【次回予告】 KZ ZSA
KZ ZSAが出荷開始されたので、急遽、こちらも購入しました。
次にED16が来るはずなのですが、もう「いい加減にして欲しい」というレベルの発売スピードでたぶん「音作り」というのがある程度疎かになっているような気もしてきた今日この頃です。
元々明確な「意志」を感じるメーカーではありませんでしたが、最近の方向性としては「クール系」のベクトルを感じたりもします。
ここ直近ではES4の出来が良かったのですが、これは「ほとんどES3」なので新たに音を作ったという訳ではなく、あくまでマイナーアップデートの域にある新作です。
さてさて最近のKZの音作りがクール系のベクトルへ進んでいくのかどうか?このあたりの試金石になるかもしれませんので新作ZSAに期待したいところです。
既にZSAの出荷は始まっていますので、予定通りならそうお待たせせずにレビューできると思われます。
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【次回予告】KZ HD9とfinal E3000
ATE/ATR系と思われるKZのイヤホンHD9を発注しましたので、次回はこちらになります。
音質的にどうかというのは分かりませんが、あの系統なら1度はいっておくべきかと考えたのと、DMにて教えていただいたので行くことにしました。
あまり期待できるようなものではありませんが、ダメならコレクションだと割り切った次第です。
ここ最近は良いイヤホンに出会えず悶々としていますが、ZS10の出来がイマイチ悪かったのでリベンジを兼ねています。
次のレビューの候補です。投票お願い致します。
— luna-luna (@lunaluna226) 2018年5月10日
機種の詳細はブログを参照してください。
さて更に国産のE3000にも突っ込んで行く予定です。
こちらは以前の記事でランキング1位とされたので行く予定でしたが、国産の低価格イヤホンの実力はもうたかがしれているというのもあって、できれば日本製を酷評したくないという心理があるわけです。
E3000はスペック上で6.4㎜ドライバとなっていますので、こういったマイクロドライバだと低音に難がある可能性が高く、特に重低音が出にくいのではないかと危惧したりもしました。
まぁ数々の賞を受賞しているとはいえ、日本の賞はかなりアヤシいので・・雑誌のランキングを含めて「忖度」されているのではないかという疑念も拭えず躊躇していましたが、前回のtwitterでの投票にて堂々のレビューして欲しいナンバーワンに輝いたのでやはり行ってみる次第です。
追記
HD9の記事を書きました。
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追記
final E3000の記事を書きました。
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【レビュー】KZ ES4
KZの新作であり、1DD+1BAとなっています。
写真上ではZS10のドデカハウジングと同デザインに見えるので懸念していましたが、デザインは同じながらも一回り小さくなっているので装着感はかなり向上しています。
ZS10を見た後ではこれはポイントが高い項目です。
より人を選ばないようなデザインになっているように感じます。
【KZ ES4スペック】
【KZ ES4音質】
基本傾向はクール系ドライバ搭載です。
音は派手で明るい傾向となっています。前提としてまずES3と酷似した音質で、ES3の傾向をもう少し突き詰めていったような音質でしょう。
ただしES3の音に対して突き詰め方が非常にマニアック。
細かい部分のアップデートなのでES3比較で大幅な改善はありません。
帯域バランスはドンシャリ系。
つまり低域はかなりの過剰ブーストと云うことです。
この点に関してはES3とほぼ同じバランスだと思っていただいてよろしいです。
低域の出来はES3と同じくここにフォーカスすればそれなりに出来は良く、ES3比較で低音のエッジが若干ですが改善しています。
ES3と共通でこちらも「重低音」がかなり出にくくなっているので注意が必要でしょう。
バーンイン終了後の階調表現能力はそこそこといったところでこのあたりの実力もほぼES3に準じます。
ただし中域の特性のフラットさ加減は特筆すべきレベルで、見事としか言い様がありません。これと比較するとZS10も悪くないのですが同時に聴くと子供だましに見えるレベル。
ATRと同等くらいか凌ぐでしょう。
ただボーカルの特性ではなく質という点ではATRには及びません。
こちらに関してはクール系特有の「冷たい質感」特有の音ではあると言えます。
やはり「音のうま味成分」というかコクというか、味噌汁で言えば「出汁」が足りない音なのはクール系の音の宿命か?という思いもあるのですが、ES3系統の音という点では確かに大きくは違いませんが、より細かな部分が違いますのでこれはこれで有りです。
音のコクよりも透明度を重視する方向けです。
こちらのES4はドライバーが破綻しやすく、特に音量を高めに取るとその症状が一気に顔を出す傾向があります。
特に厳しいソースではドライバが持ちこたえられません。
帯域バランスが低域過剰ということもあり、幾らか音量を絞って聴くことを想定されているようです。
また激しいソースでは音の混濁が見られやすく、ハウジングかドライバに多少の問題がある音がします。
ロックなどのゴチャゴチャした曲には向かないというか、欠点が大きく顔を覗かせる一面があり、それと同時に厳しいソースでは帯域バランスが過剰な低音に押され気味でボーカルが埋もれやすくなったりします。
音の明瞭度と分離は適正なボリューム範囲内なら許容できるレベルとして1DD受け持ちの帯域ではかなりの明確な音で、特に中高音域でクッキリハッキリとしているのはES3からそのまま受け継いでいます。
エッジは立ち気味で音の攻撃性はそれなりに高いのですが、このあたりもES3と同等のレベルといっていいと思われます。
ボーカルの特性が若干違って向上しているところを見ると非常に細かい部分で特性の改善が見受けられるのでKZの努力が感じられる部分でしょう。
【KZ ES4まとめ】
基本的にまったくもってES3の音です。
ES3から始まったといえるKZのクール系からニュートラル系の一連のイヤホンの中では主にボーカル域を改善してきたと言えます。
個人的にはもう少し低域に手を入れて欲しかったのですが、そこは若干の改善で大きな相違はないのが残念なところです。
もちろん上記に書いたようにさまざまな欠点はあるとは言え、ボーカルのフラットさは文句のないレベルで、クリアで派手で明るい音という傾向を持つイヤホンの中では出来は相当に良いと判断します。
ドライバーが破綻しやすかったり、音が混濁しやすかったり、低音が過剰で重低音が出にくかったりするとはいえ、明瞭度の高いクリア感のある音が好きな方にとってはひとつ持っておいて損はないレベルです。
ES3をお持ちの方は新たに買い足すかどうかという点ですが、ボーカルの特性向上という点で「買い増し」もしくは「買い換え」を推奨しておきますが、飛びつく必要はなく、価格が下がったところで買えばよろしいかと。
特にピークとディップを見事に潰したボーカルはアコースティック系の曲にかなり強く、上記の欠点がかなり薄められるのでオススメです。
ES3の音をより尖鋭に追求した結果の音で、この音でKZのクール系の音が細かいマイナーアップデートでよりよくなった印象を受けます。
これを聞いた後では多ドラのZS10の音に大きな不満を憶えます。
やはりZS10は何かがズレていると判断せざるを得ません。
ES3系統の音の出来映えという意味ではZS10を大きく凌ぐのがこちらのES4となります。
ES3が担っていたクール系の傾向比較用イヤホンとしては新たにES4を採用することにします。
装着感もES3よりもこちらの方が個人的にはしっくりくるので・・・
評価はもちろんES3を引き継ぎますので・・・
総合評価〇
KZ ES4インイヤーモニターアーマチュアとダイナミックハイブリッドヘッドセットイヤホンイヤホンHiFiベースのノイズキャンセリングイヤーフックヘッドフォン (緑)
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KZイヤホン 銀メッキ線 2PINリケーブル 0.75mm アップグレード 3.5mmリケーブル (For ZS6/ZS5/ZS3)
- 出版社/メーカー: KZ
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ZS10への質問に答える 【KZ】
ZS10でいくつかDMにて質問を頂いたので、そちらに答えます。
■中域が引っ込むのですが。リケーブルの問題か駆動力不足ですか?
その質問の明確な答えは分かりません。
考えられるのはハウジングがでデカすぎて耳に合っていない、と云う可能性が最も高いと思われます。
こちらのZS10のボーカルのバランスは問題ありません。
特性だけ見るとなかなかよく出来ています。
また中域の引っ込む問題はリケーブルではどうにもなりません。
理由を述べます。
こちらは1DD+4BAなのですが、実質の可聴帯域ではおそらく1DD+2BAしかありません。
BAドライバが帯域的にどこまで受け持っているのか分かりませんが、帯域に対して直列に実装ならせいぜい20khzがいいところ、また並列に実装しているのなら今までの例から考えてもせいぜい16khzがいいところだと思われます。
つまり残りの2BAはそれ以上の帯域を受け持っているので音質の大勢にはほとんど影響はない、と言えます。
もっと言ってしまえばBAドライバが帯域に並列に実装なら可聴帯域上では単なる1DD+1BAでしかないとも考えられることになります。
そして、この可能性が結構あったりします。
どちらにしても「中域」を受け持っているのはDDドライバだと予想されるわけです。
DDドライバはリケーブルで音は変わりません。
またもしBAドライバだったとしても帯域バランスが大きく変わって中域が前に張り出すなどと言うことは絶対にありません。
ケーブルごときでそれほどの大きな変化があれば既に大問題になっています。
駆動力にしてもこれで「帯域バランスが変化する」等という事はまずもってイヤホンならあり得ません。
一部格安DAPの低域が少ないのは回路の問題であって駆動力の問題ではありませんし、まともな耳で駆動力というものの本質が分かっているのなら、DAPを聴いて駆動力で帯域バランスが大きく変化することはない、と云うことは分かるはずです。
もちろん駆動力で帯域バランスが絶対に変化しないとは言えないのですが、少なくとも「イヤホン」ではありえません。
こう言ったことを問題にするのはスピーカーでミドルクラス以上の重いウーファーを動かす場合です。
イヤホンのドライバではそこまでDAPの駆動力が要求されることはありません。
イヤホンでの駆動力不足による変化は「主に低域」で起こることであって、中高音域は聴いてもまず判断できないと思っていてもよいくらいです。
そもそもスピーカーでも駆動力不足を中高音域で判断するのはかなり難しいのです。
なのでどこで聴いてきたのか分かりませんが、以上の理由からボーカルが引っ込む理由としては「デタラメ」だと言えます。
ZS10に関してはハウジングが大きすぎるのでまずもって装着に問題が起こっている可能性が最も高く、イヤーピースでその原因を潰すのが1番先になります。
というよりもZS10のハウジングは欠陥品では?と思います。
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ケーブルは単なる消耗品 数年に1度は全交換へ
僕のTwitterのフォロワーにYUKI NAKANO先生というミュージシャン/作曲家の先生がいらっしゃるのですが、この先生とのつながりはもともと「音響関係」ではありません。
なぜだかこの先生は僕のメインブログの方の「サバイバルグッズ」の方に興味を寄せられ、サバイバルグッズとかミリタリーグッズとか防災グッズなどの訳の分からないアイテムつながりの方です。
先生は作曲などのお仕事にお忙しい方なので時々「生きてますか?」と定時連絡を入れるとたいていが「今デスマーチが終わって一息入れています」みたいな返答がよく返ってきます。
非常にお忙しいがよく分からないお茶目な先生なんですよ。
しかも先生は作曲の幅が広く、ゲームから映画音楽まで幅広く何でもこなされています。
なので何か作曲をお願いしたいときはお気軽に相談してみるとよろしいでしょう。
その時にはぜひ「クソ中華イヤホンブログを見た」とお伝えして頂けると話しがスムーズに運ぶかもしれません。
さて、今回、先生に登場して頂くのはいくつかのリプライの中で興味深いご意見を頂いたのでそれをご紹介しつつ、返答していくと云う趣旨です。
ちなみにアナログのオーディオケーブルに関しては定期的な交換が必要です。数年に一度の大出費ですw 電源ケーブルは「どうだか」というレベルですが電源に関しては一度アップトランス(例えば220Vに上げて)してから100Vに落として機材に供給します。音の抜けが明らかに違います。
— YUKI NAKANO (@YUKIDUCK01) 2018年4月4日
これは僕も知らなかったのですが、プロの方になると「数年に1度ケーブルの交換」を行っているとのことです。
おそらくこれは「所定の性能を維持する」というメンテナンス目的と云うことが大きいのだろうと思われますが、業務使用ですとやはりトラブル防止という意味でこのような処置を施されるのだろうと思われます。
それで先生はアナログケーブルの事を言っておられますが、もちろんデジタルケーブルも交換した方がよろしいです。
というのも僕の使っているDACは当然デジタルでデータを送り込むわけですが、ここ最近ロックが外れてしまうことが頻発するようになってきました。
DACはソースのビットレートに応じて信号をロックするわけですが、これがノイズなどに邪魔されると外れてしまうわけです。
こうなると大音響でデジタルノイズを再生するか、もしくは「無音」になって音楽が止まります。
普通はデジタルは0と1しかないので「劣化?」と思われるわけですが、事実としてコネクター部分やシールドの経年劣化でどうかしてしまうようで・・・DACのロックが外れるという現象が起きたりします。
なので最近デジタルケーブルを新品に交換したのですが見事にロックが外れる現象が起こらなくなりました。
先生がおっしゃるようにアナログケーブルはもちろんのことデジタルケーブルも「数年に1度」は全交換が必要です。
ただし、一般家庭だともう少しスパンを伸ばさないと金額や手間暇で厳しいかと思われます。
これは「音を良くする」訳ではなく、「所定の性能を維持する」という目的で行うものなので意味を取り違えないようにして下さい。
こういうメンテもありますのでバカみたいにお高いケーブルを買ってしまうと「惜しくなって性能の落ちたケーブル」を使い続けることになりますので、ケーブルは単なる消耗品という考え方で安い物を使い捨てる方が結局は「機器の性能を引き出せる」という事にもなるということです。
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【KZ ED15】1DD+1BAハイブリッド
KZのED15となります。
1BA+1DDのイヤホンで、最近は無茶な多ドラが増えている中1DDで勝負することを避けているのかBAを一基搭載しています。
このスペックの方がマーケティング的に売りやすいので最近のブームの一環です。
どうでもいいことですが最近KZはコードを変更してきています。
こちらのED15もZS10と同じコードを採用しています。
【KZ ED15】
スペックがそもそも大嘘でしょう。
BA一基で40000hzなど出るわけがありません。
ハウジングはそこそこズッシリとくる金属製。
左右がとてもわかりにくいデザインとなっています。
最初の1音からドライバが比較的安定しているのでバーンイン時間は短めです。
30分-1時間程度を推奨。
【KZ ED15音質】
ドライバーはニュートラル付近だと思います。
イヤホンの基本傾向として「低音タイプ」
まず第一に帯域バランスはかなり低音に寄っています。
どちらかというと過剰ブースト一歩手前の強さでしょう。
その低音はエッジがキチンと感じられるにもかかわらずかなり緩みがあります。この為、階調表現能力はイマイチ。
問題なのはそこだけではなく重低音がかなり出にくくなっています。
ブースト気味の低音で重低音が出にくいというのは理解に苦しみますが。
中域は前方によく張り出しますが、わずかに暴れます。
質感もイマイチ。
中高音域のエッジはそこそこ尖ります。
雑味感は少ないのですが、何かおかしいので探っていたところ、このイヤホンの高域はかなり鈍っています。
僕は高域は明確な違いが出ない限りあまり詳細に語ることはありませんが、これは高域が「思い込み」や「錯覚」にやられやすい帯域のため、ハッキリとした違いが出ない限り言及しないようにしている為です。
ですが、こちらのイヤホンの高域はちょっと限度を超えて鈍っています。
最初はハイ下がりかと思ったのですが、どうもそうではなくBAの性能不足かもしくはチューニング不足でしょう。
このおかげで高音域はかなりユニークですが、意図的にサウンドデザイナーが採用した音だとは思えない為、単なる欠陥に近いです。
【KZ ED15まとめ】
ゴミとまでは言えないのは確かで、たぶん優しいソースで聴く限りはそこそこ聴けてしまうでしょうが、イヤホンの素の性能としてはちょっと問題があります。
低音向けのイヤホンには間違いないのですがブースト気味で質感もイマイチ。
かといって装着位置を探って低音を少なめにすると階調はまったく不明瞭になり、なおかつ中高音域のエッジの質はそのままなのであまり意味がありません。
どっちつかずの性能に加えて帯域バランスの悪さ、高域の鈍りなどを総合的に勘案すると敢えて購入する理由はまったくありません。
評価は結構迷ったのですが、完全なゴミとまでは言えないことは確かで・・ただ低音も中高音も見るべき帯域が特にないと云うことでいくらか△に近い・・
総合評価✖
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デノンという会社はマジだから憶えておけ
イヤホン主体の読者にはちょっと馴染みが薄いかもなのですが、日本にはデノンと云う会社があります。
昨今のオーディオ界再編の流れに飲み込まれてマランツと統合されてしまいましたが、このデノンという会社の魂は結構マジでして、ここが失われると少なくとも日本のアナログプリメインアンプの灯火が消えてしまう、と云うことになりかねませんので書いておくことにしました。
マランツと統合されましたが、マランツとは対極にあるような会社でデノンの作る製品には信念や哲学みたいなモノが感じられます。
ちなみに僕はマランツをあまり評価していません。
なぜなら広告の文句は素晴らしいのですがミドルクラスのピュア向け製品はどれもこれもしょうも無いので、プリアンプなら特性重視の静かな音ですし、パワーアンプなら駆動力が全くないという、音に対する確固たる信念が感じられないからです。
こういう会社の製品はなるべく使いたくないわけです。
ところがマランツと一緒になったデノンという会社は日本のオーディオブランドとしては珍しく音を聞いていると「信念」のようなものが感じられるのです。
ここの2CHピュア向けのプリメインアンプはなかなかの製品です。
AVアンプも出していますが、AVプリ部はDSPでの経験の蓄積が少ないようでサラウンドを描くことに対してはちょっと疑問があるのですが、音そのものはAVアンプとは思えない素晴らしい音を描き出します。
一時期密閉タイプのヘッドホンでもかなり評価が高かったのですがそちらはFOSTEXのOEMでした。
ですが、さすがにそれを選んで自社の名前を冠したのがデノンと云うことも有り、デノンという会社の中には「それなりの人たち」がいると僕は判断しています。
僕は以前にサウンドピーツのイヤホンを聴いて「社内に分かっている人が居るよ」と書いていますが、デノンという会社にもまったく同じ感想を持っています。
こういう大手の会社で「統一的な音作り」をするってあまり例がないんです。
ソニーもパイオニアもONKYOも幾ら音を聴いても信念は感じられませんから。
こう言った会社は単に時流に乗ってその都度ソコソコの製品を出し続けるだけだったりします。
少なくともデノンの自社開発したプリメインアンプは同クラスの半導体のアナログプリメインという同じ戦場なら世界で戦える性能があります。
入門クラスの価格帯ですと日本メーカーもまだ戦えるので数多くの製品がひしめいていますが、デノンの音、ともいうべき「僕たちの作る2CHの音はこうだ」という信念が感じられるので、将来、まずプリメインアンプを購入しようと思ったときにその筆頭候補としてデノンのアンプは必ず視聴することをオススメしておきます。
いつも辛口なことばかり書いていますが、デノンという会社、僕は好きです。
そうそう、デノンがポタアンをひとつ発売していますがこれ興味があります。
デノンは2CHの音に関しては間違いなく信頼できるメーカーのひとつですから。
これはデノンが今まで長く培ってきた自社製品への信用、だと思います。
大手ブランドでこういう製品作りができるメーカーは少ないです。
DENON ポータブルヘッドホンアンプ ハイレゾ音源対応/USB-DAC搭載 プレミアムシルバー DA-10-SP | ||||
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デノンのポタアン。
誰か使っている人いる?
オーディオ騙しのテクニック【Beats by Dre編】
Beats by Dreというしょうも無い会社がありますが、今やアップルに買収されて大企業の1部門?までのし上がったので大したものです。
Beats by Dreは劇的に成功した会社ですが、音質的には見るべきものは何もありません。デザインとマーケティングで成功した会社ですが、中小企業の多いオーディオ系のメーカーには「詐欺すれすれ」の製品開発を行うメーカーも多く、以下にリンクする記事はちょっと前のものになりますが、Beats by Dreについて知らなかったと云う人は1度目を通しておくべきでしょう。
現時点でのBeats by Dreのヘッドホンですが、搭載されたアクティブノイズキャンセル機能に大きな問題があり、音質自体は「それなりの普通」にはなっているのですが、このノイキャンから発生する盛大なノイズのために、「ゴミ」製品と化しています。
この為、そもそも使い物にならない、ので当ブログの読者が購入するようなタイプの製品ではないとは言え、高校生の読者も多いので血迷って将来購入するなどと言うことの無いようにあえて掲載しておきます。
ここまであからさまに「真っ黒」の会社も逆に珍しいのですが・・・・
Beats by Dreのヘッドホンはもともとは高級ケーブルで有名なモンスター社が開発したのですが、あそこもケーブル商売で散々マニアや初心者をだまくらかして搾り取ったので自業自得でしょう。
ただオーディオ機器はある程度までは「メーカーの信用」というのは大切で、ダメな製品を開発するメーカーはいつまで経ってもダメだったりします。
これは別に詐欺するわけでもないのに真面目に作り込んでいても一向にしょうも無い音の製品ばかりを作るメーカーであって詐欺とはちょっとベクトルが違うのでその点は誤解しないようにしてください。
要するに生真面目に碌でもない機器を作るメーカーの事ではなく「最初から騙す気満々で作られたオーディオメーカー」というものが結構あるのです。
ケーブル専売メーカーなんてほとんど全部この類いです。
また、それとは別に「真面目にキチンとやっている」のだけれども社内に音の判別できる人が居ない、結果的に製品が碌でもないという会社もあるという事で、その2つは全く違います。
非常に問題のある製品にもかかわらずこの高評価。
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天才と凡人の世界
日本製オーディオ機器は世界ではほとんど相手にされていない、と云われています。
それは本当でしょうか?
これは特にピュアのマニアからよく云われる言葉ですが、事実はどうでしょうか?
理由はよく聴きます。
例えば「日本人は生楽器の音を聞く機会が少ないので西欧には太刀打ちできない」とか色々です。
確かにいわゆる「安物」だけは売れていますし、AVアンプなども元々の競合が少ないので世界を相手に戦っていたりしますが、「音のみを追求する」ハイエンドの世界ではどうでしょうか?
世界で戦える日本メーカーはかつて「有料記事」のおまけとして紹介させていただきましたのでここでは割愛させていただきますが、少なくとも「1社」は世界で戦える日本の音がある事は事実です。
以前はヘッドホンならSTAXがあったのですが、既に中国に身売りしてしまいましたので厳密には日本メーカーではなく、中国メーカーでしょう。
と云うわけで現在のところ世界の頂点で戦える日本メーカーは1社という事になりますが、これが多いのか少ないのかと言われれば「十分」だと言えます。
もともと「一定水準以上の音」を出せるメーカーはアンプだろうがスピーカーだろうが先進各国に0-2社くらいしかありません。
なので日本の音が世界のハイエンドという戦場で戦えない、等という事はなく、1社あればもう十分だといえます。
ではなぜ世の中に無数にある音響機器メーカーがそのハイエンドの音が出せないのか、と云うことに的を絞ってお話しすると理由は簡単です。
ずば抜けたセンスをもった設計者がいないからです。
凡百の並の才能を持った開発者は単に「特性重視」の音作りしかできません。
これをやるのが一番簡単で、歪んでいない音やフラットな音を目指すわけですが、音のゴールはそこにはないのでこういう機器作りしかできない会社は世界のハイエンドでは永久に戦えないわけです。
特性重視で何とか評価されるのはせいぜいがミドルクラスまでの世界の話しで、そこから上は「いかに音を美しく歪ませるか」という一点に掛かってきます。
それは才能だけの世界なのです。
これを聞き取るだけの才能なら大勢居るのですが、その音を作ることができる人はほとんど居ません。
僕は以前の記事で「一定水準以上の音」の機器を開発できる人はトップクラスのバイオリニストやソプラノ歌手の人数と同じくらいでは?と書きましたが、まぁそんなところでしょう。
しかもオーディオの歴史を見ている限りでは一子相伝どころかまったくの個人の特質だけのようで、その人が亡くなるとその音は失われてしまいます。
確かに企業としてはなんとかブランド化して生き残る事も出来るのですが、その音はもう出てきません。
これはスピーカーでもアンプでもそうです。
スピーカーの世界に「タンノイ」という有名なメーカーがありますが、戦後スグあたりのタンノイは伝説と化していますが、これはタンノイの創始者が生きていて、設計に携わっていたからです。
当然、その人が死ねば「音の秘密」は失われます。
そもそも音を聞いていて思いましたが、こういうずば抜けた資質を持った人の音作りというのは「正確な特性」なんてたいして気にしていない節があります。
だからアンプを作れば常識外れの負帰還をかけまくっていたりしますし、スピーカーなら鈍った音のドライバーでも普通に使ってきます。
全ては音のためで、こういうことができるのが才能なのです。
誤解されることを承知で言えば特性重視での音作りなど凡人のための言い訳なんですよ。
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イヤホンの周波数特性グラフは信頼できるのか?
時々イヤホンの周波数測定結果をグラフとして公開している人が居ますが、これがどの程度信用できるかという指標について書いておきます。
これはヘッドホンでも同じ事なのですが、たいていの素人の計測したF特グラフは基本的に信用することができません。
その理由ですが、僕が最も信頼する「イヤホン測定結果置き場」の測定機器とその方法を明示したページリンクを張っておきます。
測定に使用している機器、方法について イヤホン測定結果置き場
こちらを見て頂けると分かると思いますが、使用している機材をすべてオープンにした上で測定方法に至るまでキチンと明示してあります。
こういう形でバックグラウンドとなる専門知識と測定方法、またその機材の詳細を明らかにしないイヤホンの測定グラフはハッキリ言って無意味です。
測定グラフはその正確性と信頼性が全てであって、それ以外にはありません。
グラフの解釈はその後の知識であって、まず始めに信頼性の担保が第一です。
イヤホンの周波数測定グラフが公開されているときにはまずもってこれらの前提が満たされているかどうかをキチンと把握して頂きたいのです。
以前、Amazonのヘッドホンレビューに自分で測った周波数特性グラフを掲載しているレビュワーの方がいましたが、僕が驚いたのは「測定結果がデタラメ」だったことです。
マイクの性能もダメなら測定方法もおかしかったのでしょう。
加えて使っている測定アプリがこれまたデタラメで愕然としたのを憶えています。
そんなデタラメレビューに「いいね」がたくさんつくわけですから驚きます。
僕もスピーカーでは専門機材を導入して計測していますが、はっきりいってイヤホンの測定難易度はスピーカーの測定どころではないと感じています。
この為、かなりの専門知識が必要で、やはりイヤホン測定結果置き場の管理人さんのような深い知識のバックボーンに裏打ちされていないとイマイチ信用できません。
誤解の無いようにして頂きたいのですが、そもそも「測定」は音響機器の基本です。
これで全てが分からないにしろ、まず前提条件となるべきだと言うのが僕の基本的な考え方となります。
日本のオーディオ雑誌はこれを疎かにしてきたツケが回ってきているとも感じています。
アメリカなどでは測定は当たり前のことで専門家が率先してユーザーを導いています。
こういったことが日本でももっと一般化して、広く知られるべきだと僕は思うのです。
そういった事を踏まえた上で僕はあえて言いますが、「ド素人が測定環境や条件を明らかにしないグラフ」を公開するのは辞めて欲しい。
せめてイヤホン測定結果置き場のようなバックボーンと知識を持った人が全てを明らかにした上で統一環境にて継続的に測定していくというのが好ましいと思っています。