【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【レビュー】UiiSii BA-T8s 異色の3ドライバイヤホン

f:id:catwalk1101:20181123113212j:plain

 

熱心な読者の方より何度かレビュー依頼があり、少し迷っていたのですが、異色の3ドライバ搭載で2DD+1BAという構成で面白そうなので購入してみた次第です。

 

UiiSiiというといくつかレビューしていますが、それほど抜きんでた存在ではなく、GT800が評価に値する音が出ていましたのでかつて〇評価を行いましたが、低音が強すぎるのでイコライザー使用無しではジャンルをかなり選ぶというイヤホンでした。

 

僕はイコライザー否定派なので・・イコライザーを使用しないのならジャンルを絞って聴くと云うことでGT800の低音の強さを回避していたわけです。

 

それから格安品のUiiSiiを幾つか購入して聴きましたが、どれもこれもしょうも無いので放置プレーでしたが、今回は何度もレビューを要請されたため、とりあえずダメ元で行ってみるかとなった次第です。

 

【UiiSii BA-T8sスペック】

 

■モデルナンバー UiiSii BA-T8s
■ドライバー 2DD/6mm+1BA
■感度89db
■インピーダンス18Ω
■周波数特性 20Hz ~ 40000Hz
■コード長1.2メートル

 

40000hzと云うスペックは嘘くさいですが、2DDというのがよいところでしょうか。

DDはやはり自然な音が出てくるのでチューニングさえしっかりしていればナチュラルな音が聴けます。

 

バーンインはDD主体なので2時間ほどは回しておきたい。低音のユルさが改善し、音色の違和感がなくなるまでが目安。

 

f:id:catwalk1101:20181123125716j:plain

【UiiSii BA-T8s音質】

 非常に珍しいのですが、低音向けと言ってもよいほど低音域の出来が良いです。

下側にエッジのユルさはありますが、階調表現能力が同クラスの中華と日本製を含めてかなりよく異例の出来の良さ。

 

特にイヤホンでは単にブーストして低音の出来を誤魔化すイヤホンがほとんどを占める中で、かなりまともに低音を出してきます。

ただし正規の帯域バランスよりもわずかに低音の量は多めとなりますが、それでもカルボアイと同等クラスで他の中華からすればかなり抑制された低音量。

 

ちなみに重低音もそこそこ頑張っています。

 

基本の音質はスーパーウォームで少し明るめの音。

音がかなり暖かいです。

音が出た瞬間にいきなり安心感がある音で、レベルの高さを存分に感じられます。

 

ボーカルフラットも素晴らしい。特性を詰め抜いた音で評価できます。

 

更には多ドラにもかかわらずクロスオーバーなどの違和感もほとんど無く、音のつながりも非常に良く出来ています。DDとBAのハイブリッドイヤホンでは珠玉の出来の良さ。

 

エッジの出方はスピーカーを彷彿とさせるものでまさに一級品。

これでぜひピアノなどを聴いてその音の出方の抑制された美しさなどを堪能して欲しい。

 

このイヤホン、価格を考えればあり得ないほどの出来の良さを感じさせてくれるもので、この音は中華の新たなる到達点を指し示すものとなり、日本製イヤホンもこの価格帯ともう少し上を含めてちょっと勝負にならない

 

 さて、ここで少しこのBA-T8sの気になる点を書いておきますが、全体の出来映えの良さから言えば些細なことだと言えます。

 

まず第一に低域の下側が少しユルく膨らみが必要以上に大きくなります。それから音の明瞭度が少し低いようで音がクッキリハッキリしているわけではなく、少しゴチャッとしたまとまった感覚で鳴ります。

 

敢えて言うのなら、このゴチャッとした感覚で音が鳴ることが唯一にして最大の欠点でしょうか。

 

【UiiSii BA-T8sまとめ】

ハッキリ言いましょう。

中華が遂にここまで来てしまった、というのが正直な感想です。

 

特に高域側の音作りに関しては「欧州基準」ともいうべき音が出ていて、これをやられると日本イヤホンの高域の音作りでは太刀打ちできません。

ほぼすべての日本製イヤホンがそういう音で高域を誤魔化して居るわけですが、唯一finalだけが違うとはいえ、今度は寝かせすぎるという事でうまいところに落ち着かなかったといえます。

 

そういう意味では中華はまだまだ世界的な音は出せないだろうと感じていましたが、このBA-T8sの高域の出し方は世界的に通用するレベル。ShureやRHAのイヤホンに通じる音作りで、ちょっとした衝撃があります。

 

これまでの中華は日本製イヤホンと同じような中高音域の出し方で、帯域バランスが日本よりも強め強めに入るブースト気味なところに特徴がありました。

今回のBA-T8sは少しだけ低域が強めだとはいえ、それでもこの低域のエッジと階調表現の良さはこの価格帯では群を抜いています。それに加えて高域の音の出し方が非常に抑制されていてハイエンド的な音です。

 

ここの所、日本製や海外製のイヤホンをよく聴いていて、全体的なレベルではまだ中華イヤホンは日本製にすら追いつかない、と感じていましたが、このBA-T8s単独で見るのなら、同価格帯やそれ以上の価格の日本製イヤホンが霞んでしまうレベル。

 

少なくとも特性の良さでも高域の出し方でもかなり才能のある人が音作りに関わったと思えるレベルで、かなり煮詰められた音が出ています。とてもではないですが日本の単に性能重視・特性重視の真面目な音作りでは適わない。

 

才能のある人が音に関わると努力では勝てない、ということがよく分かるイヤホンで全体的な出来映えはこの価格帯(5000クラスからその上くらい)では中華と日本を含めて並ぶものがない。

 

このイヤホンは刺激的な音を出さないので、よくあるイヤホンの音作りになれていると違和感を感じるかもしれませんが、このイヤホンでなければ聞けない音がでていて、それはとてもレベルが高く、何をさしおいてもとりあえず手に入れておくべきイヤホンです。 

 

中華イヤホンで久々に深い満足感が得られました。

 

総合評価◎ 素晴らしい出来映え