ポタアンの役目 駆動力不足の解消
ポタアンの最も重要な役目は「駆動力不足を補う」という事になります。
普通に聴くとデジタルとアナログでの比較において見かけ上の駆動力はデジタルの方が上になります。
アナログでは鳴らすのが非常に困難なドライバでもデジタルではとりあえず音は出てくれるからです。
それ以上の場面になるとアナログが圧倒差で駆動力を発揮してくれるのですが、今回はそのお話しではありません。
スピーカーのドライバーですとデジタルアンプの低音は音がおかしくなるのでオススメしませんが、イヤホンの直径10ミリ程度のドライバーでは普通に鳴っているように聞こえますので、駆動力という点に関してはデジタルかアナログかはそれほどこだわる必要はないと言うのが今のところの見解の一つです。
なので昨今市場に溢れているバッテリー持ちの良いデジタルのポタアンという事で話を進めますが、冒頭に書いたとおり、役目は「駆動力を補う」ことがもっとも大事な点となります。
具体例を挙げましょう。
iPhoneを使うとイヤホンレベルでも低音の駆動力は明らかに「不足」します。
これは設計の段階でパワーアンプ部の物量投入が足りないわけですが、スマホとしてはかなり頑張っていると判断しています。
そこらのアンドロイド機よりは優れていたりしますのでそれなりに考えられたそこそこの電源部を持っているのではないかと思いますが、イヤホンのドライバーでも低音の駆動に関しては明らかに力不足を多々感じるので、格安DAPやスマホレベルでは駆動力は常時不足気味です。
ポタアンを投入するのはスマホや格安DAPでなどで不足するこの低音を補うためで、そういう意味でなら投資する意味があります。
ちなみに低音の駆動力が不足している場面では往々にして中高音域も影響を受けていますが、明確に分からない場合も多くなります。
ではONKYOのDP-X1はどうかというと、イヤホンで駆動力不足に陥る場面はほとんど無いと考えています。
ただし、駆動力というのはギリギリの場面ではベテランでも比較検討無しでは分からないので注意が必要ではありますが・・・・。
もう一度言いますがポタアンを投入しなければならないシーンというのはまず第一に低音の駆動力不足を補うためです。
その他にも多少の理由がありますが、何を差し置いても「駆動力」が足らないポタアンをわざわざ導入する意味はまったくありません。
あまりの格安機を導入しても駆動力不足が解消しない、と云うことは普通に起こりえますので、その場合は諦めて予算を増やすか他の機種に鞍替えするしかありません。
もうひとつの理由としては、ヘッドホンの駆動も視野に入れる場合です。
ヘッドホンクラスになると振動板の直径が40-50ミリとイヤホンの5倍ほどに達するため、単純にイヤホンとは比較にならないほどの駆動力を必要とします。(その分、表現力が跳ね上がる)
こうなるとDP-X1クラスでも不足し出しますのでその場合はそれ以上の電源部を実装したポタアンを用意しないとなりません。
ただ経験上で言わせて頂ければ・・・DAPではヘッドホンを駆動させるにはどれも力不足の傾向がありますので、どちらにしろ別途でアンプを用意する必要があり、ポータブル系ではちょっと厳しいのも事実なので、こうなってくると据え置き用途のヘッドホンアンプが必要となってくる場合がほとんどです。
つまり結論はこういうことです。
まずイヤホンにおいて第一に必要な「駆動力」を満たすという意味でならある程度の価格のDAPをお持ちの方はポタアンは必要ありません。
格安機やスマホで聴かれている方はしょうもないポタアンを購入しない限り効果は覿面に現れます。
ただし、ポタアンの駆動力が実際にどの程度のモノなのかは「聴いてみるまで分からない」という博打の側面が強いのでその点は覚悟してください。
追記
パワーアンプは第一に駆動力です。その他すべてはその後に検討するべきです。