうそうないのではないかと思われます。

 

プラスチック製の筐体はA02のような質感で、外観だけをとればライバルはベストセラー機のひとつであるAgptekのA02と比較すべきDAPのような感じがしますが、A02は低音に大きな問題を抱えているので購入はまったくオススメできません。

 

それに対してこちらのC05Bは5000円以下の格安中華DAPとしてはM20と音質はほぼ同等です。

背景ノイズの感覚、中高音域と低音の出方などほぼM20と同じレベルを達成している驚くべき中華DAPです。

 

こちらのC05Bの問題は「音質」ではなく、バッテリー持ちの悪さやBluetooth機能の接続性の悪さなど「音質以外の部分」が目立つのであって、 操作性も一昔前の中華DAPそのものの出来映えでかなりイラッとくる素性の悪さを持っています。

 

そういったところで評価を下げてしまうので、同価格帯であればM20をオススメすることに変わりはありませんが、M20はスポーツ用途でちょっと使うという事であれば金属製の筐体が重すぎてランニングなどのお供としては不満がありました。

 

かといってスポーツ用として作られたDAPはあまりにも音が悪く、Agpetek A02なども売れまくってはいてもその音は「欠陥品」に近く、特に低音の量の少なさなどは致命的でした。

例えば僕は運動時のシビアな用途としてはトランセンドの防滴・耐衝撃構造のMP350をスポーツ用として使用していますが、こちらは中高音域が少し歪むのでその点が問題でしたが、全体的に音の悪い軽量なスポーツ用DAPとしては格安ではありながらもかなりまともな音で評価しています。

 

ところがこちらのC05Bは格安軽量でありながも「音質」は本当に素晴らしい出来映えです。

 

スポーツ用DAPの音としては格安機の中では「ほぼ最高峰の音」が出ていると考えて頂いて差し支えありません。

少なくとも同じAgptekのA02など足下にも及ばないほどこちらのC05Bの音質は優秀です。

 

  

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【コラム】オーディオ用語の解説 オーディオポエムとならないために

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ここら辺で僕の使うオーディオ用語を少し解説しておきます。
 
マンションポエムという言葉がありますが、あちらの業界は「マンション」という実態のある現物を売っていますので言葉だけの問題として笑って看過できますが、オーディオポエム業界は「実害」があるので笑って済ませられません。
 
オーディオポエムとは例えばこんな感じのレビューです。
 
「Aイヤホンと比較すると解像度は更に向上しながらもナチュラルな音場の広さから見通しに優れ、音の濃さを保ったまま絶妙にコントロールされたサウンドバランスを達成したのがこちらのBイヤホンです。
更に高域に透明感と伸びが有り、ドライバー周りのチューニングが光ります。
おそらく前作のAイヤホンと比較して感性によるセッティングがなされた好例でしょう。
音場は広大で耳の左右から更に広がる感じが有り、高域・中域・低域としっかりとメリハリを感じながらも高い描写能力があります。
付属ケーブルの情報量向上により一皮むけて「深化」したサウンドに驚きを禁じ得ません。
全体として非常に密度の濃いサウンドで「さすが」だと感じさせます」
 
何を言っているか分かる人は居るのでしょうか?
 
僕などはあまり頭が良くないので、こういった日本語を駆使してそのイヤホンの何を伝えようとしているのかすら分からないのですが・・・こういった「言語明瞭意味不明」なブログレビューを僕はオーディオポエムと呼んでいます。
 
これは「製品レビュー」ではなく、単なる「ポエム」です。
 
僕はポエムとは「恋に恋する年頃の少女」が書くものだとばかり思っていましたが、オーディオ業界では「いい年こいたおっさん」がポエムを書くようです。 
 
こういった方々には逐一「言葉の定義」を質問してみたい気もしますが・・・それはあくまで人のことなので僕自身の言葉からまずは解説していこうと思います。
 

■音場感

イヤホンにおいての左右の音の広がり方。
何度も書いていますがイヤホンに「音場」などありません。強いて言えば「音の広がりが強めにでるイヤホン」があるのでそのことについてです。
スピーカーなどではとても重要な項目なのですがイヤホンでは特に気にする必要はありません。
そもそもイヤホンやヘッドホンでは耳の周りにしか音場は展開しないので、前方定位ですら「脳内の補正による錯覚」です。
 
なのでレビューを見ていても音場などと臆面もなく表現する方の場合、脳内の勝手な補正についての思い込みの意見なので参考にする必要はないと思います。
 
僕の紹介したイヤホンですとDZAT DR20は独特な「音場感」は感じます。
それだけです。
 

■粒立ち

この言葉はあまり使いたくないのですが、高域がハイ上がり気味の音のことです。
そもそも日本人はハイ上がりを好みますが、これは高域が上げ調整のイヤホンですと「音が派手だったりキラキラとする」為です。
 
ですので僕が「粒立ち」という言葉を使った場合、音が派手目に感じていると云うことを伝えようとしています。
 
疑問に思う方はフラット気味の機器で高域を上げ調整してみてください。
「粒立ち」がよくなると思います。
多くの人にとってこちらの音の方が聞いていて「楽しい」筈だと思います。
 

■明瞭度

音がクッキリハッキリしている場合です。
これはあまり高いとろくな結果をもたらさない場合が多い項目です。
平均以上であれば十分です。
解像度とは区別していますので注意して下さい。
 

■クリア感

アンプとイヤホンでは意味が違います。
アンプでの場合、背景が静かな場合に使います。
スピーカーでの場合はアンプがあまりにもクリアだと音が悪くなる場合もあるのですが、イヤホンやヘッドホンだとノイズかあると気になって聞いていられないので、クリア感は重要です。
 
イヤホンに関しては、、音に雑味がないケースで表現します。
明瞭度との違いは、あくまで「音質全体の透明度の高さ」だと理解して頂ければ良いです。
 
ところどころで僕自身も明瞭度とクリア感を一緒につかってしまっている場合がないとはいえませんが、今後は気をつけます。
 

■バーンイン

エージングなどという「トンデモ理論」と区別するために使います。

主に買ったばかりのイヤホンを30分から2時間程度音出しすることを指します。

ユニットやハウジングを慣らし運転で落ち着かせるためです。

 

■エッジ

音の輪郭です。
非常に重要な項目で、アンプ側とイヤホン側の相乗効果で最終的なエッジが決まります。
ただし、エッジが尖りすぎて良いことはひとつもありません。
いわゆる「音の痛さ」に関係してきますので要注意です。
 
低音側は痛さは出てきませんが輪郭が緩く低音がボケます。
重低音に関してはエッジは関係ありません。
 
アンプ側では代表的なスマホであるiPhone6/6s/7/8/xあたりはかなりエッジが立っています。
これはアップルの伝統的な音作りだと思います。
基本的にデジタル系の機器はいい加減に作るほど「エッジは立って」くる傾向があるのでこちらも要注意です。
 
ちなみにDP-X1のエッジはiphoneよりも少し優しいです。
 
と云う訳なのでより高級なDAPを購入するときには「低音の出方」と「クリア感」と「エッジの描き方」の3つはよくよくチェックしないとなりません。
 
DAPの場合、あくまでデジタルなので高級であればあるほど音が良くなる訳ではありません。
DAPとして最低ラインと捉えている価格3万以上の機器の場合は、上記の3つの点はキチンとひとつひとつ判断していった方が良いでしょう。
 
基本的にアンプ側のエッジの描き方は「マイルド気味」の方が好結果を生む場合が多いとは感じているのが今のところの僕の見解です。
というよりもそちらの方がイヤホンなどと音を合わせやすくなります。
 
■解像度

単にどれだけ「細かい音」が聞こえるかという事です。微少音の再現がどれだけ優れているか?という事だと思って下さい。

僕の考えではイヤホンの方はそれほど気にする必要はないかと。というのも、元々イヤホンの解像度に関してはコンデンサーヘッドホン並の実力があり、BAの良く出来たドライバーならコンデンサーを超えて、今のところ解像度に関しては最強です。

解像度が高ければ「いい音」が鳴るわけでは無く、むしろ聞きづらくなると云う弊害もあり、音が荒れる原因にも繋がります。

デジタルアンプは音の解像度と鮮度がとても高いのですが、「いい音」とはちょっと違いますので、適度に解像度が下がっていた方が聞きやすかったりします。

ちなみにイヤホン→ヘッドホン→スピーカーの順で解像度が下がります。そして、この逆の順番、つまりスピーカー→ヘッドホン→イヤホンの順で表現力が下がります。

 

 

【最後に】

 
今後必要な言葉があれば気がついた段階で足していく予定です。
その都度アップデートします。
 

【コラム】 某掲示板で荒れまくった話し

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今から10年とか15年以上前になりますが、僕がまだ価格コムだの某掲示板になど時々書いていた頃のお話しです。

 

いまではどちらも目を通すことすらなくなりましたが、思い出してみれば微妙な話題を出すと荒れまくったものです。

 

今でもどうしてあれほど「荒れまくった」のか訳が分かりませんが、とにかく荒れました。特定の話題ではもう議論にすらならず、単なる罵詈雑言になる事がよくありました。

 

その話題のひとつが「駆動力」です。

 

いまでは駆動力という単語を持ち出してもあれほど荒れることはなくなったと思いますが、少しは「理解」が進んだのかもしれません。

 

特に意見を見ていると当時「プリメインアンプ」を使われている方からの「駆動力」という単語への拒否反応は凄まじく、鳴らないものは鳴らないのにそれをかたくなに認めないことがあったものです。

 

元々プリメインアンプというのはそのコストのほとんどがパワーアンプ部分にかけられているのですが、構造上の無理があり能率の高めなブックシェルフくらいまでしかキチンと鳴らせないもので、ちょっと大型のトールボーイタイプのスピーカを鳴らすとすぐに制動を失ってしまいます。

 

あるいはピュアのプリメインを持ち出さなくても、幾らか盛り上がったAVアンプなどもパワーアンプにまったく力がなく、とてもではないですが5.1ch入門クラスのトールボーイですらキチンと鳴らすには駆動力不足で悩まされたものです。

 

これは特に業界のトップを走っていたヤマハのAVアンプで顕著でした。

 

これがあるのでヤマハのフラグシップであったZ9あたりに組み合わせるには入門クラスのトールボーイスピーカーに振動板が軽いものをわざわざ選んで組み合わせていたりしたものです。

 

そうでもしなければ当時のフラグシップ機ですらAVアンプの駆動力は決定的に不足していました。

 

一度、自宅でこんな実験をしたことがあります。

 

サンスイのプリメインアンプ907XRにいわゆる大型スピーカを組み合わせてみたのですが、出てきた音は蚊の鳴くような酷い音で、さすがにここまで極端なことをすると誰が聞いても既に「音すら鳴らない」状態なので、すぐに分かるのですが、これを駆動力不足と指摘すると、当時はこんな簡単なことでも「荒れに荒れた話題」となったものでした。

 

さて、それではいまはどんな話題が荒れるのかと考えてみると、たぶん「DAP」などの音が「荒れている」と云えば効果覿面に拒否反応を示す人が現れ、場が荒れまくるでしょう。

 

これはある意味し致し方ない部分だと諦めています。

 

なぜなら、こんな簡単なことも分からないというのはセパレートのプリアンプの音を聞いたことがないからです。

 

これに関して一度こんなことがありました。

 

その方はピュアの方にこれから進んでいきたいと強く願っていた方でしたが、当時はプリメインアンプで楽しんでいました。

そこで質問を受けたのですが、それは「セパレートのアンプ」を用意したらどれくらい音が変わるかということでしたので僕は答えました。

 

「プリメインアンプは、プリ部のレベルが低くてお話にならないので、入門用でもセパレートを用意したら驚愕するほど音が滑らかになりますよ」と。

 

結局、この方はこのあとにセパレートのプリアンプとパワーアンプを用意するのですが、頂いたメールにはこう書かれていました。

 

「これほど滑らかな音は聞いたことがない」と。

 

これは誰が聞いてもわかります。

 

こういう音を聞くとDAPの音がどれほど「荒れているか」というのは一目瞭然なのですが・・・それを知るためには何もわざわざセパレートを買う必要はありません。

 

オーディオショップに音を聞かせてもらいに行けば良いのです。

たったそれだけのことなのです。

 

それすらせずに「事実を認めない」というのは・・・

 

【レビュー】 GGMM C300 チタン振動板

 

 

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総合評価〇

GGMMのエントリーモデルであるC300です。

特徴として「チタン振動板」採用ということが挙げられます。

 

通常この手の超高剛性素材は「高域」に効いてくるものですが、その分フルレンジで使用すると低域が甘くなる事が多くなります。

しかし、ベリリウム素材の記事でも述べましたが、そもそも中華イヤホンのイヤホン程度のドライバーでは「音だけで判断すると素材の良さが高域に活きてこない」と感じるので、そのあたりも踏まえて音質チェックしていきたいと思います。

 

 【GGMM C300スペック】

■モデルナンバー GGMM C300
■ドライバー 1DD/8.7mm
■感度100db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 

【GGMM C300音質】

基本となるドライバーの基調となるキャラクターはニュートラルで、音は明るめに出てきます。高域側のエッジはわずかに立ち気味ですが、音に華やかさが有り、きらびやかなイメージの音です。

 

ボーカル域もクリア感があり、質感は雑味がなく、かなりレベルは高い表現力をもっていますが、サ行がわずかに引きずります。

それでも引っ込まずに明るく華やかなボーカルが聞けるので、これはこれでとてもレベルが高いといえます。

そこらにある凡百のレベルのイヤホンは確実に上回っているので、中高音域は明らかに平均を上回る高いレベルを達成しているといえるでしょう。

 

やはり問題なのは低域で、こちらはかなりブーストされています。

 

しかも特に重低音域が不明瞭で、この低域の下の方の緩さはちょっと看過できません。

低域全体としては、帯域バランスがかなり下寄りになっているとはいえ低域の表現力はそれなりに高いので重低音域がブーミーにあふれ出てきて台無しにしてしまうのが唯一にして最大の欠点だといえます。

 

【GGMM C300まとめ】

 GGMMの中ではかなり良い部類に入るイヤホンです。

これまで聞いた同社のイヤホンの中ではトップだといってしまって良いでしょう。

 

特に中高音域の出来映えは良く、高域側にチタン振動の良さはまったく感じられませんが、それでもこの派手ともいえる華やかな音の洪水を出せるのはこちらのイヤホンのメリットのひとつでしょう。

 

低域のバランスがかなり強く入るので屋外での通勤通学などに使うにはこちらのイヤホンはオススメできます。

 

少なくとも価格を超えた価値を感じることが出来ると思います。

なかなかよく出来た良イヤホンだと思います。

 

 

【コラム】 エージングとバーンインについて 【オーディオ】

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このブログを始めてから書いていないものを含めてイヤホンを50本ほど聞いたはずですが、ちょっとここ最近思うことがありますので、理論的なことは分かりませんが、イヤホンの鳴らし始め初期の音の違いについて書いておきます。

 

僕はブログのあちこちで書いていますが「エージング」という言葉については今も「否定」の立場である事には変わりありません。

これに関しては以下の記事なども参照していただけるとありがたいのですが、基本的には「脳は50-100時間」も音の記憶など保持できません。

 

なので100時間経過して、音がこれだけ変わったなどまったくのデタラメだと言い切ってしまってもよろしいでしょう。

 

また、記憶の改竄だけではなく、昨今のSNS等の同調圧力で音の記憶など容易に改竄され、書き換えられてしまいます。

 

僕の考えではもしその機器に鳴らし始めてから顕著な音の違いがあるとすれば、その変化は「ユニットが馴染む程度の数時間」で十分です。

 

karapaia.com

 

ameblo.jp

 

特にイヤホンに関しては「鳴らし始め」1-2時間については顕著に音が変わるイヤホンが結構な数で見受けられますので、この点については「バーンイン」という言葉で表現するのが適切かどうかは分かりませんが、エージングという摩訶不思議な言葉と区別するために以降はバーンインと記述させていただきます。

 

イヤホンに関しては今までの経験上から言えば「バーンイン」については「ほぼ必要」と理解しています。

 

バーンインの適正な時間はおよそ30分-2時間程度は必要なようですが、これはそのイヤホンにより適正な時間に幅があり、ものによってはほとんど必要ないものもあります。

 

僕が聞いている限りはこれ以上時間をかけても変化はありませんでしたので、上記の時間位くらいはあらかじめ鳴らしておいた方が良い結果を生みます。

 

特に変化が大きいのが「低音」で、次にエッジが柔らかくなりますので、やはりドライバー関係に起因しているのか、ハウジングあたりの接着が関係しているのかというところではないかと思われます。

 

と云う訳なのでイヤホンはたぶんこのあたりのバーンインによる変化がなぜかヘッドホンやスピーカーよりも音を聞いている限りは大きいと思われます。

 

僕も最初は耳の方が音になれてしまったのかと思ったのですが、どうも複数のイヤホンで最初の鳴らし始めは「異様な音がしやすい」ということで検証した限りでは、最長で2時間程度のバーンインを行わないと音の評価ができないという結論に達しました。

 

ただし、もう一度言っておきますが、これは50-100時間鳴らしてどうのこうのというエージングといった人間の記憶を超越した作業ではなく、あくまで鳴らし始め初期段階の「ユニットやハウジングを馴染ませる」という意味でバーンインと呼称させていただきます。

 

今までも30分から2時間程度は音出ししてからテストしていますので特にこれにより何らかのレビューの変更はありませんが、SNS等に上がる「届いた直後の音の印象 」はイヤホンに関してはずいぶんと「ズレる」可能性がありますので、その点だけ注意が必要かもしれません。

 

www.buzzfeed.com

こちらの「トンデモ理論」なども一度は目を通しておくべきです。

オーディオもトンデモ理論が幅を効かせる世界です。

こちらの記事の一部文言を「オーディオ」や「ケーブル」などと読み替えるとそれなりにおもしろくなります。

【コラム】高域をポエムに語るレビュワーには気をつけた方がいい場合が多い

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高域というのは判断がとても難しい音域で、一筋縄ではいきません。
これが分かっている人ほど「高域」をあまり語りたがりません。
 
幾つか簡単に書くとこういう問題があります。
 
■詐欺に使われやすい
■錯覚を起こしやすい
■個人の耳の個体差が相当にある
 
オーディオではもっとも詐欺に使われやすいのが「高域」で、ハイレゾ詐欺による聞こえもしない領域への拡大による機器の買い換え促進や、やたらと高域をポエムで語るレビュワーのおかげでずいぶんと訳の分からないことになっているのがオーディオの高域という音域の特徴です。
 
今回は僕自身も高域に関してはいまだに不明な部分が多いので、ざっくりと書いておきますが、一般的に言って高域の判断はかなり難しい場合が多いです。
 
「音は経験」とはよく云われますが、高域に関しては経験よりもむしろ「若ければ若い方が判断が正確」である場合も多いと感じていますので、高域に関しては10代の方の意見も無視できません。
 
むしろ10代や20代前半の方の方が余程正確に聞いている場合が多い訳です。
 
 
ココにひとつの仮定をしてみましょう。
AとBと云う2つのアンプを思い浮かべてください。
 
A 低域はタイト
B 低域はブーミー
 
他はすべてまったく同じ性能だと仮定します。
 
この2つのアンプの低域以外はまったく同じ性能なので、リファレンスのイヤホンを使用したときに「高域」はまったく同じ音が出る筈です。
 
例えばスイープで高域成分のみを流したとしてAB2つのアンプの音はまったく同じ筈です。
 
これは誰でも理解可能だと思います。
 
では、この2つのアンプで低域成分のガンガン入った音楽ソースを鳴らしたとするとどうなるでしょう。
 
理論的には同じ高域が出ているにもかかわらず、現実には2つのアンプの高域の音は違って聞こえるケースが出てきます。
 
この理由は「錯覚」です。
 
低域の出方で中高音域が変わって聞こえてしまうので、実際はまったく同じ高域の音が出ていたとしてもAB2つのアンプの高域の音が「違って聞こえてしまう」という問題をはらむ訳です。
 
これは「耳の錯覚」のひとつで、この判断が一筋縄ではいかないわけです。
 
単純にここに加齢による耳の劣化が加わるので、更にやっかいなことになるのはおわかりになるかと思います。
しかもプラセボ効果まで加わると・・・・・
 
と云うことなので、「高域が伸びる」など言語明瞭意味不明な単語を駆使したり、ポエムな言葉で高域を語ることがいかにいい加減で愚かなことかは少しは分かっていただけるのではないかと思います。
 
要するに強引にまとめてしまうと「高域」の判断は本来とても難しいものだということを理解しておいていただきたいのです。
それを簡単にあーでもないこーでもないと詳細に「それっぽく」書く人にはちょっと気をつけた方が良いかも知れません。
 
少なくとも僕が現時点でハッキリと断言できるのは「高域の基本的な音質キャラクター」はドライバーの素材と駆動方式で決まってしまうということ、それ以外の部分での変化については倍音を除いてよく分からない部分が多いのが高域だと理解しています。
 
こういったことがあるのでオーディオショップなどでアンプやヘッドホンを売りつけようとするときに「これは高域が綺麗に出る」などと云うセールストークをよく聞くようになるのだと思います。
 

【レビュー】 KZ ZS5 期待の大型新人の実力とは?

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総合評価〇
話題のマルチドライバ搭載の驚異の低価格KZイヤホンであるZS5です。
先日やっと到着し、音出しできましたのでだいぶお待たせしてしまいましたが、レビューを書いておきます。
 
【KZ ZS5スペック】
 
■モデルナンバー KZ ZS5
■ドライバー 1DD/10mm 1DD/6.4mm BA*2(型番30095/1205ユニット)
■感度106db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 
断線には強い2pinリケーブル対応です。
 

【KZ ZS5音質】

基本的に明るめでニュートラルな音質があり、聞いていてとても楽しいイヤホンのひとつです。
音の分離感や明瞭性は平均以上で相当に優秀に聞こえます。
正に価格を疑うほどの出来映えの良さで賛辞しか出ないレベル。
 
音に先鋭な鋭さがあり、粒立ちも良好です。エッジがすこし立ちぎみとなっていますがこの尖ったエッジはニュアンス的に楽しめる範囲の素晴らしい出来映えです。
 
特に評価すべきが明るく前に出るボーカル域で、その発音の正確さも 並み居るイヤホンをなぎ倒し、ATRとほぼ同等のレベルを達成しているのは驚くべき事だといえるでしょう。
これだけの正確さを持っていながら、それでいてこの音の明るさと前方展開するボーカルは高く評価せざるを得ません。
 
中高音域の出来映えに関してはすこしエッジの先鋭さはありますが本当に脱帽する出来映えです。
 
唯一の欠点が低域のレベルがかなり強めになってしまっているのでリファレンスとしては使えないこと、また低域側の階調表現やエッジが少しボケること位です。
低域側のブーストがかなり強めなので、これならもう少し低域側の階調表現能力は磨き上げて欲しかったとは感じます。
低域側の輪郭の緩さは、他の優秀なイヤホンと比較するとレベルとしてはちょっとこの部分は低いと言わざるを得ません。
 
ですが、全体的には本当によく出来たイヤホンで、KZの放つ「傑作」と云いきってしまっても良いでしょう。 

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【KZ ZS5まとめ】

これは「買い」です。

 

音質傾向が基本的に明るめに出るのでZSTに近いのですが、中域の出来の良さなどもう比較にならないほどZS5の方が優れています。

この明るさを持った音でこのボーカルを実現するのは結構至難だと思うのですが、よくぞここまで磨き上げたと思います。

 

音の分離や明瞭感も平均以上でマルチドライバをうまくチューニングした好例でしょう。

 

ATRのリファレンスとしての位置は不変ですが、より一般的に音楽を聴くという用途ならZS5の方がより楽しく、より鮮明に聞けるでしょう。

その意味では低域のレベルがもう少し低く、低域がもう少し曇らなかったらと思うのが唯一の残念な点だと思います。

 

たいして期待していませんでしたが、これはほぼ「即買い」レベルの出来映えだと判断します。

 

追記

ちょっとソースによっては中域に濁りが出ます。

たぶん低域がクロスオーバーの関係で被ってきてしまうのだと思います。

やはり低域が少し強いのが惜しいところです。

ただし、それでも傑作のひとつに間違いなく名を連ねるイヤホンには変わりありません。

 

 

 

  

【コラム】小さくて軽いデジタルアンプを全力でdisる

 
 

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ピュアオーディオマニアの中にはアンプは重ければ重い方が良い、という事を言う方もいらっしゃいます。
スピーカーで普通に音を追求すると、スピーカーはドンドン大型になり、それに併せて
パワーアンプなども高価で重くなります。
自宅には人の背丈ほどのスピーカーが鎮座し、パワーアンプは軽く30キロを超えてきたりします。
それをモノラルで設置するわけですから移動も一苦労です。
 
それを揶揄する方もいらっしゃいますが、それは間違いです。
 
むしろそのことが分からないという事は少なくとも音を追求したことがない人だと断言しても良いでしょう。
 
こういった小話のような知識は、イヤホンやヘッドホンでも同じく関連しているのですが振動板の関係で分かりづらい部分があります。
ですが、オーディオとしては関連する事項なので頭の片隅に入れておく必要はあります。
 
まずなぜスピーカーやアンプがバカでかく重くなるのかというと、これは一言で「低音」を追求するためです。
 
低音の量と質を共に追求するとどうしても着地点は、バカでかいスピーカーととても重くてデカいパワーアンプに必然的に収斂していくことになります。
 
これがイヤなら、ハイエンドのブックシェルフを買って低音を切り捨て、中高音域を高め上げる方向に向かうしか道はありません。
 
何しろ音を聞けば聞くほどスピーカーはある程度の大きさがないとまともな低音がでて来ないことに気がつき、その低音を鳴らすためには小さかったり薄かったりするアンプではまともな音がしない、と云う単純極まりないことにすぐにぶち当たるからです。
 
これはもうそういうものなのでバカにしようが否定しようが、どうにも変わらない現実です。
それほどしっかりと物量投入された電源部の出来の違いは音に影響を及ぼしてくるのです。
 
僕がオーディオを始めた頃には「デジタルアンプ」など影も形もありませんでしたが、マーケットにやっとピュア用のフルサイズのデジタルアンプが出てきて思ったものです。
 
「これでやっとバカでかいアナログアンプから解放される」と。
 
その頃、既に人の背丈ほどでウーファーが鳴らしずらいことで有名なスピーカーを導入していた僕は「鳴らない低音」に四苦八苦していましたが、その時に色々なパワーアンプを試してみて、少なくとも「駆動力」という点では「より大型のアンプ」の方が鳴らしやすい事には気がついていました。
重くてデカければ鳴るわけではないのですが、そもそも重くてデカくないと平均以下の低音しか出てこないのです。
 
プリアンプの方はピュア用の入門機でもなければ価格がある一線を超えると「差が小さくなる」と感じていましたが、パワーアンプでもそれは同じ事なのですが、価格帯のレベルがなぜか跳ね上がってしまうのです。
 
100万クラスからやっと評価が出せる、みたいなことになるわけです。
 
この事は重いウーファーを搭載したスピーカーで試すとハッキリと現れてしまうので誤魔化すことができませんでした。
 
そこで颯爽と登場してきたのがデジタルパワーアンプです。
 
これが現実に効果があるのなら、recordをCDが駆逐したように「革命」となるはずでした。
このようにオーディオマニアの夢と希望が詰まっていたのですが、まず自宅にピュア用のパワーアンプを借り出して視聴して僕は驚きました。
 
駆動力があり、確かに音が鳴るのです。
デジタルは見かけのワット数もかなり高いものが多いのですが、確かに低音が鳴ることをこの耳で聞いてしまったわけです。
アナログのパワーアンプではそれなりのクラスのものを投入しても輪郭が崩れて制動できなかったのに、デジタルはとてもタイトに低音を鳴らしてきました。
 
僕は狂喜乱舞したものです。
 
その後このデジタルパワーアンプを正式に購入することにするのですが、自宅で聞き込みを続けると希望が絶望に変わってしまいました。
 
確かにアナログよりも低音を「制動」しているのは確かなのですが、聞き込んでいくと何かがおかしい。
 
まず質感が違いました。
次に低音の「量」が表現できません。
 
聞き込めば聞き込むほど、何かこう「異様な音」が出てくるわけです。
 
これは僕が購入したデジタルパワー固有の問題だとその時は思っていたのですが、その後にジェフローランドのアイスパワーと云うデジタルアンプの音を確かめに行って疑念が確信に変わりました。
 
まったく同じ「異様な低音」が出てきたわけです。
 
そう、これはデジタルの低音の問題だったわけで、根本的に問題のある音です。
 
この事に関しては更に確認するために総額1000万超えのLINNのスイッチング電源の薄型アンプの音も聞きに行きましたが、その音はもはやお話にならないレベルだったのでデジタルに見切りを付けたのでした。
 
この問題は慣れて居る方なら例え軽めのウーファーを鳴らしても気がつくレベルです。
 
この後僕はまたアナログアンプの世界に戻るのですが、ナチュラルな低音と云えば良いのでしょうか。
そういう音はよく出来たアナログからしか出てこないのを知ってしまったわけです。
 
余談ですが、この時使っていた重いウーファーのスピーカーは程なくして処分することになります。
理由は、鳴らすことがおそらく不可能と決断を下したからです。
 
もしかすとる1000万超えのパワーアンプなら鳴らすことができるのかもしれません。
ですがそれを確認する方法がないので、今の僕では不可能と結論して手放しました。
 
このようにスピーカーによってはそもそも鳴らし切ることが不可能に限りなく近いものも現実に売られているので、これを早めに見極めないと無駄な投資が際限なく発生しますので注意が必要です。
 
今回こういった記事を書いたのは、おそらくイヤホンやヘッドホンを中心に楽しまれている方が多いことがあるのと、昨今の現状でデジタルしか聞いたことがないのではあまりにももったいないと思うからです。
 
確かにポータブルに持ち運ぶなどとは行きませんが、オーディオの世界では軽薄短小と音は両立しない場合が多く、デカくて重いアナログ機器しか奏でられない音もある事は知っておいて欲しいものです。
なので時代遅れと馬鹿にするようなことは言っている人があれば、本当に笑われるのはどちらなのかはよく考えるべきでしょう。
 

余談1

あるとき、僕は新発売になったミドルクラスのスピーカーの視聴にオーディオショップを訪れて音を聞かせていただきました。
ところがこのスピーカー、価格はミドルクラスで小口径ウーファー2発搭載なのですが、どうにもこうにも音離れが悪く、いわゆる鳴らないスピーカーでした。
買い換えすら検討していたのですが、これではパワーアンプに強大な駆動力を持ったものを投入することが前提となります。
当時はまだアナログのセパレートタイプのパワーアンプでしたがステレオだったのでそちらの買い換えも視野に入れると頭が痛くなったものです。
 
いわゆる一流のドライバーを積んでいましたが、あまりにも音離れが悪いのでしばしスピーカーの前で佇み考えていると、近くに居たお客のベテランの老人が話しかけてきました。
 
「どうしたの?」
「いや、あのこれずいぶん音離れが悪いなぁと思って考えていたんですよ。うちのパワーアンプでは鳴らないなと思って」
「あー、そういうことね。これ鳴らないよ。ほら、ここ、ウーファーのエッジがフラットだよね」
「確かに、フラットです。エッジがほぼないですね」
「そうそう、こういうのは強烈なパワー入れないとそもそもウーファー動かないよ。これ気に入ったのならパワーアンプにも相当にお金掛かるね。こういうところも見た方がいいよ」
 
そう言って老人は帰って行きましたが、さすがに経験のある方は違うなと、思ったものです。
音を聞かなくても分かってしまうのはさすがでした。
といっても100万のソリッドステートアンプではおそらくこういうのは鳴らないので、モノラル仕様で200万コースとなります。
 
下手するとそれでも鳴らないので困った物です。
 
ピュアとは業が深いものなのです。
 

【コラム】 一定水準以上の音とは何か。オーディオの音色のお話し。

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僕はレベルの高い音に関して「一定水準以上の音」という言葉を使って表現していますが、実際にこれを言葉で表現することはとても難しい事だと思っています。

 

少し強引ですが絵に例えると「ゴッホ」や「セザンヌ」や「モネ」などの超一流の画家が書いた絵のレベルに近いかもしれません。

絵のタッチなどにそれぞれ好みはありますが、全員が「一定水準以上のレベル」にあることを疑う人は居ないと思います。

 

僕が知る限りではこういう極めてハイレベルな一流の音はデジタルアンプからは永久に出てこないですし、一部のアナログアンプのみが出すことができます。

 

たぶん皆さんは思うでしょう。

 

音の7-8割はスピーカーで決まってしまうと。

アンプの影響力や支配力はもっとずっと低いはずだと。

 

確かにそれはそうです。

 

まずお金をかけるのなら音の出口であるスピーカーなりヘッドホンなりに投資の割合を増やすのは「良い音」にたどり着くためには必須ではありますが、それ以上の水準の音を出すためには「その音が出せるアンプ」が絶対に必要です。

 

例を挙げましょう。

 

一流の音のするスピーカーを購入したとします。

これにデジタルアンプは論外なのですが、並のアナログアンプを組み合わせて音を鳴らしたとしても、この時点では「平均以上の音」は一流のスピーカーのおかげで簡単に出ては来るのです。

駆動力が低音を制動できるレベルのアンプを使っているのであれば、普通の人はその投資に見合うだけの価値のある音は出せるのです。

(本当は駆動力も大変やっかいなのですが、ココでは話しを単純化します)

 

ところがこれだけでは「一定水準以上の音」が出てきません。

 

何がかけているのかというと「音色/ねいろ」が出せないのです。

 

もう少し具体的に話しましょう。

 

一部のスピーカーはボーカルに「妖艶な艶がのる」という話しは聞いたことのある方も居るでしょう。

ごくわずかな一部のスピーカーのみそれ単独でボーカルにとても美しい色をのせることができます。

僕はこれを「音色を出せる」と表現していますが、この音色が出ている音を「一定水準以上の音」と呼んでいます。

 

言うのは簡単ですが、これが現実には至難の事でそういうスピーカーは存在しているのですが意図的に分かって探さない限りは出会えるものではありません。

  

また、スピーカー単独で視聴したときにその色がなくても、そのスピーカーが一定の水準以上にあると、その色を出せるアンプと組み合わせると全域にわたって「音色」がでてきます。

 

おわかりでしょうか。

 

この為、一定水準以上の音にたどり着くためにはどうしてもその音色を音にのせることのできるスピーカーとアンプが必要なのです。

  

この音色に関しては「聞くのが1番速い」と思うのですが、簡単に聞くことが出来ないので試聴に歩くしかないかも知れません。

 

この音はそれを目指して作られた「選ばれた機器」からしか出てこないので、アンプとスピーカーの両方を組み合わせる必要があります。

 

というのも自宅でテストしてみた限りでは、音色の出せるアンプを使ったにもかかわらず、ブックシェルフの入門機ではその音は出てきませんでした。

 

 

最後に経験上のお話しですが、この音にたどり着くためにはとにかくアンプを探し出すことです。

その音色の出せるアンプを基準にスピーカーを選んでいった方が遠回りせずにすみます。

 

全体的に少し分かりにくいかもしれませんが、一流の機器は音色を出すことができるということを知っておくと良いでしょう。

 

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