【レビュー】グラド RS2e 現行eモデル新型ドライバの音
ここのところ集中的にグラドを聞き込んでいるが、それぞれのモデルでハッキリとした差があるのがおもしろい。
特にこのRS2eは現行eモデルの新型ドライバを搭載している。
聞き所はこの新型ドライバの音だと思うが、RS系は独自の特徴を付与されているのでその特徴の出方も聞き所のひとつだろう。
そういえば手に取ってみるとハウジングの加工精度が上がったのか、旧来のグラドモデルよりもハウジングの質が良くなっているように見える。これは朗報だろう。とんでもないチープさがグラドの持ち味のひとつでもあるのだが、手持ちのRS1と比較するとなんだか高級感が出てきたようにも見える。
まぁたぶんこんなものはどうでもよいのだが、正しくみなければならないのはやはりその音の本質だろう。
新型ドライバとは何なのか。
もしくはRS系のグラドの特徴がどうなっているのか。
そのあたりはキチンと報告しようと思う。
おそらくグラドは今後RS2で見せた方向に進むと思われる。チューニングは操作し示している。
それでは新しく単品レビューとなったがしばらくこの方向で僕も進むので必要な方は購入してレビューを確認していただきたい。
【レビュー】Grado Hemp限定モデルヘッドホン
非常に美しいモデルだと思う。
ハウジングに麻と従来モデルのメイプルをハイブリッドで組み合わせて、限定モデルとして9/10日発売したのがこちらのグラドHempヘッドホンである。
僕は木目も好きなのだが、特に好むのはオリーブの木目である。それに負けず劣らず美しい木目を出したモデルだと思う。オリーブの場合、切り出した位置で木目がかなり変化してしまうのだが、こちらの麻を圧縮したハウジングはどれも木目が美しい。
価格はミドルクラスとも云える物なので、限定モデルとはいえ比較的に手を出しやすい価格ではあるだろう。グラドの限定モデルはプレミアも付きやすいので音が優れたものであれば手を出す価値はある。
だが、グラドはそのちゃちな作りに反比例して出来るだけ予算を上げた方が良い。イヤホンとは違ってドライバと同じくらいハウジングでのサウンドチューニングに実力が出てくるからだ。
そのあたりのチューニングの善し悪しが価格に乗ってくると云えるのがグラドだ。
限定モデルとのことなので販売が終了すれば入手困難品となるだろうが、あくまで音が良ければと云う前提が必要になると思う。さてこのグラドhempは下位モデルと上位モデルどちらの音を引き継いでいるのだろうか。
それともまったく新しい音なのだろうか。
【レビュー】FAudio chorus 日本限定3BAイヤホン
FAudioのchorusである。
3BAイヤホンらしいが、元のオリジナルは10万位するらしい。そのオリジナルのハウジングをアルミに変えたモノがこちらの廉価版chorusという事になる。
メーカーによれば「共振が少なくなった」というような事を述べているが、それは音を聞くまでは鵜呑みには出来ないだろう。
一体このFAudioとはなんだと思ったのだが、どうも香港の新興カスタムIEMメーカーと書いてある。
カスタムIEM。
ハッキリ言ってカスタムIEMなど僕は信じていない。別にカスタムIEMにしたからと云って音が良くなるわけではないからだ。確かに遮音性は上がるだろうが、それ以上のことではないだろう。
オーディオでは遮音性を上げたからと云って比例して音質が向上するわけではない。適度に音を逃がすことも必要だろう。
そもそもカスタムIEMではわずかな体型変化で音質が変化してしまうのでこちらの方が問題だろうと思う。
と云うわけでカスタムIEM=高音質ではない。
というよりもむしろカスタムIEMなど情弱の狩り場と云った方がいいかもしれない。なにしろカスタムIEMと云っておけばそれなりにぼったくり価格にする事も出来る。それにプラスしてBAなどたくさん積めば更に騙しやすいだろう。
そんなFAudioが日本向けの限定モデルとして販売するのがこちらのchorusである。
どんな音がするのか期待半分だが、掘り出し物である事を願おう。
【レビュー】KZ ZSTx 久しぶりのKZイヤホンを聴いた感想
久しぶりのKZイヤホン。
おそらくは一年ぶり以上だろう。
最近はノート版で世界のイヤホンを聴くことに主眼を移したのであえてKZに興味は無いが、個人的な理由でZSTxを購入してみた次第である。
辛口イヤホンノート版マガジンはこちらへ。
【KZ ZSTxスペック】
■モデルナンバー KZ ZSTx
■ドライバー 1BA+1DD
■感度107db
■インピーダンス12Ω
■周波数特性 20Hz ~40000Hz
このZSTxはバーンインはほとんど必要ない。鳴らし始め初期から音の変化はほとんど無い。
【KZ ZSTx音質】
ようするにKZの1BA+1DDのハイブリッドの音である。基本的な音質もそのままハイブリッドの音質を受け継いでいると思う。
最近KZが得意とする「アップグレード商法」のひとつであろう。
基本的な音質はそのままにさも「音質が改善」したかのように同じような音のイヤホンを新発売にして売りつけてくるアレである。
こう言う商売を行うのなら、ちゃんと「欠点」なり問題点を直してほしいものだが、そうすると音が大きく変わってしまうので、ほんの少し音を変えただけて売りつけてくる。
ある意味これほど美味しい商売はないだろう。
ドライバを最新の○○にしたとか、「ノズル」あたりのチューニングをちょっとだけ変えるとか、小手先のワザで誤魔化すので開発費は最小限で済み、それに新しい型番をつけて新発売すれば素人さんをコロッと騙すのにちょうどよい。
あとは販社がタダでブロガーやSNSあたりに配りまくってポエム記事を書きまくってもらうだけである。
どうせ音質評価などできないと高をくくっているのだろうか。
しかもこのZSTxはどうも音質傾向がZSTオリジナルのような音がする。つまり初期型ZSTのような気がする。
ZSTも初期型オリジナルとpro版でだいぶ音質傾向が変わってしまったのだが、中高音域に初期型のような雑味が入るのが気に入らない。
しかも低域もだいぶ出来が良くない。
低域はいつもの中華の過剰ブーストで、それも中華標準の低音量よりも更に多い。低域量は+8.5を超えると思う。しかもその低音がとてもブーミーだ。輪郭は緩くボヤけ、もともとKZは低音が得意な方ではないがKZイヤホンの中でも更に悪い部類に入るだろう。
最悪だったZSAよりもマシだが、いまさらこんな質の悪い低音を過剰ブーストで聴かされてもしょうが無いと思う。
中高音域は低音に比べるとだいぶまともだが、なにしろ音に雑味が入る。
全体にかなり明確な雑味が混じるのでこれだけでもう聞く価値はないだろう。
エッジがどうのこうのとかボーカルがどう描かれるかとか、細かい評価を本当はつらつらと書くつもりだったのだが、そんなものを吹き飛ばしてしまうくらいにこの中高音域の雑味混じりの音に価値はないと思う。
このZSTxもまた最近のKZの音そのままで他の1dd+1baハイブリッドイヤホンの音質と大して変わらないのだが、各部分が大きく劣化してしまっているので、その点は留意しておく必要がある。
だが、この大きな劣化部分は無視できないので、わざわざ購入する必要はないだろう。
KZのイヤホンが欲しければ間違いなく他のイヤホンを選択した方が良い。
【KZ ZSTxまとめ】
KZは本当に久しぶりに聞いてみたが、特に理由は無い。KZの音作りは既にもう限界を迎えているのが一年以上前に分かってしまってから急速に興味を失ってしまった。
KZが今後も輝き続けるためには現行のサウンドデザイナーの首を切るしかないだろう。
それはもうハッキリとしている。
今のサウンドデザイナーの能力ではこれが到達できるKZの音の限界である。
問題なのはその才能がかなり低いところで飽和してしまっていることだろう。
このデザイナーに幾ら開発させてもこれ以上の音の高みには到達できないと思う。
価格が幾ら安いとは云え安かろう悪かろうでは話しにならないというのもそうだが、それ以前にどれもこれも基本的な音質がそっくりだと云うことが問題だ。
例えば1DD+1BAのハイブリッドなら基本音質は皆同じだ。帯域バランスやエッジがそれぞれ多少違うだけで面白くもなんともない。これが高いレベルで戦うイヤホンならわずかな違いを楽しむという事も可能だろうが、この程度の音で「ちょっとした違いしか無い」というのではひとつ所有していればもうお腹いっぱいとも云える。
久しぶりに聞いてみたKZのZSTxだが、結論を言えばしょうも無いイヤホンである。ゴミとまでは云えないが、わさわざ幾ら安くてもこんな物を買う理由はない。
2019年以降の音はどれもこれも同じような物で相変わらず大きな変化は無く、比較的ダメな系統のイヤホンと聞けるイヤホンがハッキリと分かれている。
このイヤホンがダメな理由は2つ。
■低音の過剰ブーストとブーミーさ
■中高音域にまとわりつく雑味
これ以上に云うべき言葉はない。
実は今回ZSTxを聞くに当たり元となったZSTを比較対象とするべきなのだが、あちこちに大量のイヤホンをしまっていて、そこから探し出すのも面倒なのですぐに見つかったZSNproを比較対照とした。
音を聞いてみると、一聴して既にダメな音がしているのでわざわざ時間を浪費してオリジナルのZSTと比較する理由もなくなった。
それにZSTの最初のオリジナルの時から指摘しているはずだが、ZST系は中高音域に妙な雑味が混じる。pro版に変わってからその雑味がなくなったので喜んだのだが、それがZSTxでも同じように雑味が混じっているのでこの音を聞くだけで購入する価値はない。
それにプラスしてただでさえ低音ブーストされた中華イヤホン特有の帯域バランスが更に劣化しているとするとこれはもう初期型ZSTの音の傾向そのままだろうと思う。
おそらく厳密にオリジナルと比較検討すればちょっとした違いはあるはずなのだが、元がダメなのでちょっと変化させたくらいではどうにもならないだろう。
どうしてこうなったのか訳が分からないが、この同じような低レベルの音しか作れないKZのいまのサウンドデザイナーではこの辺が能力の限界だろうと思う。
このZSTxは既に発売されてからある程度の数は売れていると思うのだが、所有しているかたは上記の2点の問題はしっかりと聞き取って欲しいと思う。これが聞き取れないとより上位のイヤホンを購入しても音の判断は出来ないだろう。
最後に申し上げておくが、KZの1DD+1BAの格安ハイブリッドイヤホンならZSNproをひとつ買っておくと良い。こちらの方が元となるオリジナルの音が良いといえる。
それから中華コロナの時代を迎えてお金の無駄なのでZSNproをひとつでも所有していたらKZの1dd+1baとその亜種は買う必要はない。どれもこれも基本的な音質に違いは無く、お金をドブに捨てるようなものである。
また巷のブログ評価などもKZのレビューは販社からの提供が多く激しく汚染されているので役に立たない。ZSTxのこの雑味全開の中高音域がクリアに聞こえるなどまったくもってお笑いである。
総合評価✖ 劣化アップグレード版イヤホン。
KZもいい加減このような「アップグレードによるリファイン商売」を辞めた方が良い。欠点をそのまま残してさも改善したかのように同じような音のイヤホンを次から次に売りつける。実際はどれもこれも基本は同じ音である。
こちらはZSNpro。KZの1DD+1BAが欲しければこちらの方が音がまとも。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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【レビュー】SHURE AONIC3 1BAイヤホンの世界 shureは本気なのか。
2020年4月発売なので、できたてほやほやとは云わないが、昨今のBluetooth化するイヤホンの中で「今どき有線」を大手が発売するのは珍しいだろう。
事実上の有線からの撤退が相次ぐ中で、だいたい残るのは碌でもないメーカーになりつつある。
悲しいがそれが現状である。
そんな事情をものともせず開発されたのがshureの新シリーズである。
AONIC。
その中でも最も安価なAONIC3は1BAイヤホンである。
好きな人にはたまらないだろうが、shureのイヤホンというのはいろいろと問題もあったりする。偽物の存在もそうだが、本質的に音を考えた場合、音楽リスニングにおいて致命的な部分を感じたりするのだ。
そういう訳であまり聴く気はなかったのだが、AONIC3は1BAと云うこともあって聞いてみることにした。
SHURE シュア AONIC 3 高遮音性イヤホン / SE31BABKUNI-A ブラック : 高音質/高遮音性/マイク・リモコン付/カナル型 【国内正規品/メーカー保証2年】
- 発売日: 2020/04/25
- メディア: エレクトロニクス
【レビュー】 Etymotic Research HF5
ERのイヤホンであるが、なんだかレビューが凄まじく評判がイイ。過去のイヤホンではあっても名機は名機といえるので、そのレビューが本当なら「買い」だろう。
ERはなんだかんだと色々と聞いてしまったが、その感想はノート版レビューに譲る。
そのERの伝統的な1BAイヤホンのひとつがこのHF5である。
これも読者様から依頼を受けて借り受けたものだが、2-3週間も借りてしまったので心が痛い。というのも時間が無くてなかなか聞き込めなかった。一聴してだいたいの性能というか現在地は分かったのだが、細かく見ていこうとするとなかなか時間がかかる。
ここ最近の僕は時間が厳しいのである。
もともと圧倒的に多趣味であるところにオーディオが好きなのかと言われればなんだかよく分からないところがある。普段はオーディオなどほとんど聞かないのである。
ノート版イヤホンマガジンも遂に3周年を迎えたので本来ならガツンとレビューを幾つか決めたかったのだが、そうは事情が許さなかった。
ちなみにこのHF5。レビューを読む前にアマゾンだったり価格コムだったりのレビューをぜひ参照していただきたい。
ノート版辛口イヤホン3周年記念特別セール開催
みなさまのご愛顧で無事に3周年を迎えることが出来た。
有料オーディオレビューというよく分からない道を切り開きつつ、世の中のステマと意味不明なオーディオポエムと戦ってきた。
そもそも世の中のオーディオレビューの結論がよく分からないのは、販売店や代理店からの依頼だったりするわけで、当然、書きたいことは書けず、欠点があってもそれをオブラートで隠し、読む人を煙に巻くのが常套手段だ。
読んでいる側はゴミを掴むことになる。
中華はもちろんだが、大手の日本代理店なども非常に危険だ。
いまやブログを使ったインフルエンサーによるステマはあちこちに溢れている。
それに敢然と立ち向かうのが当ブログであるが、2年ほど前から予定通りにノートを使った有料ブログに移行した。
Googleやらのアホな検索エンジンに振り回されるのはもうたくさんだ。
検索結果はステマのゴミばかりでまったく役に立たない。
ノート版マガジンは滅多にセールなどやらないが、3周年記念で2日間だけセールすることにした。
V1は100円。
V2V3V4V5は499円。
追記
2日間の特別セールは終了したが、3周年記念WEEKとして9/6日まで上記特別価格を一部マガジンに適用することにした。WEEKが終了したら価格はまた元に戻すのでよろしくお願いしたい。
【レビュー】GRADO GW100 世界初のセミオープンBluetoothヘッドホン
相変わらず訳の分からないヘッドホンを販売するのが天下のグラドである。
なにしろセミオープンのBluetoothワイヤレスヘッドホンという世界初の分野を切り開くが、誰に向けて売ろうとしているのかも分からない。音漏れは従来のオープンタイプよりも60%軽減したと云うが、これを電車の中などで使う勇者がどれくらい居るものだろうか。
屋外でも遣う気にはならないだろう。
そもそも静かな場所で聞いた方が音質は向上するわけで、騒々しい屋外でグラドを楽しむ理由は幾ら考えても分からない。
元からグラドというのは訳がわからないが、輪をかけて分からないものを販売してきた凄みがある。
ただしこのヘッドホンは有線でも使える。
これなら触手は動くだろう。
有線の音が従来のものと遜色ないのなら、その音質が変わらないというのならそれもありだろう。
たまに外に持ち出して楽しむ程度の話しだ。
要はBluetoothとして購入するのは馬鹿げているが、有線のグラドとして考えるのなら音質によっては有りだろうと云うことになる。
ただBluetoothヘッドホンとしては価格がハイエンドと云うか高いと思う。すべては音次第云う事になるだろうが。
【レビュー】日本製イヤースピーカ INAIR M360
イヤースピーカというどこかで聞いたようなキャッチを持つ日本製イヤホンである。
「スピーカのように開放的」というコピーもまた笑いを誘う。
STAXがイヤースピーカというキャッチコピーを使うが、STAXは別格なのである。しかもSTAXは音質的にはイヤホンよりもだいぶ有利になるヘッドホンだ。
だいたいこの「スピーカのよう」とつかわれる場合、一体何をもってスピーカ的な音なのかという命題も伴うことになるが、360イヤホンの場合、おそらく「開放的」という点にある音の広がりを指しているのではないかと思う。
この360はクラウドファンディングで3800万円もの大金を集めたと云うが、こう言うアヤシげなメーカーのアヤシげなイヤホンの方がお金を集めやすいのだろう。
実際にお金を投資する方も投資する方だと思うが、「もしかして」という気持ちがどこからにあるのだと思う。何かしらの奇跡のような一抹の希望に掛けるわけだが、クラウドファンディングというとなにかこう以前レビューしたARTIOのCR-M1イヤホンを思い出してしまった。
しかもこのイヤースピーカーは一般的なカナルタイプではなく、音の悪いインイヤーなのである。
さて、360度音が広がり、スピーカのような開放的な音がするという野心的なインイヤースピーカの音をレビューしたいと思う。
【レビュー】ETYMOTIC RESEARCH ER6
ETYMOTIC RESEARCH ER6である。今やかなりの入手困難品で中古市場でも滅多に見掛けることはない。
今回はそのER6のOEM版であるharman kardon EP730を読者の方からお借りすることが出来たので心して試聴させて貰った。
こちらのER6は周波数特性図からはほぼER4に近似した特性に感じられるが、それであれば本国価格が1万円程度というのはお買い得であろう。日本でもは実売9000円程度なので海外イヤホンであるERとしては最安値に近い。
なにしろ世界のERのイヤホンである。
それも最近のものではなく、ER4当時の制作であろうことから期待は持てる。
その一点を取ってみても下手に中華や日本製を聞くよりもいいような気もするが、海外製品で1万円以下は相当に厳しいのも事実。これまで色々と聞いてみたが1万円以下でやる気を見せているブランドはほんのわずかしかない。
今回は期待のER6。