【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【レビュー】 KZ ED3 youth version (青少年/若者バージョン)

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総合評価✕

KZ ED3の若者バージョンという意味不明なちょっと恥ずかしい名前のED3の別バージョンとなります。

 

ED3と同じような筐体で青や赤色のハウジングとなり、感度などが大幅に違っていたりします。ドライバ違いなのかチューニングの違いなのかは分かりませんが、恥ずかしい名前と若者を意識した恥ずかしい色が特徴のイヤホンです。

 

【KZ  ED3スペック】

■モデルナンバー KZ ED3 youth version
■ドライバー 1DD
■感度98db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性7khz-31000hz
■コード長1.2メートル
 

【KZ  ED3音質】

基本的に音質は明るめとなっています。
 
あえていうのなら、全体的にちょっと酷い音質です。
特徴的なのはボーカル域の攻撃性の強さで、エッジがかなり尖ってしまっています。
この音に聞く価値は無いといえるレベルのイヤホンで見所は特にありません。
 
このED3若者バージョンは明確に中高音寄りの音作りになっているようです。
この為、ノーマルED3と比較すると帯域バランスは中高音重視に変わっています。
 
やはりもっとも問題なのは、中高音域の帯域バランスレベルの問題だけでは無く、このED3 youthは中高音域のエッジをかなり立たせてしまったようで、この若者バージョンのエッジの尖りはほぼ欠陥品といえます。
 
低音が少し目立たなくなってしまっていますが、無理矢理重低音が高いレベルで入るようなソースだとドライバーは持ちこたえられずに破綻気味となります。
 

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【KZ  ED3まとめ】

買う理由は何も無いと言えます。
KZの中でもED4などの星1評価機種よりもわずかにマシ程度のレベルのイヤホンです。
 
これを買うくらいなら素直にノーマルED3を購入した方が良いと思います。
なにしろED9を凌ぐ中域の激しい攻撃性で、ボーカルなどは聴いていられません。
低音も出にくいので、なんとも言えない駄作です。
 
それとも中国の若者はこういう中高音を強調した音作りを好むのでしょうか?
少し理解しがたいイヤホンです。
 
 

 

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【レビュー】 KZ ZS1 /AS1211

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総合評価✕

 

ダイナミック2DDのZS1となります。8mmと6.8mmの異なるドライバを搭載しています。

sure掛け専用のモデルとなっています。

 

【KZ ZS1スペック】

■モデルナンバー KZ ZS1

■ドライバー 2DD/8mm/6.8mm

■感度98db

■インピーダンス18Ω

■周波数特性20khz-20000hz

■コード長1.2メートル

 

【KZ ZS1音質】

2DDらしい分離の良さはイマイチ感じられませんが、ダイナミックドライバ2基なので音色の統一感は高いようです。

基本的に音がかなり明るく、帯域バランスも重低音強めですが、それほど悪い物ではありません。

KZの中では比較的に低域そのものは少なめでバランスは良い方です。

低音の階調も出てくるのですが、重低音がかなり多めに量が出てくるのでソースによっては混濁しがちとなります。

高域側の尖りも無く、ボーカルもKZの中ではATEクラスのレベルの高さを感じます。

 

ここまでは意外に評価が高いのですが、なぜか全体に妙な雑味が被さってきます。

このおかげで個々の帯域だけで見るとなかなかの音がしているのにもかかわらず、ひとつの音楽としてこのZS1を聴くと不満が大きくなります。

特に問題は重低音域の量がかなり多めに出てくるので、濁りやすい音が更に混濁しがちになります。

 

ZS1の特徴を一言で言うのなら「明るく質の高いボーカル」と云うことに尽きるでしょう。

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【KZ ZS1まとめ】

 おそらくこのZS1はハウジングの方に問題があるのではないかと感じています。

これはハウジングの共鳴というか、箱鳴りというか、とにかくハウジングの音で音質に決定的な濁りが生じています。

 

 全体的に感じる妙な雑味のせいで明るくも前に出るボーカル域のレベルの高さが台無しになってしまっています。

 

とても惜しいのですが、低音少なめのソースで明るく質の高いボーカル専用ならこのイヤホンの最も美味しいところを味わえると思います。

 

 

 

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【コラム】 解像度とは何か? ヘッドホンとイヤホンを考える

 

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ここから先は僕の勝手な解像度についての見解です。

 

僕も昔は解像度を追求していた時代がありました。

単純に聞こえない音が聞こえる、と云う理由が最も大きかったのです。

後から思えば「初心者ほど解像度を追求する」という思いが強いのですが、ある意味とても「分かりやすい部分」でもあると感じています。

 

経験が少なくても「解像度」だけは比較しやすいと云うこともあります。

 

僕は元々がスピーカー出身ですが、テスト用のチェックディスクを使って購入したスピーカーの音がどれだけ細かく聞こえるかよくテストしていたものでした。

 

ですが、僕が解像度の追求を辞めてしまったのは、ヘッドホンを購入した頃からです。

その頃、どうしても欲しかったSTAXのフラグシップである007の音を視聴しにいき、そのあまりの凄まじい解像度と滑らかな美音に衝撃を受けました。

STAXからはいままで聞くことの出来なかった細かい音が簡単に出てきたのです。

たとえば僕がよく聴くメサイアのディスクなどこれまで何十回も聴いてきたものですが、このディスクに録音されたブツブツという異音まで鮮明に再生してしまいました。

 

この異音を最初に聴いたときに007の初期不良かと思ったものです。

 

ところが当時使用していたスピーカーでそのディスクを聞き返し、スコーカーに耳を押し当てるようにしてチェックしてみると、確かにブツブツという異音が録音されているのが確認できました。

何のことはない、その異音はあまりにも録音レベルが低いかすかな音なので数メートル離れて聞くスピーカーでは再生の難しい音だったのです。

 

もちろんもっと突っ込んで云えば、そんな異音を鮮明に再生する理由はありませんし、音楽では無く録音時のミスのような音まで明晰に再生する理由もありませんが、確かにこういう細かな音を解像度高く聞かせてくれるヘッドホンは確かに優秀です。

耳のすぐ近くで鳴らすため比較的にヘッドホンは解像度という点ではスピーカーより遙かに優れています。

解像度という点では静電型のSTAXに適う再生機器はそうそう世の中にはありませんが、だからといって世の中の定評のあるスピーカーが007よりも劣っていると云うことはありません。

部分的にはヘッドホンはスピーカーに勝てますが、結局のところ、音楽を美しく鳴らすという点ではスピーカーに勝てると云う事はほとんどありません。

 

スピーカーはSTAXほどの解像度が無くても素晴らしい音楽を、音色を響かせてくれます。

 

むしろ僕は思ったのです。

ヘッドホンなどは「聞こえすぎる」のが難点だと。

ここまで聞こえすぎてしまうといわゆる「優秀録音盤」といわれるソースそのものがよく練り上げられた音源を持ち込まないと音楽を聴いていられなくなったりします。

 

写真に例えるのなら、「解像度」が高すぎると女性が美しく見えない、というのと似たような物かも知れません。適当にぼかした方が美しい場合も多いのです。

 (この美しくぼかすと云う作業をうまくやってくれるのがアナログのプリアンプです)

 

特にここ最近のデジタル機器はそこら辺のポータブル機器でも「解像度が高すぎる」ので、アナログのような柔らかい傾向の音ではなく「とても荒れた音」をそのまま出力する傾向があります。

傾向があると云うよりも「音を整理せずにそのまま出して」しまいます。

 

イヤホンなどでは再現力のグレードが低いのでよくよく聴かないとこの荒れた音が分からなかったりしますが、性能の高いヘッドホンあたりだともう既に聴いていられないレベルの音を出力します。

 

いまのデジタル機器ならアンプ側で失われるような音はほとんどありません。シールドの強い良くないケーブルをなどを間に挟むと細かな音は簡単に消えてしまいますが、余程の粗悪な機器で無ければDACチップから出力されるところまでに人間の可聴帯域上の有効な音が消えてしまうなんて事はほぼなかったりします。

 

要するにここ最近のデジタル機器では「解像度が高すぎ」て問題を起こしているのです。

これはもっとハッキリと言うといわゆるフルデジタルアンプの大問題なのです。

 

昔、解像度を追求した人たちの間で「CDプレイヤーからの出力」をそのままボリューム付きのパワーアンプに直結するのが流行したことがありましたが、あっというまに廃れてしまいました。

 

理由は簡単です。

 

解像度はかなり高くなり、1枚ベールを剥いだような音が簡単に出てくるのですが、音が荒れて音楽が鳴らなくなるので辞めてしまったのです。

ところが昨今のデジタルプレイヤーにヘッドホンをさすと正にこの荒れた音がします。

 

こういう荒れた音は音楽ではないと、僕は思うのです。

 

例えば解像度の高い機器で音を聞くと「パン」という音が「パァン」と聞こえます。

この「ァ」の音が聞こえるかどうかでその機器の価値が決定するわけでは無いのです。

本当ならこの音を全部再生しながらアナログのプリアンプを通したような「整理された音」が一番良いのですが、これはなかなか至難の業でそういう音にはそう簡単にはたどり着きません。

 

 【解像度まとめ】

そういうわけですので、今のデジタルアンプもしくはスマホレベルでも中華のどうしようもないレベルの機器で無ければ信号としてなら解像度が足りないなどと云うことはなく、むしろ解像度が高すぎて音が荒れると云う問題を引き起こしているのが現状だったりします。

 

ただし、低音側の解像度は電源部にて依存しているので、これはデジタルプレイヤーの電源部の問題です。

この点においてはアナログ的な物量投入が効いてくるのでポータブルのDAPなどではそもそも低音の解像度が十分にでてきません。

イヤホンならまだしもヘッドホンくらいになると駆動力のあるアンプを通さないととても低音の帯域は表現できなくなってきます。

低音が駆動できないと釣られて中高音域まで音の解像感が下がります。

 

この点に於いては解像度では無く必要なのは「駆動力」です。

これは単純にワット数とは関係なく、ドライバーの制動力が問われるところとなります。

 

このようにアンプ側での信号という事だけなら解像度は既に十分なのです。

 

では、ヘッドホン側では解像度が落ちないのかというとそんなことは無く、ここで問題となるのは音数が多くなるとドライバーが音を上げて音が混濁するという現象が起こります。

こうなるとある帯域の音が消えてしまいます。

 

これは決して好ましいことではないので、ヘッドホンやイヤホン側にも性能の高いドライバーを要求されますし、共鳴音で音が消えてしまわないようにハウジングも正しく設計する必要があります。

 

ここで今までの事を整理すると、解像度を高めるためにはアンプ側では信号の品質よりもむしろ駆動力の方が余程重要なこと、またヘッドホンなどの再生機器側に音の混濁しないドライバーとそれを活かす設計のハウジングが必須だと云う事です。

 

ただし、例えバカみたいに解像度の高い機器を使っても音楽が鳴るかどうかはまた別問題です。特に最近のデジタルプレイヤーの解像力だけが異様に高い音には注意する必要があると云う事です。

 

僕個人はパワーアンプの問題で失われる低音域の表現とドライバーやハウジングで音が混濁して消えてしまうと云う事にはまったく納得はしていませんが、高い解像度という点ならSTAXのヘッドホンで事足りるので、いまは解像度一辺倒では無く、むしろ音のハーモニーとか音色の方に興味があります。

どうでもいいような細かい音を必死になって聴くよりも、全体として音楽を鳴らす事に興味があります。

 

 

 

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【レビュー】 Little Dot MK2 MKII 6J1 X2 6N6 X2 ヘッドホンアンプ/真空管プリアンプ/

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総合評価✖

 

OTLの真空管アンプであるLittle Dot MK2です。

 

OTLなので出力トランスは搭載せず、比較的真空管の音が出やすい傾向があります。

トランスの音が出ないため、真空管アンプの中では回路構成が半導体に近いアンプとなります。OTLですと音質的には半導体の音色に近くなると云われていますが、こちらのLittle Dot MK2は部分的にとても美しい音色がでます。

 

こちらは一言で言うのなら中域がとても優しく甘いアンプだとはいえるでしょう。

 

【Little Dot MK2スペック】

■シングルエンドプッシュプル クラスA OTL

■周波数特性 20HZ - 50000Hz

■対応ヘッドホンインピーダンス

 

 【Little Dot MK2音質】

まず付属の真空管で評価しています。

こちらは交換前提で考えておくべき物ですがとりあえずの試聴なら特に問題のないものでした。

 

ヘッドホンアンプとしての使用ですが、一言で言うのなら「価格なりの」の性能だと言えます。

APPJ1502Aなど比較すると、もう中域の質感は圧倒的で、この帯域の色艶はこちらのLittle Dot MK2の最大の特徴と言ってしまっても良いでしょう。

 

とても良い質感で、ちょっとした「真空管の艶」がボーカル帯域に載ってきます。

中域のエッジもわずかに丸まるようでとても好ましいです。

 

テストする限り高域側も鈍るようなことはないので特に不満はないとおもいます。

 

中低域側の駆動力は真空管なのでこちらも不足を感じるようなことは一切なく、HD650をキチンと鳴らせるだけの実力があり、実際に音を聞いてもDP-X1よりも一段上の低音の駆動力を見せてきます。

 

低音もボケること無くしっかりと出してきますので、真空管アンプにありがちな低音の階調不足ということもなく、低音域の表現力という点に関してはまったく問題ないアンプだと判断しています。

 

特にポータブルのデジタルDAPを使用している人は、こちらの低音を聴けば単純な出力ワット数ではない本当の意味での駆動力というものが具体的に実感できると思います。

 

ノイズもほぼ感じられず、それでいてこの中域の音色は高く評価しておきます。

 

ただし、世の高級なトランスを搭載した真空管ヘッドホンアンプと比較すると背景はちょっとウルサいです。

(ちなみにこのざわつき感はインピーダンス的な相性の問題では無く、安い真空管アンプ特有のものです。

 

ただし、安くてもこのようなモヤモヤ感がない真空管アンプもあるので、一概には言えませんが、ちょっと許容範囲を超えてしまうことはいえます。

 

また分離や音の解像度にはちょっと問題があるようで、背景のざわつきと共に注意が必要です。 

 

ちなみにヘッドホンアンプとしてつかう場合は前面の3.5㎜端子では無く分岐ケーブルを使用して背面のRCA出力端子から音を拾った方が音質はわずかながら向上するようです。

【Little Dot MK2プリアンプ】

純粋なプリアンプとしても使用可能なアンプですが、こちらの「プリアンプとしての実力」はプリメインアンプのプリ部程度の実力と言ってしまっても良いと思います。

なのであまり性能が高いものではなく、こちらを入れたとしてもセパレートのプリアンプを入れたときのように圧倒的な音質差を望むのは難しいです。

 

特にスピーカーで使用すると背景のモヤモヤ感や荒れた音もあまり整理せずにそのまま出力してしまう傾向があるので音の変化にシビアなスピーカでプリアンプとして使用するにはちょっとレベルが低いプリアンプです。

 

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【真空管の交換について】

付属はどうもダメだろうと思います。

 

僕はまだ変えていませんが、エッジの出方がおかしいのでなにか別な真空管に変えて変化を試してみるべきだと思います。

【LittleDOT MK2まとめ】

電源コードを含めてフルセットで販売されています。

同じストアのAPPJが電源コード無しで販売されているので、そこから比べると別に買い足す物が2P変換プラグだけというのはお手軽で良いものです。

 

ボーカルに載るこの真空管のわずかな甘い音色だけでも聴く価値がありますが、それでも色々な事を総合的に考えると「お金を出す価値」があるかどうかは極めてアヤシい。

 

特に駆動力を中心とした低音の表現力は昨今のデジタルアンプではなかなか出せないものとなりますが全体的な能力が悪すぎるところがあり、エッジの出方や解像度、背景のざわつきなどを勘案すると非常に厳しいアンプだと言えます。

 

贅沢を言えば真空管特有の「背景のざわつき」に価格の安さが出てしまっているので音の雑味としてかなり明確に現れてしまうのが「価格」を感じさせてしまうところでしょう。

 

アナログの場合、価格=性能のようなところがあるのではっきり申し上げてこの価格で「良い音」にたどり着くのは極めて厳しい。

 

ちなみにインピーダンスはハイ・ミドル・ローと内部のディップスイッチを開けて変更します。これが少し面倒なのですが致し方ないでしょう。

 

ヘッドホンの対応能力も高く、価格の安さにも関わらず楽しめる音質と中域に現れる特徴的で妖艶な真空管のツヤに点数を付けておきます。

 

 2万以下では、真空管の艶がボーカルにわずかに載るアンプとして評価すべき性能があると思われるOTL真空管アンプだと思います。

 

価格優先で探している方にはオススメしたいところではあるのですが、真空管アンプとして基本的な能力が及第点に達していないとはいえます。

性能優先でとにかく良い音で楽しみたいという方はもう少し予算を増やして別なメーカーから選択した方が良いかも知れません。 

 

ちなみにこちらのアンプはイヤホンでは無くヘッドホンでテストしています。イヤホンの方はデジタルアンプの方が結果が良いのでこういったアナログアンプを選択してはいけません。

 

Little Dot LD1+ I+ 真空管6JI ハイファイヘッドホンアンプ 真空管アンプ プリアンプ
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Little Dot MKIV MK4 SE ハイファイヘッドホンアンプ 真空管アンプ プリアンプ
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【コラム】 ベリリウムドライバーについて イヤホン振動板

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イヤホンの振動板というとここ最近いろいろなものが出てきているようです。

格安系でもよく見掛けるのが「ベリリウムドライバ」です。

 

ベリリウムというと元々ごく限られたスピーカーの高域を担当する「トゥイーター」に使われることがありました。

今でもスピーカー用のTADドライバーはベリリウムです。

 

このベリリウムはもともとが「高域用」の素材で、その材質から放たれる音は「美しくて透明感のある」音がする物です。

これは一聴しただけで「ベリリウムの音だ」と一発で分かるほどに音が違います。

 

ではなぜこのベリリウムドライバーを各社が採用しないのかというとこのベリリウムには幾つか問題があります。

 

■製造時に「毒」を発生するので高度な設備のある専用の工場で無いとでは加工できない。

■高価

 

そもそもベリリウムは粉末にしないと加工できませんが、粉末にすると「毒」を発生するため、防護服を着用するなど極めて高度な設備が必要になります。

 

これほどの難しい素材が数千円のイヤホンに「ベリリウム・ドライバー」と云われてたくさん使われています。

このカラクリを想像するとおそらくベリリウムに多量の混ぜ物をした合金で、実際のベリリウム含有量はごくわずかだったりする可能性があるのではないかとも考えたりします。

これならベリリウムドライバーが格安である理由が分かります。

 

要するに「名前だけベリリウム」の可能性があると云う事です。

少なくとも僕がかつてスピーカーで聴いたベリリウムの音のするイヤホンは今のところ存在せず、ベリリウムと真逆の鈍った音がしていたりします。

 

また、おそらくと云うことでいえば「ベリリウムドライバー」を製造する工場は中国にもそんなにたくさんあるとは思えませんので、同一ドライバーを使ったイヤホンがたくさんあるのではないかとも思っています。

 

こうなると「音の違い」はハウジングの違いと言ってしまっても良いかも知れません。

 

さて、ここからはドライバーの素材についての余談となりますが、たとえばKC06Aなどは「生体複合膜ドライバー」などと言うよく分からないドライバーを使用していたりします。こういった「一見凄そうな名前の素材」にも注意が必要です。

 

なぜなら、経験上、こう言った特殊な素材のドライバーで「いい音がしたためしがない」ということがあります。

売り出しの宣伝文句としては使えますがそれ以上では無く、こう言ったドライバーはたいていの場合特性の狂った特徴的な音がしたりします。

 

だいたいよく考えればすぐに分かりますが、歴史の長いスピーカーの世界でも次から次へと新素材ドライバーが試されてきましたが、生き残っている物はほとんどありません。

 

このように「新素材」みたいなものはたいていが時の流れに揉まれると、いつの間にやら市場から消えています。

TADドライバーのように一流のメーカーがきっちりと作り上げたベリリウムドライバーは美しい音がしますが、それを中域と混ぜ合わせるのはこれまた至難の業となります。

 

音はハーモニーが大切で、ある帯域だけが素晴らしい音がしていてもしょうが無いのです。

 

イヤホンで云えばダイナミックドライバーを基本として、せいぜいがBA程度で十分でしょう。

その素材もごくありふれた一般的な物でも不足がなかったりするわけです。

 

それですらいまだに使いこなしができていないケースの方が多いわけで、新素材だの新ドライバーなどという言葉に騙されず、キチンと音を聞いて判断していく必要があります。

 

 

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【レビュー】 KZ EDR1

 

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総合評価〇

 

KZ社のEDR1となります。

KZの中ではED9が高く評価されていますが、今回、聞き比べた結果ED9の星を落とし、EDR1の評価を出しておきます。

 

ちなみにこちらのEDR1とED2は見た目で区別がつきません。

音は違うようなのですが実際のところどうなのかは明確ではありません。

 

【EDR1スペック 】

■モデルナンバー KZ EDR1

■ドライバー 1DD

■感度108db

■インピーダンス18Ω

■周波数特性20khz-20000hz

■コード長1.2メートル

 

【EDR1音質】

まず適正帯域バランスから云えば相変わらずの中華のKZで量が多めです。

KZの中でも特に低音が多めのED10の低音を少し量を絞ってエッジを明確にしたようなイメージです。比較するとED9よりも低域のバランスは良いと思います。

低音のエッジの描き方も十分に評価できます。

重低音も出すぎるくらいに出てきます。

 

ボーカルの質はED9の攻撃的なエッジを薄めてちょっと地味にした感じです。

といっても今回はED9を比較対照としたのですが、後からATEを持ち出すとATEよりも高域側のエッジが立ち気味なのでボーカルの質感は悪くは無いがATEのボーカルグレードから比較すると若干落ちるというレベルです。

 

ようするにこちらのEDR1のボーカルの質感はKZの中でも平均より上のレベルにはあるといえます。

惜しいのは高域側のエッジがわずかに立ち気味なところだと思います。

また、音数が多くなると全体的にすこしざわつきます。

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【EDR1まとめ】

KZのATEあたりに通じるエッジのマイルドさがあります。

KZの中でも音は明るめの部類になりますが、低音もかなり強めです。

輪郭はよくエッジはボケません。

 

量の多さは別として比較的に低域側の性能は高めです。

帯域バランスで見ればKZらしい低域寄りの音ですがボケ感も少なく、階調表現能力もかなり高いです。

 

中域の質感も悪くなくATEやATRに通じるボーカル域の質感を持っています。

ATEよりも音はわずかに明るい音です。

音質のところでも述べたようにボーカルの質感だけならATE/ATRには適いませんがKZの中の立ち位置としてはかなり上位に入るとみて良いでしょう。

 

こちらのEDR1はKZの中では意外な実力機となります。

ED9よりも間違いなくこちらの方が音質は上だと思いますので、高域側のエッジの尖りは唯一気になりますが、性能は高めです。

ATEあたりを少し華やかにして高域側を立たせた物がEDR1の立ち位置となりますのでKZのイヤホンシリーズの中でも実力高めです。

 

 

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【コラム】 イヤホンの帯域バランスの判断について

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イヤホンの帯域バランスの判断基準について書いておきますが、モニターとして使用しているのはゼンハイザーのHD650/6XXを使用しています。

 

HD650は聴感上のフラット基準であるDF補正で今のところもっともフラットに近い特性を持っているので個々の音の判断基準としてではなく、あくまで帯域バランスの判断に使用しています。

 

ただし、フラット補正は「聴いていて楽しくない」というのがあるので、モニター的な聴き方はできますが、音楽を聴いてとても楽しいと云うことにはなりません。

スピーカーの世界でも試聴位置フラット調整をさんざんテストしてきましたが、結局のところ「あまりにも退屈な音がする」ということでピュアオーディオのマニアでも最終的にフラット調整は行わず、たいてい緩やかなピークとディップをつけて「音楽が鳴る」ように調整します。

 

要するに何が言いたいのかというと、音楽を聴いて楽しい調整は多少のドンシャリであるということです。

特に日本人は「高域上げ調整」をとても好みます。

 

スピーカーでも「日本向けの調整」と書かれている場合はたいていのケースでトゥイーターが変更になっていることが多くなります。

 

と云うわけで、音楽を聴く場合は低域は多少強めの方が聴感上良い結果を生む場合が多く、日本人の特性として高域は上がり気味の音を好みます。

ようするに弱ドンシャリになります。

 

と云うわけで、適正帯域バランスの判断は「弱ドンシャリ」を基準として考えています。

 

なのでこのブログで低域強めと書かれている場合は、適正よりもかなりの低域が強めとなっていると判断してもらって構いません。

もともとこちらのブログで扱っているような「中華イヤホン」は基本的にどれを購入しても基本は低域が強めとなります。

 

この為、Sureの215SEあたりから流れてくると強烈な低音を感じることになりますが、慣れてくると中華イヤホンの低域の方が聞いていて楽しくなり、低域があまりにも少ないと物足りなくなります。

 

こういうことなので僕の云う適正帯域バランスとはHD650基準でもう少し低域を上げた状態を基本として考えているということを書いておきます。

 

 

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 帯域バランスのモニターはこちら。

 

 ヘッドホンでは合わないのですがイヤホン用のDAPです。

音は鮮烈ですが荒れ気味です。

 

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【レビュー】 HLSX BK35

 

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総合評価△

 

HLSX 808イヤホンの開発元であるHLSXのBK35となります。

1DD+1BAのハイブリッドドライバで、価格は少し高めのイヤホンとなります。

 

完全な中低音寄りのイヤホンで、低域と同時に中域のエネルギー感もかなり強めとなっています。

 

【HLSX BK35スペック】

■モデルナンバー HLSX BK35

■ドライバー 1DD/10㎜+1BA

■感度112db

■インピーダンス32Ω

■周波数特性8khz-25000hz

■コード長1.2メートル

 

【HLSX BK35音質】

帯域バランスは中低音寄りです。

ボーカル域はかなり前に出てきます。

 

音はクリアで明るい傾向がありますが、最大の欠点はボーカル域のエッジが立ち気味なところとなります。

全体的にはかなり低音よりの音作りとなりますが、低音のバランスはDZAT DR20と同程度のバランスとなっています。

要するに結構強めです。

 

低音側の輪郭と重低音はレベルが高く、そういう意味では階調表現もよく描く優秀さがあります。

 ドライバーもさすがに1DD+1BAなので低域が被っても破綻しづらく、よく出来ていると感じますが、おそらく主にBAドライバ側の問題で損をしているイヤホンです。

 

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【HLSX BK35まとめ】

 決して悪い物ではありませんが、このバランスでこの音ならDZAT DR20で十分でしょうし、DR20の方がボーカル帯域が優秀です。

そういう意味では悪い物では無いが価格ほどの価値のある音が出ているとは言いがたく、細かなとこを見ていくとレベルか高いイヤホンとは云いにくいところがあります。

 

もともとイヤホンの差は似たような帯域バランスの場合、細かな差となる場合が多く、神経質にチェックする必要が出てきますが、こちらのBK35は細かくテストしていくとアラが出てくるイヤホンであるといえます。

 

総じてあえて好んで使う理由は無いといえます。

 

参考記事

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp

 

AliExpress.com Product - 2016 New HLSX Hybrid 10mm Dynamic+Balanced Armature (BA) Dual-Driver In-Ear IEMS Wood Hi-Fi Stereo Headset Headphone Earphone

 

【レビュー】 OSTRAY KC06A

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総合評価△

 

 OSTRAY KC06Aとなりますので、KC06を中低音寄りにチューニングしたバージョンとなります。

 

特段の理由が無ければ06Aのこちらのバージョンを購入した方がいいでしょう。

06Aでもまだエネルギーが中高音寄りなので、無印06では低域好きな方には物足りなさもあると思います。

 

いつも紹介しているイヤホンの価格帯からすると「高額」な製品で、音だけで云えばそれだけの価値は感じますが、その方向性はかなり特徴的で分析的な傾向があります。

音を聞いて「凄い」とはいえますが、音楽全体のバランスやエッジも含めて総合的に考えていく事を考えさせられるイヤホンでもあると感じています。

 

【OSTRAY KC06Aスペック】

 ■モデルナンバー OSTRAY KC06A

■ドライバー 1DD/10㎜

■感度110db

■インピーダンス16Ω

■周波数特性20khz-20000hz

■コード長1.2メートル

 

生体複合膜ドライバーというよく分からないドライバーを搭載しています。

【KC06A音質】

とても分離がよく明瞭で解析的な音に特徴があるイヤホンです。

音の分離感は凄まじいレベルで、この点では搭載された1Dドライバーの高い能力を感じさせられます。

ハイスピードな音の傾向もあり、音の立ち上がりも速い感覚です。

予想から云えば振動板が軽いものを使っている可能性があります。

 

中域のクリアな音は特筆物で、さすがに価格の高さを反映した製品だと思います。

またボーカルがかなり前に出ます。

 

中域と高域のエッジはかなり立ち気味で、ほとんど鋭角と云ってもしまっても良いでしょう。

 ですが、クリアながらもボーカル域の音のエッジのきつさは問題が多いと感じています。

 

こちらは帯域バランスが中高音に寄り気味で、低音も出てはいるのですが緩く質も悪いため、低音域は全体的に評価は低くなります。

06Aということで低音強化の方向に改善が図られてはいますが、それでもまだ腰高な音がすると感じます。

 

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【OSTRAY KC06Aまとめ】

このイヤホンの音の明瞭さは衝撃的なレベルではあるのですが、クールにもかかわらず分析的に音を聞くという点だけにかかわらず、それなりに明るく楽しく聴けるのはメリットなのですが、音が荒れているのでかなり「疲れる」イヤホンです。

 

ただこれだけは云っておきますが、さすがに3000円以下のイヤホンとは音の明瞭さにおいてレベルが違うことは事実です。

 

やはりこのイヤホンの最大の問題は「音が痛い」という点で、中高音域のエッジがキツすぎるのが難点です。

ドライバーも音を上げやすく、特に重低音と低音が被るとその傾向が強くなります。

また、デメリットというわけではありませんが、このイヤホンを聴いた後では他のイヤホンが「鈍って聞こえる」という状態になるのが辛いと云えばつらいかもしれません。

 

とても中高音域が明晰な音で驚くべきイヤホンと云うことになり、さすがに安いイヤホンとは違うというところですが、エッジの尖りをどう考えるかという点はやはり無視できません。

このエッジの鋭さだけで云えば欠陥に近い出来映えでもあるので、個々の音だけで云えば解像感が高く輪郭は尖っているが、音楽全体として聴くのならかなり苦しいところがあるのも事実だと思います。

 

このイヤホンは標準的な音とは違う妙な音質傾向もまた感じられるので、高音質かどうかと言われるとハイエンド品によくありがちな「特性の狂った音」ともいえます。

興味があるのなら1度は聴いておくべきイヤホンとして評価しておきますが、ドライバーかハウジングに問題がある音ということで点数は低めです。

 

こちらにアンプを合わせるのなら輪郭の優しい真空管アンプやアナログ系が合うでしょう。

 

追記

生体複合膜ドライバーなどと云う出自のよく分からないドライバーを搭載しているせいでこのどうにもならない音の由来がドライバー側なのかハウジング側なのか判定できません。

どちらにしろ特性の狂った特徴的な音がする事には変わりはありませんが・・・

     

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【コラム】 イヤホンチェックの基本的な考え方について

 

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バイオリンを想像してください。
 
へたな人がひくとキーキーと耳障りな音を立てますが、プロがひけば甘い真綿で撫でるような音色を出します。
 
本来はこの音が正しいのです。
 
ピアノもそうですが「本来はエッジが尖ったキツイ音」などしていないのです。
 もちろん弾き方で柔らかい音や硬い音などの個性はありますが、けっして耳障りな音はしていません。
 
ところがへたなイヤホンやヘッドホンだと耳障りなあり得ない音がします。
もちろんスピーカーもそうです。
 
ですが、これは「正しくない」のです。
 
僕はエッジがマイルドな音を好みますが、これは本来の楽器の音がそういう物だからです。
この事を理解していないとバイオリンの音色がシンセサイザーのような音色の物を聴いて大喜びしたりすることになります。
 
本来はフェルトで弦を叩いた優しいピアノの音色が似ても似つかぬキツイ音に聞こえてきます。
 
いろいろなイヤホンを聴いてもむしろこう言ったデタラメな音がするイヤホンは数が多いのです。
 
こういったレベルの低いあり得ない音がする機器を聴いて評価することがちょっと理解が難しいのです。
 
原音再生はそもそも不可能ですが、原音どころか「全く違う音になってしまっている」イヤホンは評価することができません。
 
本来は優しく甘い音色の楽器が、キツイ電子音のような音を出していたら、それは間違っていると僕は思います。
 
低音もそうです。
本来低音をスピーカーでキチンと再現することは至難の業なのですが、イヤホンの低音もアンプの電源部の作りに大きく依存します。
 
なるべく駆動力のあるアンプを使う必要が出てきますが、それでもイヤホン側のドライバーの能力によって低音の再現性というか階調表現は格段に違います。
 
ハッキリ申し上げると、重低音も低音もガンガン入っていて、更にそこからボーカルや他の楽器が重なり合うような複雑な音源でないとそのイヤホンの持っている底力は評価できません。
よくあるそこらの音源では普通に鳴ってしまうイヤホンも、厳しい音源を入れた途端に音を上げ出します。
 
そういう厳しい音源でないと帯域バランスや音の乱れのチェックがキチンとできないと云うのが僕の考えです。
 
僕は、つたないながらもそういった事に特に気をつけながらレビューをしていきたいと考えています。