ロスレス音源とMP3は聞き分けられるのか?【コラム】
ロスレス音源とMP3などの圧縮音源に「聞き分け可能な差」があるのかどうなのかという科学的に有効なABXテストの結果ですが、統計学的には「聞き分け不能」というのが答えとなります。
つまり、WAVファイルとMP3/320kbpsで比較した場合、聞き分けられると言っている人は「嘘をついている」とも結論づけられます。
でもこれって「本当なの?」という話しをしたいと思います。
というのもここで語られているのはシステムがよくわからないからです。
ちなみに忙しい現代社会なので僕の結論を言ってしまえば、次のようになります。
■イヤホンではおそらく不可能
■入門クラスのピュアオーディオはたぶん無理
■判別可能なのはミドルクラスよりも上のシステム
と云うことになります。
と云うのも僕のメインシステムはだいぶ前にネットワークプレイヤーを導入してSACDプレイヤーも処分してしまいました。
もともとトランスポートとしてしか使っていなかったのですがDAC部分を使わないとそもそも差が出てこないので意味がないと判断したからです。
音源はすべてNASの方でデジタル的にスマホやタブレットで管理して音楽を好きに選択して流せるようにしていますが、時々、間違えるのです。
なにを?
僕はお手軽お気軽に聞く為にすべての音源をロスレスとMP3/320に二重化しているのです。
フォルダ分けしてスグに区別できるようにしているのですが、メインシステムで聴く場合は当然ロスレスを選択します。
これを間違えてMP3音源の方を時々流してしまうことがあるのです。
初めてこれを間違えたときは「てんやわんや」となりました。
あれ?音がおかしい・・なんだ?いや、こんな音出るわけない、と。
ひとしきり電源を入れ直したりケーブルをさし直したりしても音は変わりません。
なんだかんだとシステムを見直したりしていると何のことはない、MP3を流してしまっていたのでした。
このミスを時々やってしまうのですが・・二度目以降はだいたい30秒も流せば100発100中でミスに気がつきます。
ところがです。
同じ事をサブシステムの方でやってしまっても基本的には判別できるのですが、曲によってはまったく分かりません。
サブと言えどもハイエンド系なのですが、プリ系のノイズフロアがかなり高めなので普通のシステムよりちょっと難しくはなっています。
この事から分かるのは、ロスレスとMP3の判別可能かどうかはシステムによる、と云うことなのですが、関わっていると思われる部分は2つです。
■プリアンプの性能
■スピーカーの性能
おそらくDACとかパワーアンプ部分は関係ありません。
そして、これが判別可能なシステムになると「音源」を非常に選びます。
ですが、ではそういったシステムの方が優れている、のかどうかはまた別問題で、なんとも答えが出せません。
ただ一般的に言うのなら、こういった「繊細で敏感なシステム」は難易度としてはピュアのミドルクラス程度なら可能なのでそれほど敷居が高いものではなく、別にわざわざ目指すと云うことのほどでもありません。
ちょっとだけ注意しなければならないのは、こういったシステムではスピーカーが「一定水準以上」に達していないと、聴く音楽のジャンルまで選ぶようになってしまう、と云うことです。
何でも得意不得意の分野がスピーカーにはあるのですが、それでも「ある一定水準以上の音」が出せるスピーカならこの「偏り」がとても小さくなるのです。
この為、優れたシステムほど「平均的にどんなジャンルでも高いレベルで鳴らしてしまう」のです。得意不得意は当然有りますが・・・その差がとても小さくなります。
これが分かっていないと世の中に溢れている碌でもないスピーカーを手に入れてアコースティックな曲が得意だからとそればかり聴いたり、ピアノの音が良いというのでそればかりになります。
こういった場合、音源ではなく、たいていのケースでスピーカーなどの発音体の方の特性が「何か狂っている」といえます。
少し話しが脱線しましたが・・・ではイヤホンではどうか?と云われれば、たぶん100%不可能というのが僕の結論です。
そもそも10mm程度のドライバーとBAくらいではそこまでの「表現力」というのは備わっていません。
ピュアのシステムに無理矢理置き換えるのなら、どれを使っても低価格プリメインと入門用ブックシェルフ程度の実力が妥当なところで、残念ながらそれ以上には達しません。
これが分かっていないと50万のポタアンと30万の多ドラなら分かるのではないかと思ったりしてしまいますが、そもそもイヤホンという分野が属しているクラスそのものの「限界」なのですから、それを乗り越えるというのはそれこそ「非現実的」だといえるでしょう。
と云うわけで、なんでもそのクラスが属する上限の中で分をわきまえて「最高」を目指せば良いのです。
少なくとも「聞き分けられないシステム」にも「鈍感な良さ」というのがあって、比較的ジャンルや音源を選ばずに誰でもお気軽に音楽が楽しめるという重要な使命があるのです。
【コラム】 ハイレゾやエージングなど為になる記事を貼る
気になった記事を幾つか紹介します。
ハイレゾに関する記事です。
僕はハイレゾはオーディオ業界の詐欺だよ、と昔から言っていますが・・・そういう僕もSACDの時代には散々ハイレゾを聞いてきたので、その結果そう言っているわけです。
キチンと言っておきますがハイレゾなんかにこだわるよりもCDクラスの音源での「優秀な録音」の方にこだわった方が遙かに得られるモノは大きいです。
ピュアの人間が「優秀録音盤しか聴かない」みたいなことになっているのはちゃんと意味があるのです。
ですので「キチンとその音が録音されている」ということは大事な事なので、ちゃんと録音されている音源に徹底的にこだわりましょう。
まれに「録音されていない音」を聴こうと必死になっている人も見受けられますが・・・。
追記
僕がSACDを好んで買っていたのは別にハイレゾだからではありません。
当時のSACDは二層でCDとSACDが同時に記録されていたので好きな方を聞くことが出来たのです。
また、SACD化されるような音源は「録音が良い」ものが多くマニア向けだったのです。
この為、余程のことがない限りSACDを購入しておけばOK、と云うことでもありました。
ところが今は「ハイレゾ詐欺」の一環でマスター音源がデタラメなものが多く、何の保証もないので録音に関しても博打になっているのです。
まぁ、「科学的」に考察すれば当然こういう結果が得られます。
理論は分からなくても「音と真摯に向き合う」という姿勢がある人はこういう結果にしかたどり着かないはずなのですが・・・
要するに「音の脳内補正」のお話しです。
そのほかに身体のコンディションとか色々あるので毎日音は変わります。
これは致し方ないのです。
それを無理矢理、機器の変化と結びつけるので話しがおかしくなるのです。
変わっているのは主にあなたの「脳内解釈」です。
ただ、バーンインは行わないとダメです。
特にイヤホンは・・・音を聞く限りはそうです。
いつもの「イヤホン測定結果置き場」のエージング関係の記事も掲載しておきます。
最近更新が滞っていますので返す返すも残念なことです。
日本のイヤホン界の損失であると僕は思います。
イヤホンのエージングと音質 実験その1 イヤホン測定結果置き場
CHORD社のDACエンジニアのお話です。
結論だけ言えば「DSD」は細かい音が消えてしまうダメな音源ではないかと云う事です。
それ以外にはあくまでDACの売り手の意見なのである程度間引いて話を聞く必要はあります。
ここで語られていることも「最新のDAC」ではどれも大して変わりません。
あくまで「可聴帯域外」の聞こえない領域でのお話しです。
ただ個人的に衝撃を受けたのは当時でもDAC一個の価格が1-2ドルだったということです。
今はもっと安い、と云うことになるのでしょうか。
ちなみにCHORD社は昔からFPGAですので汎用DACは使いません。
最近のものは分かりませんがマルチビット時代のCHORDのDACは倍音がかなり多めに出てきていました。
硬いハウジングのスピーカに合わせると良かったのですが、木製の響きの多いスピーカーだと音がボケていました。
【次回予告】KZ ZSRとED12
ED12は着弾済みなので、気が向いたらレビューします。
更にKZの新作であるZSRも購入完了していますので、これまた近日中にレビューできると思います。
ZSRを購入予定の方でレビューまで待とうかなという奇特な方はしばしお待ち下さいませ。
これで主要なKZはほぼレビューを網羅しつつあるなと感慨にふけっています。
もちろんこれからも売れ続ける限りハイペースで新作を出し続けるでしょうから、KZの進行が止まることは当分ないと思いますが・・・
しかし次から次へとイヤホンが発売されるのでもう切りがないと思い始めている自分がいます。
この間見掛けたブログでは、なんとポータブルオーディオに気がつくと数百万円突っ込んでいてある日突然ハッと我に返った人がリンクを張ってくれていましたが、気がついたときには借金に溺れていたそうです。
うーん。
100万円あれば最短コースでブックシェルフならハイエンドの音が聞けるのですが・・・
あとは、カスタムIEMをEイヤで眺めていたら・・こんなことが書いてありました。
「聴いている内に見えてくる音の輪郭と音像の深度を追求したモデル」
なんのこっちゃと。
あのですね。
スピーカーでもいま「音像」など明確には出ません・・・
そもそもこの音像というのも音場と同じく脳内補正による錯覚なんですが、スピーカーの音場はイヤホンと比較するともう次元が違います。
広がりもレベルが違いますが、音像なんてまずもって正確には表現できないです。
このあたりはピュアの人間でも正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。
追記
まずED12のレビュー完了致しました。
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追記
KZ ZSRのレビューを掲載致しました。
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【レビュー】ゼロオーディオ ZH-DX200 テノーレ VGP4年連続受賞モデル
総合評価△
かつてMONOQLO誌特別編集「安くて音が本当に良いイヤホン・ヘッドホン」のアンダー5000円以下ランキングで1位と2位を独占したゼロオーディオ。
その総合2位を獲得したテノーレです。
ちなみに1位は低音強化版のバッソとなっています。
今回はアンケート結果からテノーレをレビューして欲しいという声が圧倒的だったのでテノーレを選択しました。
中華格安イヤホンと真っ向勝負できる価格帯の「日本ブランド製」の実力はどの程度なのかという事を知りたかったことも有り、ゼロオーディオと云う聞き慣れないメーカーでしたが選択したというわけです。
ただ、この手のランキングはたいていの場合、編集部の人間が行うわけではなく外部から招聘したミュージシャンや評論家が中心となって点数付けを行います。
【ゼロオーディオ ZH-DX200 テノーレ・スペック】
【ゼロオーディオ ZH-DX200 テノーレ音質】
音質は若干ウォーム気味のドライバー搭載で、地味めの音。
出音は帯域バランスの優れた部分から来るモニターチックな鳴り方をしますので、派手な傾向の音ではありません。
当ブログの読者のためにあえてKZでテノーレの立ち位置を指し示すとすれば、中段グループの上位という所でしょうか。
まず素晴らしい点をあげると「帯域バランス」に関しては高く評価できます。
ほぼATRクラスのリファレンスバランスですが、ATRよりもバランスは良いです。
この点で言えば素晴らしいとしか言い様がありません。
ちなみにATRよりもほんのわずかに低域は弱めとなっています。
60Hz付近より上の低域に関してはATRよりも輪郭が明瞭で階調表現も優れています。
このバランスでこの低域表現能力は高く評価できますが、いくらかボケ感があるので最高というわけにはいきません。
ただし、大きな問題は60hz未満に有り、とても出にくい帯域があります。
特に重低音は非常に出にくいのでソースによってはほとんど出ない、と云うことに注意が必要でしょう。
おそらくこの事が原因だと思いますが音楽全体がかなり軽く感じられます。
ボーカルの質は並で、凡庸な性能ですが、明瞭度は比較的にしっかりしています。
ボーカルは少し引っ込み気味で、ほんのわずかに正体不明の質感が載るので気になる方はきになるでしょう。
ただ雑味とは言えないので、おそらくこのイヤホンの味のひとつなのかもしれませんが、あまり質感の良いモノだとは言えません。
また中高音域のエッジはニュートラルよりも少し尖り気味で、この点でも評価を下げざるを得ませんが、他の攻撃性の高いエッジを持つイヤホンからすれば十分に満足できる範囲にはあります。
【ゼロオーディオ ZH-DX200 テノーレまとめ】
駄作ではありませんが、期待していた性能には及びません。
やはりこの価格帯で正面からぶつかり合う形での中華イヤホンとの戦いは非常に厳しい。
帯域バランスや60HZ以上の低域は評価すべき音が出ていますが、それ以外の帯域は「普通」かもしくは「劣っている」と云わざるを得ません。
このテノーレが約3500円という事を考えると、おそらく中華がまったく同じモノをだしてきたと仮定すると価格的には1000円~1800円あたりの値付けだと思われます。
この価格帯でも極めて優秀な中華イヤホンが幾つも存在していることを考えると、「国産ブースト」が掛かっていないと勝負にはならない可能性が極めて高いのではないでしょうか。
ただ先ほども申し上げたように極めて優れた帯域バランスを持っているのである一点の低域に関するリファレンスイヤホンとして使うことも可能です。
以上のことから全体判断では△評価とさせて頂きますが、モニター調の鳴り方を得意とする傾向があるので「ユニークで特徴的な音のする」イヤホンではありません。
【MONOQLO誌のランキング評価について】
最後に書いておきますが、前述のMONOQLO誌のイヤホン評は全体としてはかなり的を得ています。
こちらのテノーレについては「クラシック向き」と結論づけていますが、その理由が重低音が出ないから、その音域に不備があるテノーレはクラシックが好適と云う事ですが、あまりにも結論が安易です。
バッソについては同じ論調で「POP向き」とのことでした。
なのでもし購入を迷った場合、テノーレよりも希望があるかもしれない低音強化版のバッソの方をオススメしたいと思います。
テノーレがこのレベルで2位という事は1位のバッソも大きく期待はできない可能性が高いと云うことは言えるかもしれませんが。
というのも、もしKZをランキングに入れ込めば、軽く5つくらいはテノーレよりも上にランキングされますし、その他の中華も入れてしまえば10位以内に入ることも現実的だとは言えないでしょう。
そういう意味で言えば既に「国産は低価格では太刀打ちできない」と何度も書いていますがそれ以外の結論にはならなかったとは言えます。
追記
VGP2013、2014、2015summer、2016、4年連続受賞とのことです。
このVGP受賞品の紹介は今回で2本目となります。
個人的には非常に疑わしい賞である、とのイメージは持っています。
よく国内最高権威と紹介されることが多いのですが、なんらかの意図的な方向性を持った力関係にて製品が選択されている可能性を色濃く感じます。
強いて言うのなら「モンドセレクション」的な・・・・
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ZERO AUDIO カナル型イヤホン カルボ テノーレ ZH-DX200-CT
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【レビュー】Linner lightningノイズキャンセリングイヤホン NC21
総合評価〇
非常にユニークなイヤホンが中華から発売されました。
なんとライトニング端子専用のノイズキャンセリングイヤホンです。
色々な意味で非常に興味をそそられるイヤホンなのですが、もともとNC(ノイズキャンセル)を実装すると音質は大きく影響を受けるため、「Bluetoothまとめブログ」でも書きましたがBOSE以外のメーカーでのノイキャンは褒められたモノではありません。
しかもライトニング端子専用という事はケーブルコネクタ部分にDACチップを内蔵しているという事を意味するので、このDACチップの性能が悪いとイヤホン側なのかDAC側の問題なのかの切り分けができずに音質への悪影響部分が単純に増えてしまい不利になる、と云うことは言えます。
普通に考えれば今どきのDACで問題のあるモノなどほとんどないのですが、アップル製品のDACは米粒何個分かほどの小さなモノで、この部分に純正DACではない素性の分からない中華製DACなど使われてしまうと、中華低価格DAPのように音がおかしくなるモノが中にはあるのです。
ようするに簡単に要約すれば「ライトニング端子専用イヤホン」は音質的にそれだけで不利になりがちな部分があり、ましてや更に音質的に不利なNC機能を実装しているという事で事前にあまり大きな期待はできませんでした。
【Linner lightningノイズキャンセリングイヤホン NC21スペック】
■正規MFI認証取得済み
■アクティブノイズキャンセル
■IPX4防滴構造
コネクタはライトニング端子専用です。
アップル製品に最適化されています。
リモコン部分の出来も良く、非常に多機能です。
【Linner lightningノイズキャンセリングイヤホン NC21音質】
ノイキャンをオフにすればこのイヤホンは普通の有線イヤホンとして楽しむ事ができますが、かなり優秀なので驚きました。
音の傾向が名機サウンドピーツのB30を彷彿とさせる音で、帯域バランスを含めて非常によく似ています。
そもそも普通のイヤホンではB30を比較対象に持ち出すことはないので、B30を基準に出来ると云うことは元々の素の性能が極めて高いという事が言えます。
ただし、細かな部分、特に中高音域の明瞭さが足りずに少し音に雑味が混じります。中高音域の輪郭は少し崩れ気味なところが見受けられますが、ごくわずかなので特に気にすることはなく、比較した場合にのみ気になる部分なのでこれ単独で聞く場合、そのまま問題なく聞けてしまうレベルです。
エッジの描き方も優しく真綿で撫でるような表現でとても優れています。
帯域バランスはB30と同じように低音がちょっと強めに入るタイプで、低音の表現能力もかなり優秀でした。
ノイズキャンセル機なのでもとから期待していませんでしたがいい意味で大きく裏切られたイヤホンです。
【Linner lightning NC21ノイズキャンセル性能】
これが中華製とは思えないほどの出来の良いノイズキャンセル性能でした。
BOSEのノイキャン性能にはもちろん勝てませんが、このクラスのBluetoothノイキャンとの比較であるのならばソニー製品よりも良く出来ています。
具体的に言えば 手持ちのSONY MDR-NWBT20Nですが、あちらはBluetoothなのでそもそも音質的に比べるのが間違っているとは言えますが、 アクティブノイズキャンセルをONにしても歪み感がとても少ない音で性能の高さを実感できる音です。
カタログ上のノイキャン性能は最大-28db騒音を低減することができ、特定の帯域の外来ノイズを90%低減できるとのことですが、色々なノイズキャンセル機を聞けば分かりますが、実際に聞くと「効果の低いイヤホン」などがあり、バックノイズもかなり盛大に聞こえる製品が多いのです。
更に加えてノイキャンを効かせると音が歪み出すものも多く、特に低価格ノイキャンはその傾向が強く出てきたりします。
消音できる帯域は低域の一部の帯域なのですが、消音能力的にはMDR-NWBT20とほぼ同等ですがイヤーピースーを丁寧に合わせて遮音能力を高めればもしかするとMDR-NWBT20よりも若干ノイズキャンセル性能は上になるかもしれません。
この為、エアコンの送風音くらいなら完全に消し去ってしまいます。
通勤通学などで電車などを使われている方は非常に有効な機能だと言えるでしょう。
しかもバックノイズの少なさではMDR-NWBT20を上回る静けさを達成しています。
ただし、それでもサーという背景音はかなり目立つので静かな環境で使用するのには不満が残るでしょう。
もともとイヤホン系は屋外使用を前提していますので、外で使う分には全く問題のない性能ですが、ノイキャン機能は打ち消す帯域の音量で強弱が変わるので、外の音がウルサければそれだけバックノイズは大きくなります。
ちなみに多くのノイキャン機で機能をONにすれば音の歪みが大きくなりますが、こちらのイヤホンはその歪みも非常に小さいと言えます。
唯一影響があるのがやはり低音域でノイキャンをONにすると低域の出方が若干おかしくはなりますが、それも許容範囲で価格を考えれば素晴らしいと言える出来映えです。
【Linner lightningノイズキャンセリングイヤホン NC21まとめ】
ライトニング端子専用ですが、気になる方は「買い」を推奨させて頂きます。
特に「通勤通学」で電車やバスを使われる方は要注目の機種だと考えます。
素の音質はかなり良く、そこら辺の訳の分からないイヤホンよりも遙かに良い音を持っていて、なおかつノイズキャンセルをONにすれば特定帯域の音を見事に消し去ってくれます。
いままで中華製のNC機を何機種か見てきましたが、それらを上回る出来映えの良さで静かな環境で問題になるバックノイズの大きさも1世代前のSONY製低価格ノイキャン機を上回っています。
この為、室内ではノイキャンOFFで楽しみ、屋外ではノイキャンを使用して自分だけの空間に浸ることができ、価格以上の価値を十分に感じられる良機です。
こちらは屋外使用を前提としたアップル製品使用の方に特に推薦させて頂きます。
価格は少し高めですがそれだけの音質と性能があるので満足感は高い機種です。
Linner lightning イヤホン ノイズキャンセリング ライトニングイヤホン MFI認証 マイク内蔵 IPX4防水 ハンズフリー通話 iPad iPhoneなど多機種対応 ローズゴールド
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【コラム】一般家庭で鳴らせる最高の低音はいくらくらい掛かるのか?
前回はハイスピードな音について書きましたが、今回は一般家庭で鳴らすことのできる最高の低音についてのお話しです。
主にスピーカーでのお話となります。
というのもイヤホンは確かに低音が出やすいのですがグレードとしてはお話にならないので、一般人が聞くことの出来る最高峰の低音への「道筋」について書いておきます。
さて、一般家庭で鳴らすことを想定した場合に新品で揃えるとしてスピーカーとパワーアンプのみでどれくらいの投資を行えば限界だと想像するでしょう。
これはスピーカーとパワーアンプで迷うことなく最短距離を走ったとしてだいたい400万円くらいかかります。
ですが最短距離でそこにたどり着くのはほぼ無理なので、試行錯誤を重ねると早い方で20年+1000万位は掛かるのではないかと思います。
更にこれ以外にプリアンプやプレーヤーなどに投資を行えばその分上限は上振れするので青天井になっていきます。
ちょっと道を間違うとそれでもたどり着きません。
どうしてこんなことになるのかというと「主に低音」の問題でペア100万くらいのスピーカーではどうしても「質の良い低音」というのは出てこないからです。
もちろんこれはブックシェルフではなく大型スピーカーの話しとなります。
僕の経験で言わせてもらえば小口径ウーファーの複数実装ではダメで、ウーファー一発で最低でも25センチ以上のドライバを使わないと物理的にどうしても出てこない音があるので、そうなると人の背丈ほどのスピーカーで重さがペアで100キロを超えるようなスピーカーが必要となるからです。
ですがここまでやると確かに次元の違う弾むような低音と深く沈み込む重低音で素晴らしい音が鳴ります。
しかもその音は混濁せず、身体に響くような重低音がきても他の音の邪魔をしません。
更にです。
スピーカーのグレードを上げると、つまりワンペアで500万以上クラスになる定評のあるハイエンドスピーカーではもっと次元が上がり思わず目を瞑るような低音が響き出します。
ですがこのクラスは普通の一般家庭で取り扱えるような代物ではなく、16帖のリビングではとても鳴らすことはできません。
最低でも20帖クラスが必要で天井高もある程度欲しいところです。
しかも部屋を防音してしまうと音が死ぬので響きを考慮しなければなりません。
つまりこのクラスになると自宅込みで考えるのでもはや一般人ではどうにもならないものなのです。
そこで一般家庭で鳴らせる最高の低音というと上述したように最低でもスピーカーとパワーアンプで400万位は掛かるという事になります。
この計算はスピーカーが300万でパワーアンプが100万くらいです。
ただパワー100万というのは経験のあるベテランが分かって選んだ場合の話しなので普通はまず無理でしょう。
ちょっとこのクラスの低音を鳴らすために試行錯誤すれば簡単に数百万が吹き飛ぶので・・・しかもそれでも「鳴らし切っている」方は数が少ないのです。
この原因は駆動力不足なのですが、これが簡単には分からないので困ったことになるわけです。
一聴する限りでは「キチンと音は鳴っている」のですが、更に上のパワーアンプで試聴すると「音が混濁している」ということになります。
このクラスのものになると、比較試聴を行わない限りベテランでも一聴して判断できる方はまず存在しません。
僕などもこれは簡単に判断が付かないのでどうにも困ったことになるわけです。
ただし、ここまでやれば一般家庭では他に比べるべくもない低音を聞くことが出来ます。
この辺りがおそらく最高峰ということになるでしょう。
逆に言えばそこまで情熱を傾けなければ本物の低音を聞くことは出来ません。
僕らピュアの人間が低音低音と騒ぐのはその音が簡単には出てこないことを知っているからです。
低音というのは凄まじいエネルギーが必要で、ある程度の大きさを持った一流のドライバーとハウジングの設計、それに見合うパワーアンプが必要なのです。
しかもこのクラスのドライバーを扱うためにパワーアンプは「緩めるところは緩める」ことができないと昨今のデジタルアンプのように「ただただ締めて制動する」だけになってしまいます。
もちろんこういった低音はイヤホンやヘッドホンで聴くのは不可能なのでどこで折り合いを付けるのかという事ですが、僕はイヤホンでは「階調表現」を重視しています。
というのもやはり質といういう意味ではどう考えても厳しいので、その中でも階調表現を追求するのが適切かなと考えています。
低音の階調表現が豊かに出てくるイヤホンは聞いている中でも比較すると優れている場合が多く、そもそもこれが出て来ないと次に進めませんので。
とりあえず満足はしていませんが、イヤホンではこのあたりにこだわって見るのもよいでしょう。
前からもうし上げていますが今のところ僕の聞いたイヤホンの中で中高音域と低音がどちらも素晴らしい、というものにはまだ出会っていません。
今の段階では厳しいソースを入れるとやはり低音域、特に重低音が入ると破綻したり混濁して崩れるのでまだまだ探し続けなければならないでしょう。
ちなみにスピーカーのハイエンドクラスの低音は一度は聞いておくべきです。
そうでないとどこまで行けてどこに行けないのか、というのが分からなくなります。
【コラム】当サイトのユーザー層について
当サイトに訪れている客層についてです。
とりあえず2017年の11/1日~12/16日までの一ヶ月半の直近のデータを公開しておきます。
まずはリピーター。
なんとリピーターが半数以上で51%を超えています。
それだけ定期的に訪れてくれる方が多いのかと思うと嬉しい限りです。
記事を1本書くとリピーターが65%を超えるので本当に励みになります。
ありがとうございます。
次に年齢と性別を公開します。
ほとんど野郎しか来ていません。
性別に関してはぼくのメインサイトとほぼ同じ感じです。
年齢は・・・幅広いです。
こちらも嬉しいですね。
以上、当サイトの基本情報の公開でした。
今回は単なる読者サービスです。
それでは。
【コラム】ハイスピードな音とは何か?
【コラム】 クソ中華イヤホンサイトの見分け方 追記版
以前の記事を一部改題して追記してあります。
要するにゴミイヤホンのレビューからそのサイトの信頼性を判断しようとする試みのひとつです。
以前からの読者の方は最後の追記から読んでください。
そのサイトが信頼できるかどうかは、AUGLAMOUR R8のレビューがあればそれを見るのが最も手っ取り早いです。
プラセボに汚染されているか、もしくは「サンプルレビュー」での提灯レビューでもなければさすがにAUGLAMOUR R8を「高評価」というのはあり得ないと感じています。
そもそもAUGLAMOUR R8は「音質が微妙な中華イヤホン」というレベルではなく、あからさまな駄作な訳ですから、この点では、サイトの信頼性評価のもっとも手っ取り早い評価指標となり得ます。
これを見て「サイトのAUGLAMOUR R8評価を書き換えて」しまわれたらどうにもなりませんが、ひとつの「踏み絵」にはなると思っています。
こういった「踏み絵」のようなイヤホンは各種ありますが、極端な駄作に当たった場合は、それらをイヤホンサイト信頼性の指標とするべきです。
特にHCK、easyearphoneさんは一部のインフルエンサーには容赦なくサンプルを提供したり、大幅割引するので、注目しておくと良いでしょう。
彼らが「今何を売りたがっているか」は注意深く見ていると分かるケースが多々あります。
はっきりいえばそれぞれお抱えの「イヤホンサイト運営者」を持っているという事です。
これも何度も言っていますが、万単位の中華イヤホンの初期レビューはほとんど「偽物」です。ほぼ全部ダメでしょう。
AUGLAMOUR R8程度の低価格中華イヤホンでも、レビューは「検索結果が激しく汚染される」のは周知の通りです。
よく見れば分かりますが「初期のサンプルレビュー」を見て購入した第二陣のレビューが今度はプラセボ効果で汚染されるので、続けてよく分からないポエムだらけになります。
なので「万単位」の中華イヤホンが欲しい場合は、とにかく初期品には飛びつかず、レビューが出そろうまで十分に期間を空けた方が結果的には良い場合が多いです。
最近では同じレビュワーが名前を変えて「カカクコム」などにも出没して工作活動するので、あちらの信頼性もなんとも言えなくなってきています。
この手の問題は中華特有の問題でもあり、しかもアメリカなどの海外レビューも中華に関しては似たような汚染があるものなので、真実がどこにあるのかは既に誰にもわかりません。
追記
新たに「ゴミイヤホン」を書いておきます。
これはBluetoothイヤホンですがサウンドピーツのQ30です。
サイトのレビューを見るときにR8と同時にこれらのレビューを探して「絶賛」もしくは「賞賛」であればかなり疑って掛かった方が良いのではないかと思われます。
特にQ30は価格が疑わしくなるほど酷い音で・・・CSR8645チップを実装しているはずなのですが、この音は8645の音ではなく、8640のゴミチップでは?とかなり疑わしい音がしています。
ただ、8640だとAPT/Xではないのでさすがそこまで嘘ではないだろうとはおもっているのですが、それにしても酷い音です。
8645ならむしろどうやったらこんなに酷いイヤホンになるのかと思います。
特に低音が・・・かなりマズいです。
なお、ゴミとまでは言えませんがZS6が賞賛されている場合も気をつけた方が良いと思われます。
そもそも賞賛するような音は一切出ていません。
もともとがZS5系統の音なのですが劣化が酷くお話になりません。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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【サイト紹介】自作備忘録(カスタム IEM 自作)
ウチは孤独なサイトなので滅多に他のサイトの紹介はしません。
特にプラセボ派の中華イヤホンレビュー界隈からは「蛇蝎の如く嫌われている」ということもあり、特に僕のサイトのせいでダメージを受けているサイトもないとは言えず、そういった方々からは批判を浴びてもしかたありません。
また、プラセボの影響を受けるので他サイトのレビューもほとんど目にしませんので、いつも孤独にイヤホンをレビューしているというわけです。
と云うわけで、うちのサイトはリンクを貼ってもらえることもほとんどありませんが、そんな中でも「奇特なサイト」があってリンクを張ってくださる自作カスタム派の硬派なサイトを紹介しておきます。
僕は手先が死んでいるので器用なカスタムなどまったく縁がありませんが、世の中には色々と凄い方がいるモノで・・・ベースとなる優秀なイヤホンを基礎にして改造をしているようです。
なかなかにおもしろいサイトで、なおかつうちのサイトのイヤホンレビューを参考にもしていただいているようなので皆様にも紹介させていただくことにします。
これがポエムサイトならまずもって紹介はしませんが・・・いやはやこの方はなかなかに良い耳をお持ちのようです。
本来なら1本手に入れて「音の差はどうかな?」と行きたいところですが、そういう訳にもいかないので分解図やロット違いの音の差などを参考にさせて頂いています。