【コラム】 中華イヤホンの基本的なドライバーの音質について クール・ニュートラル・ウォーム
今回は中華イヤホンの基本的なドライバーの音質について、思うところがあるので書いておきます。
ドライバをはそれぞれ固有の音色を持っているものです。
たとえばクール系、ニュートラル系、ウオーム系などと言われます。
例えばクール系では非常に冷たい音がすることが多く、怜悧で鮮烈な音の感覚が有り、ウォーム系ではとても暖かく少し解像感が抜けたような音に感じる場合もあります。
これは好みの問題なのですが、スーパークールな音等というと音楽的に云えばあまり感心するような音はでてこない場合が多いような気がしています。
スピーカーで例を挙げればモニターオーディオやティールなどはクール系の音色が多く、パイオニアのS-1EXなどはスーパーウォームな音色を持っています。
中華イヤホンを既に50本以上は聴いてきましたが、ある特徴があります。
まず低音側がダイナミックであることからして「低域は強め」である、と云うことがひとつ。
もうひとつはドライバーの固有の音色が「ウォームに傾いている」事が多いと云うことです。
これは他の国産や海外大手のイヤホンを大量に聞かないと中華固有のことなのか判定できないのですが、とにかく中華格安イヤホンはほぼ全部ウォーム系の音色を特徴としています。
これがなぜなのかはよく分からないのですが、音を聞いて判断する限りにおいては、中華格安系イヤホンの固有の音色は「ウォーム/暖色系」だと思います。
せいぜいよくて「ニュートラル」で、ごくわずかに「ニュートラル寄りのクール」があるというところで、現実的に見れば「ウォーム系の音色」が多くを占めているのが現状です。
この為、中華イヤホンにおいては少なくとも格安系の音色は当てずっぽうでも「ウォーム寄り」と云っていればほとんど9割以上の確率で「あたり」となります。
おそらくと云うことでいうのなら、中低域側を担当するであろうダイナミックドライバーがそもそも「ウォーム系統」である可能性がとても高いのではないかと思っています。
帯域の狭いBAドライバーの受け持つ帯域がどこまでなのかは個々のハイブリッドドライバーでも違いますが、基本的に云えばBAドライバーはウォーム系ではないのではないかと思っているのですが、音を聞く限りは全体的な音質はウォーム寄りのイヤホンがとにかく多いのです。
基本的にウォームな音になると「解像度が下がったように聞こえる」場合が多いのですが、それはデメリットではありません。
逆にクール系の音色を持つと「聴いていられないような痛い音」を出すケースも多く、一見解像度が高めに聞こえると云う事にもなります。
なので一概に良い悪いと云うことではないのですが、一部の中華イヤホンを除くとそのほとんどがウォームもしくはウォーム寄りのニュートラル傾向を帯びています。
つまり音が暖かいのです。
特に最近のよく出来たデジタルDAPはもともとが「クール系の音色」を持っている場合が多いので、これらの機器を使っても音色がウォーム寄りというというのはそうとうにドライバー固有の音色がウォームなのではないかと思うのです。
ここから先はあくまで推測となりますが、中低域担当のダイナミックドライバーの帯域バランスが強めにとられている場合が多いので音色が釣られてウォーム系統の音に聞こえやすくなっているのではないかと思ったりもします。
要するに中低域担当の中華ドライバーがもともとニュートラルな物は少なく、音色としては「ウォーム」ではないのかと思うのです。
なので中華格安イヤホンの場合は固有の音色は「ウォーム」もしくは「ニュートラル寄りのウォーム」という前提で理解していてもあながち間違いではありません。
なのでニュートラルのイヤホンがあればそれだけで多少の価値が出てくることも確かではあると感じています。
つまり、以上のことを踏まえれば「クール系の音色を持つイヤホン」の特徴として「音がかなり鮮烈で解像感が高く聞こえる」ということであり、おそらく低域は少なめであると云うことが想像できます。
それが良い音かどうかは別として、中華イヤホンでは稀なケースとなるでしょう
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クールで鮮烈な音のDAPの代表格です。イヤホンなら低域も満足のいくレベルで鳴らせます。ヘッドホンは厳しいです。