【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【レビュー】Dyplay ANC sport ノイズキャンセル Bluetoothヘッドセット

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 中華のノイズキャンセルヘッドセットのDyplay ANC sport となります。

これをレビューするのは「依頼」を受けたからですが、販社から来た要請メールが凄すぎました。

 

一部抜粋させて頂きますが・・・

 

「市場に流通している安い中華商品とは格が違います。ぜひ安心してレビューして下さい」

 

まぢか!!!まぢなのか?

 

どうしてそんなに自信満々なのかと、興味を持ちました。何度もレビューへの干渉と制限は受けないと申し上げましたが、相変わらず「それで結構です」とのことなので引き受けることにしました。

 

自信があるのはいいことですが、ノイズキャンセルの世界はそれほど甘くありません。ここには長年君臨しているBOSEというメーカーがあり、主要特許を押さえてしまっているので日本のSONYやオーテクなどもまったく歯が立たない。

 

無音時のノイズやANC差動時の音の歪みなど・・・純粋な音楽リスニングという意味でならノイキャンなど使うべきではないのですが、これには明らかにメリットがあり、電車通勤時やちょっとした外出時の屋外使用などに絶大なる威力があります。

 

屋外ならそもそも細かい音など消えてしまうので「音の良いイヤホン」など使う意味はあまりなく、低音もブースト気味の方が心地よい。

 

かくいう僕自身も外ならもちろんBluetoothですし、ノイキャンも使います。ちなみにSONYのMDR-NWBT20Nというノイキャン機。その昔、BOSEのノイキャンヘッドホンから始めたのですが、外でヘッドホンを使う機会などほとんどなく、使ったとしても寝返りが打てないので使う機会が極めてかぎられることに気がつき、性能の高さは一級品なのですが、しばらく使用して手放してしまいました。

 

その後に小型の製品として手頃なSONYのノイキャンヘッドセットを購入したワケです。ノイキャン機は耳を保護するという観点からもオススメできます。非ノイキャン機よりも音量が下げられるため、耳には確実に良い。

 

ただし、音が悪い。Bluetoothで音が悪いところにノイキャンを効かせるとANC作動時に音が歪む。曲間の無音時などのホワイトノイズもうるさめ。BOSEであればだいぶ解消されているのですが、その他メーカーはちよっと厳しいのは事実。ですが、5-6000円の製品で屋外での使用を前提とするのなら「買うのはあり」だと思っています。

 

細かい音質上の問題は、屋外のウルサい環境ならかき消されてしまうところに、ノイキャンは確実に効果があるからです。

 

と云うわけで、今回は自信満々な中華ノイズキャンセルヘッドセットをテストしたいと思います。

 

【Dyplay ANC sportスペック】

 

 ■モデルナンバー  Dyplay ANC sport 
■ドライバー/コーデックチップ 不明
■対応コーデック 不明
■バッテリー:15時間
■周波数特性  不明
■防水性 IPX5

 

中華のノイズキャセルヘッドセットです。スペック諸元が「不明」となっています。どうでも良いと云えばどうでも良いのですが、対応コーデック未記載が痛い。コーデック未記載は初めて見ましたが、単純にAACやAPT/Xには非対応なのでしょう。

 

ネックバンドタイプなのでスポーツ仕様には向きません。肩の上で跳ねます。本体のコードもかなり長め。ハウジングがマグネットで接着出来る仕様は良いのですが、イヤホンのコードが少し長すぎます。

 

ヘッドセットのハウジングもちょっと大きすぎる。個人差があるかと思いますが、僕の場合右耳が10分ほどでかなり痛みを感じます。

 

Bluetooth接続距離は室内で5メートル程度。ごく一般的ですが、実際の場面でほんのわずかにこちらは接続距離が長い。室内使用では多少有利でしょう。

 

ノイズキャンセル(ANC)のオンオフは「再生ボタン」を素早く二度押しで決定します。ANCオンオフは音声で告知してくれますので解りやすい。

 

電源オン時に必ずANCはOFFからスタートします。この為、その都度ANCをオンにしないとなりません。

 

【ノイズキャンセル機能について】

 

ビックリしました。

このDyplay ANC sportはノイズキャンセルが弱めで、他メーカーと比べて効果が薄い。

アマゾン上では対象となる騒音の90%を低減すると書かれていますが、少し言い過ぎかと。

 

今回はリファレンスをSONYのNWBT20としますが、こちらを100としたときに、だいたい40%程度のノイキャン能力でしょう。

 

テストしたときにあまりのノイキャン能力の低さに、「これノイキャン効いている?」としばらく呆然としました。

 

普通、ノイキャンは一定の帯域に効果があり、風切り音とかエアコンの送風音とかジェット機のエンジン音などの音に効果がありますが、Dyplay ANC sportのANCをオンにしてもほんのわずかにしか騒音を低減せず、よく効けば確かに効果があるのですが、圧倒的とは言いがたく・・・なんだこれ?・・・・としか言い様がありません。

 

もう一度云いますが、ANCは確かに効いています。効いていますが、かなり効果が弱めです。

 

【テスト実例】

 

部屋のエアコンを弱作動させると当然送風音が聞こえてきます。NWBT20ではこの音を完全に消し去ります。消し去りますが BOSEではないので今度はサーという大きめのホワイトノイズが常時聞こえてきます。

ホワイトノイズは音楽を鳴らすと気にならなくなります。

 

対してDyplayはわずかにファン音が残ります。微かですが風の音が聞こえますが、代わりにホワイトノイズは皆無です。

 

つまり、ANCが弱い代わりにホワイトノイズもほぼ無音という仕様です。

 

これは考え方の問題ですが・・有りです。最初はANC効果の弱さに戸惑いましたが、これは有り。ANC ON時のヘッドセット自体がかなり静かです。

 

このメーカー、自分たちの実力と能力に対して現実的なANC提供能力を考え抜いた上で結論を出した、と考えられます。分をよくわきまえている。ある意味、非常にバランス感覚が優れ、能力が高い。

 

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【Dyplay ANC sport音質】

 

基本性能はニュートラルでわずかに明るめ。大人しい傾向を持つ。

 

帯域バランスは素晴らしい。いつもの中華のブーストレベルではなく、低域量は4.5なのでほぼ録音時適正レベル。中華としては異例の帯域バランスで素晴らしい出来映え。

 

とにかくバランスが良い。低音のエッジも膨らみも少なく、なかなかの出来映え。

 

しかも中高音域の音が柔らかくエッジもそこらの有線の日本製よりも良い。派手さがすこし少ないので高域側もおとなしめに作られているのでしょう。見識が高い。

 

ボーカルはよく前に出て、音色も自然。

 

ANCのオンとオフでの音質差も非常に少なく好感が持てる。ANCをオンにしたときに激しいソースで少し音が混濁しがちになりますが、あくまでこれはBluetoothでしかもノイキャン機。かなりレベルが高い。

 

このヘッドセットは同じノイキャン機と音質比較するのではなく、有線と比較できるほどの良く出来た音を持っています。細かく聞いていってもそこら辺の訳の分からない有線イヤホンでは勝負できないほど。

 

確かにこの音は良く出来ています。Bluetoothとノイキャン機で3000円ちょっとでここまで来たかと思う。これには驚きました。

 

特にエッジの描き方はこのメーカーの開発者の能力の高さを予感させる。うかうかしていると日本製は負ける。

 

この価格でこの音ならかなりの人が満足することでしょう。ANCをOFFにしたときの方が少し音が派手になるので楽しいのですが、これだけの音が出せるのならONでもまったく問題なし。本当に良く出来ています。

 

【Dyplay ANC sportまとめ】

 

最初に書いたようにレビュー依頼を頂いた時には、「嘘くせぇ」と思ったので、最終的な返答は2週間ほど放置プレーしました。いくら何でもノイキャン機でそこまで自信があるのもどうかと思うと。

 

ところがメーカーは自信満々で・・・・ぜひレビューをお願いしたいと・・・アホなのかと思いながら受けたのが真実です。 

 

こちらのヘッドセットはANC能力は弱いのですが、なんというか弱めだが確かにノイキャン効果があり、最初はその騒音低減の低さに面食らうのですが、よく聞いてみるとかなりバランスが良い。ノイキャン性能とホワイトノイズの関係が絶妙です。

 

正確に言うのなら「他メーカー比較で騒音の40%程度を低減する」と書いてあれば納得だったでしょう。

 

ただテストしてビックリしたのは「背景のバックノイズの驚くほどの少なさ」。これは本当に凄い。確かにメーカーが自信をもって薦めるのもよく分かります。ANC作動時のホワイトノイズの少なさはbose以外のメーカーでは異例の高性能と言えるでしょう。

 

このヘッドセットは比較的に静かな環境で「無音」で使用したい場合には他メーカーよりも向いています。例えば図書館や自室などもともとそれほど騒音がうるさくないような環境で更にエアコンの音などを消してしまって無音に近い環境を実現する、などというケースでは極めて有効。背景のホワイトノイズがほとんどないので音楽を無理に流さなくともそういう使い方では限りなく「静寂」になります。 

 

しかもこのヘッドセットは「音は悪くない」。むしろかなり良い方だと云えます。

 

少なくともSONYのNWBT20を確実に上回る。

 

帯域バランスも良く、ノイキャンが弱い分、ANCオンとオフの間での音質差がほとんどない。これはANCが弱めという事とトレードオフであるとはいえ、それでも音はかなり良い方なのは疑いようもない。

 

本来ならノイキャンの説明がアレなので低評価確定なのですが、予想外にBluetoothとしての音は良かったのと、ホワイトノイズのレベルがが恐ろしく低く、使う場所を限定すればかなりの効果が得られます。

 

具体的には図書館や自室でのエアコン音をけしたい場合で、無音に近い状況を作り出すケースでは他に変わるものがないかも知れないほど。SONYなどのノイキャンではエアコン音は消えますが、逆にホワイトノイズがウルサくて集中できません。しかもノイキャン機はSONYだけではなくBOSE以外はこれが普通。

 

この性能ならお世辞抜きに中華メーカーが自信満々なのも頷ける。特にオススメしたいのが学生が勉強のために少しでも「無音環境」を実現したい場合には確かに有効。こう言う使い方ではいままで安めのノイキャン機を使っていた方は驚くと思います。

 

まさかANCを作動させてこれほどホワイトノイズが少ないとは・・・。

 

ノイキャン機にも関わらず確かにホワイトノイズは少なく音も良いということで、その点を考慮して・・・評価しておきます。ホワイトノイズや歪み全開でも強力なノイキャンだけ欲しいと云う方には勧められませんが、価格が安いので、ホワイトノイズの少ないノイキャンを試したいという方にはイチオシでオススメできます。

 

僕も個人的にこれは使わせて貰おうと思います。

 

総合評価〇 ANC効果は限定的だが無音に近い環境が実現可能。音はかなり良い。お試しで買っても損はない。確かに良く出来ています。オススメ。

  

 

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