【レビュー】Gemtune GS-01 Hi-Fi 真空管アンプ
これはレビューを書こうか書くまいか迷ったのです。
というのも「まともに音が聞けなかった」から。
音を聞いてないのにレビューしてもいいものか、と思うのですが事実は事実として書いておくことにします。
もしかすると購入を検討しているどこかの誰かのためになるかもしれませんので。
【音が聞けなかったわけ】
最初に箱から出して音が鳴ったのは30分程度でした。
急に右チャンネルから音が鳴らなくなったので、最も疑わしい「真空管」を左右ごそっと入れ替えてみたわけです。
こうすると入れ替えた左チャンネルから音が出なければもう真空管のトラブルと確定できることになります。
思った通り、今度は左チャンネルから音が出ませんのでプリ管かパワー管のどちらかが故障しているという事になります。
音が出ないので、あれれと思って真空管を抜き差ししているとなんとプリ真空管のガラスと台座のベースがいとも簡単に分離してバラバラになってしまうのでプリ管の故障だと断定できました。
これがわからないとパワー管とプリ管を両方買って試してみることになります。
もともと中華に付属の真空管は「中華製」なのでその品質の悪さは折り紙付きです。
最初からまともな真空管がついているわけでは無く、かなりの粗悪品がついてきます。
この為、普通は中華アンプの場合、真空管は信頼性のある物に取り替えるのが前提となるのでこの出費は最初から折り込んでおかなければなりません。
僕は最初からそのつもりだったのでプリ管の6N9Pに関してはスパッと諦めて購入することにしました。
それでだいたい数日は動かなかったわけです。
その後プリ管を交換して音は出たのですが、1時間もするとまた音が出なくなり、面倒で処分してしまったと云うわけです。
こう何度もトラブルが頻発しては使っていられません。
なのでこのGemtune GS-01に関しては音を聞けたのは正味1時間かそこいらで、これではとても音質レビューは出来ません。
真空管というのはだいたい100時間程度は鳴らし込む必要があって、更に電源を入れるたびに30分程度は音が不安定になるのでその間は評価できません。
これを「音が眠い」というのですが、本当に「寝起きのようなボケた音」がしてきます。
真空管アンプはたいていの場合こういう感じで電源を入れた後しばらくの間は音が眠いので「暖機運転」して調子を整えます。
つまりGemtune GS-01がシャキッと目を覚ました音をまだ聞いていないのです。
と云うわけでレビューが出来なかったというのが真相です。
【Gemtune GS-01は欠陥だらけ】
この中華アンプを買うべきかどうかと言われれば、「辞めておけ」としか言い様がありません。
実は本領を発揮していないとはいえ寝起き直後の音を聞いた段階では「音はそんなに悪くない」というのが感想です。
ここまでしか言えないのですが、確かに「なかなか良いかも」と思わせるだけの音は出ていたので少なくとも音質は「ゴミ」ではありません。
問題なのはあまりにも製品自体の品質が悪い、と云うことの方であって工業製品として売れるレベルでは無い、というのが僕の印象です。
真空管アンプの場合、内部の配線をいかにキレイに処理するかというのも重要で、高級な真空管アンプになるとけっこう中身を見てから買う、と云う人も多いのですが、これ、中身を見たらとても買えません。
中の配線は「単なるカオス」です。
半田付けも汚らしい。
国産のアンプの綺麗に纏まって整然と配置されたハンドメイドの美しい空中配線などを見てしまっていると、もう本当に単なるカオスです。
そういうこともあってオススメできるようなものではありませんが、以下にもしこのアンプを、あるいはgemtune社のアンプを狙っているというのならとりあえずのアドバイスをしておきます。
■自分で修理ができること
■返品期限まではバカでかい箱を捨てずに取っておくこと
■中華製真空管は全交換する事で予算を組んでおくこと
■買うのならアマゾンなどの大手を通して置いた方が安心
ようするに中華製真空管アンプの格安品はいまのところ「素人」が手を出せるような代物ではありません。
最低でも自分で修理・交換・メンテナンスが出来るかどうかが入手の目安となります。
そして、この価格帯ともう少し上の価格帯まで含めて、おそらくこのメーカーだけで無く他の中華もスピーカーを鳴らすための真空管アンプはすべてこんな感じの筈です。
ただし、ヘッドホンアンプに関してはもう少し信頼性が高いので、1万2万の物でもトラブルは余り聞いたことがなく、僕が実際にふたつほど手元で使っていますが特に問題ないので、ヘッドホンアンプは漁ってみてもよろしいでしょう。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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