【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

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【コラム】 デジタルプレイヤーの音はなぜ悪いのか?

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イヤホン用のデジタルポータブルプレイヤーについて思うことを書いておきます。

まだこちらの分野はピュアとは違い、経験が足りない部分があるのですが、現時点で感じていることを記しておきます。

 

これまでデジタル機器はかなりコストをかけたピュア用のパワーアンプなどを使ってきたりもしましたが、どうにも音に満足がいきませんでした。

 

それなりの定評のある機器を購入したりもしてきたのですが、ノイズと低音の問題は僕の耳にはデジタルそのものの問題にも感じたものです。

 

ですがノイズについてはうまく処理をするとほぼ背景は静かにできる可能性を感じていましたが、どうにもならなかったのが低音です。これは幾つかのデジタルアンプでスピーカを鳴らしたときに共通に感じた違和感でした。

 

デジタルではアナログのよく出来たパワーアンプの音と比較するとどうにもタイトな低音が出てきてしまい、特に重いウーファーを積んだスピーカーほど顕著にその傾向が現れたりしました。

 

いまはピュア用の機器は一部を残して真空管に切り替えてしまいましたが、ここ最近中華の格安DAPを含めてポータブル機器を数台手に入れてみると、やはりそれらの問題が奥底に潜んでいたりするので、ちょっと考え込んでしまった次第です。

 

そこで「ノイズと低音の出方」というのは少し横に置いておくとして、それ以外のデジタルプレイヤーの持つ問題を書いておきます。

 

まず一般的に音を出すためのアンプについて考えると幾つかの部分から構成されています。

  • トランスポート/プレイヤー部分
  • DAC
  • プリアンプ部分
  • パワーアンプ部分

 

これが普通のアナログ系オーディオでの最も一般的な構成となります。

 

音への支配力という事で云えば、影響が大きいのはプリアンプとパワーアンプで、DACやプレイヤー部分は相対的に音質の支配力はそんなに高くはありません。

 

スピーカーであればDACは倍音コントロールに欠かせないものなので、剛性の高いスピーカーであれば響きの多いものを使ったり、木製のスピーカーなら響きの少ないDACを使用して倍音を調整したりしますが、現在のDACであれば可聴帯域上の微少音が消えるなどと云う事は耳に聞こえる範囲ではほぼ起こらないので倍音以外での性能差は限りなく少なくなっています。

 

しかもイヤホンはあまりシビアな音の描き分けができないのでDACの違いをイヤホンで判定するのはほぼ不可能とは云いませんが、かなり面倒事になります。

 

DACでは、上記に示したようにイヤホンでの倍音コントロールなど「音場がそもそも表現できない」のでコントロールする意味がありません。

イヤホンではスピーカーのようにコンサートホールのどの位置に座っているのか「見える」という事にはならないからです。

にもかかわらずイヤホンの表現において「音場」等という言葉を使われる方が多いのには愕然としますが、人によってはイヤホンで「音像」などという言葉を平気で使われる方もいるのでちょっと考えられません。

あえて使うのなら「音場感」という言葉がいくらか正しいかもと思ったりします。

 

少し話しが脱線しましたが、要するにイヤホンではプレイヤーの送り出し部分いわゆるトランスポートとDACは少なくともイヤホンでの音質に対して決定的に重要ではないと云いたいわけです。

 

 なので昨今の訳も分からずにDACに投資してイヤホンの音が良くなったと喜んでいる人たちは本当に何を聞いているのかと疑問が沸いてきますが・・・

 

さて、先ほど述べた4つの構成要素に対して、1つは抜いても音が出てしまう部分がありますが、それが「プリアンプ」となります。

 

古くからのピュアオーディオを嗜んでいる方は試した方も多いと思われますが、プリアンプ無しでもDACからの音を直接ボリューム付きのパワーアンプに送り込んでしまえば特に問題なく音は鳴ります。

 

しかもプリアンプを通さない方が解像度はかなり高くなります。

 

ではなぜ、わざわざ解像度の下がる余計なプリアンプを通すのかというと、全ては美しい音のためです。

 

プリアンプは音色に対する支配力が弱いのですが、音を滑らかに美しくする、という点では絶対に取り外すことのできない機器です。

市販のプリメインアンプのプリ部はかなり音が悪いのですが、キチンと作られたセパレートのプリアンプはもう一聴して実力が違い、これを通しただけで一気に音が変わります。

滑らかで立体感のある音を出そうと思えばプリアンプ無しでは不可能です。

 

美しく音を立体的に整えるのがプリアンプの仕事となります。

そしてその音をパワーアンプに引き渡すことで、初めて音が鳴ります。

 

パワーアンプは音色と駆動力が大事な部分となり、イヤホンの特に低音を制動すると云う大きな役目があります。

 

なぜなら低音が駆動できていないとそもそも中高音域はキチンと駆動できていないと云うことになるからです。

 

なぜ、わざわざこんな話をしているのかというと、鋭い方ならもうおわかりだと思います。

デジタルプレイヤーの音が悪い大きな原因のひとつが「プリアンプ」が省かれている、と云う理由によるからです。

 

ピュアの方はよく知っている話しだと思いますが、プリアンプを通さないと「鮮烈で解像度が高いがとても荒れた音」が出てきます。

 

そう、いまデジタルのポータブルアンプから出てきているのが正にこの音になります。

 

最初にX1を聞いたときにどうにもならない違和感のある音を感じましたが、それはどこか昔に聞いたことのある懐かしい音でもありました。

 

数ヶ月、音を聞きながら不思議なデジャヴのように「荒んだ違和感のある音」を聞いていましたが、ある日、「ああそうだ、このどうにもならない音は昔よく聞いたCDとパワーアンプを直結したときの音だ」と気がついたのでした。

 

僕は断言しておきますが、この音はどこにもたどり着かない音です。

 

この部分をしっかりと考えておかないとポータブルプレイヤーで「良い音」など永久に出て来ないので、少しでも良い音で鳴らしたいと願うのなら避けて通ることのできない問題となることを憶えておくと良いでしょう。

 

 

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp

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