【レビュー】FAudio scaleイヤホンは名誉を挽回できるのか?
ノート版で2本目をレビューした。
中華の1DD/2BAのイヤホンとなる。
前回はchorusだったが、今回はscale。
【レビュー】RHA TrueControl ANC 完全ワイヤレスイヤホン
遂に天下のRHAの「完全ワイヤレスイヤホン」を聞くことが出来た。
僕個人は完全ワイヤレスなど微塵も興味は無いのでどうでも良いのだが、世間はそうではないようだ。
この点については僕の方が「ズレている」のだろう。
だいたいこんなものを使うと面倒で仕方ない。
先日のニュースでは線路の落とし物で「完全ワイヤレスイヤホン」が相当数に及んでいると聞いた。耳からコロッと落ちてしまい、そのまま取りに行くことも出来ないのだろう。なんだかんだとまだ値段が高いものが多いので大損害だ。
それにプラスしてとにかく音が悪い。
Bluetoothの中でも完全ワイヤレスは飛び抜けて音が悪い。これは聞き始めた頃からずっとそうだ。
ところがBluetoothの中には「有線に匹敵するイヤホン」が数は少ないが出始めている。
Bluetoothの進化は僕の予想よりも速いようだ。
そこで今回は天下無敵のRHAの完全ワイヤレスイヤホンを聴いてみることにした。
RHAと云えばその名を轟かす「天才が率いるブランド」だ。
一抹の不安があるとは云え、現時点での「完全ワイヤレスイヤホン」の立ち位置を確認するのにはこれほど好適な製品はないだろう。
音質に関してはまったく間違いないメーカーのひとつがRHAだからだ。
僕がこよなく愛するRHAは完全ワイヤレスイヤホンにどのように立ち向かったのだろうか?興味が尽きない。
【レビュー】AKG K612proヘッドホン ロック向けエントリークラスなのか?
AKGのイヤホンとヘッドホンは幾つも聞いてみた。
アニメファンだと「けいおん」に使われたといか云うK701/K702系のヘッドホンが有名だろう。だいぶ早い時期にK701は聞いてみたが、今から考えると701系の音は非常に特徴的だ。
空間の描き方が特有なのが701系の音である。
これは少し好みが分かれるというか、アンプに対する要求も少し厳しいところが見受けられるので、使いこなしも含めて少しクセがある。
そこで今回は612proという純然たるエントリー系ヘッドホンの音を聞いてみたわけだが、価格が安いヘッドホンはやはり少し無理があるだろうと思うところもあった。
僕は国産も含めて色々と聞いてきているが、さすがに「安すぎるヘッドホン」で聞くくらいならイヤホンの方が好ましい音がするのは本当だ。
なにしろ「製造コスト」がやはりヘッドホンの方が高いのだろう。
そういう訳でエントリークラスと言えども最低限の価格帯というのがあるわけで、だいたい1万円前後というとその価格帯を割っているケースがほとんどだ。
こちらの612proヘッドホンの価格はアマゾンを参照する限りで確かに安いと思う。
こういった価格帯で良いが見つかればエントリーユーザーの受け皿として面白いものではあるだろう。
さて、それでは612priのレビューをお届けした。
【レビュー】qdc Uranus中華イヤホン
中華qdcのイヤホンである。
こちらはリンクを見て頂ければ分かるとおりの「高級イヤホン」であって、声を大にして云いたいところだが、価格が高すぎると思う。
中華イヤホン最大の問題は、リセールバリューが極めて低くなると言う一点に尽きる。
これが国内や海外有名ブランドなら一定の価格が中古でも与えられるものだが、中華は飽きて売るときに目も充てられない価格となりやすい。
なんでこんな高価格品を出してしまうのかと疑問に思うのも確かなのだが、当の中国人はqdcのイヤホンを使っているのだろうか?
近年では中国も平均所得が上がってきているとはいえ、都市部と農村部での所得格差は理不尽なほど大きく、また各種公式統計が信用ならないのでなんともいいがたいが、もともと富の偏在というか、超が付くほどの中国は格差社会ではあるので、都市部のホワイトカラーならこの程度の価格はなんとも思わないのかも知れない。
あるいは富が一極集中する中国共産党員なら余裕であろうか。
しかも中華イヤホンなので音質も「ガチャ要素」が極めて強い。
その中でもおそらくqdcはまだマシな方であろう。
ただもう一度言うが、当の中国人はqdcのイヤホンをこの価格で買って使っているのだろうか?中国人のまともな評価を聞いてみたいものではある。
【レビュー】final VR3000 バイノーラルイヤホンは買いなのか?
先日、E500バイノーラルイヤホンのレビューをしたので、その勢いを買ってVR3000イヤホンを購入してみた。
個人的にはあまり興味のある分野とは言いがたいのだが、なんでも経験してみるのは悪くない。もともと多趣味な人間なので、バイノーラルとやらを1度くらいは経験してみるのも悪くないだろうと思ったが、E500が価格を考えれば予想を超えるものではあったので、VR3000に急に興味が出てきた。
さて、購入しようとアマゾンを物色していると15000円を超えるとんでもない価格で売られていたのだが、最近は価格がどうやら落ち着いたようだ。
今では有線イヤホンの新規での発売が少なくなり、ほとんど中華となりつつあるが、日本最強のイヤホンメーカーとして気炎を吐き新しいことに挑戦するfinalの姿勢は見事だろう。
A3000あたりの音を聞く限りでは音質の方向性はそのままで細部の音の作り方を変えてきたような気もするが、正常進化だと云える範囲の物で非常に好感触を持っている。finalとしてのアイディンティティや基本的な音質はそのままに新しい方向性を探っているようにも見える。
バイノーラルイヤホンにしても期待以上の出来映えだ。この分野が定着するかどうかは時が判断するだろうが、流行廃りで終わるかどうかは神のみぞ知る。
だが、日本の弱小ブランドのほとんどが独りよがりな音を出している状態で、信念を感じる音を作れるのはfinalのみであろうからつい期待もしてしまうという物だ。
少し話は変わるが、先日、山梨県の早川町にある雨畑湖に出かけてきた。身延の奥深い山中にある変哲のない湖だが、地図を見ていて秘境ぽいので出かけてみたわけだ。
細く曲がりくねった片側が崖に近い山道をクルマで行くとその先に雨畑湖が見えてきたわけだが、その更に先に進むと急に限界集落みたいな村があった。
そこにあるホテルらしき建物にクルマを止めさせて貰ったのだが、中から出てきたスタッフがいう。
「ゆるきゃん」をみてきたのですか?
いやそうではない、というとつい先日漫画やらアニメやらの舞台になったので聖地巡りの一環で若い人が訪れているのだという。実写版のドラマでも使われるそうで制作スタッフが取材にも来たそうだ。
ちょうど足下に来た猫ちゃんもアニメに出演しているそうだ。おばあちゃん猫で名前は「ひぃーちゃん」と云うらしい。
どうという話しではないのだが、家に帰って「ゆるきゃん2」を見てみると雨畑湖やらホテルやら吊り橋やら猫やらがそのままアニメになっていたので驚いた。
デノンの凋落
オーディオメーカーと云うのは、そう長くは持たないのは歴史が証明している。といっても、もともと企業の寿命は30年ほどだとは云われるので、オーディオに限ったことではないのだが、時代の趨勢を見誤ると更に短くなる。
日本を代表する企業のインデックスである日経225も、50年間という長期のスパンで見れば約半数が入れ替わっているのを見れば、ようは企業も1/2の確率の丁半博打だとも云える。
実際、100年以上の歴史を持つ企業の大半は日本に存在するが、これは比較的国内が歴史的に見て安定していたことによるものであって、世界的に見ても希な現象だ。
だからというわけでもないだろうが、日本人はどうも「企業」が永続的に活躍するという幻想を抱きやすいと思う。
もう一度云うが企業の平均寿命は約30年程度だ。
これ以上生存するためには時代の潮流を見抜き、それにうまく乗っていく必要がある。
言葉にするのは簡単だが、実際は非常に困難だ。
例えば現在進行形では、日本の自動車産業が危険水域に達している。世界で戦うことの出来る誇るべき産業全体がいま、水没の危機の瀬戸際であるが、現況を垣間見る限り、おそらく日本は勝てないだろう。
石油を使った内燃機関は開発するのに長い時間がかかる。逆に言えば一端エンジンを開発してしまえば「既得権益」と化して身を守ってくれるのだが、パラダイムシフトが起こるような情勢では、時代の波を読み誤ることが多くなる。
EV化への進展が目前まで迫っているのに、これまで内燃機関に投じてきた莫大な資金と人材の転換がうまく出来ないのだ。
だからトヨタの社長のようにいまだに「哀れな正論」を吐いているような事になる。
僕は昔からミッションの原付バイクをこよなく愛しているが、排ガス規制の名の下にとうの昔に2ストロークエンジンは絶滅し、いまや小排気量4STエンジンですら危ない状況だ。
バイクの小型エンジン、特に4STエンジンはもともと非常に優れた燃費性能を持つ。スーパーカブの50ccエンジンは実燃費で50キロを超えるわけだが、欧州の制定した排ガス規制はドンドン厳しくなり、クルマよりも一足先に内燃機関が絶滅しそうな勢いだ。
これを見ていればEV化の波はもう止まらないことに気がつく。
今日本が向かうべきはEV充電設備の拡充である。補助金を出しまくってマンションや戸建てにEV設備を投入する必要がある。
いまだにEVは寒冷地では役に立たないとか、充電に時間がかかるので普及しないとか、トータルで見れば環境コストが減少しないとか、そんな正論はどうでも良いのである。
世の中を動かしているのは正論ではない。欧州がEV化への舵を切ったので道はもうそちらにしか続いていない。
このままいくとトヨタもそう長くはないだろう。
トヨタの失敗は長く実績を積み上げてきた「内燃機関の成功体験」がその足を引っ張った事による。
振り返ってオーディオを俯瞰してみれば、デノンの凋落も似ているところがある。
据え置きオーディオで成功を収めた分、スマホの時代のポータブル傾向を完全に見誤った。またあれほど優れていたデノンのDVDの映像再生デバイスなどもBDや4Kの時代になってほぼ姿を消してしまった。
これはストリーミングが主流になったのも大きいのだが、実はBDの時代が到来したその時既に「映像再生デバイス」がDVDの時代のように「機器の値段で差が付かない」ことに僕らは気がついていた。
要は高い機器も安い機器も同じような絵を吐き出したのだ。
まるでレコードからCDプレーヤーに変わったときと同じようだった。
CDプレイヤーは随分と長い間消費者を騙し続けたが、視覚で品質差が一目瞭然の映像デバイスではそうは行かなかった。
既にその時不穏な兆候は出ていたのだが、スマホやネットストリーミングが主流になってとどめを刺した。
あれほど優れたアナログデバイスを出し続けたデノンもデジタル化という時代の波を読み誤った。後は凋落する一方であろう。
だがしかし、デノンの最大の失敗は今現在の現役のサウンドデザイナーが無能という事に尽きると思う。
【レビュー】SE-MASTER1 20万越えパイオニアのオープン型ハイエンドヘッドホン
パイオニアという会社は、いまはカーナビなどでも有名だが、もともとは「スピーカを作るために設立された会社」である。
ソニーはラジオなどから始まりいろいろと手を広げてスピーカなどもやってきているが、たいていの会社は道の途中で寄り道程度にスピーカなどもやっているのが普通である。
そんな中でパイオニアという会社は日本で唯一のスピーカを作ると云う目的のために設立された会社で、分業の進んだスピーカ生産の世界でドライバーからハウジングまで一貫して自社で生産できる世界に数社しかない会社のひとつである。
そのパイオニアもAVホームエレクトロニクス部門はONKYOに事業譲渡され、正直、もう何が何だか分からないほど複雑であるが、衰退するオーディオ業界で生き残るにはそれなりの覚悟が必要なのだろうと思う。
このハイエンドヘッドホンはおそらくONKYO傘下で開発されたものではないかと思う。
というのも本体のパイオニアのサイトを見てもハイエンドスピーカなどを生産するTADブランドしか記述がないからだ。といってもパイオニアの部門がそのまま身売りしたのなら人員などはパイオニアなのだろうと推測するが。
そのAV部門をパイオニアから事業譲渡された大元のONKYOも苦境にあえぎ、聞くところでは会社の存続に関わるほどの事態であると聴く。
オーディオ事業で会社を長く持たせることは非常に厳しい。
オーディオを扱う日本企業の多くが興隆を極めていたが、今は見る影もない。かつて多くの日本企業がハイエンドスピーカにまで殴り込んでいたものだが、いまやパイオニアのTADブランドがあるだけである。
いまイヤホンなどで好調な会社も数年後には影も形もなくなっていても何らおかしくない。それがオーディオというものである。個人的にはとても残念な気持ちがするが、才能も何も無いまじめな音を作り込むだけなら誰でも良いのでさして重要なことでもないだろう。
今回はパイオニアブランドのハイエンドヘッドホンの音を聞いてみるが、実売で20万を超えるのでまさに堂々たるハイエンドそのものだと思う。
ただし、ハイエンドにはハイエンドの音色がある。ここに挑戦することは自由だが、認められることはほとんど無い。多くの者が無駄に散華していった血塗られた戦場とも云えるだろう。
ちなみにパイオニア本体の超高級ブランドであるTADも世界ではまったく通用していない・・・。TADドライバそのものがダメだと僕は見ているが・・・
僕が聞きたいのは「価格に見合うだけの音」がそこから出てくるのかどうかだけだが、パイオニアのハイエンドはそれを見せてくれるのだろうか。
【レビュー】SONY MDR-1AM2 ソニーのヘッドホンの音
イヤホンの世界ではなかなか安くて見事なモノもあるソニーだが、ヘッドホンはモニター系を得意としているのだろう。
スタジオモニターとして有名な900STが基準となるのだろうが、これはだいぶ前にノート版にてレビューしてきた。オーデイオマニアにはあまり好まれないヘッドホンだ。
理由はノート版を読んでほしいものだが、一言で云うとかなりクセが強い。
元々人間の耳など極端に標準から外れたものでなければ聞いている内に耳の方が適応してしまう性質を持つ。クセや個性が強くても余程デタラメでなければその内普通に聞こえてきてしまう。
エージングの正体など大半がこれだ。
世界のスタジオで使われている、この文句がどれほど危険なのかと思う。世界的に有名なスタジオなど世界中のメーカーから日々テストで入れてくれと頼まれているのが関の山だ。
たぶん「持参金」も付いていると思う。
そうまでして「箔」を付けたいのだ。
なぜなら売れるから。
イギリスの有名なスタジオに頼み込んで入れてもらい、その一瞬の写真を撮影して宣伝コピーに使えばどれほど効果があるかと云えば推してしるべしだ。
これは企業で云う宣伝広告費の話しだろう。決して音の話しではないと思う。
話が脱線したが、ソニーの900STは確かに日本のスタジオでは押しも押されぬ標準だ。後継機も出されている。
そんなソニーが民生用として出しているのがMDR系のヘッドホンだといえる。
【レビュー】Klipsch X7iとX10イヤホンを比べてみる
つい先日のことだろうか、クリプシュのX5イヤホンを手に入れたのでそのままノート版にレビューさせて貰った。
X5はKG623ドライバを使用しているのだが、同じ623を使用しているのが今回レビューするX7である。X5にレビューに関しては以下のリンクを参照していただきたい。
今回手に入れたX7は某サイトで中古を手に入れたものである。
ハッキリ言ってかなり入手が困難だ。623ドライバに関しては偽物がないのだが、なにしろモノがとにかく少ない。X10シリーズに押されて皆さんの興味がそちらにいってしまったようで影に隠れてしまったのが623ドライバを使ったシリーズだと思う。
ただ決して623ドライバは926の格下ではない。
少しキャラクターが違うのだが、同じX5とX7でもその音が随分と違うので驚いてしまった。予想していたよりも遙かに違った。
【レビュー】X12 Bluetooth Neckband 1BAのKG926ドライバをクリプシュはどのように料理したのか?
名機KG926はオーディオ界に燦然と輝くドライバであろう。
クリプシュはこの音を大切に育ててきたと思う。
そのKG926ドライバでBluetooth化に取り組んだのがこのX12 Bluetooth Neckbandだ。
手に持った瞬間に非常に高いクオリティを感じることからも製品自体の出来は良く、クリプシュの取り組み方がよく分かる。
特にレザー製のネックバンド部分は高級感があり、操作部もデザインがよいと思う。
イヤホン本体はそのまま有線のX12だ。
だからハウジングは小さく細い。
通常、有線のX12の音をそのままBluetooth化することは今のところ出来ない。数々のイヤホンを聴いてきたが、音はどうしても相応の劣化を遂げてしまう。これはどのイヤホンでも云えることだ。
その変化がBluetoothとして「新しい形で昇華されているのかどうか」が大事なところだろう。Bluetooth化に当たっては明快にブランドの取り組む姿勢というか新しい音をどのように作っていくかという事が問われていると云っても過言ではない。
名機は名機の音がするものなのだが、Bluetoothチップに合わせてチューニングする必要があると云うことだ。
クリプシュがどのようにKG926ドライバの音をBluetooth化する事で新たに解釈したのか見ていきたいと思う。