【コラム】 イヤホン狂想曲 中華イヤホン・多ドラバブルの時代
イヤホンに関しては、今は完全なバブルの時代だと思っています。
そもそもマーケットは至る所でバブルが発生し、それが弾けますが、今はイヤホンとヘッドホンのバブルです。
当然のことながらバブルの時代は「不必要に価格が跳ね上がる」という現象が起こり、その製品の本当の価値以上の価格が付きやすくなります。
メーカーとしては「それでも売れるので価格を上げる」という当たり前のことを行うわけですが、行きすぎればいつかはバブルが弾けます。
おそらく近いうちにイヤホンのバブルは終わるでしょう。
物にはそれに見合う適正な価値があります。
その価値からどう考えても大幅に乖離しているのが現状のイヤホン、特にタドラといわれるマルチドライバをたくさん搭載したモデルです。
片側6ドライバや12ドライバなどをハウジングに詰め込んだモデルが驚くような価格で売られていますが、一説によればそのほとんどを購入しているのは「日本人」だという説を聞いたことがあります。
あくまでそのように人から聞いただけですが、あながち間違いではないと僕も思っています。
僕はそのような高価な中華イヤホンを購入する気はまったくありませんが、昨今のSNSなどであおられた人々の中には「音と云うよりも見せびらかしたいから」という理由でそういったモデルを購入する人も居るかも知れません。
僕個人の感覚から云えばイヤホンでハイエンドと云えばどう考えても中華製品なら4万程度が上限かなという漠然とした思いがあります。
なぜならゼンハイザーのヘッドホンの名機であるHD650がAmazonで45000円程度、そしてこれを超えるイヤホンはほとんど存在しないと言っても良いでしょう。
その価格を超えたイヤホンがあっても「音で超える」というのは至難の業だと思うからです。
いま中華の多ドライバー/マルチドライバー搭載機は平気で数万円の値がつき、4万越えも珍しいことではありません。
いくらBAドライバーの価格が高いといってもちょっとあり得ないのではないかと思うわけです。
中国人の平均月収は25000円程度と云われている中で、その平均月収の二倍近くになるイヤホンが数多く売られているというのもなんだか解せない話しです。
個人の耳に併せて作られるカスタムイヤホンならまだ話は分かるのですが、汎用品のイヤホンで無駄に価格をつり上げるために搭載したとしか思えないような片側6ドライバーや12ドライバーなどのイヤホンで、果たしてヘッドホンのHD650を音質で超えられるイヤホンがいったい幾つあるというのでしょうか?
おそらくひとつもありません。
要するに「あり得ない価格が付けられたイヤホン・バブル」としか思えないのです。
特にSNSではかなり煽る方も居るようなので、その輪の中に入れば、音を聞くのではなく、あり得ないようなポエムに耳を傾け、思わず散財してしまうと云う事も多いのではないかと思ったりもするわけです。
ですので、今は間違いなくイヤホンバブルの時代だと感じるので、SNSなどで煽られることなく、しっかりと「中華製」と云うことを頭の中に入れた上で判断してイヤホンを購入するのが間違いないと思っています。
少なくとも僕は1万円以上をだすのなら中華はたぶん選択しませんし、おそらくヘッドホンの方を普通に買います。
その方が遙かに良い音を楽しむことができるのは自明なことなので、周りに踊らされることなく、もうすぐおそらくブームは終わるであろうイヤホンバブルの時代を乗り越えていって欲しいと思います。
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