【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

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【レビュー】KB EAR F1 イヤホン 大人気1BA機?

 

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中華の1BAイヤホンです。

こちらはeasyearphoneさんからレビュー依頼を頂きました。いつもの如く「好きに書かせて貰う」というのはお約束させていただいたので受けた次第です。

 

easyearphoneさんのお話しでは「こちらのF1イヤホンは大変評判が良い」と聞いています。もちろん当ブログにレビュー依頼を出すのですからメーカーや販社としてもそれなりの自信作である事が多く、依頼を受けたものは端からゴミというケースは最近は少ないようで嬉しい限りです。

 

僕の方も中華イヤホンよりも最近はNOTE版でコアな読者様と共に国産や海外品を買ってはレビューするという日々を繰り返していますので、久しぶりの中華イヤホンとなります。

  

高評価アマゾンレビューはこちら。ちょっと桜っぽいです。

 

【KB EAR F1スペック】

 

■モデルナンバー KB EAR F1 
■ドライバー 1BA
■感度105db
■インピーダンス22Ω
■周波数特性 20 - 20,000Hz
■コード長1.2メートル

 

デザインが非常に良いです。所有感をくすぐられるところがあり、秀逸で面白いと思います。イヤホン自体は軽さがありよく出来ています。

 

左右の判別が独特で・・・ロゴが内側に来るように装着します。これが分かると一瞬です。

 

バーンインはBAにもかかわらず多少必要です。音だし直後に音のなまりが大きいので10分ほど様子を見ましょう。BAドライバなのでそれ以上鳴らしても音は変わりません。もし変化したように感じたとすると単なる耳の鳴れと思い込みです。

 

 

【KB EAR F1音質】

 

1BA機というとかなりチューニングに気を遣わないと単なるゴミと化す可能性が高く、一般的なチューニングの方向としてはBAらしさを追求していくか、それともDDっぽくチューニングしていくかという方向が考えられます。

 

こちらのF1はまずDDっぽいチューニングの方向にベクトルを振ってあると言えます。なのでBAらしさがかなり薄くなっていると言えるでしょう。

 

こう言うベクトルでのチューニングを指向する場合、とにかくナチュラルな音を目指すべきなのでよりチューニングの難易度が上がると言えます。

 

こういったBAとしての前提を踏まえた上でF1の音をレビューしたいと思います。

 

 

基本的な音の方向はスーパーウォーム。かなり音色が暖かく、ちょっとBAらしからぬ暖かさがあります。音の暖かいBA機もNOTE版では紹介しましたが、それよりも更に暖かい。音の傾向としては派手さとパワー感のない音といえます。

 

帯域バランスは1BA機らしく低音が少なめとなっています。低音量としては4.0なので比較的頑張っているとは言え録音時適正レベル4.5にもわずかに達していない量だと言えます。

 

低音の質感にしてはかなりタイト気味でしょう。そして問題点ですが、とにかく低音の下側の帯域がゴッソリと削り取られているので音が出てきていません。BAでの低音の場合重低音は最初から捨てて掛かりますが、それより更に上の帯域が出てきていないのですが、これは安い1BA機はみんなこんな感じなので致し方無い部分でしょう。

 

低音のパワー感に関してはBAとしては比較的頑張っていると感じます。1BAとしてなら中々よく出来ていますが、このあたりもDDにはとても適わないところ。

 

全体の帯域バランスとしては完全なかまぼこ型。低域も高域も出てきません。またバーンインして鳴らし込んでも最初から出ない音が出てくるはずもなく、これは変わりません。そもそも低域側はBA特有の問題です。ただ高域側は意図的にこういう音にしてあるのでしょう。

 

ボーカルフラットはかなり出来が良く、キッチリ中域を詰めてきているところは好感が持てますが、激しいソースではボーカルが奥に引っ込んでしまう。

 

このF1イヤホンの最大の特徴は音が非常に柔らかく、エッジが優しいところでしょう。高域側が少しハイ下がりを起こしているイメージなのですが、音はかなりマイルドです。音に迫力がないのはBA機の特長のひとつですが、単にそれだけではなくF1の場合高域側に派手さがないので鈍ったような音に感じます。

 

何かがほんの少し足りないイメージでしょうか。

 

F1イヤホンの最大の問題点ですが・・・・スーパーウォームかつ音色が独特で元の楽器の音をかなり書き換えてしまう事でしょう。この為、ピアノで云えばスタインウェイとベーゼンドルファーの区別が付けづらい。両方のピアノが同じような音色で鳴ってしまいます。

 

特徴をうわ書きしてF1の音に変えてしまう。

 

ボーカルも声色自体が少し変質してしまうようで本来の声のカラーとは違います。

 

BA機では迂闊に作るとよくあるのですが、F1の場合は歪みなどではなく独特なテクスチャーというか質感が音に乗るのでそれが極端に強いと言えます。

 

良いか悪いかという事で云えば「正しくない」とは云えますが、このちょっと異質な音をどう捕らえるかという事でしょう。個人的にはここまでハッキリと音色を上書きしてしまうのはちょっと問題だと云えますが、弦楽器向きのチューニングでしょう。

 

それから非常に大事なところなので書いておきます。このイヤホンは音量調整に非常にシビア。小音量だと音が鈍り、帯域バランスも悪化します。大きめですと今度はドライバが根を上げて音が混濁し始めます。

 

ちょうど良い音量というものがあるのでその部分で聞きましょう。ただし、その適正音量でも厳しいソースでは音がゴチャゴチャします。

 

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【KB EAR F1まとめ】

 

一言で云うと1BAの音です。帯域バランスや低域の出方などすべて含めてそのまま1BAの音。そういう意味ではこれが人気があるというのは信じがたい部分があります。

 

ただし、非常に独特な音色を持つのでその部分が他の1BAイヤホンとはちょっと違うというところなのでしょうか。この音色もかなり変色してしまっているので元の音色がよく分からなくなり、なおかつすべての音をスーパーウオームでF1っぽい音に書き換えてしまうのですが・・・

 

F1はナチュラルな音ではありません。人工的と云えば少し人工的なのですが、なんとも言えない不思議な音色がします。

 

また、ドライバが混濁しやすいところがあって、これもそこら辺によくある1BAらしいと云えばそうなのですが、ソースによっては極端に分離が悪化します。そのケースではボーカルも奥に引っ込んでしまうので注意が必要です。

 

比較的アコースティックなソース向けで楽しむべきでしょう。あるいは弦楽器など。音がユニークなのでジャンルをかなり選ぶと言えます。またソースによってかなり不安定な音の出方をします。

 

価格から云って1BA入門機とは云えるのですが、もともとBA機は市場では人気がないので・・特に1BA機は相当にチューニングに経験を突っ込まないとまともな音がしないとはいえるので、リセールバリューで考えると暴落するのが関の山でしょう。

 

このF1イヤホンはいわゆる1BAの特徴を持った音ですが、スーパーウォームで音が柔らかいという事に極端に振ったという面白いイヤホンではあります。そういう意味では唯一無二ですが、よく聞けば色々と弊害も多く、オススメできるような代物ではないと判断します。

 

低価格1BA機はちょっと厳しく、1DDで探した方がよりよい結果をもたらせてくれるでしょう。BA機の場合まだ中華では一流ブランドのチューニングにはとても適いません。

というよりも日本ブランドでも厳しいです。

 

総合評価△ ユニークな音で頑張ってはいるが出来はイマイチ

 

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今回お世話になったeasyearphoneさんはこちらへ。たぶんもう二度とレビュー依頼は来ないでしょうが、お店自体は返品交換などかなり問合せにも良心的に対応してくれるのでみなさん利用して下さい。

 

国産や海外イヤホンのレビューはこちらへ。 note.mu 

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