中高音域と低域はなぜ両立しないのか。
TWITTERにていただいたご意見に対して少し長くなりそうなので、こちらで返答させていただきます。
度々失礼します。SoundPeats B10を購入しました。ジャズのウッドベースの音階移行をクリアに聴きたかったので。結果👍でした。中高域と低音域の両立が難しいのなら、イヤホンを使い分ければいい。それに気付かせて頂きました。毎日のウォーキングがより楽しくなりました。m(_ _)m。返信お気遣いなく。
— イチ (@IBeD9OK4JQb7tii) 2018年2月12日
まず、ブログを読み込んで頂いているようで「中高音域と低域は両立しない」という今現在のイヤホンが抱えている大問題をキチンと理解していただいたというのは嬉しい限りです。
こういった方がひとりでも居る限りはブログを書くという事は意味があるのだと感じています。
ただ、そのことについてもう少し敷衍しておきます。
少なくとも僕がいま数十個のU5000円以下のクラスのイヤホンを聴く限り、中高音域と低域が共に優れているイヤホンはひとつもありません。
これは否定しがたい事実です。
もし、両立しているように聞こえるのなら・・・色々と聴き方を含めてもう少し厳しく見直した方がよろしいです。
そして、なぜ「両立しないのか?」という事を予想してみれば、あくまで憶測になりますが、たぶん「実現可能」なはずなのです。
もしかするとフルレンジドライバーでも可能かもしれませんが、おそらく2ドライバ以上のイヤホンの方が解に近いはずなのですが、現状の多ドラは「音がチグハグ」で色々と問題が多く、解に近づくと言うよりもむしろ遠ざかっている印象があります。
この為、音楽を聴くと言うことにおいて非常に重要な音のハーモニーがなかなか出てきません。
更に問題なのはこのチグハグな音を「分離が良い」と勘違いしていると思われるケースもよく見掛けるので、それはそれでちょっと違うなと思ったりもします。
そもそも一部の帯域が突出すると「分離が良く感じたり、音に広がりが出たり、解像度が高くなったり」と錯覚するケースが出てきたりします。
それに厳しいソースを突っ込むと一気に不適切なクロスオーバーの問題が露呈したりする多ドラがほとんどなのですが・・・
実例を挙げれば比較的に優れた多ドラであるZS5あたりでも低域のDDと中域のDDでこの問題がかなりハッキリと出てしまっています。
注記
ちなみにZS6ではこの問題が更に悪化しています。
と云うわけで「中高音域と低域の両立」と云う問題は、まず一流のドライバーを使うことが大前提となり、更には不可能ではないが相当に設計が難しいのだと思われます。
良いドライバーを手に入れるのはお金を出せばなんとかなるのかもしれませんが、それ以上に「設計」ができないので単にハウジングにドライバーを詰めただけというものが大半に感じます。
今まで聞いたイヤホンの音で考える限りでは、これはその問題が分かっている人がしっかりと向き合って技巧と技術を駆使しない限り解決がなかなか難しい難問のひとつとなるのではないかと思います。
おそらくイヤホンでそういう音は「偶然でてくる」という事はあり得ないと僕は認識していますので、そういう音を出すイヤホンがあれば、それでいてチグハグな音を出さない多ドラがあれば、それを設計した人は賞賛をかき集めることができるのではないでしょうか?
ちなみにあくまで低価格イヤホンの場合はと云うことですが、僕の場合、ある程度の価格以上になると優れたヘッドホンを聴く方が余程素晴らしいので、最低でもHD650以下の価格でそういった事を実現してもらわないと意味が無いとは感じています。
イヤホンは低価格であるからこそ、その存在意義があると僕は思っているのです。
少なくともイヤホンで辿り着ける「音のグレード」からいっても比較すれば上限の価格はそのあたりにしかないのではないでしょうか。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp