【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【レビュー】UiiSii HM7

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UiiSiiのイヤホンとなります。

GT800とHM8に続く3本目となります。

 

前回のHM8が✖評価だったので、さすがに超低価格品は所詮こんなものだろうという思いもありましたが、価格が価格なのでHM8と同時に購入したものです。

 

【UiiSii HM7スペック】

 

■モデルナンバー UiiSii HM7
■ドライバー 1DD/9mm
■感度89db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 
アルミハウジングで品質は価格に対して高く感じます。
装着感もよく、価格以上のクオリティがあると判断しています。
 
HM8の安っぽさに比べれば「そこそこ高いクオリティ」ではあるのではないでしょうか。
 

【UiiSii HM7音質】

ドライバーはウォーム系統です。

HM7はどちらかと言えば「低音が有利」な方向のイヤホンに作られています。

 

帯域バランスは、かなりの低域ブーストですがGT800よりは少しマシになっています。

ブースト気味とはいってもHM7は「正しいバランス」で低域が過剰になっていて低音の階調表現能力はかなり高めな所が好ましいです。

 

ただし、低音にも妙な質感が載りエッジはわずかにボケ気味ですが、低域は全体的に評価すべきレベルにはあると感じています。

 

中域に関してはボーカルの質は低めで、声が暴れ気味になります。

ピークとディップは少し大きめです。

 

こちらも独特な質感が雑味っぽく中高音域に載ってくるのでレベル的にはちょっと低めだと判断せざるを得ません。

 

やはりこちらもHM8と同じくドライバーそのものの能力が低めで、根を上げて混濁すると言うよりも、中高音域は最初から不明瞭で分離しづらい音の傾向を持ったイヤホンです。 

 

この為、中高音域のひとつひとつの音が非常にザワつき、音楽が騒がしく感じられます。 

 

【UiiSii HM7まとめ】

 このイヤホンは価格から考えるとそれなりに良質だと思いますが、それでも わざわざ購入するほどの価値は感じられず、低音がブースト気味ではあるが他の帯域と比較的すると良く出来た低音域が評価できると言う程度だとは言えます。

 

中高音域に感じられる雑味とひとつひとつの音がかなりザワつくことを考えて、評価としては△に近い✖と云う評価です。

 

普通に聴く限りでは購入しても別に問題はありませんが、よくある低価格イヤホンのひとつという事で他のもっと優秀な低価格イヤホンを探した方が良いと思います。

 

少なくともHM8よりはかなりマシな音がするという事は書いておきます。

 

総合評価✖

 

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【レビュー】 Uiisii HM8

 

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 UiisiiのHM8イヤホンとなります。

 

これは以前GT800をレビューしたときの名残で、低音が異様に強いが中高音域の厚みのある音は個性的で、非常にレベルが高く感じると云うことで、ちょっと注目していたメーカーですので購入してみました。

 

価格が価格なのでほとんど期待はしていませんでしたが、このクラスはATRを初めとしてサウンドピーツのB10やB30と意外な名機が控えていますので、侮れない価格帯です。

 

この価格帯は「プラセボにとらわれる」となかなか正当な評価が下せない価格帯でもあるので注意深く見ていく必要はあります。

 

【Uiisii HM8スペック】

■モデルナンバー UiiSii HM8
■ドライバー 1DD/10mm
■感度95db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 
ハウジングはプラスチックと一部へアライン仕上げのアルミで、かなり安っぽいです。
 

【Uiisii HM8音質】

音質はスーパーウォームで明るめ。

中高音域が良く出来ている系統のイヤホンのひとつです。

 

帯域バランスは「低域ブースト」気味となり、かなり低音域全体が上に持ち上げられています。

籠もる寸前というかソースによっては若干籠もります。

 

しかも低域全体の質が極めて悪く、見所がまったくありません。

 

とりあえず評価できるのは明るく前に出るボーカル域と中高音域で、意外に悪くないのですが独特の質感が有り、雑味とは違う、何かテクスチャを1枚貼り付けた感覚が残ります。

 

うまい方向にこの質感がのると「味」として評価出来るのですが、今一歩及ばずという所です。

ただ雑味とまでは言えないので、グッと前に出る感覚と合わさって興味深い音ではあります。

 

分離は標準以下で、ドライバーが音を上げていると言うよりも、この音は単にドライバーの性能が極端に悪いのだと感じます。

 

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【Uiisii HM8まとめ】

 

ゴミではありませんが、ゴミに近いです。

 

中高音域はかなり独特な質感が載ってきますが意外に良く出来ていて、特に問題は感じませんが、とにかく分離が悪く音が団子になりがちで、なおかつ低域が驚くほど質感もエッジもダメなので、あえて購入を推薦する理由がありません。

 

価格は安いのですが、このクラスでも「良いものは良い」ので、それらと比較すると評価は「✖」とせざるを得ません。

 

残念でした。

 

総合評価✖

 

 

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GRADOの音は本当に「刺さる」のか?

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僕がグラド好きという事はブログを良く読んでいただける方なら知っていることだろうと思います。

 

これもあちこちで書いていますが、グラドのヘッドホンに出会ったのはだいぶ前の話しで、日本に輸入されてしばらく経った頃の事です。

 

当時はグラドの試聴はかなりやっかいで・・一部の専門店でのみ取り扱っていただけなのでこれを聞くというのは敷居が高いものでした。

 

ちなみに僕のグラド遍歴はSR325からRS1へ、そこからハイエンドのPS1000に行って、PS1000がHI-FI調のくだらない音を出すので頭にきて、またRS1iに出戻って今に至ります。

 

グラドのヘッドホンは装着感とかもうどうにもならないほど付け心地が悪く、ラジコンのタイヤを流用しているのかと言いたい妙なスポンジのイヤーパッドで長時間の試聴にに耐えられないほどのチープな製品です。

 

音場感も低く、両耳のスグ脇で音が鳴るだけなので、音の距離感もほとんどありません。

  

ですが、確かにこのグラドでしか聞けない音があり、それは明るくて楽しい唯一無二のグラドの音なのです。

 

ところがです。

 

最近のグラドのレビューを見ると「音が刺さる」という評価ばかりが目につくようになりました。

 

実は僕は「グラドの音が刺さる」というイメージを持っていないのです。

確かに多少高域側で音源によっては厳しい感じはしますが、それはHD650などと比較した場合の話しであって、音が刺さりまくるなどという事は絶対にない、と言い切れるわけです。

 

なぜってずっとグラドを聞いてきているわけで、そこらの「にわか」とは訳が違います。

僕のイメージではRS1などは「とてもまろやかな音」がして、むしろ「優しいイメージ」の中に高域が少しアクセントで強めくらいの印象です。

 

なんだ?最近のおかしなグラドのブログレビューは?

 

と思っていたのが本音でもあります。

 

そこで、DP-X1に初めてグラドを直差しで聞いてみたら・・

 

「刺さる、刺さる」(笑)。

 

これ、本来のグラドの音ではありません。

しかも分離も悪く、音に壮大な雑味が発生しています。

 

ぇぇぇぇぇ。

 

そう、グラドのヘッドホンは送り出しの機器とアンプに極めて敏感で、そこらの安物では鳴らないのです。

 

もう一度言いますが、グラドはデジタルやアナログの安物ではまったくもって鳴りません。

 

いいですか?

 

本来のグラドの音は「高域にアクセントのある、ノリが良く、分離も解像度もかなり高めながらも明るくハイテンションな音で、非常にまろやかな音」がします。

 

キチンとした機器を使えば「刺ささりまくる」なんて事はありません。

アナログでも、もし刺さりまくるのならそれは「とても質が悪い」アンプだという事です。 

 

キチンとした音があなたのグラドからしていなかったら使っているアンプとプレーヤーを速攻で変えるべきです。

 

グラドはデジタルではまったく鳴りません。

アナログの、それも質の良いアンプをあてがってください。

 

DAPをプレイヤー代わりなど使って耐えられるような代物ではありません。

 

僕はアナログ時代が長いのでこれらの機器は用意できますが、もしこれらがトータルで用意できないのならグラドを買うのは辞めておきなさい。

 

これもハッキリ言っておきますが1-3万程度のアナログ機器ではグラド本来の音は聞けません。

グラドで「刺さる」と言っている人は質の良くない機器を使っていると自分で公言しているようなものです。

 

ですので機器だけで別途で10万程度は予算を用意する、これが正しいグラドの音の聞き方です。

 

その時、あなたは別世界を見ることになります。

 

大ベストセラーヘッドフォンSR60はステレオファイル誌の"Product of the Year"を受賞。SR80は"Academy For The Advancement Of High End Audio"の"Golden Note"を受賞。SR125はサウンド&ヴィジョン誌の"Critic's Choice Award"を受賞。SR325はオーディオ・ヴィデオ・インターナショナル誌のグランプリ賞を受賞。RS1はステレオファイル誌の推薦クラスAの常連です。

 

www.knicom.co.jp

 

グラドの音が聞きたいのなら、SR系とRS系のラインから選んでください。

PSとGS系統は音がダメです。

 

これはグラドの音ではありません。

価格に騙されるとグラドには近づけません。

最初は低価格ラインから初めて、とにかくアナログアンプにお金をかけるべきです。

 

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TRN V10イヤホンを買った町の人の声

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いま中華販社が猛プッシュする素晴らしい体験をもたらしてくれる中華イヤホンのTRN V10を購入した町の人の声を集めてみました。

 

信じられないような素晴らしい効果があるようです。

 

【A君の証言】

V10を買ってそのまま音楽を聴きながら街に出たら、逆ナンされて・・・・生まれて始めて彼女が出来ました。

 

V10って凄いと改めて驚きました。

だってV10で音楽聴いているだけで女の子が寄ってきたんですよ!!。

凄くないですか?

 

【Bくんの証言】

V10を買って二週間ほどした頃にちょっと宝くじを買ってみたら、これが大当たり

今では億万長者です。

 

もうV10が手放せません。

札束の風呂に入って楽しんでいます。

 

【C子さんの証言】

本当に音が良いのかと半信半疑でV10を買ってみたら・・・なんと一週間でマイナス7キロ痩せました!!

 

これには本当に驚いてしまいました。

 

だって食事はいつもの量で、運動もしていないのに・・・・V10を耳に嵌めて音楽を楽しく聞いているだけで痩せるなんて・・・。

 

私、V10を1日14時間、聞き続けることにしました。

それくらい効果があります。

 

注※ 効果には個人差があります。

 

このようにTRN V10を耳に嵌めて聞いているだけで続々と朗報が舞い込んできています。

中にはダイナミックドライバを抜いてしまった猛者もいるようです。

 

これにはサンプルをバラまきまくった販社さんも予想外の嬉しい声に驚いていることでしょう。

 

さすが脅威のイヤホンV10です。

 

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(あくまでパロディです)

 

 

 

TRN V10ってアヤシくね?

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ちょっと前からフォロワーさんから教えて頂いたりするので世間的には話題になっているのかな?と思うこともあるのがTRN V10という「カスタムIEM系ユニバーサル」イヤホンです。

 

とりあえず僕のフォロワーさん情報では「限りなくゴミに近い」という印象を聞いているのですがどうなんでしょうか?

 

おもしろそうなら出てもいいかなと思ったりもしましたが、どうにもウチのフォロワーさんの印象が良くないという事は・・・

 

ただアレですよね。

 

クソイヤホンの黄金の3連コンボを怒濤の如く決められていると云う話しも入ってきているので、そこから考えると・・・

 

これを絶賛で紹介しているメンバー達がこれまた香ばしいというかなんと言うかのいつものメンバーなので・・・

 

販社系がばらまいた疑惑も消えませんし、そうなると「音は推して知るべし」というレベルの可能性は感じたりします。

 

というよりもこれこのやり口は100%「サンプル品」をばらまきましたね。

 

こういう風によく分からないポッと出てきたイヤホンが突然名だたるレビュワー達に共通してレビューされ、なおかつ「エージング・リケーブル・魔改造」というセオリー通りのやり方で「レビューをバランス良く誤魔化していく手法」が取られた上で、横のつながりで提灯レビューをリンクさせていくやり方はもうそのまんま「例のやり方」ではないかと思ったりもするわけです。

 

TRN V10

 

これメチャメチャアヤシいイヤホンじゃねーか(個人の感想です)

 

ちなみに「クソイヤホン三連コンボ」の詳しい解説はこちらへ。

 

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クソイヤホン オブザイヤー2017 恐怖の三連コンボ

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おめでとうございます。

2017年度の「クソイヤホン オブザイヤー」はKZ社のZS6が受賞致しまた。

 

実はこれ、音だけで言えば個人的に△評価なので クソイヤホン オブザイヤー2017を受賞するには実力不足なのですが、話題の「クソイヤホン三連コンボ」を駆使して今後のクソイヤホンに対する新たな評価軸を築いたという偉大な足跡を評価して、この度めでたく「受賞」とさせて頂きます。

 

今後はZS6で使われた「新たなクソイヤホン三連コンボ」を駆使する剛の者があちらこちらに多数出現する可能性を見せてくれたという意味ではその功績は非常に大きいと思います。

 

ですのでZS6と云うよりも正確には「クソイヤホン三連コンボ」が受賞したという言い方のほうが正しいのです。

 

【クソイヤホンの新たなる評価軸・三連コンボ】

 

 これまではR8などの純粋に音が悪い、というよりも聴いていると耳がおかしくなるような素晴らしいイヤホンにクソイヤホン オブザイヤーは与えるべきだと思っていましたが、こういったクソイヤホンをどうにか売りつけるために色々方法が考えられてきたわけです。

 

その代表的な手法はふたつありまして、

 

■エージング

■リケーブル

 

つまり、まずクソイヤホンの「音に対して苦情」を言うと「エージングが足りない」と念仏のように唱えられます。

 

「50時間?それだけ?それじゃあまだ足りない。最低300時間は鳴らしてから出直してこい。本領を発揮するのはそれからだ」

 

300時間と言ったらあなた、約2週間ですよ?

バカなんじゃねーのと。

 

そうやってまず誤魔化す手法です。

 

そして、更にエージング時間が達していると見るや、それでも「音の苦情」をいう信心の薄い不届き者には「ケーブルが悪い」とリケーブルを勧めてきます。

 

これがたちが悪く、7N銅線のケーブルで文句を言えば「銀の単線で試して見ろ」といわれ、もう答えがまったく分かりません。

 

こうやって次から次へと難題を提出して「イヤホンそのものの音がクソ」というのを認めずにアフィで売りまくるのです。

 

更に最近では「魔改造」という手法まで開発されたようです。

 

エージングやリケーブルでも文句を言うような信心が足りない不届き者には、「フィルターを外せ」などと「魔改造」を勧められるというわけです。

 

そうやってアフィリエイトの賞味期限が切れるまで延々と引き延ばさせるのがこのクソイヤホン三連コンボです。

 

エージング→リケーブル→NEW 魔改造

 

これは憶えておいてください。

 

僕?

もし僕がクソイヤホンをどうしたらいいのか聞かれたら答えますよ。

 

「ああ、窓をガラッと開けて投げ捨ててくれ」

  

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【レビュー】 KZ ZSR レビューを解禁します。

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 大変申し訳ありません。

有料レビューでしたが急遽、解禁します。

 

発売直後と云うことも有り、既にZSR目当てで当ブログの記事に来られる方が相当数に達し、TwitterのDMでも高校生や大学生の方からのご意見も頂き、もっと別な方法を考えないといけないと思い至りました。

 

とりあえず有料で買われた方には申し訳ないのでその点は深くお詫び申し上げます。

有料の方には個別にメールを差し上げる所存です。

 

なお、メインブログの方に上げた以下のオーディオ記事については当面の間、解禁することはございません。

有料の方専用として残す所存ですので、専用パスワードを使って閲覧してください。

ちなみにこちらの記事で紹介している機器については「知る人ぞ知る」ものではあるので僕も初公開のものとなります。

 

おそらく今後公開することは二度とございません。

 

最前線で世界と戦う日本の音 made in japanの矜持 - ブログなんかめんどくせえよ

 

総合評価△

KZの最新作であるZSRです。

カスタムIEMを思わせるトランスペアレントなデザインで、ハウジングの大きさはZSTやES3などと同程度ですが、デザインが変更されてユニークな形状となっています。

見た目から来る満足感は高く、うっすらと透けて見えるBAドライバーがいい雰囲気を醸し出しています。

【KZ ZSRスペック】

■モデルナンバー KZ ZSR
■ドライバー 1DD/10mm/2BA
■感度107db
■インピーダンス22Ω
■周波数特性10khz-40000hz
■コード長1.2メートル

いつもの2pinタイプです。

ハウジングの形状から耳へのフィットに個人差があります。ZSTやES3などよりも僕自身は装着感が良いと思いましたが、合う合わないがハッキリと出る傾向はあるハウジングデザインだと思います。

【KZ ZSR音質】

基本的にはクール寄りの方向のハイスピード傾向のドライバーで、少し明るめかつ派手なES3寄りの傾向の音を出してきます。
帯域バランスは極めて良好な弱ドンシャリタイプで非常に良いと思います。

明瞭度は平均よりも高めに描き、ES3系統の音がしますが、全体的にはES3の方が音の透明度や低域の出来映えで上回ります。

どちらかと言えば「中高音域」が良く出来ているタイプのイヤホンとなっています。

ボーカル域の妙なピーク感はなく、音を聞く限り周波数特性的には非常にフラットなボーカルで出来は良く感心できるのですが・・・・おそらくハウジングから来るであろう妙な質感が載るのでその点は少し惜しいところです。

ただし、中高音域が2BAなのでアンプとケーブルの影響は受けやすいところが有り、最初は付属のノーマルケーブルで基準を作る必要があります。

低域の量は適正でバランスも非常に良く出来ていますが、全体的に低域の輪郭はボケ気味です。

更に重低音域の表現はかなり苦手でどうにか音が出ているだけという状態となります。低域に関しては特に音数が多くなればなるほど破綻傾向が出てくるようです。


こちらのZSRはいくらかドライバーが破綻しやすく、音量を上げ気味にすると全域で音が混濁を始めます。

そういう訳なので音量は少し低めで楽しむ必要があると言えます。特にこの音の混濁は低域側で酷くなる傾向がありますので低音を受け持つDDの性能だと言えるでしょう。

ZSRの問題点は、ZSTやED12に通じるハウジング由来と思われる「雑味」が全域に載る事だといえます。

ちなみにこの雑味は低域から高域まで載ってくる所が有り、そこに低域のエッジのハッキリとしない音が微妙に被るのでより音が曇ります。

すべての帯域で音にこの曇りのようなベールが1枚掛かっている状態ですので当然のことながら「クリア感」は薄れ、音楽体験を損ねます。

ただそれでも相対的にみれば音の明瞭度の高さはかなり強く出るタイプです。

エッジはわずかに立ち気味ですが許容範囲で中高音域の音自体は相当に優秀だと言えますがこれも雑味というか妙な質感が台無しにしてしまっているところが見受けられます。

バーンイン時間は他のKZよりも少し長めに取ってみてください。だいたい2時間ほどは鳴らして雑味を取る事を推奨しておきます。

他のKZよりも音が安定するまで少し時間が長めに掛かるようです。

【KZ ZSRまとめ】

このZSRは全体としてES3には及びません。

この傾向の音であるのならば音の透明度と低域の出来映えでES3に軍配を上げておきます。

特筆すべきはES3を上回るボーカル域のフラットさは見事で評価に値しますが、質感に乗る雑味で大きくスポイルされているのが惜しいところです。KZイヤホンとしては「買っても問題ない」と言うほどのレベルには達していますが・・・

ただし比較的ソースを選ぶのがこちらのZSRで、厳しいソースではスグに音が破綻し出すので注意が必要です。

普通のソースを普通に楽しむ限りでは音に雑味感はありますが、駄作とは言えず、ボーカルもかなりフラットで良く出来ていると判断します。

音の明瞭度も優良なのですが、とにかくちょっと音数が多くなると途端にドライバーが音を上げてダメになるので、なんとも評価の難しいイヤホンではあります。

追記

ZSRはおそらく音の「分離」にかなり問題があるイヤホンです。

 雑味という判断をしていましたが、分離や解像度に大きな問題を抱えている可能性も高いのかもしれません。

ただ、この音ならまずもってES3以上ということはあり得ませんので、購入予定の方はその辺りをよく検討することを希望します。

 

個人的な意見で言えばこれは明らかにES3の劣化版という認識です。

 

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カスタムIEM系ユニバーサルハウジングを考えてみる

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最近KZでもよく使われるようになった例のハウジングのお話しです。
今回は。
 
名前がよく分からないので勝手に「カスタムIEM系ユニバーサルハウジング」と呼ばせて頂きますが、昔からあるオーソドックスな筒状のイヤホンではなくZSTとかES3とか最新のものではZSRに見受けられる「ちょっと大きめのカスタムっぽいデザイン」のハウジングについてです。
 
これ・・・非常にやばいです・・・。
 
実は前々から音を聞いて疑問が絶えなかったのですが、今回はZSRのレビューをするために音を聞き込んで個人的に確信を得られたのでまとめておくことにしました。
 
「カスタムIEM系ユニバーサルハウジング」・・・デザインはもの凄くそれっぽくて良いのですが・・音が・・・・不安定なんです。
 
どういう事かというと、バーンインとかの最中に見られる不安定さではなく、「装着」から来る不安定さがかなり音に出ます。
 
要するに装着するたびに、なんだかどうも音が違うという現象が頻繁に起こるわけです。
 
普通、僕がレビューするときは、まずDAPにつないでバーンインを行ってしまいます。
だいだい30分-1時間で1回音を聞いて、まだ不安定ならそのままバーンインを1時間ほど延長します。
 
それで音が安定したと判断した段階でレビュー用にテストディスクを流すのですが、そこから30分も聴けばおおよその実力は分かります。
 
ところが「カスタムIEM系ユニバーサルハウジング」に関してはそこから1-2時間はイヤホンをこねくり回すことになるわけです。
 
例えばED12やZSTは比較すると音が安定しているので早かったのですが、VJJBの妙なダブルドライバハウジングとか、最新のものではZSRなどは延々と音を聴かなければならず、それでも毎回音が違うので「いやちょっと待て。うーん。うーん」という悩みの状態に突入します。
 
通常、イヤホンの場合、低音を聴きながら装着位置を合わせるのがもっとも適当だと思うのですが、その低音が装着位置で全く違うのでこういうイヤホンは「基準」がどこにあるのかよく分からなくなるのです。
 
そして、こういうやっかいな音のするイヤホンは僕が聴いている限りではほとんど全部「カスタムIEM系ユニバーサルハウジング」で起こるというわけです。
 
こういうハウジングのカッコいいイヤホンは最近人気なのでよく出てきますが、ちょっとレビューがやっかいだったりするものが多いので、特に注意して音を聞き込んでみてください。
 
完全なゴミならいざしらずちょっと微妙な音がするくらいだと「賛否両論が出やすい」という事は言えるかもしれませんし、それ以外の複雑な要因が幾つか絡んだりするともう何が何だか・・・この音の正体は何だと・・割に合わない時間の使い方をしてしまうのでカスタムIEM系ユニバーサルハウジングというのは「要注意」だというのは心の片隅に止めておくと良いかも知れません。
 
ただ、まだ断言は出来ませんが・・・あまりいい傾向だとは言えないというのが本音ではあります。
要するに「あのユニバーサルなデザイン」で個人の多様な耳の形に合わせてくるのは音を聞く限りでは無理がある、とは思ったりしています。
  

音のハーモニーとハイエンドの音【コラム】

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本物のベリリウムドライバーの音を聞いたことがあるでしょうか?
たとえば日本製のTADドライバーの音です。
 
中華製のイヤホンに使われている「なんちゃってベリリウム」ではない、いわゆる一流のスピーカードライバーであるTADのベリリウムの音。
 
僕は初めてこのベリリウムの音を聞いたときに、あまりの衝撃でその場に立ち尽くしてしまいました。
 
ベリリウムはその素材の特性から「高域向け」のドライバーで、トゥイーターに使われていましたが、そこから出てくる高音は、まるで空間に煌びやかな透明のガラスを飛び散らせたかのようでした。
 
そのちょっと硬い音が空間に飛び散るのです。
 
「こ、この音は・・・・・」
 
生まれて始めてそのような高域を聞き、またその後にそのような高域を聞いたことはありません。
 
それくらいのソリッドな質感を伴った高音でした。
 
一流の会社が精魂込めてドライバーを作るとこのような音がするモノなのかと感じ入ったモノです。
 
 
次に・・・僕はその直後でしたが・・・衝撃が覚めやらぬまま次のスピーカーの試聴に入りました。
 
こちらも一流中の一流のスピーカーです。
 
価格はいわゆるハイエンドで、TADドライバー搭載機と本体価格を比較すれば3倍近くこちらのスピーカーの方が高価となります。
 
同じテストディスクを流して高域に耳を傾けると・・・・その高音は鈍りまくり・・・もはや「高域だけ」聴けば勝負にはなりませんでした。
 
僕は訳が分からなかったものです。
 
なぜ、どこにでもあるような「ソフトドームツイーター」をこんなハイエンドに採用してしまうのかと。
 
高音が鈍ってしまっているではないかと。
 
ところがです。
 
全体を通して曲を聴いてみるとTADドライバー搭載のスピーカーと、鈍った高音のソフトドゥームツイーターで、明らかに鈍った高域の方が優れているのです。
 
単音で聴けばどうという事のない高域が、見事に中低域とつながってまるでそのソプラノは天上に還っていくかのようです。
 
その瞬間、思わず音を追って座り込んでいた椅子から腰が浮きます。
 
その時僕は思い知りました。
これがハイエンドのチューニングかと。
 
ハイエンドというのは「お金に糸目を付けずに」サウンドデザイナーが使いたいものを使いたいだけ使い、その人が思う最高の音を実現するモノです。
 
このスピーカーを作成するときにこのデザイナーは「この鈍った高域の音がする変哲のないソフトドームトゥイーター」を選択したわけです。
彼が最終的に選んだのは「単音で素晴らしい音のするドライバーではなく、全体のハーモニー」だったわけです。
 
僕は本当にこの時思い知りました。
 
「これが本物のハイエンドの音作り」だと。
 
これ以来、僕は「音のハーモニー/調和」というものをとても大切にしています。
音楽は単音で聴くわけではなく、あくまで全体の美しさを追求するモノであると知ってしまったからです。
 
間近で見たときにはひとつひとつの木は凡庸でありきたりでも、森として全体を俯瞰してみると初めてその計算され尽くされた美しさや配置の素晴らしさがわかるというものです。
 
 
ある一定水準を超えた機器から出てくる音というのはたいていがこのような感じとなり、それは偶然出てくるのものではありません。
 
それは最終的に個々の優れた部品ではなく、その絶妙な組み合わせからのみ具現化し、最終的に音のハーモニーとなって僕たちの前にその姿を現すのではないでしょうか。
 
 

ZS6の改造?【コラム】

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先ほどTwitterでちょっとZS6の改造でノズル部分のフィルターをとって音が改善した、というような情報をDMでフォロワーさんから頂きましたが、確かにそういった事はありうるとは思います。

 

ただそういった改造で本当になんとかなるのかはなんとも結論が出せません。

 

なぜなら「ではなぜKZ社がそうしなかったのか?」という疑問が残るからです。

 

それにこういった意見がたいていの場合、プラセボの人からもたらせられるケースも多く、信頼性が担保できないというのも否定できませんが・・・。

 

ちょうどいいタイミングで「自作カスタム」のサイトの方が自身の経験も踏まえてカナル部分で「こんな風に音が変わるよ」という点を書いているので合わせてみておくと参考になるかもしれません。

 

domingo55.hatenablog.com

 

さて、わさわざ音の劣化しているZS6をなぜ改造までして使うのかが理解できませんが、改めて書いておきます。

 

そもそもZS6の基本的な音質はZS5そのままです。

 

なのでまともに音を聞いている方は「ZS5と似ている」という意見が出る筈なんですが、これは当たり前のことです。

 

例えばボーカルなんかをその部分切り出してみるとZS5とほとんど区別がつきません。

 

音の傾向そのものはZS5とZS6は同じようなものです。

 

これは両機共にウーファーとスコーカー、つまり中低音域がDDなので誰がどのアンプで聞いても基本は変わりません。

 

低音域は駆動力の差で違いが出ますがそれも含めて傾向は一緒ではありますし、そうならないとおかしいわけです。

 

だってDDなんですから。

 

と云うことは「誰が聞いてもDD部分の音は一緒」ではあるという事になります。

 

高域側のBAに関してはアンプやケーブルで多少の影響を受けますので、これは「基準」をとるのがちょっと面倒ですのでいったん脇に置いておきます。

 

何度でも言いますがDDである中低域だけを取りだしてもZS6の音は「劣化」しているわけで、中域へのかぶりと音の劣化はどうにもしようがありません。

 

それに音質そのものはZS6とZS5で「ほぼ同じ」な訳ですから、なにもわざわざ音の劣化したZS6を買う必要がないと何度も申し上げているとおりです。

 

なので間違えてZS6を買ってしまったので「もうちょっとなんとかしたい」というので「改造」を試みるのならいいのですが、どっちを買おうか迷っている方は悪いことは言いません。

 

ZS5の方にしておくべきです。

 

大事なことなのでもう一度繰り返して書いておきます。

 

ZS5とZS6の基本的な音質はほぼ一緒です・・・高域のエッジ表現以外は。

非常に良く似ているのです。

 

ただZS6の音が色々と劣化してしまっているので「違うように聞こえる」場合がありますが、キチンとそのあたりを取り除いて聴けば音はほとんど一緒です。

 

ちなみに帯域バランスも違っています。

でも基本の音の傾向はやっぱり一緒です。

 

両機共に双子くらいよく似た音を出しているのです。

 

これ・・・分かっていますか?

 

このあたりに関してはいったんその差を取り除いて、純粋に「音だけ」で聴いてみてもらいたいのです。

 

こういう訳もあってZS6は必要ないと言っているのです。

 

謝辞

鹿児島の高校生 はむさん。

 

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp

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