【レビュー】 GRADO RS1 レファレンスシリーズ ヘッドホン
総合評価〇
GRADOのRS1リファレンスシリーズの最上位機で有り、名実共にGRADOを代表する機種となります。
10年以上の長きにわたり細かなマイナーバージョンアップを繰り返しながらラインナップに君臨し続けています。
時の流れの速いヘッドホン業界では異例なことで、ゼンハイザーのHD650などと共にピュアオーディオの世界では定番と化した名機といえるでしょう。
【GRADOの世界】
GRADOのヘッドホンには大まかに云うと「SR/RS」と「PS/GS」の2種類が有り、本来アメリカンサウンドを代表するノリの良いGRADOの音を出せるのはSR/RSのモデルナンバーがついたシリーズのみとなります。
PS/GSシリーズは共に「HI-FI調」でクールな音質傾向を持ち、個人的にはこちらのシリーズはGRADOの音だとは言いがたい部分も感じます。
このふたつのシリーズの音質傾向は全く違い、変態チックとも言われるGRADOの音はSR/RSシリーズの方でしか聞くことが出来ません。
HI-FI調のクールな音を聞く位なら他のヘッドホンメーカーの音を聞いた方が遙かに幸せになれます。
個人的な印象で云えば論外といえるでしょう。
【GRADOの装着感】
噂通りでとても悪く、へたをすると30分程度で耳が痛くなります。
慣れも多少はあるのですが、ラージサイズのパッドを使用したGS1000等と比較するとそうとうに落ちます。
GRADOに装着感を求めるのは間違っています。
作りも数千円レベルのものでヘッドバンドは手で自由に曲げられます。
この為、側圧に関しては自由に変えられますのでこの点では問題ないのですが、とにかく装着感には問題があります。
スポンジパッドが硬質なのも影響が大きいのですが、こちらのどうしようもないパッド込みでのGRADOの音なので諦めるしかないでしょう。
【RS1音質】
RS1の音はマイルドだとよく云われますが、それは他のGRADOのシリーズと比較した場合の話しであって、RS1単体での音のエッジはかなり立ち気味です。
そこが大きな特徴の1つですが、さすがにGRADO本流の音なので、音質が特徴的で独特な質感を持っています。
他のヘッドホンでは簡単には聞くことの出来ない音質が出てきますがクールでHI-FI調の音質とは対極にあるウォームでノリの良いサウンドです。
GRADOはウォーム系のサウンドのため解像度が低く見られがちですが実際にはそんなことはなく、かなり細かい音まできっちりと表現してきます。
低音の抜け感が良いために量が少なめで弾みませんが、低音の再現力も高く、密閉タイプとは違う開放タイプそのものの低音を聞くことができます。
中域の質感とナチュラル感と高域の荒々しさはわずかに雑味のある音質と相まってこの音はオープンタイプでないと聞くことの難しい音が出ます。
複雑なソースでもなんなく鳴らしてしまうのはGRADOのすごみといえるでしょう。
音の距離感についてはほとんど感じることはなく、ひたすら耳の近くで音が鳴るタイプです。
【RS1のまとめ】
PS1000なども使用してきましたが、ハッキリ申し上げてGRADOの音ではなく、また音質的にも問題を抱えている面が見受けられるので、幾つかGRADOの旅をしながら再びGRADOの本流の音であるRS1の音に舞い戻ってきました。
RS1はGRADOの最終着地点であると個人的には思っていますが、価格に納得いくかどうかは微妙なところがあるのも事実です。
アンプも含めて相性問題が発生しやすく、デジタルの荒れた音質とはまったく合いませんのでアンプはどうしてもアナログ系を用意する必要を感じます。
送り出し機器は何でも良いのですがプリ回路を通さないととても厳しい音がしますので、デジタル系のDAP全盛期の現代にはアンプ系もトータルで考えると出費がかさむと云う事もあります。
GRADO最高峰の音を聞きたければRS1は結局ムダのない買い物となりますが、GRADOの音質そのものの特徴的な部分はSR60やSR125あたりでも十分に楽しむことができます。
まずこちらからGRADOの世界に入り、気に入れば時間をかけてステップアップした方が良いかも知れません。
唯一無二の音、それがGRADOのサウンドです。
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事実上、グラドの音の最上位のヘッドホンとなります。
【国内正規品】GRADO SR60e オープン型オーバーヘッドヘッドフォン アメリカ製 新シリーズ 000851
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グラドの音の入門機となりますが、名機です。
へたな格安ヘッドホンを購入するよりも遙かに良いものです。
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GRADOの125です。
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