音の判断はほぼテストソースの選択で決まる
僕がイヤホンで判定するときに使う専用の音源はすべてMP3に変換したものを使用しています。
その数はわずか2曲。
これで全部こなしてしまいます。
高域用で本当はもう1曲使わなければならないのですが、イヤホンでこれを持ち出すことはほとんどありません。
理由は・・イヤホンではドライバ素材の違いがほとんど分からないからです。
ドライバ素材の音の相違はまず高域に顕著に表れますのでDDかBAかの二択しかないイヤホンではあまり意味が無いのです。
本来、チタンやベリリウムなどの高域用の素材を使用した場合、高域にその音が現れないとなると他に表現する帯域がありませんが、イヤホンのベリリウムは音に特徴が出て来ないので実際にベリリウムかどうかも疑わしいからです。
と云うわけで僕は2曲です。
実際にこのテストソースは非常に重要です。
これでほとんど決まってしまうといっても過言ではありません。
ある程度経験を積んでくると「あれ、この人おそらくテストソースが甘い」というのも分かるようになってきますし、実際に不適切なソースを選択している人がとても多いのです。
テストソースは好きな曲を使うのではなく、「分かる曲」を使わないとなりません。
音源の中にはどういう理由なのか未だに分かりませんが、イヤホンなどの性能を露わにしてしまうような録音やミキシングがあり、そう言う曲をキチンと選ばないとどうにも判断できないケースが日々現れてきます。
例えばです。
中域は分かりやすい帯域なので暴れ出すと音のレベルが下がり気味になりますが、そう言うテストソースを使うとなぜかすべて極端な形で音に出します。
録音でそうなのかミキシングの過程でそのような繊細な変化を出してしまうのかは容易に分かりませんが、とにかくそう言う曲というか録音というかがあります。
たいていのピュアのマニアはこれまでの人生の中でそう言う曲を幾つもストックしてあり、音の判断にはそれしか使わなかったりします。
体験したことがないとちょっとよく分からないかもしれませんが、何かこう音を加工する段階でギリギリの調整を施してしまったような音源があるので、そう言う音源を各自で探し出す、というのはとても大切です。
要するに何かがズレたときにそう言う音源だと音に出してしまうのです。
追記
あのですね。
ジャズとかロックとかは辞めておいた方がよいです。
このジャンルはそもそも音を歪ませるのを好む方が多く、これで調整するとリファレンスになりません。
色々なものがズレてきます。
ただジャズ好きな方は恐ろしくバランスが狂った音を聞いている方も多く、これは一部の音の再現にばかりこだわるので起こります。
STAX SRS-3100 [SR-L300 + SRM-252S] | ||||
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中国に身売りしてしまいましたが、日本でほとんどない世界と戦えるメーカーでした。
日本初の唯一のハイエンドヘッドホンメーカー。