GRADOの音は本当に「刺さる」のか?
僕がグラド好きという事はブログを良く読んでいただける方なら知っていることだろうと思います。
これもあちこちで書いていますが、グラドのヘッドホンに出会ったのはだいぶ前の話しで、日本に輸入されてしばらく経った頃の事です。
当時はグラドの試聴はかなりやっかいで・・一部の専門店でのみ取り扱っていただけなのでこれを聞くというのは敷居が高いものでした。
ちなみに僕のグラド遍歴はSR325からRS1へ、そこからハイエンドのPS1000に行って、PS1000がHI-FI調のくだらない音を出すので頭にきて、またRS1iに出戻って今に至ります。
グラドのヘッドホンは装着感とかもうどうにもならないほど付け心地が悪く、ラジコンのタイヤを流用しているのかと言いたい妙なスポンジのイヤーパッドで長時間の試聴にに耐えられないほどのチープな製品です。
音場感も低く、両耳のスグ脇で音が鳴るだけなので、音の距離感もほとんどありません。
ですが、確かにこのグラドでしか聞けない音があり、それは明るくて楽しい唯一無二のグラドの音なのです。
ところがです。
最近のグラドのレビューを見ると「音が刺さる」という評価ばかりが目につくようになりました。
実は僕は「グラドの音が刺さる」というイメージを持っていないのです。
確かに多少高域側で音源によっては厳しい感じはしますが、それはHD650などと比較した場合の話しであって、音が刺さりまくるなどという事は絶対にない、と言い切れるわけです。
なぜってずっとグラドを聞いてきているわけで、そこらの「にわか」とは訳が違います。
僕のイメージではRS1などは「とてもまろやかな音」がして、むしろ「優しいイメージ」の中に高域が少しアクセントで強めくらいの印象です。
なんだ?最近のおかしなグラドのブログレビューは?
と思っていたのが本音でもあります。
そこで、DP-X1に初めてグラドを直差しで聞いてみたら・・
「刺さる、刺さる」(笑)。
これ、本来のグラドの音ではありません。
しかも分離も悪く、音に壮大な雑味が発生しています。
ぇぇぇぇぇ。
そう、グラドのヘッドホンは送り出しの機器とアンプに極めて敏感で、そこらの安物では鳴らないのです。
もう一度言いますが、グラドはデジタルやアナログの安物ではまったくもって鳴りません。
いいですか?
本来のグラドの音は「高域にアクセントのある、ノリが良く、分離も解像度もかなり高めながらも明るくハイテンションな音で、非常にまろやかな音」がします。
キチンとした機器を使えば「刺ささりまくる」なんて事はありません。
アナログでも、もし刺さりまくるのならそれは「とても質が悪い」アンプだという事です。
キチンとした音があなたのグラドからしていなかったら使っているアンプとプレーヤーを速攻で変えるべきです。
グラドはデジタルではまったく鳴りません。
アナログの、それも質の良いアンプをあてがってください。
DAPをプレイヤー代わりなど使って耐えられるような代物ではありません。
僕はアナログ時代が長いのでこれらの機器は用意できますが、もしこれらがトータルで用意できないのならグラドを買うのは辞めておきなさい。
これもハッキリ言っておきますが1-3万程度のアナログ機器ではグラド本来の音は聞けません。
グラドで「刺さる」と言っている人は質の良くない機器を使っていると自分で公言しているようなものです。
ですので機器だけで別途で10万程度は予算を用意する、これが正しいグラドの音の聞き方です。
その時、あなたは別世界を見ることになります。
大ベストセラーヘッドフォンSR60はステレオファイル誌の"Product of the Year"を受賞。SR80は"Academy For The Advancement Of High End Audio"の"Golden Note"を受賞。SR125はサウンド&ヴィジョン誌の"Critic's Choice Award"を受賞。SR325はオーディオ・ヴィデオ・インターナショナル誌のグランプリ賞を受賞。RS1はステレオファイル誌の推薦クラスAの常連です。
グラドの音が聞きたいのなら、SR系とRS系のラインから選んでください。
PSとGS系統は音がダメです。
これはグラドの音ではありません。
価格に騙されるとグラドには近づけません。
最初は低価格ラインから初めて、とにかくアナログアンプにお金をかけるべきです。
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