【レビュー】JVC HA-FD01 国産ハイエンドイヤホンの音
読者の方より期待のJVCイヤホンを2本も借り受けることが出来ました。なんと今回のイヤホンは市場価格がアマゾンで31000円という・・・これまで聞いた中ではERの4PTに次ぐ、当ブログでは滅多にない高価なイヤホンのひとつとなります。
最近は読者の方よりご自身で所有されるイヤホンのレビュー依頼を受けることも多く、ブログ冥利に尽きるなと思いを新たにするところ。
さて、このFD01はアマゾンでのレビューは★4以上が90%を占めるほどのイヤホンで、なおかつレビューも非常に良い。高価格帯では「価格の思い込み」がより発生しやすくなりますが、FD01の実力はいかばかりかと。
ちなみに今回はFD01とFX1100を借り受けましたが、ウッド振動板を実装したFX1100に関してはノート版V3マガジンの方でレビューしようと思います。読者の方より「酷評」も構いませんとの言質を得ているので、いつも通り忖度無しでレビューしていきます。
【JVC HA-FD01スペック】
■モデルナンバー HA-FD01
■ドライバー 1DD/
■感度103db
■インピーダンス16Ω
■周波数特性 8Hz ~ 52000Hz
■コード長1.2メートル
価格が高いだけあってか贅を尽くした作りです。チタンハウジングにカーボンコーティングの振動板と新開発したスパイラルドットイヤーピースなど、惜しみなくハイクオリティを追求した感じでしょうか。
ハウジングは結構重く大きい。イヤーピースはなぜか奥まで入りません。耳穴と云うよりも耳に押しつける感じで使うタイプのイヤホンのようです。
バーンインはお借りしたものなので分かりませんが、音の傾向から云うと変化は少ないタイプかと思われます。
【ノズルについて】
この製品はRHAのT20と同じようにノズルが交換出来るようになっているので、全部で3種類のノズルが付属しています。
それぞれ材質が違い、ノーマル状態ではステンレス製が装着されています。T20の時の印象で云えば、ノズルを変更する事により確かに音が変わるのですが、余り意味があるとは言いがたく・・たいていの場合ノーマルノズルで音合わせした印象を感じます。これまでの傾向からいえばノズルはあまりいじらない方がいいでしょう。ちなみ中高音域を中心に判断していますが、これはここがダメだと低音の判断以前の問題だからです。
■ステンレスノズル メーカー装着
これが最も音が良いというか、このイヤホンには合っているでしょう。
■チタンノズル
これが最も音が悪くなります。論外。エッジが非常に強調されて神経質な音を立てます。使うことはないでしょう。
■真鍮ノズル
この真鍮がこの中では最も良いエッジを描くのですが、中高音域の明瞭度が大きく下がり、リスニングに必要な下限を下回ります。元々あまりイヤホン自体の音の明瞭度が高いタイプではないので、ここから明瞭度が更に下がるのは難しいところ。ソースによっては使えないこともありませんが、推奨はしません。
FD01のノズルに関してはエッジと音の明瞭度に影響があります。RHAのT20のもそんな感じだったのでノズル部分における音の変化は主にそういうことなんでしょう。
使えるとしたら真鍮ノズルもありなのですが、ノーマル装着のステンレス製ノズルがもっとも一般的に好ましい音がすると思います。故にレビューはすべてノーマルのステンレス製ノズルによって行います。
【JVC HA-FD01音質】
音の基本傾向はウォーム系で帯域バランスはほぼ適正レベルで、おそらくカルボアイと同等クラスのバランスなので低域量は10段階評価で5というところ。
この部分はJVCの低域強めの音作りの傾向からと云うとモニターチックでかなり異色のタイプでしょう。これが「普通」と云えば普通なのですが・・・
問題なのは低域の量ではなく、このイヤホンは低域の出来があまり良くありません。かなり膨らみも大きく、かつ階調表現も不明瞭。それでいて量だけが適正近くになっているので低域周りは非常に不満が大きい。
難易度の低いソースなら問題なく鳴らせますが、ちょっと複雑なソースだと破綻気味になるのでこの程度の低域性能では厳しいと感じます。ましてや数千円のイヤホンではないので。
ボーカルフラットはいつものJVCで並。どれも似たようなレベルなので、JVCはここをフラットに詰める気がないのでしょう。意図的なのかどうかが分かりませんが、詰めた形跡はありません。
ボーカルは適度に前に出て、音色は暖かい。
このFD01の最大の問題は、エッジの出来がかなり安っぽいこと。尖った神経質な音を立てるので耳障りで聞いていられない。いわゆるジャパニーズサウンドそのものの音作りとなっています。
また中高音域の明瞭度がかなり低く、それだけではなくわずかですが「雑味」も音に乗ってきます。元々このイヤホンはウォーム系で音が暖かいのですが、暖かさだけでなく、この音は単なる雑味感と言ってしまってもいいでしょう。
おそらくこのわずかな雑味とウォームな傾向のせいで中高音域側がちょっと独特なカラーを帯びます。アコースティックなソースでは気になりませんが、厳しいソースでは分離が落ちたような音になり、なんだかパッとしない。
やはり全体的にエッジの出来がかなり悪いので、その点だけでも価格ほどの価値は感じられません。今まで聞いてきたJVCの音とは違い、よくあるイヤホンの音そのものです。
【JVC HA-FD01まとめ】
一言で云うとまさに「ジャパニーズサウンド」。出来は良くありません。JVCの低価格品で見受けられたあの気品すら感じるJVCチューニングがまったく見受けられず、いわゆる普通のイヤホンの音です。
ただそれだけとは言いがたく、音が不明瞭でわずかに雑味感を感じます。
この音ならこの価格で出す理由が全くなく、何のためにこんな価格を付けたのかがまったく分からない。
ノズルを交換しても質の悪いエッジはそのままで見所がない。低音もいつものJVCの低音ブースト気味な音作りからは離れ、ごく一般的な適正帯域バランスに近い音作りになってはいるのですが、突出して優れた部分が何もありません。
あくまでジャパニーズサウンドであり、あくまでそこら辺によくある日本製イヤホンの音です。
正直に書きましょう。この音ならゼロオーディオのカルボアイの方が優れています。カルボアイなら4000円で買える。その4000円ちょっとのイヤホンの音に3万円超えのイヤホンの音がハッキリと劣る。
音の明瞭度や低音の出来映えでいえばカルボアイの方が明確に音が良い。
それでいてエッジに見受けられる中高音域側の神経質な音は大して変わらない。
なぜJVCほどのメーカーがこんな「普通の音」というよりも、日本メーカー特有のイヤホンっぽい音作りをして、この価格で販売したのかがまったく分からない。例え1万円くらいで売っていたとしてもこれでは海外製の「普通」の音のイヤホンとはまるで戦えません。
見るべきところは帯域バランスの適正性のみですが、低音の出来の悪さがそれすらもスポイルしてしまっている。
それで評価なんですが、本来ならゴミではないので△評価すべきところです。ところが価格が価格で実売3万以上でこの音はないだろうと思うのです。そこまでの価値はとてもなく、音の価値としては1万以下が適正価格帯。一万以上でも戦うのは少し難しい音です。というわけで「価格」というコストパフォーマンスを加味して以下の評価となります。
正直、JVCにはこの方向の音作りは似合わない。こんな凡庸な音ならそこらへんのガレージメーカーに任せておけばいい。せっかく気品のある深い音作りもできるメーカーなのに残念です。
総合評価✖ どこをどう切り取っても単なる質の低いジャパニーズサウンド
JVC HA-FD01 カナル型イヤホン CLASS-S SOLIDEGE 高解像サウンド/リケーブル/フルステンレスボディ/Jマウントノズルチェンジシステム採用
- 出版社/メーカー: JVCケンウッド
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
【ポイント10倍!】JVCケンウッド HA-FD01 【ハイレゾ音源対応】 インナーイヤーヘッドホン
- ジャンル: ヘッドホン・イヤホン
- ショップ: ヤマダ電機 楽天市場店
- 価格: 34,236円
【レビュー】JVC WOODシリーズ HA-FW7 自社開発伝統のウッド振動板の音
今回は日本イヤホン界期待の星であるJVCのウッド振動板採用のFW7です。
2016年の発売なので、店頭に並んでからある程度の時間が経過していますが、売れ行き的にはパッとした印象がありませんでした。
JVCのウッド振動板と云えば同社の伝統的なドライバーで、随分昔から開発を続け、シリーズ化しています。
僕はと云えば実は相当昔にウッドコーンのスピーカーを所有していたこともありました。記憶が曖昧ですが、確かビクターがウッドコーンを初採用したときのものだったような記憶があります。
その時はどうしてもスピーカーに最低限必要なサイズが足りずに満足してなかったのですぐに手放してしまいました。要するにサイズ的に小さすぎるのです。コンパクトなのは使いやすいのですが、スピーカーとして考えるとあまりにも小さい。
今でもそうなのですが、ウッドコーンドライバーのサイズが9㎝程度でキャビネットもかなり小型です。スピーカーは単純に大きい方が有利とは言えるのです。
今ではスピーカのウッドコンーンの音がどうだったのかは憶えていませんが、相変わらず連綿とウッドコーンを熟成させて、それをイヤホンにも採用しているのが懐かしく、それがユニークなJVCの音作りとどのようにチューニングされ親和しているのかも知りたいところでした。
JVCと云えば思い出はそれくらいで、あとはその後にトールボーイスピーカーをAVアンプで導入していた時期もありました。
スピーカーでは大したイメージはなかったのが正直なところです。
ところがイヤホンはなかなか面白い。かなり特徴的なのですが、レベルが予想以上に高い。今回は200LTDなどに続いてJVCの音を見極めていきたいと思います。
楽しみです。
JVC カナル型イヤホン N_W WOODシリーズ ハイレゾ対応 ホワイト HA-FW7-W
- 出版社/メーカー: JVCケンウッド
- 発売日: 2016/12/01
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
JVC・ビクター ハイレゾ音源対応カナル型イヤホン 1.2m HA‐FW7‐B (ブラック)
- ジャンル: ヘッドホン・イヤホン
- ショップ: コジマ楽天市場店
- 価格: 8,775円
なぜランキング目的の記事が溢れるのか?
NOTE版を始めてから約10ヶ月が経過し、あちらのフォロワーさんも100名を超えました。
感謝です。
グーグルの広告に頼っていた時期と比較すると「自由」は増したと思いますので、当初の予定通りの展開ではあると感じています。
現状、ブログで収益化などほとんど無理ではあります。一部の有名ブロガーのように炎上をいとわないやり方であればある程度の集客は見込めるのですが、極一部のダブスタ全開のそういう才能がある方のみで、実際のところ、ブログで無名の素人がある程度の人数を集めるなど至難の業です。
例えば有名なはあちゅう氏とかイケハヤ氏とか、自分の言ったことを三歩あるくと忘れてしまうような人はブログで稼ぎやすいのかも知れませんが、普通のひとはまず利益なんか微々たるものです。
特に最近は以前よりもGoogleの検索が不安定で、内容よりもGoogleの方を向かないとあっという間に検索圏外に飛ばされます。Googleはユーザーエクスペリエンスの向上などといいますが・・・もちろん各種ブログのSEO対策系の記事でも「ユーザーの方に向く」などとまことしやかに語ります。
別にユーザーフレンドリーな内容にしても検索はアップしません。
まとめ系の非オリジナルなコピペ記事やイヤホンを聴いたこともない人が寄せ集めで作った安易なランキング記事が検索上位を占めることからもそれは明らかです。
イヤホンでもランキング記事が溢れていますが、そのほとんどの背景にあるのが企業による営利活動です。つまり記事を量産している主体は「個人」ではなく、アフィリエイト目的の企業がライターを雇って書かせたものです。
これはオーディオ関係だけではなく、登山用品や各種デジタルギアに至るまで、あらゆるシーンを席巻しています。念入りにGoogleの検索対策が施され、入念にリライトされ、丁寧に元記事を書き換えます。
そういう感じで攻略されているGoogleにプラットフォームを依存することが嫌になったので、新たな道を模索したのがNOTE版です。
ブログを長く書いている人は分かると思いますが、散々Googleに振り回された挙げ句の果てに利益などほぼありません。検索は上がるよりも下がることの方が多く、次から次へと雨後の竹の子のように出てくる企業系の宣伝記事とコピペ記事、そのスピードとリライト速度に個人が勝てる筈もなく。
ほとんどのブロガーが記事を書くことを辞めてしまうのは、戦っている相手が企業だからです。潤沢な資金とライターを揃えてくるので個人ではもう勝負になりません。
イヤホンを聴いたこともないライターに頼んで安易なランキング記事を書くと、簡単に収益化可能。真面目に聞いて書く人ほど損をします。
そもそもキチンと聞いて記事を書いてもそれを簡単に換骨奪胎されて利用されてしまうのでやってられません。
そこからどうやって脱却し自由になるのかは大問題なのです。
自由を担保しない限り、レビューが何ものにも左右されない立ち位置が実現出来るわけもありません。
僕の場合は皆様に支えられ、おかげ様で国産イヤホンやアンプ、ヘッドホンやBluetoothイヤホンなどジャンルの幅を含めて広げながら細々と何とかやってきています。
これてもすべて皆様のおかげだと感謝しかありません。
Googleの検索が下がってもダメージは少ない。
ちょっと前に良く言われていましたよね。ユーチューバーが「好きなことで食べていく」と。
そんなことはまず無理なんです。だってプラットフォームをYouTubeに依存しているのですから。
ある日突然YouTubeがルールを書き換えます。
先日もやられたでしょう?。そのたびに収益は削られ、阿鼻叫喚です。
ですが、例えば中華イヤホンを販社から提供を受けてレビューしている人はまだ余裕なんです。
収益の源が「貰ったイヤホンを売り払う」事で得られるのですから。
これが1番大きく、ブログの広告収益など微々たるモノで・・・変動も大きく当てにならない。
ユーチューバーも利益の源泉は企業タイアップで得られる宣伝広告費で・・・。
利益追求するのなら本来はそれが正しい姿です。
オーディオも各種なんとか賞や評論家がアヤシいのは、昔から企業とごにょごにょしているからではないでしょうか。
今もありますよね?
・・・聞いたこともない国産メーカーが作ったブックシェルフスピーカーがなぜか登場した途端から絶賛の嵐・・・。しかもそれほどのものなのに世界ではまったく評判にならないと言う・・・。
【次回予告アンケート】 国産レビューの予定に関して 更新5/22日版
現在検討中のイヤホンとなります。
5/22日更新
今週中に1本レビュー行く予定なんですが、少し迷っていますので。。。
アンケートを採りたいと思います。
NOTE版イヤホンのアンケートです。
— luna-luna 【にく】 (@lunaluna226) 2019年5月21日
よろしくお願い致します。
■DENON AH-C720
620に対してこちらの方が上位機種なのでしょうが・・・低音強化版なんでしょうか?
DENON カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応 ブラック AH-C720-BK
- 出版社/メーカー: デノン(Denon)
- 発売日: 2016/09/11
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
■DENON AH-C620R
DENON カナル型イヤホン ハイレゾ音源対応/denon対応リモコン ブラック AH-C620R-BK
- 出版社/メーカー: デノン(Denon)
- 発売日: 2016/09/11
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
■JVC N_W WOODシリーズ HA-FW7-B
JVC カナル型イヤホン N_W WOODシリーズ ハイレゾ対応 ブラック HA-FW7-B
- 出版社/メーカー: JVCケンウッド
- 発売日: 2016/12/01
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
Twitterにてアンケート実施中です。
よろしくお願いします。
【レビュー】 ALPEX HR-3500 1DD低価格イヤホン
eイヤ推薦のコラボイヤホンが悪くなかったので、今回は型落ちですがALPEXイヤホンにもう一度行ってみることにしました。
前回のA1000の時にもう少しこのイヤホンのメーカを深く掘り下げて聞いてみる見る必要を感じたからです。
このALPEXと云うメーカーはいわゆる低価格品を中心に開発している日本メーカーなので立ち位置が非常に面白いというか、まるで中華のような価格設定に信念を感じることもあります。
何しろ最も高いイヤホンでも5000円程度。中心価格帯は数千円程度と言う確固たる信念を持ってイヤホンを開発している希有な日本メーカーと言えます。
こういう姿勢は素直に評価したい。
どこぞの日本メーカーが粗製濫造して価格をバカみたいに上げてボッタクリイヤホンを作っている渦中では、良心的だとは言えることは確かで、それは素直に賞賛したいところ。
ただそれはそれで音質評価はいつも通りとなっています。
安かろう悪かろうというイヤホンを探しているわけではなく、できれば日本メーカ製で価格を超えたイヤホンを皆さんに推薦したいわけですので・・・・
ちなみに前回レビューしたA1000は1000円程度のイヤホンとしてはかなり良い出来映えでビックリしました。それで今回は3500と云うわけです。1DD/6mmドライバーを搭載したこの低価格イヤホンがどこまでの実力を持っているのか、確認したいと思います。
これでメーカーの実力がなんとなく見えて来れば良いのですが。
ネットワークプレイヤーのススメ
当ブログの読者の方ですとどうなんでしょう?今どきCDプレイヤーを使っている方は少数派ではないかと思うのですが、PCからUSB-DACあたりに引き出して使っていたり、あるいはDAPから直接OTGケーブルなどでデジタルデータをDACに引き出していたりでしょうか。
これ使いづらくないですか?
僕はPCをいちいち立ち上げたりDAPにケーブルを挿して使うなど面倒で面倒で・・・
イヤホン以外はすべてネットワークプレイヤーにヘッドホンアンプをぶら下げて楽しんでいます。
こんな便利なものはありません。
CDの時はその都度ディスクを変えていましたが、そんな必要はありません。USBメモリにでもソースを入れて挿しておけばそこから再生出来ますし、スマホからそのままairplayなどつかえば直接自在に再生可能です。
しかも安い。
だいたい2万から3万で購入できますが、CDプレイヤーを見てみてください。3万なんてエントリークラスしか手に入りません。
ネットワークプレイヤーほど安くて便利な機器は無いと思っています。
そこで、ネットワークプレイヤーを購入するときの選び方の注意点を書いておきます。
■背面端子はよく見ること
各社それぞれ背面端子の実装がバラバラです。USBのHDDを接続する端子のみだったりすると、USBがついているのにUSB-DACとして使えないとか、あとはデジタル出力端子もよく見てください。ついていないものもありますが、光のみだったり同軸端子のみだったりするので、今後の発展性を考えて自分の使用環境とよく照らし合わせてください。
パソコンから音源を再生するのがメインならUSB-DACは必要でしょう。僕としては今後の発展性を考えるとデジタル出力端子がついていないものは論外です。
■アプリのレビューは必ずチェックすること。更新頻度も・・・
基本的にスマホのアプリからコントロールするのが基本です。このアプリの出来がハードよりも大切だったりします。
iPhoneでトラブル続きだったりする場合もあるので、アプリがどれだけキチンとアップデートされているか?やアプリの使い勝手は必ずチェックしておきましょう。
■Wi-Fiで使用する場合
ほとんどの方がWi-Fiでネットワークに接続すると思いますが、もともとのルーターなどの能力が低かったり電波が弱い環境で使うとトラブルが続出します。
ハードの問題と云うよりもその多くが単なる電波環境の悪化に起因する場合がほとんどです。
例えば、24bitのハイビットレート音源を流すと途端に接続切れが発生するなどもWi-Fi環境の問題だったりします。
特にアップルのAirplayは規格上の問題でバッファが少なく、無線環境が悪いとすぐに問題を起こします。この場合は有線接続や中継器を噛ましてそこからケーブルを取るなどを考えてみると良いでしょう。
ウチでもそうなんですが、無線が結構問題を起こして悩んだのですが、ルーターの置き場所を変えたりして電波環境を改善したら一気にトラブルがなくなりました。
■意外に待機電力が大きい。
ネットワークをオンの状態でないとスマホから電源オンができません。ですがネットワーク待機状態で使うと意外に消費電力が大きく4-6Wくらいを常時消費します。
いちいち気にしないという方は良いのですが、昨今の省エネの流れには背を向ける機器でもあるので気にする方は間にスマートプラグを噛ませましょう。
こうすると使用時に元電源をいれて数分待つ手間がかかりますが待機電力はゼロに近くなります。
個人的にはとにかく背面端子が重要です。ココはキッチリ見てください。とにかくデジタル出力可能なものを。USB-DAC機能は個人の事情に合わせると良いでしょう。USBメモリはどれもさせるのでHDDなどを挿せば簡易NASに早変わりします。
【まとめ】
ネットワークプレイヤーというのはCD以来の革命的な機器でもあるのです。だいたい3万位から購入できますが、この安さの秘密はCDのような余計な物理的機構が存在しないため。
CDの時代は各社それぞれVRDSだのベルトドライブ方式だのと、音にはまったく関係ない部分で付加価値を付けて高額にしていたのです。
トランスポートとして使うのならCD読み取りメカニズムによる音の違いなんかあるわけありません。
だって0と1のデータですから。
当然読み取りエラー訂正も入るわけで音に違いなどありません。
なのでCDプレイヤーの音のわずかな違いは内蔵されたDACによるものだったわけです。
これがネットワークプレイヤーになるとメカニズムで御託を並べて付加価値を付けることができなくなったので単純に安くなったわけです。
強いて言うのなら液晶画面を本体に付けるとか、背面端子を多くするとかデュアルDACにするとかですが、ハッキリ言ってどうでも良いです。
なぜならデジタル出力端子がついているものを選べば、ネットワークプレイヤーは単なるトランスポートになるわけで、好きなDACにデータを引き出して使えばハイエンドシステムで使っても音の違いなんかありません。
というわけで、こんな便利で安くて使いやすいネットワークプレイヤーを自宅に導入しないのはちょっと考えられないなと思うわけです。もちろんアレですよ?ハイエンドに格安のネットワークプレイヤーを繋いでしまうと心情的に見栄えが悪くなって一部の人たちは音が悪く聞こえる(笑)と云う問題は起こりますが、そういう人たちは何を聞いても価格でしかオーディオが語れないので放っておけば良いでしょう。
オーディオにおけるボーカルフラットについて
僕はよく「ボーカルフラット」という言葉を使います。これはボーカルの周波数特性が極力平らであってフラットで無ければならない、と云うことを言い表していますが、人の声に関わる帯域はキチンと作り上げないと声がおかしくなるというか暴れるわけです。
これは声の音色は関係なくて、単に周波数特性的なものだけを表しています。
人の声というのは人間が反応しやすいというか分かりやすい帯域ではあります。
声の音色というと特にBAを使ったときに注意しなければならないのですが、人の声が変質します。良く出来たDDと比較するとすぐに分かりますが、極端に声がおかしくなるものがあってBAでいい加減に設計したものに多くなります。
DDだとBAドライバほどおかしいものは少ないので、BAはより注意深く設計しないとダメでしょう。一例を挙げるとfinalのBAなどはハッキリと声色が異常だったりするものがありますが、もともとDDでもボーカルフラットを理解しているとは言いがたい音を出すのがfinalイヤホンなので、設計者が理解していないか知らないか、という事ではないかと思っています。
ボーカル周りをいかにキチンと作り上げられるかはメーカーの素の実力というかベースとなる基礎的な設計力というか、音作りする方の耳の実力が明確に現れます。
ちなみにモニター系リファレンスとして名高いメーカーはこの部分で絶対にミスを犯しません。とても丁寧に音を仕上げてきます。
もうひとついっておきますが、ハイエンドヘッドホンでもダメなものはたくさんあります。10-20万出しても出来ないメーカーは出来ません。こんな価格を出してボーカルが特性的に暴れやすく、発音がおかしくなりがちな物にお金を出す価値はありません。
色々聞いて思いましたが、音作りに利用できる範囲のボーカルフラットは限られた範囲の中にしかないので、多少暴れさせてもそれをちゃんと音作りとして利用しているのなら、それは許容範囲です。
デフォルメ系の音作りを目指しているブランドなら暴れさせるのも有りと云えばありなのですが、それでもある範囲の中に納めてこないとダメだという事です。
限界を逸脱してしまった音と云うのは、どういうものであれ設計ミスを疑わざるを得ないのです。それでもエンジニアの人は云うかも知れません。計測するとフラットになっていると。
もっと波形を拡大して必要な部分をミクロにみていく必要があります。声の帯域はこれを理解して潰していかないとダメなのです。やっているメーカーはキチンとやっているのです。
もちろんボーカルフラットだからといってそれで万事OKという事にはなりません。その上で自然な音色や温かみのある声色などを追求するべきなので、まずボーカル部分のベースとなる地点にあるのがボーカル帯域の必要な部分をいかに細かく平らに均せるのかということなので誤解しないようにして頂きたいものです。
【レビュー】パイオニア SE-CH5Tとパイオニアという会社
パイオニアというとアメリカ製のスピーカーを聴いた創業者が「いつか必ず自分の手で純国産のスピーカーを作りたい」との思いから始まった会社です。
日本メーカとしては非常に珍しいスピーカーに対して誇りのある会社ですが、問題なのはその思いに反して「大した音は出せない」という理想と現実が乖離しているそんな会社。
思いは分かります。創業の強いその信念も分かります。ハイエンドに挑戦するその気概も買いたい。ただ、音に対してその思いがまったく現れず、世界を相手にはとても戦えません。
僕は元々日本製の音も世界に通用するはずだとオーディオでオールジャパンを追求していた人間ですが、その過程でパイオニアのS-1EXというスピーカーも購入して使ってきました。AVアンプではスサノオも発売と同時に購入したものです。
すべて「いつかやってくれるだろう」という思いがあったからです。
S-1EXが発売したときには狂喜乱舞したものです。遂にパイオニアが本懐を遂げに来た、と。本気になるのをどれだけ待ったことか。
このS-1EXは大評判となり、評論家も絶賛していたものです。
購入時に一度視聴しましたが、一抹の不安を感じたのも事実ですが、パイオニアが世界に殴り込むというのなら、どうであれ僕も一緒に行こうと思ったものです。
でも、自宅で聴いたその音は・・・そこから出てきた音は「どうにもならない絶望的な音」でしかありませんでした。
S-1EXは世界などとても目指せないチグハグな音でした。スサノオのAVアンプの低音も聴くに堪えない音が出ていました。ちなみにAVアンプはフラグシップでしたが、マランツ以下の音で・・・。日本製のアンプで音がおかしいなどと云うのは滅多にないのでコレには辟易したものです。
それでもサラウンドが良ければまだマシですが、それもヤマハに遠く及ばず・・・。
アンプはまだいい。でもスピーカーがダメなのは許されない。なぜならスピーカーで世界を目指す事で始まった会社なのだから。
それがTADドライバーを使ってあの程度の製品しか作れないのではお話にならない。そもそもTADドライバーもあの音では頂点を目指すのは難しい。ただでさえ音のハーモニーを作るのは困難なのに、じゃじゃ馬のような音を出してしまう。
結局、S-1EXは動かないウーファーとデタラメなチューニングに1年ほど四苦八苦して鳴らし切るところまで持っていきましたが、「こんな音ではお話にならない」と見切って、その後、オールジャパンを辞め、海外製スピーカーに望みを託す契機になったスピーカとなりました。
さて、パイオニアのイヤホンと云えばこれで3本目となります。CH3とCH9と聴いてきましたが、今回はちょうど中間の価格となるCH5です。
NOTE版の方でどちらもレビューしていますが、それはそちらを参照していただくこととして、CH5はパイオニアの自社開発ドライバーを搭載していて、より価格の高いCH9と同一ドライバーです。
デザインも同じようなものなので音の違いはチューニングの違いということになりますので、CH9のレビューを読まれた方は「パイオニアドライバーの可能性」というのは憶えていてくれるかと思います。
そういう訳でCH5を見ていきたいと思います。
パイオニア Pioneer SE-CH5BL イヤホン カナル型/ハイレゾ対応 ブラック SE-CH5BL-K 【国内正規品】
- 出版社/メーカー: パイオニア
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
Pioneer パイオニア SE-CH5T-L ブルー ハイレゾ対応 カナル型 イヤホン イヤフォン 【1年保証】 【送料無料】
- ジャンル: ヘッドホン・イヤホン
- ショップ: eイヤホン楽天市場店
- 価格: 4,190円
【悲報】 低音病と中華イヤホン難聴 続出か?
イヤホンやヘッドホンを聞き続けると「難聴」になる、と云うことはよく云われています。
聴力は何もしなくても20代をピークに落ち続けていきますが、それを加速させてしまうのがイヤホン・ヘッドホン難聴です。
僕はこんなブログを書きながら日常生活では「車の中」以外はほぼ何も聞かないので、レビュー時にのみテストソースを流しているだけだったりします。
それでもカスタムIEM系の装着がバシッとすぐに決まらなかったり、バーンイン時間が長めの変化の大きいイヤホンだと2-3時間聞くことになるので注意はしています。
ちなみにDP-X1でレビューテストするときの音量レベルは100-120でテストするようにしているので比較すると「大音量」という事になるでしょう。
実際、これくらい出さないと特徴が出てこない。
音響機器で問題なのは設計時想定音量まで持っていかないと本領が発揮されないこと。メーカは発表していないがスピーカーでもヘッドホンでもイヤホンでも必ず設計時の想定音量があり、それはたいていの場合「高め」にとられています。
わざわざ小音量で本領を発揮するイヤホンなど無いと考えられるわけです。
デジタルですとアンプ側の音痩せがないのでイヤホン側に注力すれば良いだけですが、これがアナログアンプだとボリュームをグイグイ回さないとギャングエラーが出たり音痩せしたりとアンプ側も力を発揮しません。
イヤホンですとこのようにデジタルアンプ側の変化が無視できるのでラクなんですが、それでもイヤホンも音量は高くしないと本来の音が出ません。
小音量で何が問題かと云えば、帯域バランスと音色が大きく変わってしまう。
ちなみにこれまでの数々のテストでは少数ながらも音量が低めの方が帯域バランスや音色・あるいは低音がビシッと決まるケースもある事はあるのですが、そういった特殊なケースではレビューに書いてあります。
ですが実際はそういった小音量で設計されたイヤホンなどほとんどありません。
なのでイヤホンを十全に楽しもうと思えば必然的に音量は大きく取ることになります。
これがマズい。大変マズい。
これを長期に長時間続けているとヘッドホン難聴になってしまう。
つまりガツンとそれなりの音量でイヤホンを楽しむのは一日一時間くらいにしておきましょう。
それから僕が「中華難聴」と呼んでいるお話をしておきます。それから「日本難聴」のことも。
中華イヤホンを聞き続けていると「帯域バランス感覚」が狂います。低音が強すぎるのです。適正帯域バランスから10段階評価で2.5段階くらい低音量が多いのですが、実際はそのようには録音されていないわけです。
中華を長く聞きつづけるということはその点に留意しないと僕が中華難聴と呼んでいる低音病に掛かってなかなか戻ってこられないので注意しましょう。
それから日本難聴。
これも根深い。
こっちは中域の上の方から高域にかけてやたらと強調する音作りで日本人が非常に好みます。音楽としてはエッジが尖ったとんでもない音なのですが、日本イヤホンはみんなこれです。一部例外がありますが、finalとかSONYとかJVCあたりのイヤホンはものによってはまだマシです。
こう言うイヤホンを長く聞くとエッジの感覚がおかしくなります。刺激感が非常に強いので耳がこういったジャパニーズサウンドになれてしまうと「適正な音作り」がつまらなく感じてくるのでこちらも注意しましょう。
ああそれから、ある程度の年月イヤホンなどを聞き続けていると物理的な耳の劣化が大きく、普通に適正バランスのイヤホンなども「パッとしない」ように聞こえるなどと言う事が起こってきますのでこちらも注意して下さい。
要するに短時間パッと聴いて楽しんだらあとはyoutubeでも見ていれば良いのです(笑)
あるいはスピーカーでも聴きましょう。
【レビュー】 KZ ZS10pro 一年ぶりにアップデートされた10proを斬る
こちらはWTSUNオーディオさんから初の提供を受けたレビューとなります。忖度は一切ありませんのでそのあたりはご了承を。
できればWTSUNオーディオさんの侠気に応じてtwitterなどをフォローして貰えるとありがたいです。
KZの片側5発の多ドラであるZS10のアップデート版のモデルナンバーを持つ10proとなります。
ZS10が2018年半ば頃の発売となりますので既に一年ぶりとなります。
同じく片側5発の多ドラ機。
ZS10がしょうもない多ドラの音だったので今回のproにも余り大きな期待はしていませんでしたが、2018年になってKZはボーカル周りの特性を大幅に改善してきたこと、また2019年に入り、ZS7で多ドラ特有の音のチグハグさを大きく改善してきたので、今回の10proでどのような音作りになったのかは期待半分で待っていたことも事実です。
多ドラと云えばKZ ZS5からZS7と云う進化を遂げましたが、それ以外の多ドラのモデルが本当にしょうも無い。
【KZ ZS10proスペック】
■モデルナンバー KZ ZS10pro
■ドライバー 1DD/4BA
■感度104db
■インピーダンス32Ω
■周波数特性 7Hz ~ 40000Hz
■コード長1.25メートル
バーンインは基本がBAなのでほとんど必要なし。低域周りを担当するDDも安定しているので30分ほど回せば十分です。
ハウジングはちょっと大きめなので耳の小さい方は要注意かも知れません。僕は特に問題ありませんでしたが。
【KZ ZS10pro音質】
KZの多ドラですが、傾向としてはずいぶんと設計経験が上がったようで、各部のブラッッシュアップが進んでいます。
基本傾向は最近のKZの多ドラの音の傾向そのもので、どれもこれも似たような音。つまりニュートラル系のドライバで帯域バランスは低域ブースト気味のいつもの中華。音色はいつものKZよりも更にほんのわずかに明るめです。
低域周りはKZの標準量である10段階評価で7クラスのブースト量。
ただし、わずかですが低域の階調表現力が上がって低音にタイトさが出ています。低域周りのエッジや膨らみははいつものKZで、良くも悪くもありませんが、こちらの10proは他の低域が良く出来たKZに比べるとごくわずかに低域が向上していると思われますが大した差ではありません。
中高音域のエッジは比較的立ち気味で音はとても硬いでしょう。この辺はZSNクラスでKZの中でもエッジが尖り気味で明瞭度が高めとなっています。
ボーカル帯域周りの特性であるフラットさは、これもまた非常に優秀でほとんどモニターイヤホンクラス。このあたりの出来の良さはここ2年ほどでKZが力を入れている部分となっていて、それを踏襲している10proも見事の一言。ボーカルもよく前に出ます。音の明瞭度も高めで、ボーカルもほんのわずかに明るさがプラスされています。
この10proは大きな欠点もない代わりに各部が非常よくブラッシュアップされていて、派手さはありませんが極めて真面目な音でしょう。
多ドラとしてはZS7クラスの出来の良さですが、何か特徴はと云われれば「特になし」と云わざるを得ません。逆に言えばこれだけのドライバ数の多ドラでこれだけ「普通に聞けてしまう」のは驚くべき事なのですが、そこが評価できるかどうかでしょう。多ドラとしてのこの自然さは特筆すべき事なのですが・・・。
単に派手な音でクロスオーバーのおかしなチグハグな音を聞きたいのならこちらの10proはオススメできません。
片側5発のドライバを実装したイヤホンとしては非常に良く出来ていてZS7ではその強めの低域が特徴のひとつでしたが、一言でまとめればここ最近ではもっとも良く出来ていたZS7の低域量を減らしてKZの標準低域量にしたイヤホンと言えます。
この10proはこれまでのKZの設計と音のトレンドを集大成したようなイヤホンで、あくまでいつものKZの音を自然に追求したイヤホンだと考えると納得が行きます。
【KZ ZS10proまとめ】
一言で云ってKZのよくなった部分を受け継いでいるので、ボーカル周りの特性も多ドラとしての音のナチュラルさも改善されていて悪い物ではありません。むしろこれまでのKZの集大成のような音になっていて、とても良く出来ています。
それは間違いないんですが・・・・。
KZの音そのものなんです。
どういう事かというと、僕などほぼすべてのKZのイヤホンを何年も聴いていて、これも2018年になってES4あたりでKZの音のトレンドがハッキリと固まってきたわけで、方向性として「クール系」に振ってきているわけです。
それ以降のまともなKZイヤホンが全部クール系になっていて、音の傾向が全部一緒です。大差は無いというか、その途中でAS10のような面白いものを出すので要注目なんですがフルBAなんで一般向きの音ではないのです。
この流れの中では多ドラでの直近ではZS7を推奨しているのは余り低音が得意とは言えないKZの中では意欲的にいつもよりブースト気味だが低音域を改善して重低音を出力してきたZS7がユニークで面白いイヤホンであるわけです。
要するに全部傾向が同じ音の中で、限られた範囲で「音作り」をしてきているのですが、これにはさすがに飽きてきました。
ですので最近の多の多ドラを持っているのなら、こちらの10proまで必要かというと極めて微妙。ハッキリ言って差が小さい。それでいて以前のものよりもどれも確実に改善/改良されているので「中華特有のエッジの立った硬い音」はそのままで細かい部分が良くなっているのは事実なのですが、傾向が全部一緒。
こちらの10proも以前のZS10と比較すると本当に「普通」になっていて、チグハグさもなければボーカル域のフラットさもとほとんどモニターイヤホンクラス。低音域もZS7よりも量は少ないが低音の出来はいつものKZの良い方の音で妙な膨らみも少なく、良く出来ていると云えば良く出来ています。
買っても後悔するようなものではなく、以前のZS10比較では全体的なレベルの高さは相当に良くなっているのもまた事実。
ただ最近のKZを何本か買っているとすると、基本傾向がまったく一緒で細かい部分がちょっとずつ違うイヤホンがドンドン増えているのでその点で購入意欲が失われる。
なので10pro自体の出来は良いのですが、もう既に何本か持っている人は買う必要はありません。似たような音のイヤホンが増えていくだけです。
ただZS7では低音が多すぎる、あの傾向の音でもう少し低音量が少なめなものが欲しいと言う方には刺さるでしょう。また初心者の方でまだ何本も持っていない、と云う方にとっては今までKZの音の集大成のような細かい改良が積み上げられ、方向性としてもKZの音そのものなのでここから始めると幸せになれます。
もっと言ってしまうと、ZS7やらAS10やらと、特徴的なKZのイヤホン以外を全部処分してこちらの10proにしてしまう、と云うことも有りです。ニュートラル寄りのクール系KZの音の完成形と言える音は出てはいますので。
KZの中の人にそろそろ云いたいのですが、「音の基本的な傾向にもう少しバリエーション」を持たせないとそろそろ飽きられる。音質が全部一緒じゃねーか。ウォームでもう少し柔らかい音のイヤホンを出して欲しい。
総合評価〇 これまでのKZの多ドラの音の集大成。
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