ちょっとしたコラムと近況など。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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ここのところ、エントリークラスのヘッドホンに手を出してみたり、国産から海外ブランドのイヤホンまで色々と触手を伸ばしています。
製品提供を一切受けていないのですべて自腹ですが、マガジンの売上げを充当することによりいろいろな音が聞けて幸せなのか何なのか、と云う複雑な思いを抱いている今日この頃です。
もちろん中華イヤホンもガンガン行かなきゃと云う思いもあるのですが、アホらしいと云う自分もいて葛藤していたりします。
なぜアホらしいのか。
国産や海外のイヤホンを聴いていると、特にミドルからハイクラスまでの価格帯での中華イヤホンの実力にもうだいぶ疑問符がついたという事になります。
ただ5千円以下は面白いと思います。5000円以下で探すのならこれは十分に有りでしょうが、今中華が段々と力を入れている1万以上からのイヤホンという事になると、これはもうそれほどの価値はないのではないかと。
5000円以上出すのなら大手ブランドのイヤホンを物色した方が色々と有利なことは間違いありません。
例えばですね。
2万をイヤホンに投資するのなら大手ブランドの中古でも探した方が遙かに音が良く間違いも少なくなります。
shureやwestoneの音作りなど聴いてもそれは確信します。AKGなんかも低価格帯ではなかなか素晴らしかったりします。
買い方というかモデル選びさえ間違いなければ安心して聞き込める、というのは確かにあります。中華のように聴いてみたらゴミ以外の何ものでないということはかなり少なくなります。もちろんゼロではありませんが。
国産なら、残念ながら3千円以下はゴミしかない、と云うこともある意味事実なので、そう言うモノなら中華を買った方がまだ「面白い」という事は云えます。
日本イヤホンなら3千円以上で検討するのが良いでしょう。
そうそうSONYのイヤホンにおける音作りはさすがに素晴らしいと云わざるを得ません。これは声を大にしていって置きます。わざわざガレージメーカーのイヤホンを掘り出すよりも確かだったりしますので、適当に面白そうなモデル、重低音モデル以外を見つけたら試してみると良いかもです。
それから、今検討中なのですが、マガジン読者に一言断ってから、もしかすると低価格モデルに関してはすべてこちらの方でレビューをするかも知れません。
もともとエントリーユーザーの一助になればと云うことで始めたこともあるので、いろいと思案しています。
ああ、そうそう。
最近、中華イヤホンの勢いが鈍ってきたような印象があります。大勢として飽きてきたというのもあるのかも知れません。当然ですが。
まあこれは中華だけではなく、ひとときのブーム的なイヤホンの勢いも薄れてきたような気もしないではありません。それでもオーディオのエントリーとしてのイヤホンの価値というのは確かにありますので、それぞれの場所でそれぞれの楽しみ方を見つければよろしいかと。
【レビュー】ベイヤーダイナミック DT990pro 世界のエントリークラスヘッドホン
予告していましたが、V3マガジンになりやっと世界のベイヤーダイナミックのエントリークラスヘッドホンを聞くことが出来ました。
もともとドイツのメーカーですが世界初のダイナミックヘッドホンを開発したメーカなので実力は折り紙付きでしょうが、ドイツの音と云うのはどちらかというと「日本の音」の上位互換のような音作りをするので、そういったところが見所でしょうか。
日本の音の上位互換というと語弊がありますが、基本的な実力というか音作りそりものはとても勝ち目がないほどレベルが高いです。
ただ、何というかリファレンス系というかモニター系やモニターを崩したような音作りが多く、遊びの部分がとても少ないチューニングのメーカーが多いような気もします。
ドイツには物作りでピシッとしているイメージがありますが、音もまたそういう傾向を示します。
本来ならもう少しグレードの高いヘッドホンを聴くべきなのでしょうが、まずはエントリークラスからメーカの指向する方向性と実力を確認したく、密閉やセミオープンなどいろいろとラインナップがありますが、その中でも音に最も希望があると思われるオープンの990proに行ってみた次第です。
ベイヤーダイナミックは世界有数の老舗ブランドの1つなのでその音に間違いがあろうはずがなく、主に音作りという点をいつものごとく見ていきたいと思います。
【レビュー】JVC HA-FX3X-R XXシリーズ カーボン振動板採用イヤホン
アマゾンでレビュー数が1000を超えるという驚異のイヤホンです。安くても1000越えのイヤホンはほとんど無く、それだけ売れまくっていることを示していますが、ここまで売れているのであれば何らかの優れた部分があるのだろう、という思いがあり、一度聴いてみるかと購入した次第です。
日本のJVCのイヤホンで、米国逆輸入モデルXXシリーズ。いわゆる低音再生を狙った日本によくある重低音モデルのひとつで、純粋なピュアリスニング向けというよりも、若者や耳が低音向けになってしまった人たちに向けたJVCの答えのひとつでしょう。
【JVC HA-FX3X-Rスペック】
■モデルナンバー JVC HA-FX3X-R
■ドライバー 1DD/10mm
■感度104db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性 5Hz ~ 25000Hz
■コード長1.2メートル
バーンインは30分程度を推奨。低音が緩めに入るのでエッジが多少引き締まるまで回してみてください。
ハウジングは大きめですが軽くて、装着感はかなり良いと思います。
スペックですが下が5hzからいうのはさすがに言い過ぎかと。上も25000など必要ありません。こういった「詐欺」みたいなスペック表記はいい加減に各メーカ辞めて頂きたい。
【JVC HA-FX3X-R音質】
ドライバーの基本傾向はウォーム。帯域バランスは文字通りの低音ブーストタイプ。
その低音量はバカみたいに増幅しているのかと思えば、そういうことは無く、むしろかなり抑制的なブースト量となっています。
特に中華の一般的な低音量からすればかなり控えめであり、標準的な日本製イヤホンの帯域バランスから言えば一段階程度のブースト量でした。
ただ、低音が緩めで膨らみがとても大きい。またいわゆる「重低音」はほとんど出てきません。この点はある程度予想していたことですが、一般的なこのクラスのイヤホンよりも重低音は出ませんので注意が必要です。低音の膨らみが大きく少し緩めなので低音量などが錯覚しやすいイヤホンですが、その分音に厚みのようなものが出ているので十分に楽しめるでしょう。
ボーカルフラットは平均以下で、詰めた形跡がほとんど無く、ある程度の暴れがあります。このあたりは「価格なり」とは言えるでしょう。ボーカル部分の特性は余りよくありませんが、とてもウォームで厚みのある中域なので聴きづらいのは最小限に抑制されている印象。
低音が前に出る分ボーカルは少し奥に引っ込む場面がソースによって見受けられるのが少し惜しい。
中高音域側のエッジがかなり柔らかめでこの点は日本的では無く、非常に良い点でしょう。その分、最近のKZイヤホンなどが指向するようなクール系の明瞭度が高いイヤホンとは180度違うもので、そういったイヤホンと比較試聴するとウォーム系特有の「音の暖かさ」があります。これはこう言う方向性なので基本的なキャラクターと考えるべきです。
このイヤホン、低音を少しブーストして音は全体的に柔らかく仕上げたもので、長時間楽しく音楽を聴けるでしょう。最近の中華によくある「耳を破壊する」様なことはまったくありません。
意外におもしろいチューニングのイヤホンで、最初は音がボケてんのか?と思うのですが、しばらく聴いていると気にならなくなるので、ギリギリのところを狙ってなかなか良く作られているイヤホンだと思います。
低価格なりに若者に低音多めで楽しく音楽を聴かせよう、というそういう意図がよく感じられて好印象です。
【JVC HA-FX3X-Rまとめ】
価格を考えれば決して悪い物ではありません。
ただ低音ブーストモデルである事は間違いないのですが、いわゆる「重低音再生」というのはほとんど表現できません。密閉型のイヤホンはどちらかというと重低音再生に向いているとは言えるのですが、それを実際にキチンと出力するのはそう簡単なことでは無いのは、イヤホンを幾つも聴いていれば簡単に分かることです。スピーカを聞き出せば更によく分かるでしょう。
しかもこのモデルは他の平均的なイヤホンと比較しても重低音は更に出てきません。単に低音部分を増幅したというだけです。
それでもさすがに日本製イヤホンなのか、低音のブーストがとても奥ゆかしい。
当リファレンスのカルボアイと比較しても、カルボを10段階で5とするのならだいたいこのJVCイヤホンは6くらい。平均的な中華が7程度のブーストなので、それから比較ししても低音を何でもかんでも増幅しまくったと云うことはなく、ギリギリの増幅をねらったものでしょう。
カルボアイでも低音量は少し多いので、録音時の適正帯域バランスはおそらく4-4.5程度が「正解」なので、そう考えるとブーストレベルは+1.5程度に抑えられていると言えます。
最終的に〇評価はとても出来ませんが、中高音域のエッジもよく、音もウォーム気味で柔らかさがあり、長時間楽しくリスニングできるという事を考慮すると十分に評価できます。
中華イヤホンのように音が硬く尖り気味でやたらめったら低音ブーストしているわけではないのですが、ここからイヤホンに入門するとさすがに帯域バランス感覚は少しズレますが、弊害はかなり少なめという事で評価しておきます。
また価格を考えれば中高音域は「かなり」頑張っていると言えます。ピュアリスニングを指向する方があえてひとつ手に入れるものではありませんが、低音低音とウルサい初心者が耳を壊さない程度に少しブーストされたイヤホンで楽しく長時間聴きたいという用途には面白いイヤホンだと思います。
訳の分からない低音ブーストされた中華イヤホンを聴き続けて耳がおかしくなるよりも、よほどマトモです。
総合評価△
他の国産や海外イヤホンはこちらもどうぞ。
JVC HA-FX3X-R XXシリーズ カナル型イヤホン レッド
- 出版社/メーカー: JVCケンウッド
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 2人 クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る
【レビュー】Westone ウェストン UM Pro10 モニター系1BAイヤホン
やっとwestoneの1BA入門モデルまでたどり着きました。
westoneというのは数々のプロに愛用されているアメリカのブランドで、このあたりは以下の記事を見て頂ければこのメーカーを実際に愛用している人は多いと言うのが分かると思います。
カスタムIEM系イヤホンのOEM元として活躍していましたが、いつの間にかブランドを前面に出して表舞台に踊り出てきました。補聴器なども作っているようですが、補聴器はカスタムで作ると30万-50万などザラなのでイヤホンなど比べものにならないほど価格は高めです。
ただ補聴器というのはいわゆる音楽を鳴らす用途とはまったく違うものなので、補聴器メーカーだから「音楽を鳴らせる事に長けている」とは考えない方が良いです。
補聴器というのは人の声とその他生活に重要な帯域の音が聞こえれば良いわけで、それ以外の音はむしろ聞こえない方がいいので。そういった部分では「音楽用」とはまったくちがうものです。
Westonはおそらくその価格帯からいっても「ハイエンドイヤホン」という認識がなされていると思いますが、プロ用を謳っている事から言ってもメーカーが志向している場所はモニター系リファレンスということになるでしょう。
と云うことであれば「ハイエンド」と「モニター」というのはその音作りから言って両立しないので、どちらに属するのかを含めてその音作りの基本傾向を探っていきたいと思います。
世の中の人は大半が誤解してるかも知れませんが、いわゆるハイエンドの音というのはモニター系ではありません。美しくデフォルメされた音作りというかその傾向をハイエンドというので単に「正確さ」を表現するだけならその音の位置は低いと言わざるを得ません。
ただリファレンスとしてのできうる限りの正確な音作りというのはある種の人たちには必要なので、キチンと特性を詰めていくのも難易度が高い事は高いのは事実でしょう。
Westone ウェストン UM Pro10 ユニバーサルイヤホン 1バランスドアーマチュアドライバ IEM WST-UMPRO10-2017
- 出版社/メーカー: ウェストン
- メディア: エレクトロニクス
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【レビュー】パイオニア Pioneer SE-CH3T 低価格グラフェンドライバはリファレンスたり得るか。
国産で数少ないハイエンドスピーカーをラインナップに持つパイオニアの低価格グラフェンドライバのイヤホンとなります。
オーソドックスな円筒系のデザインに、最新のドライバを実装してわずか2500円程度。これはぜひ聞いてみなければと思っていました。実は以前NOTE版にてCH9のレビューを行っているのですが、ドライバ自体に非常に可能性のある音を感じたので、チューニングさえまともなら結構いい物なのではというのもありました。
だいたい最近は国産イヤホンでも低域がブーストされているものが多くなり、中華に比べるとそれでも数が少ないのが救いですが、いわゆる「低音モデル」が多くなるのでうんざりしていたところです。
低音というのは「慣れてしまう」という問題があって、適正帯域バランスよりも多め多めの音を聞いていると「正しいバランスのイヤホン」が低域少なめに聞こえて文句が出るという恐ろしいことになります。
もとろん屋外では環境音がうるさくノイズフロアが上がるので低音が少し多めなのが適正に変化しますが、あくまでピュア的にリスニングするとなると低域には「適正の範囲」というものがあります。
日本のイヤホンの優れたところはこのバランスが極めて優れています。
ところが価格的に3000円以下という事になると中華と勝負になりません。音がおかしいものが多く、リファレンスたり得るような優れた音質のモノは残念ながら見当たりません。
そんな中でこのパイオニアのCH3を聴いてみたわけですがその結果は・・・・。
パイオニア Pioneer SE-CH3T イヤホン カナル型/ハイレゾ対応 ブラック SE-CH3T(B) 【国内正規品】
- 出版社/メーカー: パイオニア
- 発売日: 2018/03/09
- メディア: ホーム&キッチン
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Pioneer パイオニア SE-CH3T シルバー ハイレゾ対応 高音質 カナル型 イヤホン イヤフォン 【1年保証】 【送料無料】
- ジャンル: ヘッドホン・イヤホン
- ショップ: eイヤホン楽天市場店
- 価格: 3,110円
KZ ZS7の注意点 低音の鳴らし方について
ちょっとしたお話しです。
先日、久しぶりにZS7を持ち出していろいろとDAPを変えて聞き込みました。
元々僕はリファレンスアンプとしてDP-X1を使っていることは明示しているわけで、レビューを書くときもこれでしか聴きません。
この点については以前よりハッキリと明言していますが、ZS7といえば「低音域」に持ち味があって、特に重低音が比較するとなかなかよく出てきます。
そこで今回は手持ちのいろいろな格安系のDAPを含めて聞き込んでみたわけですが、注意点が分かりましたので改めて書いておきます。
ZS7なんですが、低音域をしっかりと動かすというか、キチンと鳴らすためには「駆動力」が必要です。
僕はDP-X1程度の駆動力があればイヤホンならもうほとんど駆動力については考える必要が無いと言ってきていますが、それ以下のグレードのDAPについては当然ですが「駆動力」、特に低音の出方については考えていかなければなりません。
それでZS7なんですが、このイヤホンある程度の駆動力が必要です。
特に低音がかなりボケるというかエッジが不明瞭になるので、格安系のDAPでZS7を鳴らす方は要注意です。
ZS7で低音域が不明瞭だったり、階調表現に問題があると感じる場合、DAPのグレードを上げてください。どちらにしろイヤホンを鳴らす程度の事でも「ある程度の品質を保った電源部」というのは絶対に必要ですので、今後もイヤホンと付き合うのなら将来的にも揃える必要が出てきます。
一応、念のためですがZS7の大事なところなので書いておきます。
この為、ZS7の低音域は注意深く聴く必要があります。キチンと駆動力が足りているのなら低音はそれなりの品質は保たれています。
と云うわけですのでZS7のレビューの場合はDAPのリファレンスなどを明示しないレビューは余り意味がなく、これは経験とかなんとかではなく単純にアンプ側の駆動力の問題です。
こういうのはスピーカーならよくある事なのですが、イヤホン程度でもある程度の低音を動かすには駆動力は絶対に必要です。それはDAPのクオリティに依存するので解決するにはDAPの駆動力を上げるしか方法がありません。
ZS7の低音域の実力をキチンと引き出しましょう。そうでないとZS7を聞く意味がありません。
追記
低音と駆動力についてはもう散々書いてきましたので、改めてと云うことはないのですが、iphoneあたりでも低音は完全に駆動していません。それ以下の専用DAPではほぼ無理だと思ってください。
今回はリファレンス以外のDAPでテストすると予想以上に低音部分がユルかったので注意喚起を含めて書いておきます。
KZ ZS7 インイヤーモニター 4BA 1DD ミュージシャン IEM KZ ヘッドホン バランス HiFi イヤホン メタルシェルと取り外し可能な2ピンケーブル付き ブルー マイクなし
- 出版社/メーカー: KINBOOFI
- メディア: エレクトロニクス
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【レビュー】【レビュー】KINERA(キネラ) Bd005E/OKCSC DD3 Eイヤ・チューニングイヤホン
OEM元のOKCSCのDD3と何が違うのかは分かりませんが、DD3のEイヤバージョンです。
Eイヤというとチューニングに関わったイヤホンを聴くのははこれで2本目となります。
このイヤホンは要するに基本が中華なので、どう考えても「中華」の基準としての音作りがなされていると予想していました。
ちなみに前回はALPEXの1000円イヤホンでした。興味のある方はレビューをどうぞ。
中華はなぜか帯域バランスが基準よりも大幅に崩れているので、この点に慣れてしまうと「まともなバランス」が分からなくなります。耳は現状に適応しようとするので特に長く聞き込むとなかなか戻ってくるのが厳しいのは事実です。
その点、日本製イヤホンの帯域バランスは重低音モデルでもなければ基本的には優れています。
Eイヤがどのように「チューニング」に関わったのかは元のイヤホンと比較検討してないとわかりませんが、単独での実力をまずは探ってみようと思います。
本来はこちらのKINERAを無料版の予定でしたが、同時購入のSATOREXの音がアレでしたので、急遽NOTE版と取り替えた次第です。
さて、 Eイヤチューニングの実力は・・・・。
【DIYEAST - カスタムIEM自作、ポータブルオーディオ】 贅沢で優雅なオーディオの楽しみ
イヤホン自作派のブログでこんな記事が出ました。とても参考になったのでこちらで紹介しておきます。
カルボアイについての記事ですが、当ブログのリファレンスイヤホンであるので、ぜひカルボアイの使いこなしについての新たな知見が得られるのでお読みになる事を推奨しておきます。
記事についての直接の言及は避けておきます。素晴らしい記事なので皆さんが個々に判断して頂ければよいことであって、僕如きがとやかく私見を差し挟むことではないかと思われます。
ただ、この方は贅沢なイヤホンの楽しみ方をしていると思うのです。
僕は以前からちょくちょく書いていますが、イヤホンの方は「とっかえひっかえしすぎる」のです。スピーカのように場所を取らず、アンプ込みで投資金額がかさむわけでも無く、ちょっと気軽に買えたりするので引出を漁ればもう何本ものイヤホンが鎮座しているわけです。
こう言う聴き方ですとどうしてもたどり着けない世界があり、ひとつのイヤホンを、ひとつのヘッドホンを、徹底的に聞き込んで深さを知っていくこともまた大事なことだったりします。
それでしか分からない事も確かにオーディオの世界にはあるのです。
僕は気に入ったスピーカーやアンプは10年以上聞き込みを続けていたりします。イヤホンでは僕は時々買うのを辞めて気に入った1本を3ヶ月くらいは聴いて欲しいと書いたりもしましたが、そういう聴き方から得られる物もあるので、このブログの方のように徹底的に1本を突き詰めて聞き込んで行くというのとても大切なことなのです。
そういう楽しみ方が分かるようになってくると、コレはもう本当にピュア的な聴き方であって、とても贅沢な時間だと僕は感じます。
ピュアオーディオであると言うことは真摯に向き合うという事であって、決して高いものを所有しているとかそんな浅薄な事ではありません。
ただ本来持っているイヤホンのポテンシャルというのはこれは無視できません。イヤホンに限らずアンプなどもそうですが潜在能力の高いものを見いだしてそれを聞き込むようにしないと「深さ」というのは決して分かりません。
オーディオというものは実際に聴けば「底が浅い」ものがほとんどです。こう言う物はあなたの時間を費やす価値はなく、幾ら頑張っても高みには到達できません。
僕はこのブログを書いた方は贅沢だと思う。この1本を追求するその聴き方はとても絢爛たる時間の過ごし方だと思う。
オーディオとはそう言うものではないでしょうか。
【レビュー】SATOREX tubomi DH298-A1イヤホン
日本メーカーのホシデンが開発するイヤホンでSATOREXという余り聴いたことのないブランド名を付されて出しているのがtubomiと云うイヤホンです。
いこうかどうしようか迷ったのですが、随分以前に読者の方よりTwitterでtubomiをレビューしてくれ、と云うことだったので今回はだいぶ時間が経過してしまいましたが、今回はSATOREXです。
初めて聴くのでちょっと楽しみにしていました。
最初は同時に購入しEイヤチューニングのKINERA Bd005Eを無料版にてレビュー予定でしたが、急遽、逆にしてKINERAの方を国産版にてレビューすることにします。
【tubomi DH298-A1スペック】
■モデルナンバー tubomi DH-298-A1
■ドライバー 1DD/9mm
■感度104db
■インピーダンス32Ω
■周波数特性 20~45,000Hz
>■コード長1.2メートル
装着感はとても良く出来ています。軽くて耳にも挿入しやすい。
バーンインは1時間程度が目安。最初は「音色」がかなりおかしいのでそれが収まるまでという所でしょう。
【tubomi DH298-A1音質】
ドライバーはウォーム傾向で、帯域バランスは低音ブーストされています。中高音向けのイヤホンとなっていますが、低域がかなり酷く、聴くに堪えないレベル。
ドライバーが良くないのかハウジングがマズいのか、音数が多くなる複雑な曲だと簡単にドライバが破綻する傾向があります。特に低音が入るとかなり厳しいので注意が必要でしょう。
こう言う激しい曲の場合、tubomiは聴くに堪えない音を出します。
低音はブースト気味で、エッジは不明瞭、膨らみも大きく低音のエッジはかなりユルいです。非常に質も悪くここ最近では中華の酷い物と同等クラスの低音しか出せません。もちろん重低音は出てきません
しかも中域と低域の境目あたりでしょうか。低域の上側が突出するようでこの帯域にかかる曲だと音が不必要に前に出ます。これは設計ミスっぽい音。
低域が強すぎるのとチューニングがかなりマズいのでボーカルが曲によっては奥に引っ込む。
ただし、ボーカルフラットは詰めた形跡があるので好感が持てます。音色も鳴らし始めは異常な音が出ていましたが、バーンインでかなりウォーム傾向を帯びる音色に落ち着いたのでこの点でもボーカル周りは比較的に良く出来ていると言えます。
それからエッジ、これがfinal並に良く出来ているのは認めざるを得ません。中高音域側の輪郭は柔らかめで非常に素晴らしい。
基本的にこのイヤホンは日本製の3000円以下の音によくありがちなしょうも無い音がします。このtubomiはどちらかというと失敗したfinalチューニングのような音で全体的に激しいソースでかなり音が眠くなり、透明度がガクンと下がるところがあります。
【tubomi DH298-A1まとめ】
酷いです。ゴミとまではいきませんが限りなく音が悪い。特に低域周りが酷く、ブーストされたあげくに低音が膨らんでエッジは不明瞭。アコースティックな曲のみ鳴らせるという、よくある失敗作のイヤホンそのものの音です。
ドライバーとハウジングの適合性などがかなり悪いようで、全体的な透明度に問題があり、少しでも激しい曲だと聴くに堪えない音を出してきます。
帯域バランスはまるで「中華」のようで、これなら日本製である必要が無く、むしろこの価格でこれを出すのなら今さら中華に勝てるはずもない。
強いて言うのなら出来の悪いKZのようなバランスで、いろいろと問題があります。良いところはボーカル帯域周りとエッジの出来の良さですが、それ以外の部分の出来映えが余りにも悪く、敢えて買う理由は何もないでしょう。
名前のtubomi/蕾みの通りで、この音なら花開くことはありません。永久につぼみのまま枯れ果てるでしょう。何の希望も才覚もない音でした。
ホシデンというメーカーはよく知りませんが、総じてこの程度の音作りでは社内に音の判別の出来る人がいないのでしょう。イヤホンの専門メーカーとしては成り立たないレベルだと思われます。少なくとも音響機器の専門家が関わったと思われる音ではなく、個性的であろうとして道を間違えたかのよう。もう少し深く音作りというものを理解しないと厳しい。SATOREXの他のイヤホンに期待します。
総合評価✖
ヨーロッパの音
最近はNOTE版をコラム系記事はメインに書いていますので久しぶりですがこちらに投下しておきます。
色々な音を聞いていて思うのですが、やはり欧州の音響機器は音が違う。
もちろんすべてではないのは当然ですが、おそろしく音の品格が高い。
個人的に要注目しているのが「イタリア」それからイギリス。
イギリスは伝統的ともいえるもので昔から優れた音響機器を生み出してきました。イヤホンメーカーではRHAなどがありますが、もう一聴して音色の深さが違います。
ドイツも昔はいろいろと優れたメーカーがあったのですが、最近ではどうもパッとしません。
そこで優れたアンプやらスピーカーを生み出すようになったのがイタリア。
それも相当にレベルが高い。
僕の認識ではなんだか「昼寝」ばかりしているようなイメージしかないイタリアですが、フェラーリやランボルギーニなどを生み出しているので分かるとおり、生活必需品では無い、生きるために直接必要ではない物に関してはずば抜けた物を作ります。
そうそう。こんなこともありました。
以前、自宅のドアをリフォームしたときに「ドアノブ」をどうしますか?と言われて分厚いカタログを業者が持ってきたのです。
ドアノブなど何でも良いだろうと思ってカタログを見たのですが、トステムやらなんやらの日本メーカー製のドアノブはどれもみんな似たような物でたいした違いはありません。
ところがその中に「真紅のドアノブ」があって、更にそのデザインは貝殻模様でメチャクチャ高価。真っ赤な貝殻デザインのドアノブなど見たこと無かったのでビックリして「これ一体誰が買うんです?」と聞くと、業者は苦笑しながらこういったのです。
「ああ、これはイタリア製ですね。凄いですよね。こういう発想は日本人には出来ないですよ」
そう、デザインと言えばイタリアが優れていますが、音響機器も確かに凄い。音の品格が明らかに違っていて、どうしてこんなチューニングが出来るのかと思いますし、先ほどの真っ赤なドアノブ等を見ても頭ひとつ抜きんでた製品を作ったりします。
僕は「日本の音」も応援したい気持ちは十分にありますが、イタリアの優れたスピーカーやアンプの音なんか聴いてしまうともう暗澹たる気持ちになります。
特に才能のある創業者が生きている間に作られたイギリスやイタリアの音響機器の「凄み」というのはちょっとやそっとではたどり着けない深さがあります。