【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

中華低価格イヤホンとヘッドホン&デジタルプレイヤーDAP系のレビューのまとめとオススメです。購入した物や使ったモノが中心となります。誠実なレビューを心がけたいと思います。 。。基本的にライトな感じで一分で理解できるサイトを目指しています。このブログは「ぶろぐなんかめんどくせえよ」のスピンアウト・ブログです。なお、無断転載不許可です。

【レビュー】 KZ ATR 名機の系譜

 

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総合評〇

名機KZ ATEの正統な後継機となります。

もともとATEのボーカルのレベルは今でも通用するほどの高い質感を誇りますが、ATEは低域が強すぎるという問題を抱えていました。

 

それを解決して登場したのが正統な後継機であるATRと云うことになります。

ATEと外観上はほぼ同じでSURE掛け専用となります。

 

【KZ ATRスペック】

 ■モデルナンバー KZ ATR

■ドライバー 1DD/8.2mm
■感度120db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性15khz-29000hz
■コード長1.2メートル

【KZ ATR音質】

一言で言い表すのなら、1DDでの格安中華イヤホン最強クラスです。

 

ATEから変更された箇所は主に2箇所です。

まず低域の帯域バランスが大幅に改善されました。

これを持ってATE最大の問題だった低域の過剰な演出がなりを潜め、KZの中でもトップクラスのバランスを持つことになりました。

このバランス感の良さはKZのみならず、他のイヤホンと比較してもまったく引けをとりません。

 

また、質の高いボーカル域が更に改善され、温かみがわずかに減りましたが明晰感が出て、分離が良くなっています。

1DDドライバとしては極限に近いハイレベルな音だと思っています。

基本的な音質はわずかに明るいウォームなドライバーを搭載し、エッジは良くまろやかで、1DDとして考えれば分離は素晴らしいといえるでしょう。

 

低域に関してですが、ATRよりは改善が図られましたが、他の低域の優れた再現力を持つイヤホンと比較するとエッジが緩くまだ多少のボケ感が感じられます。

  

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【KZ ATRまとめ】

根本的な実力の高さは折り紙付きの名機です。

ハッキリ書くとHLSX808と同レベル程度の実力があります。

それでいて価格は遙かに安く、これを名機と云わずしてなんというか、と云うほどの音質の高さを誇ります。

 

HLSX808と音質を比較できるほどのレベルにある1DDドライバとしては唯一無二のもので、あえて書くのなら、低域の質感は808を凌ぎ、ボーカルの暖かさでも凌ぎます。

ただし、ボーカル域のエッジの柔らかさとわずかな明晰さの向上という点では808に軍配を上げておきます。

甲乙付けがたいほどの音質の高さで、これは必ず一度は聴いておきたいイヤホンです。

今リファレンスとするものがない方も中華イヤホンの判定のリファレンスとしてもつかえるほどのイヤホンなので、まったく問題なく使うことが出来ると思います。 

 

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【レビュー】 KZ ATE

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総合評価△

 

かつての名機であるKZ ATEとなります。

僕がイヤホンの音を真剣に聴くことになったきっかけともなった機種ですが、あれからいろいろなイヤホンを聴きましたので、再評価しておきます

 

sure掛け専用でプラスチックのスケルトンハウジング搭載です。

 

【KZ ATE スペック】

■モデルナンバー KZ ATE
■ドライバー 1DD/8mm
■感度118db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性15khz-25000hz
■コード長1.2メートル

 

【KZ ATE 音質】

明確な問題点はいつもの低域強めのKZバランスの中でも低域ブーストといえるもので、低音域から重低音にかけての音が過剰であることが最大の問題となります。

 

特に60hz付近から下の過剰な演出は看過できるレベルではなく、最大の残念な点となります。

この帯域付近の過剰演出は元々低域が過剰なKZの中でも比較すると強いレベルにあると言えるでしょう。

 

また低域のエッジはかなり甘めな帯域があるのが残念なところとなります。

 

最も評価すべきは、ボーカル域の質の高さです。

 

当時この価格でこのレベルのボーカルが聴けると云う事では話題になるのもうなづけるでき映えだと思います。

 

ただし、よく聞き込むとボーカル域のエッジは極くわずかに立っているので、この点では後継のATRで改善された部分となります。

 

しかもあまり混濁しない優秀なドライバーのようで、少し温かみのある極めて高いレベルのボーカルを聞くことが出来ますので、当時としてはかなり優秀なイヤホンであったと言えるでしょう。

 

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【KZ ATE まとめ】

今でも名機のひとつとして数えられるかは別として、ボーカル域の質の高さはATRが出るまではトップクラスにあった事は確かだと思います。

 

HI-FI調の音ではなく、どちらかというと温かみのあるウォームな系統のボーカルを楽しむためのイヤホンのひとつとなります。

 

発売当初とは違い優秀な中華製格安イヤホンが幾つも出てきたので当時の衝撃などはなくなり、今では後継のATRが出てしまったので、ATEの問題点がすべて改善差されている状況では積極的に推薦する理由はありません。

 

ATRに対してATEが勝っている部分はほとんど何もありませんので、あえて購入する理由はないでしょう。

 

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【レビュー】 senfer F05 / KINDEN F05ダブルドライバーイヤホン

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総合評価✖

 

senferのダブルダイナミックドライバー搭載のイヤホンです。

モデルナンバーはF05となっています。

 

日本のアマゾンではkindenが取り扱って居ますので、欲しい方はアマゾンから購入するのが手っ取り早いです。

 

【KINDEN F05ダブルドライバースペック】

■モデルナンバー senfer ダブルドライバーF05
■ドライバー 2DD/8mm/10mm
■感度102db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 

【KINDEN F05ダブルドライバー音質】

ダブルダイナミックドライバーで前に8mm後ろに10mmというあまり例のない配置となっています。
 
不思議な音質のイヤホンで、これはこれで悪くありません。
特にボーカル域に載る妙な質感がかなり心地よいところが有り、ソースよっては評価に値します。
ちょっと雑味ともいえるものですが、そう言って切り捨てるには惜しい暖かい声に大きな特徴のあるイヤホンとなります。
明らかに他のイヤホンでは聴くことの難しいユニークなボーカルで、個人的にはこういうウォームサウンドの独特な音質のボーカルは嫌いではありません。
意外にどころかボーカルだけとればかなりF05は質が良いです。
 
その代わりといってはなんですが、他の帯域もかなりのウォームで解像感が犠牲になっています
低域はちょっと強めで輪郭も緩いです。
重低音も出てきますが量は少なめとなります。
 
音楽を全体的に鳴らすと云う事では、激しい曲であればあるほど音が混濁してしまい解像感がなくなりますが、とにかくおもしろい音質のイヤホンで、ダイナミック2発のため音のつながりは悪くありません。
 
 

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【KINDEN F05ダブルドライバーまとめ】

解像感はそうとうに良くないイヤホンですが、とにかく評価できるのはボーカルのみです。このボーカルは他のイヤホンではなかなか聴くことができません。
 
残念なことに全体的にもやっとしていてそういう意味では評価は低くならざるを得ないのですが、これは正にボーカル専用イヤホンではないでしょうか。
サ行は引きずるのでちょっとエッジが立ってしまっていますが、それでもこの不思議なボーカルの質感は高く評価しておきます。
 
明るく暖かいユニークなボーカル域を持ち、他のイヤホンではなかなか出てこない音がする唯一無二のイヤホンだといえますが、HI-FIでクールな音ではなく、目的特化型のイヤホンとなります。かなり独特でおもしろいイヤホンのひとつですが、あまりにも雑味が多く、音が不明瞭なところがあるのでオススメからは外します。
 
 
 
 

【コラム】 中華イヤホンの基本的なドライバーの音質について クール・ニュートラル・ウォーム

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今回は中華イヤホンの基本的なドライバーの音質について、思うところがあるので書いておきます。

ドライバをはそれぞれ固有の音色を持っているものです。

 たとえばクール系、ニュートラル系、ウオーム系などと言われます。

 

例えばクール系では非常に冷たい音がすることが多く、怜悧で鮮烈な音の感覚が有り、ウォーム系ではとても暖かく少し解像感が抜けたような音に感じる場合もあります。

これは好みの問題なのですが、スーパークールな音等というと音楽的に云えばあまり感心するような音はでてこない場合が多いような気がしています。

スピーカーで例を挙げればモニターオーディオやティールなどはクール系の音色が多く、パイオニアのS-1EXなどはスーパーウォームな音色を持っています。

 

中華イヤホンを既に50本以上は聴いてきましたが、ある特徴があります。

まず低音側がダイナミックであることからして「低域は強め」である、と云うことがひとつ。

もうひとつはドライバーの固有の音色が「ウォームに傾いている」事が多いと云うことです。

 

これは他の国産や海外大手のイヤホンを大量に聞かないと中華固有のことなのか判定できないのですが、とにかく中華格安イヤホンはほぼ全部ウォーム系の音色を特徴としています。

これがなぜなのかはよく分からないのですが、音を聞いて判断する限りにおいては、中華格安系イヤホンの固有の音色は「ウォーム/暖色系」だと思います。

せいぜいよくて「ニュートラル」で、ごくわずかに「ニュートラル寄りのクール」があるというところで、現実的に見れば「ウォーム系の音色」が多くを占めているのが現状です。

 

この為、中華イヤホンにおいては少なくとも格安系の音色は当てずっぽうでも「ウォーム寄り」と云っていればほとんど9割以上の確率で「あたり」となります。

 

おそらくと云うことでいうのなら、中低域側を担当するであろうダイナミックドライバーがそもそも「ウォーム系統」である可能性がとても高いのではないかと思っています。

帯域の狭いBAドライバーの受け持つ帯域がどこまでなのかは個々のハイブリッドドライバーでも違いますが、基本的に云えばBAドライバーはウォーム系ではないのではないかと思っているのですが、音を聞く限りは全体的な音質はウォーム寄りのイヤホンがとにかく多いのです。

 

基本的にウォームな音になると「解像度が下がったように聞こえる」場合が多いのですが、それはデメリットではありません。

逆にクール系の音色を持つと「聴いていられないような痛い音」を出すケースも多く、一見解像度が高めに聞こえると云う事にもなります。

なので一概に良い悪いと云うことではないのですが、一部の中華イヤホンを除くとそのほとんどがウォームもしくはウォーム寄りのニュートラル傾向を帯びています。

 つまり音が暖かいのです。

 

特に最近のよく出来たデジタルDAPはもともとが「クール系の音色」を持っている場合が多いので、これらの機器を使っても音色がウォーム寄りというというのはそうとうにドライバー固有の音色がウォームなのではないかと思うのです。

 

ここから先はあくまで推測となりますが、中低域担当のダイナミックドライバーの帯域バランスが強めにとられている場合が多いので音色が釣られてウォーム系統の音に聞こえやすくなっているのではないかと思ったりもします。

要するに中低域担当の中華ドライバーがもともとニュートラルな物は少なく、音色としては「ウォーム」ではないのかと思うのです。

 

なので中華格安イヤホンの場合は固有の音色は「ウォーム」もしくは「ニュートラル寄りのウォーム」という前提で理解していてもあながち間違いではありません。

なのでニュートラルのイヤホンがあればそれだけで多少の価値が出てくることも確かではあると感じています。

 

つまり、以上のことを踏まえれば「クール系の音色を持つイヤホン」の特徴として「音がかなり鮮烈で解像感が高く聞こえる」ということであり、おそらく低域は少なめであると云うことが想像できます。

それが良い音かどうかは別として、中華イヤホンでは稀なケースとなるでしょう

 

クールで鮮烈な音のDAPの代表格です。イヤホンなら低域も満足のいくレベルで鳴らせます。ヘッドホンは厳しいです。

 

【コラム】 イヤホン狂想曲 中華イヤホン・多ドラバブルの時代

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イヤホンに関しては、今は完全なバブルの時代だと思っています。

そもそもマーケットは至る所でバブルが発生し、それが弾けますが、今はイヤホンとヘッドホンのバブルです。

 

当然のことながらバブルの時代は「不必要に価格が跳ね上がる」という現象が起こり、その製品の本当の価値以上の価格が付きやすくなります。

メーカーとしては「それでも売れるので価格を上げる」という当たり前のことを行うわけですが、行きすぎればいつかはバブルが弾けます。

 

おそらく近いうちにイヤホンのバブルは終わるでしょう。

 

物にはそれに見合う適正な価値があります。

その価値からどう考えても大幅に乖離しているのが現状のイヤホン、特にタドラといわれるマルチドライバをたくさん搭載したモデルです。

片側6ドライバや12ドライバなどをハウジングに詰め込んだモデルが驚くような価格で売られていますが、一説によればそのほとんどを購入しているのは「日本人」だという説を聞いたことがあります。

 

あくまでそのように人から聞いただけですが、あながち間違いではないと僕も思っています。

僕はそのような高価な中華イヤホンを購入する気はまったくありませんが、昨今のSNSなどであおられた人々の中には「音と云うよりも見せびらかしたいから」という理由でそういったモデルを購入する人も居るかも知れません。

 

僕個人の感覚から云えばイヤホンでハイエンドと云えばどう考えても中華製品なら4万程度が上限かなという漠然とした思いがあります。

 

なぜならゼンハイザーのヘッドホンの名機であるHD650がAmazonで45000円程度、そしてこれを超えるイヤホンはほとんど存在しないと言っても良いでしょう。

その価格を超えたイヤホンがあっても「音で超える」というのは至難の業だと思うからです。

 

いま中華の多ドライバー/マルチドライバー搭載機は平気で数万円の値がつき、4万越えも珍しいことではありません。

いくらBAドライバーの価格が高いといってもちょっとあり得ないのではないかと思うわけです。

中国人の平均月収は25000円程度と云われている中で、その平均月収の二倍近くになるイヤホンが数多く売られているというのもなんだか解せない話しです。

 

個人の耳に併せて作られるカスタムイヤホンならまだ話は分かるのですが、汎用品のイヤホンで無駄に価格をつり上げるために搭載したとしか思えないような片側6ドライバーや12ドライバーなどのイヤホンで、果たしてヘッドホンのHD650を音質で超えられるイヤホンがいったい幾つあるというのでしょうか?

 

おそらくひとつもありません。

 

要するに「あり得ない価格が付けられたイヤホン・バブル」としか思えないのです。

特にSNSではかなり煽る方も居るようなので、その輪の中に入れば、音を聞くのではなく、あり得ないようなポエムに耳を傾け、思わず散財してしまうと云う事も多いのではないかと思ったりもするわけです。

 

ですので、今は間違いなくイヤホンバブルの時代だと感じるので、SNSなどで煽られることなく、しっかりと「中華製」と云うことを頭の中に入れた上で判断してイヤホンを購入するのが間違いないと思っています。

 

少なくとも僕は1万円以上をだすのなら中華はたぶん選択しませんし、おそらくヘッドホンの方を普通に買います。

その方が遙かに良い音を楽しむことができるのは自明なことなので、周りに踊らされることなく、もうすぐおそらくブームは終わるであろうイヤホンバブルの時代を乗り越えていって欲しいと思います。

 

 

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【レビュー】 Magaosi HLSX 808 /Codio 021 ハイブリッドイヤホンM-1

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総合評価〇
 
 HLSX 808という名機です。これはリファレンスとしても使えるほどのイヤホンなので、イヤホン好きな方は必ず音を聞いておいて頂きたいほどのクオリティがあります
 音の品位、ということでいえば正に1DDや1BAハイブリッドクラスでの勝負なら大変高い位置にあるイヤホンであると思われます。
 

【Magaosi HLSX 808スペック】

■モデルナンバー Magaosi HLSX 808 /Codio 021 ハイブリッドイヤホンM-1
■ドライバー 1DD+1BA ハイブリッド
■感度100db
■インピーダンス32Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 

【Magaosi HLSX 808音質】

音質はニュートラル気味で少し地味な音がします。
決して派手で華やかな音というわけではありませんが、その実力は極めて高いです。
 
特に評価したいのが帯域バランスの素晴らしさで、低音もしっかり輪郭を描きながらも階調表現も素晴らしいと感じます。
ただし、DR20やVJJB V1などの低音の質感のレベルが高いものと比較してしまうと、ちょっとした緩みは感じます。
またボーカル域の表現力と質感の良さは「地味ながら」もすばらしい表現力の高さでエッジはマイルドに描きながら、聞き疲れのない、極めてレベルが高い音です。
 
これを聴くと他の1DDの低音過多のイヤホンの評価が難しくなるかも知れません。
特にDR20やKZ等の1DDイヤホンは基本的に低域が多すぎるため、こちらのバランスをリファレンスとすると良いでしょう。
 
なお、こちらはボーカル域がすこし後ろに下がる傾向がありますが、これは「音量を少し上げ気味で聴く」とあまり気にならなくなるのでオススメです。
どうも一歩下がったボーカルの方が質感が良いような気がしていますが、これはあくまで個人的意見になります。
 
1DD+1BAというハイブリッドドライバを搭載してるにもかかわらず、それを感じさせない極めて奥ゆかしく、ハーモニーの感じられる音色の統一感で特に不満のないイヤホンだといえます。

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【Magaosi HLSX 808まとめ】

一個で言い表すなら、名機だといえます。
とりあえずの1本と云う事なら、素晴らしい帯域バランスとと声の質など、どれをとってもリファレンスとして成り立つほどの出来映えです。
 
特に音楽全体を彩るエッジのマイルドさは特筆すべき事で、どんな音楽もそつなく鳴らすことが出来ると思います。
 
このイヤホンには音の質感の高さと音色のハーモニーがあり、激しいソースでも混濁せず、ボーカル域の素晴らしさは地味とはいえ極めて高いレベルを感じさせてくれる筈です。
唯一、気に入らない事となると低音のエッジの描き方がわずかに緩いので低音好きな方には物足りなさがあるかも知れません。
 
ですが、そういう好き嫌いを超えたところにこのイヤホンの価値があると思います。
 

【レビュー】 Tennmak dulcimer

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総合評価〇
 
 Tennmakというあまり聴いたことのないメーカーのちょっとマイナーなイヤホンとなりますが、アルミハウジングで装着感がよく、平均以上の実力は感じられるイヤホンです。
 

【Tennmak dulcimerスペック】

■モデルナンバー tenmak dulcimer
■ドライバー 1DD/8.6mm ネオジムマグネット
■感度98db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性20khz-20000hz
■コード長1.2メートル
 

【Tennmak dulcimer音質】

帯域バランスがかなり良いです。
KZなどが低域が強すぎると言うことがよく分かる素晴らしいバランスを持っています。
 
ドライバーはニュートラルで、中高音のエッジは立ち気味ですが、低域側が寝ています。
 
中高音域を特に重視したようなチューニングで、低域を楽しむと云うよりもちょっと派手目に聞こえる中高音域を楽しむのが適しているといえます。
中高音域にはかなり明確な音が出てくる感覚があり、1DDドライバの分離の標準クラスは明らかに上まわっています。
 
残念な部分は、まずボーカル帯域のエッジがわずかに立ち気味な部分と低域です。
低域のバランスや量は適正なのですが、ちょっと低めの特定の帯域が出にくいところがあります。
この為、チェックするとソースによっては重厚感がなくなるところ、また低域の質感があまり良いものではなく、エッジは緩めでわずかにボケています。
 

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【Tennmak dulcimerまとめ】

間違いなく平均以上はあるイヤホンです。
低域の量が少なめで帯域バランスの良さはHLSX808クラスであると思います。
 
とても柔らかい音色を持つようで全体的なエッジの立ち方も好感が持てますが、少し緩めな方向にチューニングされています。
 
ボーカルの質感はとても高く、ニュートラルな音色で少し前に出る声がとても明瞭です。わずかにエッジが立ってしまっている部分がとても残念です。
 
やはりこのイヤホンの残念な部分の大半を占めるのが「低域」の不明瞭さと一部帯域が消えてしまうように出てこないところがあるので音楽全体がピラミッドバランスにならないところかと思います。
この点があるので中高音域向けのちょっと腰高な音になります。
平均以上ではあるのですが、とても残念に感じるところでもあります。
 
それでも最近のイヤホンとしては実力の高さでオススメしておきます。
特に中高音域の音の明晰さと分離感、ここが聞き所となると思います。
 
 

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【レビュー】 KZ ED3 youth version (青少年/若者バージョン)

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総合評価✕

KZ ED3の若者バージョンという意味不明なちょっと恥ずかしい名前のED3の別バージョンとなります。

 

ED3と同じような筐体で青や赤色のハウジングとなり、感度などが大幅に違っていたりします。ドライバ違いなのかチューニングの違いなのかは分かりませんが、恥ずかしい名前と若者を意識した恥ずかしい色が特徴のイヤホンです。

 

【KZ  ED3スペック】

■モデルナンバー KZ ED3 youth version
■ドライバー 1DD
■感度98db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性7khz-31000hz
■コード長1.2メートル
 

【KZ  ED3音質】

基本的に音質は明るめとなっています。
 
あえていうのなら、全体的にちょっと酷い音質です。
特徴的なのはボーカル域の攻撃性の強さで、エッジがかなり尖ってしまっています。
この音に聞く価値は無いといえるレベルのイヤホンで見所は特にありません。
 
このED3若者バージョンは明確に中高音寄りの音作りになっているようです。
この為、ノーマルED3と比較すると帯域バランスは中高音重視に変わっています。
 
やはりもっとも問題なのは、中高音域の帯域バランスレベルの問題だけでは無く、このED3 youthは中高音域のエッジをかなり立たせてしまったようで、この若者バージョンのエッジの尖りはほぼ欠陥品といえます。
 
低音が少し目立たなくなってしまっていますが、無理矢理重低音が高いレベルで入るようなソースだとドライバーは持ちこたえられずに破綻気味となります。
 

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【KZ  ED3まとめ】

買う理由は何も無いと言えます。
KZの中でもED4などの星1評価機種よりもわずかにマシ程度のレベルのイヤホンです。
 
これを買うくらいなら素直にノーマルED3を購入した方が良いと思います。
なにしろED9を凌ぐ中域の激しい攻撃性で、ボーカルなどは聴いていられません。
低音も出にくいので、なんとも言えない駄作です。
 
それとも中国の若者はこういう中高音を強調した音作りを好むのでしょうか?
少し理解しがたいイヤホンです。
 
 

 

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【レビュー】 KZ ZS1 /AS1211

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総合評価✕

 

ダイナミック2DDのZS1となります。8mmと6.8mmの異なるドライバを搭載しています。

sure掛け専用のモデルとなっています。

 

【KZ ZS1スペック】

■モデルナンバー KZ ZS1

■ドライバー 2DD/8mm/6.8mm

■感度98db

■インピーダンス18Ω

■周波数特性20khz-20000hz

■コード長1.2メートル

 

【KZ ZS1音質】

2DDらしい分離の良さはイマイチ感じられませんが、ダイナミックドライバ2基なので音色の統一感は高いようです。

基本的に音がかなり明るく、帯域バランスも重低音強めですが、それほど悪い物ではありません。

KZの中では比較的に低域そのものは少なめでバランスは良い方です。

低音の階調も出てくるのですが、重低音がかなり多めに量が出てくるのでソースによっては混濁しがちとなります。

高域側の尖りも無く、ボーカルもKZの中ではATEクラスのレベルの高さを感じます。

 

ここまでは意外に評価が高いのですが、なぜか全体に妙な雑味が被さってきます。

このおかげで個々の帯域だけで見るとなかなかの音がしているのにもかかわらず、ひとつの音楽としてこのZS1を聴くと不満が大きくなります。

特に問題は重低音域の量がかなり多めに出てくるので、濁りやすい音が更に混濁しがちになります。

 

ZS1の特徴を一言で言うのなら「明るく質の高いボーカル」と云うことに尽きるでしょう。

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【KZ ZS1まとめ】

 おそらくこのZS1はハウジングの方に問題があるのではないかと感じています。

これはハウジングの共鳴というか、箱鳴りというか、とにかくハウジングの音で音質に決定的な濁りが生じています。

 

 全体的に感じる妙な雑味のせいで明るくも前に出るボーカル域のレベルの高さが台無しになってしまっています。

 

とても惜しいのですが、低音少なめのソースで明るく質の高いボーカル専用ならこのイヤホンの最も美味しいところを味わえると思います。

 

 

 

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【コラム】 解像度とは何か? ヘッドホンとイヤホンを考える

 

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ここから先は僕の勝手な解像度についての見解です。

 

僕も昔は解像度を追求していた時代がありました。

単純に聞こえない音が聞こえる、と云う理由が最も大きかったのです。

後から思えば「初心者ほど解像度を追求する」という思いが強いのですが、ある意味とても「分かりやすい部分」でもあると感じています。

 

経験が少なくても「解像度」だけは比較しやすいと云うこともあります。

 

僕は元々がスピーカー出身ですが、テスト用のチェックディスクを使って購入したスピーカーの音がどれだけ細かく聞こえるかよくテストしていたものでした。

 

ですが、僕が解像度の追求を辞めてしまったのは、ヘッドホンを購入した頃からです。

その頃、どうしても欲しかったSTAXのフラグシップである007の音を視聴しにいき、そのあまりの凄まじい解像度と滑らかな美音に衝撃を受けました。

STAXからはいままで聞くことの出来なかった細かい音が簡単に出てきたのです。

たとえば僕がよく聴くメサイアのディスクなどこれまで何十回も聴いてきたものですが、このディスクに録音されたブツブツという異音まで鮮明に再生してしまいました。

 

この異音を最初に聴いたときに007の初期不良かと思ったものです。

 

ところが当時使用していたスピーカーでそのディスクを聞き返し、スコーカーに耳を押し当てるようにしてチェックしてみると、確かにブツブツという異音が録音されているのが確認できました。

何のことはない、その異音はあまりにも録音レベルが低いかすかな音なので数メートル離れて聞くスピーカーでは再生の難しい音だったのです。

 

もちろんもっと突っ込んで云えば、そんな異音を鮮明に再生する理由はありませんし、音楽では無く録音時のミスのような音まで明晰に再生する理由もありませんが、確かにこういう細かな音を解像度高く聞かせてくれるヘッドホンは確かに優秀です。

耳のすぐ近くで鳴らすため比較的にヘッドホンは解像度という点ではスピーカーより遙かに優れています。

解像度という点では静電型のSTAXに適う再生機器はそうそう世の中にはありませんが、だからといって世の中の定評のあるスピーカーが007よりも劣っていると云うことはありません。

部分的にはヘッドホンはスピーカーに勝てますが、結局のところ、音楽を美しく鳴らすという点ではスピーカーに勝てると云う事はほとんどありません。

 

スピーカーはSTAXほどの解像度が無くても素晴らしい音楽を、音色を響かせてくれます。

 

むしろ僕は思ったのです。

ヘッドホンなどは「聞こえすぎる」のが難点だと。

ここまで聞こえすぎてしまうといわゆる「優秀録音盤」といわれるソースそのものがよく練り上げられた音源を持ち込まないと音楽を聴いていられなくなったりします。

 

写真に例えるのなら、「解像度」が高すぎると女性が美しく見えない、というのと似たような物かも知れません。適当にぼかした方が美しい場合も多いのです。

 (この美しくぼかすと云う作業をうまくやってくれるのがアナログのプリアンプです)

 

特にここ最近のデジタル機器はそこら辺のポータブル機器でも「解像度が高すぎる」ので、アナログのような柔らかい傾向の音ではなく「とても荒れた音」をそのまま出力する傾向があります。

傾向があると云うよりも「音を整理せずにそのまま出して」しまいます。

 

イヤホンなどでは再現力のグレードが低いのでよくよく聴かないとこの荒れた音が分からなかったりしますが、性能の高いヘッドホンあたりだともう既に聴いていられないレベルの音を出力します。

 

いまのデジタル機器ならアンプ側で失われるような音はほとんどありません。シールドの強い良くないケーブルをなどを間に挟むと細かな音は簡単に消えてしまいますが、余程の粗悪な機器で無ければDACチップから出力されるところまでに人間の可聴帯域上の有効な音が消えてしまうなんて事はほぼなかったりします。

 

要するにここ最近のデジタル機器では「解像度が高すぎ」て問題を起こしているのです。

これはもっとハッキリと言うといわゆるフルデジタルアンプの大問題なのです。

 

昔、解像度を追求した人たちの間で「CDプレイヤーからの出力」をそのままボリューム付きのパワーアンプに直結するのが流行したことがありましたが、あっというまに廃れてしまいました。

 

理由は簡単です。

 

解像度はかなり高くなり、1枚ベールを剥いだような音が簡単に出てくるのですが、音が荒れて音楽が鳴らなくなるので辞めてしまったのです。

ところが昨今のデジタルプレイヤーにヘッドホンをさすと正にこの荒れた音がします。

 

こういう荒れた音は音楽ではないと、僕は思うのです。

 

例えば解像度の高い機器で音を聞くと「パン」という音が「パァン」と聞こえます。

この「ァ」の音が聞こえるかどうかでその機器の価値が決定するわけでは無いのです。

本当ならこの音を全部再生しながらアナログのプリアンプを通したような「整理された音」が一番良いのですが、これはなかなか至難の業でそういう音にはそう簡単にはたどり着きません。

 

 【解像度まとめ】

そういうわけですので、今のデジタルアンプもしくはスマホレベルでも中華のどうしようもないレベルの機器で無ければ信号としてなら解像度が足りないなどと云うことはなく、むしろ解像度が高すぎて音が荒れると云う問題を引き起こしているのが現状だったりします。

 

ただし、低音側の解像度は電源部にて依存しているので、これはデジタルプレイヤーの電源部の問題です。

この点においてはアナログ的な物量投入が効いてくるのでポータブルのDAPなどではそもそも低音の解像度が十分にでてきません。

イヤホンならまだしもヘッドホンくらいになると駆動力のあるアンプを通さないととても低音の帯域は表現できなくなってきます。

低音が駆動できないと釣られて中高音域まで音の解像感が下がります。

 

この点に於いては解像度では無く必要なのは「駆動力」です。

これは単純にワット数とは関係なく、ドライバーの制動力が問われるところとなります。

 

このようにアンプ側での信号という事だけなら解像度は既に十分なのです。

 

では、ヘッドホン側では解像度が落ちないのかというとそんなことは無く、ここで問題となるのは音数が多くなるとドライバーが音を上げて音が混濁するという現象が起こります。

こうなるとある帯域の音が消えてしまいます。

 

これは決して好ましいことではないので、ヘッドホンやイヤホン側にも性能の高いドライバーを要求されますし、共鳴音で音が消えてしまわないようにハウジングも正しく設計する必要があります。

 

ここで今までの事を整理すると、解像度を高めるためにはアンプ側では信号の品質よりもむしろ駆動力の方が余程重要なこと、またヘッドホンなどの再生機器側に音の混濁しないドライバーとそれを活かす設計のハウジングが必須だと云う事です。

 

ただし、例えバカみたいに解像度の高い機器を使っても音楽が鳴るかどうかはまた別問題です。特に最近のデジタルプレイヤーの解像力だけが異様に高い音には注意する必要があると云う事です。

 

僕個人はパワーアンプの問題で失われる低音域の表現とドライバーやハウジングで音が混濁して消えてしまうと云う事にはまったく納得はしていませんが、高い解像度という点ならSTAXのヘッドホンで事足りるので、いまは解像度一辺倒では無く、むしろ音のハーモニーとか音色の方に興味があります。

どうでもいいような細かい音を必死になって聴くよりも、全体として音楽を鳴らす事に興味があります。

 

 

 

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