【レビュー】KZ ZSTx 久しぶりのKZイヤホンを聴いた感想
久しぶりのKZイヤホン。
おそらくは一年ぶり以上だろう。
最近はノート版で世界のイヤホンを聴くことに主眼を移したのであえてKZに興味は無いが、個人的な理由でZSTxを購入してみた次第である。
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【KZ ZSTxスペック】
■モデルナンバー KZ ZSTx
■ドライバー 1BA+1DD
■感度107db
■インピーダンス12Ω
■周波数特性 20Hz ~40000Hz
このZSTxはバーンインはほとんど必要ない。鳴らし始め初期から音の変化はほとんど無い。
【KZ ZSTx音質】
ようするにKZの1BA+1DDのハイブリッドの音である。基本的な音質もそのままハイブリッドの音質を受け継いでいると思う。
最近KZが得意とする「アップグレード商法」のひとつであろう。
基本的な音質はそのままにさも「音質が改善」したかのように同じような音のイヤホンを新発売にして売りつけてくるアレである。
こう言う商売を行うのなら、ちゃんと「欠点」なり問題点を直してほしいものだが、そうすると音が大きく変わってしまうので、ほんの少し音を変えただけて売りつけてくる。
ある意味これほど美味しい商売はないだろう。
ドライバを最新の○○にしたとか、「ノズル」あたりのチューニングをちょっとだけ変えるとか、小手先のワザで誤魔化すので開発費は最小限で済み、それに新しい型番をつけて新発売すれば素人さんをコロッと騙すのにちょうどよい。
あとは販社がタダでブロガーやSNSあたりに配りまくってポエム記事を書きまくってもらうだけである。
どうせ音質評価などできないと高をくくっているのだろうか。
しかもこのZSTxはどうも音質傾向がZSTオリジナルのような音がする。つまり初期型ZSTのような気がする。
ZSTも初期型オリジナルとpro版でだいぶ音質傾向が変わってしまったのだが、中高音域に初期型のような雑味が入るのが気に入らない。
しかも低域もだいぶ出来が良くない。
低域はいつもの中華の過剰ブーストで、それも中華標準の低音量よりも更に多い。低域量は+8.5を超えると思う。しかもその低音がとてもブーミーだ。輪郭は緩くボヤけ、もともとKZは低音が得意な方ではないがKZイヤホンの中でも更に悪い部類に入るだろう。
最悪だったZSAよりもマシだが、いまさらこんな質の悪い低音を過剰ブーストで聴かされてもしょうが無いと思う。
中高音域は低音に比べるとだいぶまともだが、なにしろ音に雑味が入る。
全体にかなり明確な雑味が混じるのでこれだけでもう聞く価値はないだろう。
エッジがどうのこうのとかボーカルがどう描かれるかとか、細かい評価を本当はつらつらと書くつもりだったのだが、そんなものを吹き飛ばしてしまうくらいにこの中高音域の雑味混じりの音に価値はないと思う。
このZSTxもまた最近のKZの音そのままで他の1dd+1baハイブリッドイヤホンの音質と大して変わらないのだが、各部分が大きく劣化してしまっているので、その点は留意しておく必要がある。
だが、この大きな劣化部分は無視できないので、わざわざ購入する必要はないだろう。
KZのイヤホンが欲しければ間違いなく他のイヤホンを選択した方が良い。
【KZ ZSTxまとめ】
KZは本当に久しぶりに聞いてみたが、特に理由は無い。KZの音作りは既にもう限界を迎えているのが一年以上前に分かってしまってから急速に興味を失ってしまった。
KZが今後も輝き続けるためには現行のサウンドデザイナーの首を切るしかないだろう。
それはもうハッキリとしている。
今のサウンドデザイナーの能力ではこれが到達できるKZの音の限界である。
問題なのはその才能がかなり低いところで飽和してしまっていることだろう。
このデザイナーに幾ら開発させてもこれ以上の音の高みには到達できないと思う。
価格が幾ら安いとは云え安かろう悪かろうでは話しにならないというのもそうだが、それ以前にどれもこれも基本的な音質がそっくりだと云うことが問題だ。
例えば1DD+1BAのハイブリッドなら基本音質は皆同じだ。帯域バランスやエッジがそれぞれ多少違うだけで面白くもなんともない。これが高いレベルで戦うイヤホンならわずかな違いを楽しむという事も可能だろうが、この程度の音で「ちょっとした違いしか無い」というのではひとつ所有していればもうお腹いっぱいとも云える。
久しぶりに聞いてみたKZのZSTxだが、結論を言えばしょうも無いイヤホンである。ゴミとまでは云えないが、わさわざ幾ら安くてもこんな物を買う理由はない。
2019年以降の音はどれもこれも同じような物で相変わらず大きな変化は無く、比較的ダメな系統のイヤホンと聞けるイヤホンがハッキリと分かれている。
このイヤホンがダメな理由は2つ。
■低音の過剰ブーストとブーミーさ
■中高音域にまとわりつく雑味
これ以上に云うべき言葉はない。
実は今回ZSTxを聞くに当たり元となったZSTを比較対象とするべきなのだが、あちこちに大量のイヤホンをしまっていて、そこから探し出すのも面倒なのですぐに見つかったZSNproを比較対照とした。
音を聞いてみると、一聴して既にダメな音がしているのでわざわざ時間を浪費してオリジナルのZSTと比較する理由もなくなった。
それにZSTの最初のオリジナルの時から指摘しているはずだが、ZST系は中高音域に妙な雑味が混じる。pro版に変わってからその雑味がなくなったので喜んだのだが、それがZSTxでも同じように雑味が混じっているのでこの音を聞くだけで購入する価値はない。
それにプラスしてただでさえ低音ブーストされた中華イヤホン特有の帯域バランスが更に劣化しているとするとこれはもう初期型ZSTの音の傾向そのままだろうと思う。
おそらく厳密にオリジナルと比較検討すればちょっとした違いはあるはずなのだが、元がダメなのでちょっと変化させたくらいではどうにもならないだろう。
どうしてこうなったのか訳が分からないが、この同じような低レベルの音しか作れないKZのいまのサウンドデザイナーではこの辺が能力の限界だろうと思う。
このZSTxは既に発売されてからある程度の数は売れていると思うのだが、所有しているかたは上記の2点の問題はしっかりと聞き取って欲しいと思う。これが聞き取れないとより上位のイヤホンを購入しても音の判断は出来ないだろう。
最後に申し上げておくが、KZの1DD+1BAの格安ハイブリッドイヤホンならZSNproをひとつ買っておくと良い。こちらの方が元となるオリジナルの音が良いといえる。
それから中華コロナの時代を迎えてお金の無駄なのでZSNproをひとつでも所有していたらKZの1dd+1baとその亜種は買う必要はない。どれもこれも基本的な音質に違いは無く、お金をドブに捨てるようなものである。
また巷のブログ評価などもKZのレビューは販社からの提供が多く激しく汚染されているので役に立たない。ZSTxのこの雑味全開の中高音域がクリアに聞こえるなどまったくもってお笑いである。
総合評価✖ 劣化アップグレード版イヤホン。
KZもいい加減このような「アップグレードによるリファイン商売」を辞めた方が良い。欠点をそのまま残してさも改善したかのように同じような音のイヤホンを次から次に売りつける。実際はどれもこれも基本は同じ音である。
こちらはZSNpro。KZの1DD+1BAが欲しければこちらの方が音がまとも。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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