【レビュー】AKG N25 デフォルメかモニターイヤホンか
これでAKGのイヤホンレビューは4本目となる。
エントリーからハイエンドまで聞いてしまったが、AKGのNシリーズは音に特有の刻印が描かれている。
それはある意味では日本人には受けないキャラクタだと思うのだが、もっと広義で云えばアジア人には受けないのかも知れないと予測している。
それが正しいのかどうかは別として、日本や中華の音がなかなか到達できない性質のものではあるので、それが受け入れられるのかどうかがAKGのイヤホンを聴くときにはひとつの踏み絵となるだろう。
このイヤホンは単に透明度があるとかニュートラルであるとかでは推し量れないものがあると思う。
N25。
ハウジングは下位のN20と同等で、ドライバは2DDとなっている。N20の高域拡張版ではあるが、いろいろと細部が変わっているので音の印象というかチューニングは煮詰められていると云えるだろう。
AKGの本質はモニター系なのかデフォルメ系なのか?AKGチューニングの本質とともにその答えも明らかにしていきたいと思う。
【レビュー】shure SE215 Bluetooth版
しばらく前にshureの215SE(低音強化版)のレビューを行ったが、今回はそのBluetooth版であるワイヤレスのSE215(ノーマル版)のレビューを行った。
今後、Bluetoothなどのワイヤレス版のレビューを順次増やしていく予定である。理由は明白、有線イヤホンは既にオワコンである、という明確な理解にもとずいている。
実際のところ、この流れは既に2-3年前には始まっていたので特に感想はないのだが、せいぜい有線と無線が「両対応」であるイヤホンが増えることを期待する程度であって、それすら定かではないと云えば定かではなく、むしろ「有線イヤホン」という潮流は完全に潮目が変わって厳しいというのが「まともな理解」であろうと思う。
この理由も実に簡単である。
もともとイヤホンが実現出来る音というか「再生クオリティ」がそのものが低すぎた。これにはメリットとデメリットが共存しているのだが、スマホ環境やDAP環境であるのならその使用状況を含めて特に不足を起こすことはなくメリットが高かったと云えるだろう。
これが何を意味するのかというと「イヤホンのチューニング範囲」そのものがかなり狭いことに起因する問題である。故に誰がどうこうではなく単なる「構造上の問題」である。
空間表現だの音像だのと誤魔化してもみてもイヤホンでは実際にそんなものは存在しないのだから、幾ら言葉遊びを費やしてみても現実が追いつくことはない。認めようが認めまいがこれは構造問題であり、ハード側の問題である。
しかし数多くの明白で単純なライトユーザーたちにとってはむしろ再生クオリティが低い方が楽しく使いやすいという逆転的な状況を生み出していたともいえる。
そしてマーケットを支えているこれらライトユーザーたちにとってもはや「有線の音質的有利さ」などというものは既にその実効的な意味を失っていると云える。
簡単にいおう。
もはや上がり続けているBluetoothの音質とその使い勝手のよさと含めて、主戦場はBluetoothにシフトした。今や有線にしがみついてるのは日本と中華の一部メーカくらいであって、海外勢の主力は有線は既に見捨ててていると云えるだろう。
現実は直視しなければならない。
と云うわけで、今後もBluetoothは増加させていく。ヘッドホンも増やしていく。
SHURE ワイヤレスイヤホン BT2シリーズ SE215SPE-B+BT2-A トランスルーセントブルー : 高音質 / 高遮音性 / マイク・リモコン付 【国内正規品/メーカー保証2年】
- 発売日: 2019/09/13
- メディア: エレクトロニクス
【レビュー】MacaW GT600s Proイヤホンの音
どうもです。
最近は中華コロナのおかげで世界的に迷惑を被っているので、そんな中で中華イヤホンなど買っている場合ではないような気もしますが、海外勢が既にBluetoothにシフトしつつあり、国産や中華などしか有線イヤホンを作らなくなっているの現状では有線派のみなさんにとっては受難の時代でしょう。
今のところ厳密に比較してしまえば無線が有線を上回ることはないとは言え、通常の使用においてはワイヤレスのメリットはデメリットを超えます。
こう云う場合、適材適所で好きなものを使えばよろしい。
そんな有線イヤホンの絶滅しつつある時代に中華のMacaW(マカウ)のイヤホンです。価格はミドルクラスですが、中華としての価格で云えばハイエンドと云えるでしょうか。
作りは1DD+1BA。
高価格帯ではイタズラにドライバ数を増やすだけのゴミが多いのですが、2ドライバというのは至って普通です。個人的にはこれでもドライバが多すぎると感じるわけですが、音に統一感があればすべて問題ないことも確かです。
こちらのGT600S proはGT600のブラッシュアップ版とのことですが、元の600と比較検討したわけではないのでその点では「相違」というのは分かりません。
ですので単独での評価となりますが、お金を出す価値があるかどうかと言うのはそれでも十分に分かってしまうわけで、そのあたりは誤魔化しようがありません。
そういう訳でMacaW GT600s Proの評価をノート版で出しておきたいと思います。
AliExpress.com Product - Macaw GT600s Pro Hybrid Driver NoiseCancelling Earphones Monitor DJ Hifi Stereo Mmcx Metal Music Earphone Detachable Cable
【レビュー】JVC SU-ARX01BT MMCX対応有線イヤホンをワイヤレス化する。
見た瞬間にこれは試してみないと、と強く思ったのはMMCXイヤホンをBluetooth化できるヘッドセット本体だからです。
好きなイヤホンがMMCX限定とはいえ使えるので、これが良いものであれば一石を投じることになるでしょう。
その昔、この手の中華製Bluetoothヘッドセットを使ったことはあるのですが、そもそも基本的にどうにもならない音質でほぼゴミ同然の代物ではありました。
ところが時が経ちBluetoothもだいぶ進化したようなので、国産のJVCのMMCX対応Bluetoothヘッドセットの音はどうなっているのかと思った次第です。
こちらのARX01の再生時間は7時間。通勤通学などに使うのなら頻繁な充電が必要でしょう。
またK2テクノロジーと言われる「圧縮音源補完技術」が使われていて、これもボタン一発でONOFF可能。
今回はARX01本体の音質傾向とともにK2テクノロジーが検証可能なほどの有効性を持つのかも見ていきたいと思います。
JVC SU-ARX01BT ワイヤレス リケーブル CLASS-S 高音質化技術 K2テクノロジー搭載/Bluetooth・NFC対応/連続7時間再生/MMCX端子採用
- 発売日: 2017/11/09
- メディア: エレクトロニクス
【レビュー】TRI-I4 中華イヤホン
どもです。
ここの所忙しくてつい後回しになってしまいましたが、久々の中華イヤホンレビューとなります。前回同ブランドのTri-i3をノート版にてレビューしましたが、あちらは「限定品扱い」とのことで、最近中華で増えてきた「平面駆動ドライバ」のイヤホンでした。
詳細はノート版を参照していただきたいのですが、中華としてはかなり面白い逸品で価格がもっと熟れていればというイヤホンです。
そこで今回はI4です。
【TRI-I4スペック】
■モデルナンバー TRI-i4
■ドライバー 1DD/1BA(KNOWLES製バランスドアーマチュア)
■感度103db
■インピーダンス12Ω
■周波数特性 20Hz ~ 40000Hz
1DD+1BAのよくあるハイブリッドドライバですが、BA側にアメリカKNOWLES製BAを実装したもののようです。
MMCX対応なので断線などの場合、交換は簡単に行えるでしょう。
装着がかなり厄介なイヤホンのひとつで、低域量がかなり変化してしまうので念入りに合わせたいイヤホンのひとつ。後述しますが低域量はかなり多めなのでそれに合わせる必要があります。
このイヤホンで低域が少なめと感じるケースではイヤーピースが合致していません。
【TRI-I4サクラ度】
アマレビューのサクラ度は.......
60%
レビュー詳細はこちらへ。
【TRI-I4音質】
基本的な音質はクール系ですが、若干ニュートラル寄りに作られています。
帯域バランスは低域+8.0から+8.5なので中華の中でもかなり強めな方でしょう。ほぼ限界ギリギリの低域ブーストで相当に強いと思っていただいて構いません。
低域強めの中華イヤホンでも低域ブースト+8.5などほとんどないので、低域は限界寸前というところでしょう。
その低域は緩くてブーミー。
低域は全体的に不明瞭でハッキリとしません。低域の質はかなり悪いとみて間違いなく、このブーストでこの低域の階調表現能力とエッジではそもそもかなり出来が厳しい。
ボーカルフラットは非常に良く出来ていてトップクラス。ところが中高音域全体のエッジが非常に質が悪く、音がかなり痛い。エッジの尖りは許容できるレベルを超えていて耐えられないレベル。
もともとこのtri-i4の音は基本の方向性がクール系という事もあってか音自体が「硬め」なのですが、エッジもかなり鋭角に表現される部類のイヤホンなので更に一歩踏み込んで音が硬く感じられるところがあります。
特に女性ボーカルがとても苦手なイヤホンで聴くに堪えない音がします。
中高音域全体のチューニング傾向としては全体的にかなり派手目なチューニングであると云えるでしょう。
【TRI-I4まとめ】
同社のI3と比較すれば出来映えは相当に落ちるとはいえ、正直に申し上げれば「中華イヤホン基準」なら「普通かもしくはそれ以下」と言ったところでしょうか。
こちらのi4に関しては一言で云ってしまえば、KZ社のZS10の音とそっくりでZS10や10proなどのZS10シリーズをひとつでもお持ちなら敢えて買い足す必要はありません。
音やチューニングがそっくりで、確かによく聞けば細かい部分で相違があるのですが、目くじら立てるような違いでも無く、分からない人は違いが分からないようなそんなレベルでしょう。
敢えて言うのならKZ ZS10などよりも幾らか低音が強く、幾らかエッジがキツいかな?程度の話しであって劇的な違いはまったくありません。
と云うわけで音質やチューニングは全体で見ても完全な中華イヤホンの音であって、どこをどう切り取っても中華イヤホンクオリティの音で、エッジのキツさと低域がより強くブーストされていることを考えると購入する理由は何もないと言えるでしょう。
もしKZのZS10シリーズをひとつもお持ちでなく、このi4がセールか何かでとても安く買えるという事であれば「中華クオリティの音」という事でひとつ持っておいても良いでしょうが、あえて僕はオススメはしません。
あまりにもkzのzs10シリーズと音が似ているので、これがkzの新作だといって聴かされたらそのまま信じてしまうでしょう。
というわけで、中華にありがちなクオリティの低い音でお金を投資するだけ無駄な感じを受けました。
総合評価✖
note.com
【レビュー】shure SE425 名門Shureの2BAイヤホンの音
イヤホンと言えば名門shureでしょう。
その名はイヤホン界に燦然と轟くもので異を唱えるものは世界でも希ではないでしょうか。
先日も知り合いがイヤホンを買ったというので、興味本位で何を買ったのかと問えば答えはshureの215SEでした。世間的には鉄板なのでしょうが、辛口イヤホンレビュー的には言いたいことはたくさんあるわけで・・・・。
うーん、と思わず絶句してしまいましたが、このshureと云うブランドはマーケティングがとてもうまいので虚像が実像を上回るというとても不思議なことになっています。
shureのイヤホンはエントリークラスの215とハイエンドの846を聞き込んでレビューしていますので、ミドルクラスの425は初となりますが、さてshureの本領を発揮してくれるのかどうかが見所のひとつとなるでしょうか。
この425、スペックはハイレゾとは無縁のかなりまともな品で仕様だけ見るとさすがと言わざるを得ません。それが425では得意のマイクロドライバーを2BAで実装したイヤホン。
うーん、それでは聞いていきましょう。
SHURE ワイヤレスイヤホン BT2シリーズ SE425-V+BT2-A シルバー : 高音質 / 高遮音性 / マイク・リモコン付 【国内正規品/メーカー保証2年】
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【レビュー】intime SORA2 最新セラミックトゥイータ搭載の音はどうだったのか?
先日発売されたintimeのイヤホンですが、遅ればせながら聞いてみた次第です。
このintimeと云うブランドはいわゆる日本製ローカルブランドなのですが、同軸のセラミックトゥイターを積極的に採用するという希有なブランドでもあります。
本来、スピーカでもないのでハイブリッドにするメリットは音質的にはほとんど無い、と個人的には理解していますが、ハードで違いを出さないとこのようなローカルブランドが生き残りをかけるのはおそらく難しいのでしょう。
日本製メーカーと云うのはやたらと「新技術」とか「新素材」とか物理的特性を追い求めて結局のところ、最終的に出てくる音は碌でもないというのが伝統のようでもあります。これは中華あたりのイヤホンにも最近ではよく当てはまるのが笑えるところでしょうか。
僕はユーザーは決してバカではない、と思っているので良い音のものを出せば1DDだろうと何だろうと必ず売れると認識していますが、いろいろなマーケティング上の理由が優先するようで、とにかくあーでもないこーでもないとハードの目新しさを売り文句にする傾向は相変わらずのようです。
このintimeというメーカーを一言で云うとやはりハード偏重という姿勢は見受けられます。ただし、ハードで目新しいことを行うのなら、徹底的に熟成しないとダメだと思うのです。ひとつの技術を使いこなすのは長い年月が掛かります。それでも使いこなせない素材など山のようにあるわけで・・・・
ハードがあって音があるわけではなく、その音の高みに至るための手段1つとしてハードがあるに過ぎません。ハードに振り回されるのではなく、ハードをコントロールしてその音を出す、それだけが大事なことではないでしょうか。
今回の新作は価格的にも期待を持たせてくれる範疇のイヤホンであったので購入してみた次第ですが、ノート版をご覧になっている読者の方は良くご存じの通り、失地回復のレビューの機会でもありました。
心配なのはやはりintimeのイヤホンはちょっと油断するとデタラメなチューニングに片足を踏み込む傾向があるので、「まっとうなもの」を出して欲しいと云うことでしょうか。化粧をガッチリと決めたキャバ嬢風の音がするのですが、もっと自然体でよいと思うのです・・・。
今回のSORA2。
自然な薄化粧の少女なのか、あるいはケバいキャバ嬢なのか?興味が尽きませんが、レビューで明らかにしていきたいところです。
【レビュー】TFZ KING EDITIONイヤホンは中華ハイエンドたり得るか
中華ハイエンドイヤホンのTFZ KINGです。
中華にハイエンドなど本当にあるのかと思いながらも、時々、面白いものが見つかるのですが、延々と散財しながらその旅を続ける価値があるのかどうなのかと言えば、意味は無いでしょう。
こちらは2万円近いイヤホンとなりますが、
ダブルマグネティックサーキットダイヤモンドドライバー搭載
というまったく意味の分からない凄いイヤホンです。
このイヤホンはそれ以上に1つ特徴がありまして、それはフェイスプレートにスイッチがあり、それをONOFFすると音質が若干変わるという機能です。
こちらの機能に関してはアマゾンレビューの方に詳しく書いてあるので、スペック共々確認しておくと良いでしょう。
ユーザーによりかなり詳細に詳しく書いてありますので参考になるかと思われます。
アマゾンレビューはこちらへ。
さて、これで二本目のTFZと云うことになりますが、前回ノート版でレビューしたものよりも価格は大幅に高く2万円近いと言えば分かりやすいでしょうか。
とにかく高い。
こう言う価格帯のものは苦労して買うのでそれだけで音が良く聞こえてしまうと言う事がよく起こりますが、むしろ逆で,こう言う高価なイヤホンほど自分に向かって「ゴミに違いない」と言い聞かせる必要があります。
これはホントの話し。
それくらい自分に暗示を掛けないと「価格による思い込み」から逃れられません。
【レビュー】最新・完全ワイヤレスイヤホンを聴く クリプシュT5 TRUE&Lypertek TEVI同時レビュー
最新の完全ワイヤレスイヤホンを二機種聞き比べました。
ひとつは天下のクリプシュの出すT5。
もうひとつはよく分からないメーカーながら野心的なグラフェンドライバを使ったLypertek TEVIです。
完全ワイヤレスというのは個人的にはあまり好まないのですが、その理由は、今まで聞いてきたイヤホンの音があまりにも悪かったからだといえます。
どうしてわざわざ面倒で音の悪い物を使わなければならないのかイマイチ理由が分からずに、放置プレーしていましたが、ようやく重い腰を上げて完全ワイヤレスのハイエンドの音が一体どうなっているのか確認した次第です。
今回、同時に2つを聞き比べたので、なんとなくリアルタイムでの完全ワイヤレスの音質がどうなっているのかがわかりましたが・・・。
Klipsch クリプシュ T5 TRUE WIRELESS 完全ワイヤレスイヤホン: T5 TRUE WIRELESS 【国内正規品】 ブラック
- 発売日: 2019/09/30
- メディア: エレクトロニクス
【レビュー】Philips Fidelio 開放型ヘッドフォン X2HRの音
なにかこう高級なグラドを連想させるのがこちらのフィリップス Fidelio 開放型ヘッドフォンX2HR。
フィッリップスと言えばもちろんCDプレーヤーが有名でしょう。
SONYと時を同じくしてCDプレーヤーのパイオニアのひとりがフィリップス。CDM-4メカを使用した往年の名機であるCDプレーヤーはいまでもそれなりの価格で取引されています。
愛用者が多いためプレーヤーを修理するノウハウの確立されているのでずっと使い続けられるところがすばらしい。
そんなフィリップスですが、近年ではオーディオからほぼ撤退気味なところが痛い。
数少ない「まともな現行のフィリップス製オーディオ製品のひとつ」がこちらの開放型ヘッドホンで、あまり期待していなかったのが本音です。僕のイメージではデジタルプレーヤーメーカーであってそれ以上ではありません。
こちらのオープンヘッドホンも突如として読者から送られてきたので「なんだろう」とは思っていたのですが、価格も手頃なので聞いてみるのも一興かと思った次第です。
そんなフィッリップスの開放型ヘッドホン。あまりにもマニアックなブランドですが、これがなかなかどうして個性的で鮮烈な音にそこはかとなく漂う色気と面白かったので評価してみた次第です。
それではレビューをどうぞ。