【レビュー】 ROCK ジルコン ZIRCON / hoco ジルコン
総合評価△
有名なROCKのZIRCON/ジルコンです。
低音域に特徴があり、こちらは1DDです。
【ROCK ZIRCONスペック】
■モデルナンバー RAU0501
■ドライバー 1DD
■周波数応答範囲 20khz-20000hz
■ 感度93db+-3db
■インピーダンス16Ω
【ジルコン音質】
帯域バランスが不自然に低域寄りで、しかも重低音域がまったくダメです。
重低音域の量は出てくるのですが多すぎてドライバーが音を上げたようになります。
低域は重低音さえ入らなければ輪郭もある弾むようなエッジ感のある音が聞けますが、ソースをかなり選びます。
ドライバーがウォーム傾向を帯びているのでイメージとしての解像感も失われがちです。
このイヤホンは、特に重低音域に問題が多く、ブーストしすぎだとはいえます。
低域が被るのか中域の質感も悪く、どの帯域をとっても評価できる物ではありません。
音質はほんのわずかに明るい傾向がありながらもエッジはマイルドです。
こういう質の悪いイヤホンはアコースティックや音数の少ないソースが得意という傾向がありますが、このイヤホンもその傾向があります。
【ジルコンの亜種について/hoco HF1 ジルコン】
総合評価★1.0
偽物なのか亜種なのかは分かりませんが、同デザインの音違いの物のテストしています。
こちらの亜種に関しては「hoco HF1」として出回っている物ですが、60HZ以下の低音がほとんどでてきませんので、チェックすればすぐに分かります。
一聴して感度も大幅に違いhoco版ジルコンは110dbと大幅に上がっています。
ジルコンの特徴的な多めの低音がほとんど出てこないため、中高域もスカスカなイメージとなります。
ただし、これ単独で聴いている場合は「こんなものか」と思ってしまうので注意が必要です。
hoco版が偽物ではなく単なる同工場の派生モデルである亜種のひとつだとして判断するのなら、その音は★1程度のものなのでどちらにしろ購入を推薦できる物ではありません。
(いろいろと検討した結果、こちらは「偽物」ではなく同ハウジングの亜種である、と云う結論に達しました。ただし、ここまで帯域バランスが違うとドライバーが同じ物だとはなんともいえません)
両イヤホン共にハウジング外観は見事なまでにそっくりで、ハウジングだけなら区別がつく人が居るとは思えない出来映えです。
ただしマイクコントロール部分やコード、付属のイヤーピースの色などは全くの別物です。
これがどういった素性のイヤホンなのかは分かりませんが「音だけで判断する」のならジルコンの音ではありません。
なのでジルコンの音を聞きたいのなら、確実に信頼できるショップからの購入が必要かもしれません。
一応、写真を載せておきます。
ハウジング外観はまったく同じ物なので区別ができませんが、コントロール部分とコードの色と材質、またイヤーピースの色が違います。
左側の四角いタイプが亜種のhoco版となります。ちなみにイヤーピースが白っぽいのが本物で、グレーぽい物がhoco版となります。
謎の多いhoco版ジルコンですが、ハウジングは間違いなく正規のものだと思われますので、ドライバ違いかチューニング違いの亜種と考えて間違いないでしょう。
【ジルコンまとめ】
重低音だけで云えば話しにならないイヤホンです。
帯域バランスがそもそも低域寄りで、ほとんど「籠もる」と云っても過言ではなく、まずこのバランスが決定的におかしい。
この為、重低音が入ると中域が一気に沈み込みます。
評価できるのは、複雑なデザインと装着感、重低音が被ってこない場合のボーカルの暖かな質感だけです。
それでも中域は少しボケた感覚が残るので、やはり何かしらの問題があるのかも知れません。
ただし、アコースティック系の音数の少ない曲では低域を含めてそこそこ聴かせてしまうのは事実ですので、このイヤホンに関してはキチンとしたある程度複雑な重低音入りのソースでチェックすべきでしょう。
有名なイヤホンの1つですが、購入するほどの理由は特にないといえます。