レビュー】Unique Melody MEST 中華ハイエンドイヤホン
先日、中華ハイエンドのqdcのイヤホンを聴いたが、こちらのUnique Melody MESTも中華のハイエンド。
中華でハイエンドなどおこがましいと思いながらも試聴してみた。
価格は本当に立派で17万などもはやイヤホンの価格ではない。
ドライバ構成も凄まじく、8ドライバ5WAYという訳のわからなさである。しかもそのうちのひとつはどの帯域を担当しているのか分からないが「骨伝導」である。
随分昔の話しになるが、僕がまだ小学生の頃、友人たちとともにどこかのデパートで開催していた「未来の科学技術展」に出かけていったことがあった。
そこで「骨伝導電話」というのを実体験したときのあの衝撃は今もハッキリと憶えている。
その時の電話は昔の受話器部分に突起が付いていて普通には音はなにも聞こえないのだが、突起を頭に当てた途端、どこからともなく頭の中に音が聞こえてきた。
これがテレパシーかと小学生の僕は崩れ落ちるようなインパクトを受けたものだ。
最近になって中華の自称「骨伝導イヤホン」とやらを2-3本聞いてみたが、どれもこれも骨伝導という名の詐欺商品であった。
要は単なるスピーカなのだ。
だから中華の骨伝導をまったく信用していないが、こちらのMESTも骨伝導技術を一部に使っているという。
はっきりいう。
そこはもうどうでも良い。
骨伝導だから何だというのだ?
音が良くなるわけではなく、騒音環境下などで有利になる技術に過ぎない。
だが、このUnique Melodyという中華ブランドの実力の一端はみえてくるものがあるだろう。
ちなみにこのレビューも高額イヤホンではあるが低価格版V2マガジンでレビューしておく。理由は・・・中華だから。
【2020】クソイヤホンオブザイヤー受賞 INAIR M360 これは本物。
毎年恒例のクソイヤホンを決定するこの季節がやってきた。例年、数々のクソイヤホンがあるがその中でも特に酷いものを選定するわけだ。
今年はその中でも特に酷いクソイヤホンが現れたので安心したわけだが、コレはもう本当に言葉を失うほど酷い。
今年からノミネート作品名も表に出していこうと思うので、まずはその2020年クソイヤホン・ノミネートイヤホンを列挙したい。これには読者様からの推薦も含まれている。
■JPRiDE Premiun 1984 FREEDOM (読者推薦)
■LZ Fi-Fi Audio LZ-A6 (読者推薦)
■INAIR M360
今年はこの3本である。
つい先日読者推薦の1984FREEDOMは聞いたが、LZのA6を聞く機会は持てなかったのが残念だ。
この中で個人的にはやはりINAIR M360がクソイヤホンとしてキラリと光るものをもっていたので2020年のクソイヤホンオブザイヤー受賞作品はM360としたい。
この360は本当に訳が分からないイヤホンである。
日本人の作ったプロダクトとしては恥とも云えるほど悪意があり音も悪い。
しかも商品説明において明確に嘘をついていると思う。これは明らかに意図的で極めて悪質だ。
イヤースピーカーだのホーンサウンドシステムの音だの頭上周囲一帯に、自分だけの音響空間が出現するだのと言いたい放題である。
僕が最も許せないのはこの360は元から低音が出ないのにもかかわらず、その説明において「低音が出ないのはあたかも装着が悪い」かのように繰り返し虚偽の説明をして保険を掛けていることだろう。
このイヤホンはインイヤータイプという事もあって元からどう装着しても低音は出ない。それは装着の問題では無く単なる仕様である。
この360は作った人間も良くわからなければ音もまったく意味不明。強いて言うのならコレはもう音ではない。
もともとクラウドファンディングで資金を集めて作ったイヤホンであるが、こんなものに投資した人はお金をドブに捨てたのと同じだろう。
ハッキリ申し上げておくが今後クラウドファンディングでイヤホンなどの出資案件があっても手を出すべきではない。なにしろ去年のARTIOのクソイヤホンももとはクラファンだ。
もはや音響機器のクラファンは魑魅魍魎が跋扈する情弱の狩り場と云えるだろう。
ノート版V10で以前に公開したレビューであるが、読者様の好意に甘えて全文を無料公開しようと思う。
どうかこのようなクソイヤホンに時間とお金を失わないように注意して貰いたい。
本当に泣きたくなるような悪意のある酷いイヤホンである。
最後にアマゾンのページから見られる商品説明は一読しておくことを推奨しておく。デタラメ全開の本当に笑える商品説明である。
【レビュー】JPRiDE Premium 1984 FREEDOMの音はハイエンドなのか?
JPRiDEというと当ブログの読者の間では話題沸騰中なのである。
なにしろホームページに書かれた宣伝文句が常軌を逸したすばらしい文言に満ちあふれている。
そのあまりの堂々たる自信にひかれて購入してみるのだが、出てくるのは文句ばかりである。
先日もDMでこれを買った読者の方が「拡散希望」とのことでその酷さを切々と訴えてきた。酷すぎるのでぜひ聞いてレビューして欲しいとのことであった。
僕はまったく興味がないメーカーであったが、このすばらしい自信に満ちあふれた宣伝文句に次から次へと興味が出てくる読者が出てくる。何人もの方から「JPRIDEがすばらしいことを言ってますがどうですか?」と聞かれたわけだ。
それで遂にイヤイヤながら腰を上げたわけだが、ぜひレビューを読む前に以下のリンクからアマゾンの高評価とJPRIDEのホームページはご覧になっていただきたい。
ちなみにアマゾンレビューがあまりにも高評価なのでこのイヤホンを買った人が納得いかずに自分の耳がおかしいのだろうかと自問自答している人もいた。
いきなり出てくるキャッチコピーが
音楽好きの創業者が、本当に納得のいくモノだけしか製品化しません。
である。
これは期待できる。
しかもハイブランドの音質とクオリティを「低価格」で提供したいとのたまう。
更にはPROオーディオだの
手が届く、本物
だのと思わず笑みがこぼれる恥ずかしい文言が並ぶ。
オーディオの世界で本物など自分で探していたら一生に何回か出会えれば幸せな方だ。
少なくとも世界の壁は想像以上に厚く険しい。
欧米列強に肩を並べることがいかに困難かはfinalならよく分かることだろう。finalですらスピーカの世界ではまったく相手にされなかった。
そこにこのJPRIDEは殴り込むのだという。
自信の源を見せて貰いたいと思う。
さて、真実はいかに。
凄い高評価のアマゾンレビューにも1度は目を通しておきたい。
【レビュー】qdc Dmagic 3Dイヤホンは本物なのか?
中華qdcのフラグシップイヤホンである。定価はなんと○○万円近い。
中華でなくとも「ほとんどボッタクリ」の価格設定だが、それをDDイヤホンで純粋な中華メーカがその価格で出すというのだから驚いてしまう。
なんと言っても中華である。
最近は価格の高い中華イヤホンも増えてきているが、その多くが「ハッタリ」である。だが、ところどころに「良いモノ」が混じるのであるが、それを探すのに骨が折れる。
中華の名誉のために云っておくが、デタラメなイヤホンは昔と比較すると少なくなったのは間違いないだろう。それでもリセールバリューがほとんど無いのが中華イヤホンなので、国産や海外ブランド品に比較するとかなり割高なのは否定できない。
同じ三万のイヤホンでも中華は売ったときにタダ同然となる可能性が高い。
このqdcというメーカーは単純にアヤシいのである。
以前のイヤホンも「成金みたいなキンキラキン」であった。
その姿はかなり微妙なモノで、その昔、ルイヴィトンの手提げバッグをキンキラに改造して持ち歩いていた金融屋のような輩を思い出した。
そんなお茶目なqdcのフラグシップイヤホンのレビューであるが、普通の神経ではなかなか買えるものではないので代わりにレビューしておくことにした。
ちなみに超高額イヤホンであるが中華なので「低価格版」でレビューしておく。
【レビュー】クリプシュ/Klipsch X11
これでクリプシュのKG926ドライバを使ったXシリーズはすべて試聴を終了したことになる。
X20を初めとしてX12からX10を聴いてレビューを書き続け、KG926の本質に迫れたと思う。もはや926の新しいイヤホンは発売されないだろうが、今後はコレクターズアイテムとして珍重されるだろう。
その最後の仕上げとしてX11を購入した次第である。
巷では低域が多いとか中高音域が違うとか色々と言われているが、その実際のところはどうだろうか。
あるいは926を使ったXシリーズのどれを買えば最も近道で926の本質に迫れるのだろうかというその答えのひとつにもなるだろう。
ただ何度か語っているがKG926ドライバに関しては偽物があまりにも多く、信用できるショップからの購入を強く推奨しておく。
【レビュー】Campfire Audio ARAはアンドロメダを超える夢を見るか。
見た目はアンドロメダとそっくりなのだが、こちらは7BAイヤホン。低域側に更に2BAプラスしている。
CAと云えばアンドロメダの評価が高いが、今回はARA/エラ。
なんだか価格がもうイヤホンの価格ではないので冗談で買える価格ではないだろう。その分失敗も許されないことになる。
CAはどうもすべてのイヤホンを職人によりハンドメイドで生産しているらしいが、そんなことよりも価格をもっと下げて欲しいところだろう。
僕が聴く限りCAにはある特徴がある。
これは非常に重要な点なのだが、こちらのARAにもその特徴が現れているのかどうなのかがとても気になるところ。
逆に言えばその美点がなければどのような価格でもオススメはしない。
例の如くこのARAもDAP環境を厳しく選別してくるだろう。
そのあたりのヒントも書いておいた。
【レビュー】AKG N30
【レビュー】Final A3000 新ドライバを搭載したfinalの新作イヤホン
日本の誇るfinalの新作イヤホンである。
ほとんどボッタクリに近いような高価格イヤホンもよく出すブランドであるが、今回のふたつはボリュームゾーンを狙った価格帯で好印象だろうと思う。
読者の興味も高いブランドでさすがに日本を代表するメーカーである。
僕はあまりfinalには飛びつきたくないのだが、それはやはり企業理念というかがよくわからないところがあって、たとえばE5000などはケーブル商売のビジネスオカルトに片足を突っ込んでいたり、四方八方に媚びを売る姿勢があるからだ。
またどうにも低価格帯でゴミや珍品を売りつける姿勢もあるのでよく見極めが必要になる。
近いところならE500とかE1000などの超低価格イヤホンなどほとんどゴミだろう。いやゴミ以下のイヤホンだろうと思う。
そうかと思うと日本を代表するようなすばらしいイヤホンを出して来たりするので油断がならないメーカーである。
ハッキリ申し上げておくがfinalとしてのあの独特なチューニングからくる独自の音のチューニングの幅はかなり狭い。そんなにバリエーションが取れるようなものではないと思う。
だからある幅の中でバランスを変えてくるのが基本だろうと思う。
その狭い範囲を逸脱してしまうと単なるゴミになるのである。
まぁこれくらいのブランドになるとそれも分かってやっていると思うのだが・・・。
今回は新作だが下位バージョンのA3000の方にいって見た次第である。これも読者の方からA3000の要望があったからであるが、ゴミか宝石かという常に極端な二択を迫られることの多いメーカーにあってA3000とは何なのかを見ていきたいと思う。
【コラム】ビジネスオカルトは話しをややこしくする【オーディオ】
オーディオとオカルトは切っても切れない縁がある。
まるで「陰謀論」に絡め取られていく知能のようにオカルトに傾倒するオーディオマニアは多い。
ケーブルで音が変わるだのDACで基音が変化するだのイヤホンで定位がでるだの何の根拠もなく、世界で誰も証明したことのない事象についてその人は語る。
そんなしょうも無い脳内妄想の話しには付き合っていられないのだが、先日、ある読者の方とやりとりしていたら「ある世界的なイヤホンブランド」の話しになった。
そのブランドはとてもバカに出来るような音ではなく、世界でもまれに見る一流の音を出せるブランドなのだが、送られてきたリンクに掲載されたエンジニアのインタビューを見てみると「ケーブルで音が変わる」とハッキリと書かれている。
そのことを指摘されて「これほどのブランドの人がそう言うからにはケーブルで音がかわるのでは?」とおっしゃられるが、そんなことはない。
理由は実に簡単な事なのだ。
このブランドは「ビジネスオカルト」である。
ビジネスオカルトとは何かと云えば、これは「商売上の理由でそう言っているだけ」であって決して巷間の訳の分からない本物のオーディオ・オカルティストとは違う。
問題なのは「マヂでどうかしているオカルティストなのか、それともビジネスで仕方なくオカルティストを気取っているのか」を峻別することである。
はっきりいう。
ケーブル商売は本気で美味しい。
サポートも必要なく返品もない。利益率は大きく、証明は誰にも出来ない。適当にエセ科学的な説明文を付けるだけでイヤホンの価格をうまくすれば数万円上乗せできる。
やらない手はないだろう。
ところが日本メーカーにもよくいるのだが「ビジネス上の理由」ではなく「本気でケーブルで音が変わると信じているメーカー」が混じるので話しが異様にややこしくなる。
普通はエンジニアなど「理系出身」の筈なのだが、なぜか論理的に物事を証明して考えるのではなく、単なる思い込みで信じてしまうので非常に厄介だ。
エセ理系みたいなものだろうが、こういう人の数は結構多い。
それをどうやって区別するか?
簡単である。
その人の作るイヤホンの基礎となる音が「まともかどうか」ですぐに分かる。ここでいうまともとは「帯域バランス」や「音の描き方」など本当に基礎的な部分である。
こんなものもまともに作れないのに「ケーブルうんぬん」などあり得る話しではない。
そもそもそれが分かっていたらオーディオのルールを大きく逸脱するなどすることはないだろう。
だから「非常に優れたイヤホンを作ることの出来る人」がオカルトめいたことを云っている場合、その話は鵜呑みに出来ない。
なぜなら、その人自身そんなことは微塵も信じてはいない。
そうでなければ「まともな音のするイヤホン」など次から次に作れるわけがないではないか。
イヤホンと一緒にケーブルを売りつけてくるメーカーは要注意であるが、その中には「マヂにどうかしている人」と「ビジネスの為に意図的に嘘をついている」ひとがいるので注意して欲しい。
ただし、マジモンのオカルトチックなメーカーの中には「耳がおかしいのとオカルトがはいっている」というコンボ攻撃を仕掛けてくるブランドもよくあるので本当に判別が難しいが、イヤホンと同時にケーブルを売っているメーカには特に注意が必要。
【レビュー】ATH-LS50 デュアルシンフォニックドライバ搭載イヤホン
オーディオテクニカのイヤホンは2本目のレビューとなる。
以前、上位機種のLS70の方をレビューしておいたが、今回は下位機種のLS50である。こちらの方が価格が安くイヤホンのボリュームゾーンに位置するので買い安いだろう。
オーテクについては、ファンの方には申し訳ないのだが、以前からあまりいい印象がなかった。もともとヘッドホンを中心としたメーカーだと認識していたのでスピーカ主体の僕にはあまり興味が無かったというのもある。
それにヘッドホンでもなんだかパッとしない。
一部、試聴した中にはオープン型でよく聞こえるものがあったが、わざわざ購入しようとまでは思えなかった。
たぶん何かの偏見があったのかもしれない。
ネームバリューという点では確かに劣る部分はあるだろう。
そこそこの物をそこそこの価格で無難に出す、という印象だろうか。
何かこう突出した、突き抜けた感動というか音の魂というか心を震わせるような熱い製品が無いような気がしなくもない。
それがやっぱり僕の単なる偏見なのかどうか、見せていただきたいと思う。