【レビュー】サウンドピーツ B20
総合評価△
花梨木製(カリン)の木製ハウジングを持つサウンドピーツのB20です。
この唐木細工によく使われる花梨が単なるテクスチャなのか削り出しなのかが判別できませんが、花梨特有の黄色みを帯びた色彩が美しいイヤホンです。
前回紹介したB10の方がかなりの出来映えで、特にタイトながらも低音の表現能力の高さは素晴らしいものがありました。
そのサウンドピーツのセレクト品で有り、B10の後継型番のようなB20という名前のついたイヤホンです。
【サウンドピーツ B20スペック】
■ドライバー 1DD/9.8㎜
■インピーダンス 16Ω
■感度 82db
■周波数帯: 20-20000hz
■コード長1.2メートル
■プラグ:3.5mmミニプラグ
こちらのB20は「左右」がわかりにくいという装着における問題があります。
【サウンドピーツ B20音質】
基本のドライバー音質はウォーム傾向ですが、解像度はそれなりに聞こえます。
低音はわずかに強めではあっても低音の輪郭はよく描き、弾むようです。
ただし階調表現能力が低いようで、低音域全体として聞くと不満が大きくなります。
特に低域の下の方は表現するのが苦手なようです。
全体的な解像度が低いように聞こえるのも問題なのですが、こちらのイヤホンの最大の問題は「中高音域」のエッジの立ち方です。
ボーカルはかなり前に出るタイプでその帯域は聞きやすさがあるのですが、質感も弱く、中高音域全体のエッジの不必要な尖りに引きずられてボーカルを含む帯域から上がかなり痛い音を出してきます。
分離やクリア感などはそれなりに感じられるので、帯域バランスを含めてそんなに素性の悪いイヤホンではありませんが、欠点が利点を上回るという感じでは無いかと思います。
【サウンドピーツ B20まとめ】
残念ながら優秀なB10と比較するほどのイヤホンではありません。
音質全体は若干ウォームに傾き、ボーカルは前に出て明るく鳴りますが質感が低く、全体的に音が痛く荒れています。
うっすらとベールを被ったような音質ですが、明瞭さというかクリア感はそれほど劣ったものに感じないのは不思議なところです。
決定的なダメイヤホンというわけではありませんが、中高音域のエッジの描き方の問題と低音の下の帯域の描き方に不満があるので△評価としておきます。
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