MA750と日本の音作り
僕はイヤホンを趣味で聴いているわけではないので、生活のなかではほとんど聞かないのです。
買ったものでも大半が聴くのは一度きり。
2日目にもう一度聴くイヤホンはレビュー判断が迷っているものか「これはいいぞ」と思ったものだけで・・・〇評価したものでも3回以上聴くイヤホンはほとんどありません。たぶん15本も無いでしょう。
だいたい月に3回レビューを書くとしたら、聴いている時間は1回30分程度なので、月トータルでもレビューだけで1時間半。プラスしてちょこっと聞くこともあるのでどう多く見積もっても月に3時間以内でしょう。
これまで1番聴いたのはリファレンスのATRで、いまはそれがカルボアイになりましたのでゼロオーディオのこのイヤホンはもっとも耳に嵌めている時間が長いという事になります。
そもそも音楽を聴いている時間が人よりもかなり短いのです。
例えばメインスピーカーでソプラノを堪能するのは年に数回程度、STAXやグラドで真夜中の静かな時間に音楽を堪能するのも年に数回だったりします。
贅沢な気持ちになりたいというかそんな気分の時にしか聴かないので、そもそも毎日音楽を聴いているなんて事はありません。
ましてやイヤホンを毎日聴くなど習慣としてなく、これは何というかブログを始めてしまってある程度の方が訪れてくださるのでもう半ば義務としてやっています。
そんな中で生まれて始めて3日以上聞き続けているイヤホンがMHA MA750で、ちょっと驚きです。自分でも信じられなくて、DAPの電源を3日以上連続で通電したことなど一度としてないので・・・ビックリです。
真夜中にイヤホンで豊穣な音色を楽しむ、そんな日が来るとは思わなかったこともあって、ほんとに驚いています。
カルボアイのようなリファレンスとしてふさわしいニュートラルな音を出すイヤホンではありませんが、一言で言えばすべてが高みにある。
このイヤホンが15000円もしないで買えてしまう、それでこんなに豊かな気持ちになれてしまう。
購入時にアマゾンレビュー数を見ると500近いレビューが並び、それはこれだけの価格のイヤホンとしては異例だと思うのですが、そういうイヤホンがキチンと売れるという事は非常に喜ばしいことで、いろいろと日本メーカーも考えなければならないと思います。
スピーカーの世界で、ベテランほど散々色々な音を聞いて、結局のところ、みな海外製にいってしまう。
今回はイギリスのMA750を聴いて、日本の音作りと世界の音作りの間に横たわる溝が余りにも深いので、ちょっと考え込んでしまっています。
しかもスピーカの時の音の差とまったく同じ理由が差になっていて、何も進歩していません。
これはそう簡単には埋まらないでしょう。だいたいがスピーカーで何十年も切磋琢磨して世界との溝が何も埋まらなかったのだからイヤホンでも埋まるわけがないのかも知れません。
ただ、希望は持ち続けたい。