【レビュー】 KZ ZS3
総合評価△
読者の方よりレビュー依頼がありましたので、KZ最後の大物であるZS3を購入致しました。
なるべく思い込み無しでレビューしたいので、レファレンスと比較しながらそのまま聞き込みましたのでレビューを書いておきます。
一応、念のために書いておきますが、こちらのZS3はKZの中ではかなり世間的な評価は高いものです。
僕もかなり期待していたのですが、良いところ以上に悪い部分が目立つ一面を感じたので△評価としておきます。
【KZ ZS3スペック】
【KZ ZS3音質】
特筆すべきは「音の分離と明瞭感」がかなり高いレベルを実現していることだと思います。
この1音1音の分離はかなりハイレベルなことは事実でしょう。
ただし、決定的なのが、低音部分がグダグタのユルユルで階調表現がまったく出てきません。
こちらのZS3の低音表現能力は相当にレベルが低いとみて間違いないと思います。
KZの中では少し量は少なめとなっていますので帯域バランスという点では評価は高いのですが、この低域の再現性の低さはちょっと許容範囲を超えていると思います。
ボーカルに関してのサ行の引きずりは少ないのですが、深みが足りません。
おそらく高域側にも問題があり、エッジがかなり尖ってしまっています。
この為、長時間に渡る視聴は厳しい部分が有り、ZS3の音の攻撃性はかなり高いです。
【KZ ZS3まとめ】
音の分離とか明瞭性はKZの中でもトップクラスどころか他の格安系イヤホンの中でも明確に上位クラスのレベルを実現しています。
ダイナミック一発のドライバとしてはほぼ能力の限界ではないかと思います。
この点においてはかなり評価は高く、とてもおもしろいイヤホンだとはいえると思いますが、音がクッキリハッキリとしていますので、この点で騙されるというか、驚かれてしまう方も多いのではないかと推察しています。
ですが、その他の部分のレベルがかなり低く、特に低音の輪郭のボケと高域側のエッジの立ち方はかなり問題があると言ってしまっても良いでしょう。
この為、こちらのZS3は「低音などどうでも良く、音が多少痛くても問題ないが、明瞭性の高い音を聞きたい」という方に向いています。
そういう意味での音質のクリアさは一定レベル以上はありますので、深みはありませんが、独特なイヤホンである事は確かだと思います。
残念ながら個人的な評価は低くせざるを得ませんが、このレベルの音では致し方ないかもしれません。
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