【レビュー】KZ ZS7 4BA+1DD機の実力を探る
遅くなりましたがKZ の4BA+1DD機である多ドラのイヤホンです。
一週間前には到着していましたが、余り興味が無いので放置プレーしていました。
ですが、それではマズいので気を取り直してレビューする事にしました。
同時に購入したAS06の方に興味がいってしまっていたので、期待感のないこちらのZS7は後回しになったというわけです。
これまでKZの多ドラの出来は余り良くないので、ZS5を最高峰として評価してきましたが、そのあとのモデルは何を聞いてもZS5の劣化版の音しかしないのでうんざりしていたというのが本音です。
【KZ ZS7 スペック】
■モデルナンバー KZ ZS7
■ドライバー 4BA/1DD/
■感度105db
■インピーダンス24Ω
■周波数特性 7hz - 40,000Hz
■コード長1.25メートル
バーンインはBA主体という事もあり、ほとんど必要ありません。DD部分の低域もほとんど変化しません。と云うわけで30分も回せば十分、それすら必要ないでしょう。
外観に大きなエアポートが空いているので音漏れ注意です。装着感は個人的には満足しましたが、個人差があるでしょう。
【KZ ZS7 音質】
音質はニュートラルよりのクール系で帯域バランスはかなり低域強めです。ZSAほどの破綻したブーストではなく、いつものKZよりはちょっと強めな低域だといえます。
低音量は8.0-8.5程度なのでいつものKZから比較するとかなり多いと云えます。
この低域なんですが、かなり強めのあげくに基本的にちょっとエッジが緩く膨らみも大きい。ですが、このイヤホン、ブーストされている分、重低音がそれなりに出ます。
低域の上の帯域はちょっと潰れ気味ですが・・・・
このおかげでZS7で鳴らすと、音楽の土台というかベースがキッチリしてくるので、多少他のKZとは鳴り方が違います。この点は似たように音が多いKZの中でもベースとなる部分がちょっと違うなりかたをするようです。
ボーカル域の特性も極めてフラット。徹底的に煮詰めたような特性で妙な暴れ方をしません。
ただ音がちょっと地味です。たぶん中高音域側の特性がかなりフラット気味なのではないかと思わせる音質で、派手さはありませんが、好感が持てます。ボーカル周りもほんのわずかですが他のKZの多ドラと比較するとコクというかカラーが載るところがあります。
全体的にこのZS7はかなり落ち着いた音色を出しますので、派手でキラキラした音が好きな方には向きませんが、玄人向けのチューニングと言ったところでしょうか。
エッジの出来はKZ。嫌な音や神経質な音がでるのでかなり尖っていると云えるでしょう。
音の透明度や分離、明瞭度などは平均的ですが、このZS7はいつものKZの低域をかなり強化したものと云えます。
多ドラにありがちな音色の不統一やクロスオーバー周りの違和感もほとんど感じませんでしたが、低域の超絶的な強さといつもの神経質なエッジは変わりませんでした。
一言で云うと、KZの低音超強化版。質よりもとにかく量を追求したような音となっていますので購入する場合は注意か必要でしょう。
【KZ ZS7 まとめ】
KZの多ドラの低域強化版です。
音が少し地味で低域が超絶ブーストされている分、明瞭度が少し下がり気味ですが、多ドラにありがちな低域の被りやクロスオーバーの不具合などまったく感じることがなく、その辺は良く出来ています。
この手のマルチドライバイヤホンでは最も難しいのが低域担当のDDとの音色のつながりや中域への音の影響なのですが、ほとんど最小限に抑えられているように感じます。
低域のブーストはかなり強めですが、 低音に極端にふったイヤホンと考えれば間違いではありません。
エッジなども本当にいつもの硬く尖ったKZの中高音域。そういう意味では何ら違いはありません。
要するにKZの多ドラの音はいつもどおりのでそのままにして、とにかく低域を強化してメリハリを付けたイヤホンでしょう。そこのところに価値を見いだせるかどうかと云うと少し厳しい。ただでさえKZと云うか中華の低域は量が多いのに更に多くなっているのでピュアリスニングとはほど遠い。
総合評価△
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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