【レビュー】final E2000 FI-E2DAL 人気機種、その実力を探る
final E2000のレビューとなります。
リンクからNOTEに飛びます。
有料レビューとなりますのでご希望の方のみどうぞ。
もう少し早くレビューする予定でしたが・・・
前回のE3000の音からfinalが狙った音とは何か、下位機種のE2000イヤホンの音を読み解いていきます。
【有料版】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ
- 作者: luna-luna
- 出版社/メーカー: Hyperīōn
- 発売日: 2018/09/03
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
一部レビュー有料化のお知らせ
今後、一部イヤホンレビュー記事を「有料化」することにしました。
既に公開している記事は無料のままですが、今後公開する一部イヤホンのレビュー記事をNOTEもしくはそれ以外の方法にて公開することにより有料化を模索していくという事になります。
と云う訳なのでこれまで通りこちらのサイトで書く無料イヤホンレビューとnoteを使用した有料化記事の二本立てでレビューを進めていきます。
大変申し訳ないのですが、今後のことを考えると「収益化」という事では無く、「イヤホンレビューの継続」と云う意味で、ある程度の選り分けが必要だと判断せざるを得ません。
どういう風に有料記事と無料記事を選んでいくのかという点については完全にこちらの判断となります。
もちろん興味があるイヤホンレビューがあって有料でも評価が見てみたい、という場合に限って購入の判断をすればよいので、その点は申し訳ないのですが、ブログの継続という点で皆様の多少の協力を仰ぐ必要があるということです。
もちろんこちらのブログにもアフィリエイトは取りつけてあるのですが、利益どころか完全にマイナスなので・・それはこちらのことなのでどうでも良いのですが、今後はアマゾンなどもアフィリエイト撤退などもあるでしょうし、そういうことを考えていくとこちらのハテナブログのショバ代すら赤字になってしまうので、この辺で本格的に他の収益化手段を考えていくという事だと思っていただけるとわかりやすいでしょう。
そこで今回の仕切り直しの有料記事としてfinalの3製品を購入しました。
■final Adagio II
■final E2000
■final Heaven II
の各製品となります。
ちなみに「売れようが売れまいが無料で公開」は致しません。
いったん有料化した記事に関してはどういう形にしろ永久に有料だと思っていただいて結構です。
今後イヤホン記事を拡充し、更なる優良なイヤホンを探し出して紹介していくためにも必要な処置だと判断しましたので、どうかご理解頂けますようお願い申し上げます。
【次回予告】 KZ ZS4
1DD+1BAのZS4が発売になりましたので、いつも通りレビューするために購入しておきました。
先日発売したとのお話しをフォロワーさんより受けたのでさっそく購入した次第です。
まぁ最近の僕の見解ですとこういう安い物を幾つも買うよりも、例えば最近のAS10などに一気に投資した方が結果的には安上がりの様な気もしなくもありませんが、KZは当たり外れがとにかく激しいので、買って聞くまで実際の性能は何もわからないというところがありとても悩ましいところです。
価格的に2000円以下のこれぞKZと云う価格帯の中華イヤホンなので興味のある方はいってしまってもよろしいのではないでしょうか。
といっても飛びつくようなものではありませんのでお待ちになれる方はいつも通りレビューしますので待っていて下さいませ。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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【レビュー】KZ AS10 KZ初のフルBAドライバ中華イヤホン
KZ初のフルBAドライバ機となります。
片側5発のBAでもちろん低域も含めてバランスドアーマチュアドライバによる駆動方式で音を鳴らします。
今回は価格がほとんど変わらなかったのでアマゾンで購入しましたが、その際つい勢いあまってアマレビューを見てしまうとそこには「低域が籠もる」という意見が散見されたため、購入は気が進まなかったのですが、お約束なので行ってみた次第です。
KZは相変わらずしょうもないイヤホンを定期的に出してくるので「低域が籠もっていてもおかしくは無い」という事は言えます。
最近ではZSRのレベルの低い低域やZSAの超ブーストの掛かった低域など、とんでもないイヤホンを平気で出してきますので・・・
【KZ AS10スペック】
■モデルナンバー KZ AS10
ZS10よりも装着感は上がっているように感じました。
音量はかなり取りやすいイヤホンです。
予想通りでしたがBA機なのでバーンインはほぼ必要ありません。
「ほぼ」というのはせいぜい5-10分も鳴らせば十分です。
BAドライバなので箱だし直後から「ドライバ自体」は非常に安定しています。
気になったのは箱出し直後はBAの低域ドライバにてわずかに音が甘くなるのですが、まぁ10分も鳴らせば安定してきますので「バーンインはほぼ不必要」」です。
音を聞いていて思いましたがそもそもバーンインが必要なのはDDであってBAは最初から落ち着きの良い音を出してきますのでこれが確認できただけでも大きな収穫でした。
と云う訳なのでフルBAドライバイヤホンでエージング等と騒いでいる人はますます何を聞いているのかわかりませんが・・・。
これだけ安定感のある音を出しているのにエージング?とはと感じています。
もちろんBAドライバというのは問題だらけなのですが、バーンインの効果に関しては限りなく少ないのは大きな特徴のひとつだと思います。
【KZ AS10音質】
このAS10イヤホン、ハッキリ言うと出来はかなり良いです。
特に優れた中高音域をもっているのでここがバッチリ嵌まった曲を聴くとかなり幸せになれます。
この中高音域だけ取れば歴代のKZイヤホンでも相当に出来が良く、かなりチューニングを煮詰めたと思われます。
音はわずかに明るめだが、音に勢いが少ないのでニュートラルに近く聞こえます。ドライバーもほとんどニュートラルに近い若干のウォームで、曲によってはスーパーウォームに変質します。
帯域バランスはいつものKZと比較するとだいぶ少ない。低音量は+5.0程度でしょうか。録音時適正レベルにかなり近い。ただしBAによる低音なのでちょっと問題があるかなと感じています。
ハウシングで稼いでいるのか低音がいつものKZよりかなり少なめだがとにかくブーミーです。低音がかなり緩いのでその点は注意を要します。ただしBAのみで出力しているにしては低音域は意外に下の方まで出ています。ブーミーですがチューニングでうまくこなしている音だと思います。低音域は階調表現も不明瞭なところがあるので大きな期待は禁物でしょう。
特筆すべきはとにかく中高音域のチューニングの良さでしょう。
アコースティックな曲ではかなり良い状態で鳴らしてきますのでちょっと驚きました。特にエッジの出来はこれまでのKZすべてを含めて最も出来が良い。
BAハイブリッドイヤホンにありがちなクロスオーバーの不具合や音色の不統一が一切無く、かなり気持ちよく音楽を聴くことが出来るので一聴の価値があると判断します。
この辺のチューニングは相当に練り込んであると言わざるを得ません。
ボーカルのフラットさ加減は中の上。
解像度もかなり高く、細かい音の表現力はかなりの実力。少しボーカルが変色してしまうのですが、エッジは柔らかく非常に良い。クリアなクール系と比較すると音がボケ気味に感じるのですが、これはそういう聴き方をするイヤホンのチューニングではありません。
ただ、このAS10はちょっと性能がピーキーなところがあるので「クセが非常に強く出る」一面を持っていて、合わない曲を出力するとなぜか一気に音質がダウンします。
そのあたりを中心に書きますと・・・・・
第一に最大の問題であり、ほぼ全ての不満の元凶は低域を受け持つBAドライバーが発生源ということです。
低域が激しく重なる曲、もしくは低域の一部帯域を出すソースを鳴らすと劇的に音質が低下してしまう場合があります。
これの原因は今のところよく分からないのですが、とにかく問題のない曲では非常に良いのですが、一部の曲を鳴らすと途端に音質が劣化し、聞くに堪えない音を出します。
アマゾンレビューで「音が籠もる」と書かれていますが、まさにそんな感じではないでしょうか。
ただ籠もっているわけでは無く、「籠もったように聞こえる」というだけなのですが、低域が激しい曲で必ず起こるわけでは無く、低域が少ないソースでも合わない曲によってはかなり音が劣化します。
何でもない曲では何でも無いのですが、とにかく低域のBAドライバが稼働を始めると曲によっては妙な音質劣化を引き起こすところがあり注意すべきでしよう。
また低域も重低音は非常に鳴らしにくく、これはBAドライバの性能的な限界だと思われます。
低音の出方もとても不安定で、良い時と悪いときの差が激しいところがあります。
ただしキチンと出ているときの低音のエッジや出方はBAとして考えれば十分によいものです。
ここからはちょっと中高音域の音質について書いておきます。
finalのE3000も同じような傾向をもっているのですが、ボーカル帯域にかなり独特の色が載ります。
なのでこのボーカルの音が正しいということよりも、雑味ではないのでこの音の色のりと云うかカラーを積極的にオーディオとして楽しむと云うことが必要だと思います。
【KZ AS10まとめ】
中高音域の出来具合だけでいえばKZイヤホンの範疇では一線を画す出来映えといっても良いかもしれません。
ハイブリッドによる妙な音のチグハグさもなく、音色の統一を含めて見るべきところの多いイヤホンです。
これなら低域をDDで構成するよりもフルBA機で攻めた方がおそらく「イヤホンの可能性」という点では余程見込みがあるでしょう。
これまで僕が感じていたハイブリッドBA機の不満がかなりの部分解消している音がしているので、中高音域のこのチューニングは評価したいと思います。
逆に言えばやはりDDとBAを混合する、つまりハイブリッドイヤホンというのは音質的にかなり厳しいと結論を出さざるを得ません。
どうせイヤホンを作るのならドライバはDDかBAかは統一した方が音のためには良い、ということです。
ただし全BAドライバ搭載による特徴として「低域のパワー感」というものは確実に失われるのでこの独特な感じ、いわゆるヘッドホンで云う所の静電型/コンデンサータイプの音の出方に近いのでこれは「慣れる」しかありません。
だとしてもコンデンサーヘッドホンよりもイヤホンであるだけに低域はもう少しパワーを感じるのでこれはこれで有りでしょう。
それに低域にBAを実装しておいてDDのような音をさせるというのも無茶な話しなので、もともと動作原理がまるで違うものということもあって、これは低域の出方に違いが出て当たり前の話しです。
それにしても予想以上に出来が良かったのが今回のAS10で、フルBA機の未来を垣間見せてくれたと云う意味では購入を推奨しておきます。
今から購入するのならZS5か、もう少し予算を増やしてAS10というのが良い選択になるでしょう。
最後にもう一度言っておきますが・・・BAドライバで低域を出しているのでその点からくるパワー感の無さは致し方ないことと言う事、それから低域のBAが稼働しだした時点でなんらかの条件が揃うと音質の劇的な低下を引き起こす場合があるので、その点には注意を促しておきます。
色々と書きましたがそれでもこのAS10の中高音域のチューニングには高い可能性を感じます。
非常に性能がじゃじゃ馬なところがあるイヤホンで機嫌の良いときと悪いときで劇的な音質差があったりして扱い方が難しいのですが、中高音域のチューニングはこれまた妙なカラーがのったり乗らなかったりするとはいえ相当に出来の良いイヤホンです。
低域の少ない曲、もしくは合うソースを鳴らすのなら素晴らしい音を出します。
このフルBA機は予算に都合がつくのならぜひ1本持っておくべきでしょう。
総合評価〇
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【レビュー】Final E3000 その2 書き切れなかったことを書く
うーん、e3000の音を聞いてちょっと興奮しています。
それで書き切れなかったことをつらつらと書いておくことにします。
まずリファレンスを変更しようかとまで考えたのですが、これは辞めておきます。
というのもちょっと勝負にならないので、E3000を基準にしてしまうといろいろと問題が起きることが想定されます。
この為、E3000はこのまま「楽しむことに専念する」というのが妥当かもしれません。
この音の「なめらかさ」に匹敵する中華イヤホンを聞いたことがないので「リファレンスというものさし」として持ち出すには適当ではないでしょう。
ああそれからこのイヤホン、左右が極めてわかりにくいです。
デザイン優先なのかよく見ないとわかりません。
【音の滑らかさ】
コレは特筆すべき事で・・・ちょっとピュアっぽい鳴り方をするイヤホンなんですよね。
僕は良くデジタルのDAPの音が荒れていると文句を言うワケですが、ピュアのセパレートのプリアンプの音を聞けばその意味がすぐにわかるはずです。
ですがそれはちょっと環境によっては難しいでしょうから聞いたことのない方が想像するにはあまりにも困難と云うことになります。
ですがE3000の音と他の中華イヤホンを聞き比べればおそらくすぐに「音が滑らか」という意味がわかっていただけるのではないかと思います。
この音の感じがまさにセパレートのプリアンプから出てくる音の感じに近いので、まさかDAPを使ったイヤホンから、デジタルアンプからこういう滑らかな音を聴くことが出来ると云うのは全くの想定外で・・・ちょっと衝撃を受けた次第です。
【E3000の音について】
大人しいというか上品というか、基本的には「荒々しさ」というのが見事に欠落した音なのでパワー感のある不良っぽいという音は出せないです。
なのでライブなどの臨場感のあるというか息づかいを間近で感じられるような生々しい表現もたぶん苦手です。
本文にも書きましたがソプラノ歌手の身体全体を使った身を震わせるような音はスポイルされます。
こういった感じでE3000は非常に優れた「ピュアっぽい音」を出せる代わりに二律背反的に失っているものもありますのでその点は「両立しない」という事になってます。
そう言ったことをキチンと理解する必要がありますが、それでもなおこのE3000の音を僕は高く評価します。
このE3000は玄人好みの音ではあるのでお店でちょっと視聴したくらいではそのあたりを判断するのは難しい、ということもあるので興味がある方はじっくりと聞き込んで「この滑らかな音」を体感していただければと思います。
まぁピュアのアナログセパレートアンプにそれなりのスピーカーをあてがうとこんなものではないのですが、少なくともE3000を聞き込むことで「片鱗」は体験することが可能です。
これは素晴らしい事だと思います。
追記 8/13日
継続的に聞き続けて幾つかわかったことを補足しておきます。
まず、やはり曲によって「瞬間的に音が眠くなる」のは間違いありません。
この原因なのですが、ふたつ考えられまして、ひとつは「高域側が丸まっている」ことによるもの、もうひとつは低域側の一部帯域が不必要に突出している可能性です。
もしくはこのふたつの「複合」でしょう。
今のところこういった理由が考えられます。
それから元々このE3000は音量が取りづらいのですが、小音量にかなり弱いところがあるので、ちょっとボリュームは大きめで楽しんだ方がイヤホンの性能を引き出せるようです。
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【レビュー】Final E3000 中華よ、コレが日本の音だ
随分と時間が掛かってしまいましたが、遂に本日final e3000イヤホンを購入しましたのでさっそくレビューさせていただきます。
ここまで時間が掛かってしまったのは「正直レビューは出来ればしたくない」という思いがあって、理由は「この価格帯の日本製品ではおそらくダメだろう」と言う事であまり日本製品を酷評したくなかったという事もあります。
皆様もよくご存じの通り、ここ最近の中華イヤホンの低価格攻勢は凄まじく、もはや日本の低価格イヤホンは風前の灯火となっています。
僕はもともとスピーカーの世界において「オールジャパン」で何処まで戦えるかを追求していたような人間ですので、出来れば日本製品を応援したいという気持ちが強いのですが、現実的には各個撃破され、戦線が崩壊していく中、信念のある会社がなんとか踏みとどまって戦っているというのが現状です。
しかも太刀打ちの難しい低価格イヤホンという戦場においてそもそも攻防戦にすらならず一方的に日本製イヤホンが敗退していくのを見たくなかったというのもあるのかもしれません。
ですがここ最近はKZの新作攻勢がいったんは落ち着いたようなので遂にお約束していたfinal E3000のレビューに嫌々ながら踏み込んだ次第です。
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【Final E3000 スペック】
ドライバーが6.4mmなので当初の懸念は低音に難がある可能性を感じたこと、特に重低音はほぼ期待できないと予想していました。
ただしハウジングは小型で軽い為、装着感は非常に良好。
この為、音が安定します。
バーンインは少なめで、約1時間も回せば十分でしょう。
低域がブーミーになるのでそれが取れるまで回して下さい。
【Final E3000 音質】
音を聞いた瞬間に不覚にも感動してしまいました。
僕にとっては珍しいのですが、しばらく耳から離さずにいろいろな曲を再度聞き込んでしまったと言えば分かるでしょうか。
いまもE3000を耳に嵌めてレビューを書いています。
帯域バランスはATR比ですこし量が少なくなります。つまりほぼベストバランスかわずかに多いかというレベル。
心配していた低音が出ないという問題も音を聞く限りでは感じられず、むしろよくこの小さなマイクロドライバーでこのレベルの低音が出せると感心する出来ばえ。
階調表現も良く、低音のエッジも十分に評価できます。
重低音はさすがにちょっと難がありますが、それでもこの低音の音量レベルでここまで出せれば一級品。
少なくとも中華によくあるブーストで誤魔化した低音ではありません。
ドライバーはニュートラルに近いと判断します。
なお、音がすこし明るめの色彩を帯びているのが大きな特徴でしょう。
このイヤホンの一般的な傾向としては「中高音域向け」ではありますが、低音もそれなりに良く出来ています。
全体的な音の感想はとても滑らかで明るめの音がする、ということになるでしょうか。
この辺は高域がフラットバランスの影響が大きいのかもしれません。
むしろかなりの玄人好みのプロ音質。
音のエッジもかなり良く出来ていてATRを遙かに超えているでしょう。
よく吟味された素晴らしい輪郭表現です。
残念ながらボーカルのフラットさはATRに一歩譲りますがそれでもまったく問題なく、妙な中域のピークとディップはチューニングでなかなよく潰してあると思います。
またボーカルなんですがかなりユニークな色彩が乗ってきます。
雑味とかそう言う類いのものではないのでとても独特な明るい色が独自に着色される傾向があり、ボーカル好きな方はじっくりと一聴する価値があると判断します。
なお、ボーカルにおいては一点言いたいことはパワーが足りない、という事になります。
コレは明らかに高域が足りないためで、ソプラノのパワーある声がかなり大人しくなります。
声がスッと伸びて天上に帰って行こうとするのにこのイヤホンはそれを止めてしまうところがあり、賛否分かれるところでしょう。
できればここでグッと歌い手の魂を表現して欲しかったのが残念な部分です。
メーカーは明らかに意図的にこういう音で聞いて欲しいというチューニングの範囲内の音ではあるのですが、ちょっと高域を大人しくしすぎた感は否めません。
ただこの滑らかな高いクオリティの音はこの高域のチューニングから生み出されるものかもしれず、一概に「大人しい」と否定するわけには行かないでしょう。
ソースによっては瞬間的にほんのわずかに音の眠さを感じることもあるのですが、これもおそらく高域の丸め方から来るものでしょうから耳が錯覚を起こしている可能性が高いと想定します。
全体的にはよく練り上げられた一級品の音で、時々微妙にサッと顔を覗かせる音の眠さがあるとはいえ、ボーカルのパワー以外のあらゆる場面でATRを超えていると云っても過言ではなく、新たなリファレンスとして指定しても良いくらいのイヤホンでした。
うーん、力強いパワフルなボーカルを再生したいという場合には残念ながら向きませんが、あらゆる用途で非常に滑らかでクオリティの高い音を再生するイヤホンです。
【Final E3000 まとめ】
いくつかのチューニング上の・・音作りの問題以外はなかなか見事としか言い様がありません。
確かに音楽を巧くデフォルメして聴かせるという意味ではサウンドピーツのB30は珠玉の出来ですが、どちらかというとその対極にある音作りで、一言で言えば明るめだが大人しいモニターチックな出力の仕方をします。
ですが、よくぞこの価格でここまで音をまとめてきたものだと一聴して驚くほどの出来映えで、こういう音は断じて偶然出てくるものではなく、明らかに苦心惨憺し、長い経験と音への真摯な態度がなければ絶対に到達できない音だと思います。
少なくとも「この音を聞いて欲しい」という信念がある音で、唯一無二のユニークな鳴り方をするのでイヤホンでは珍しいでしょう。
聴感上は明らかに高域がフラットもしくはハイ下がりの傾向を帯びる音なのですが、こういうチューニングを意図的に行い、それを統一して止揚できるのは高い見識が無ければとても出来ません。
もともと日本向けの海外スピーカーは高域のトゥイータを特別仕様にしたりして「キラキラ」とさせる訳ですが、日本人はそういった音作りを好むところがあります。
そういう環境でこういう風に地味ながらも見事に音をまとめ上げるとはfinalと云う会社の底力と音作りにおける信念を見た気がします。
それをわずか5000円程度の中華と真っ向勝負する価格帯で開発してくる、いわんや一歩も引かないどころか向かってくる中華に一矢報いる覚悟で善戦している。
正直に言うと、このE3000のバーンイン後の音を聞いてその音に対する確固たるfinalの信念が垣間見えるので驚愕したというのが正しいかも知れません。
派手ではないが非常に手堅く、高いレベルでまとめ上げられていて、かなりわかっている人が真剣に取り組まないとこういうシブい音は作れないと思います。
脱帽しました。
良い悪いは置いておいてもその信念を見事に音に結実させたのはお見事。
他のfinal製品にも手を伸ばしたくなる優れた日本のイヤホンで、日本にはfinalという会社があって中華相手の絶望的な戦場でも諦めずに立派に戦って居るぞと叫びたいくらいです。
評価は文句なしのもので、場合によってはリファレンスイヤホンの変更を検討しても良いレベルでした。
総合評価〇(リファレンス音質)
書ききれなかった補足事項の追記あります。
最後に記事を追加しておきました。
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イヤホンでイコライザーとどう向き合うべきか
これは当分書かなくてもいいかな、と思っていたのですが、ちょっとフォロワーさんと話していて、やはり書いておくかということで今回はイヤホンとイコライザーについてのお話をしておきます。
最初に結論から言いますが・・「イコライザーはできる限り使わないでくれ」という事になります。
ピュアではマルチチャンネルでもやっているのでなければ「常識」ではあります。
それでもイコライザーで調整を目指す方の為に大まかな基本については以前書いておきましたが、実際の運用でこれを適用するのは「極めて困難」ではあるので、色々なことを考慮するとイコライザーでの調整は辞めておくこと、というのが現実的な解であるといっておきます。
【イコライザーを使ってはいけない理由】
まず周波数の正確な測定と問題の正確なピックアップが前提条件となります。
まずこの時点でかなりの人数の方がふるい落とされてしまいます。
耳だけでイコライザーを使って問題点を確実に潰していくことの出来る能力を持った人はかなり「少数」ではあるでしょう。
僕はそんな人を見たことがありませんが、もしコレが可能なほど正確に聞き込む能力をお持ちの方なら、イヤホンやスピーカなどのレビューにおいてその能力を発揮して世間で話題になるくらいは簡単ではないでしょうか。
と云う訳なので、正確にイヤホンの性能を測定できる機材とそれを運用する知識がまず必要です。
その上で、周波数から読み取った問題点を聴覚上の問題点とすりあわせてから特定部分をキッチリとイコライザーで修正する必要があると言う事になります。
この時点で常人ではほぼ不可能かと。
【イコライザーを使うと音が劣化するだけ】
音は簡単に劣化します。
例を挙げれば多ドラは内部に帯域分割のための簡単なネットワークを入れますが、これだけでも音は劣化してしまっています。
ただしこれは「必要悪」の範囲内の話しではあるので、致し方なく受け入れると云うレベルの話しです。
昔のアンプはアナログ領域でイコライジングしていたのですが、この時代にイコライザーを効かせるのはピュアでは御法度でした。
で、今はどうかというイコライザーがデジタル領域で調整できる時代にはなったのですが、音が劣化するという現実にはまったく変化がなく、敢えて言うのなら「劣化する幅が小さくなった」と言うだけのことです。
ですのでアナログイコライザーの時代よりも良くはなっているのですが、それでも「100%確実に音は劣化する」のはかわりません。
これがスピーカーだとどれくらい劣化するのか一目瞭然なのですが、ピュア用の測定マイクと専用の機材を使用しても劣化は止められず、弄ればいじっただけ音が悪くなります。
コレがイヤホンだと能力的な限界が低く表現力が狭いので、その分、劣化が分かりづらいという事は言えるので、スピーカーよりも調整幅は広がるのは事実ですが、それでも音をいじれる範囲はかなり狭いのです。
【イコライザー有りの音だと耳がおかしくなる】
僕の考えは冒頭で述べましたが、以上のような理由から「イヤホンでイコライザー調整」は難易度が高すぎるという事はハッキリと言えます。
更に問題なのは「自分の耳を頼りに調整」するとほぼ確実に帯域バランスや音はおかしくなるので、安易にイコライザーで自分の音を求めてしまうと「結果的に耳がおかしくなる」という事が起こります。
人間の耳は測定器ではなく、極めて曖昧な性能しか持っていません。
そんなものを基準に音を合わせているとたいていの場合で音が崩れます。
ちなみに低域強めのイヤホンではイコライザーを使用して低域をすこし弱めてくれ、と云うようなことを書いたりもしますが、これは「イヤホンの楽しみ方は自由」でもあるのでイコライザーを使う事でその人が満足するのならそれも有りかと思うためです。
いままで書いたデメリットが特に気にならない、というのであるのならイコライザー調整も良いのではないでしょうか。
ですが僕個人はイヤホンでイコライザーを使わず、聞くソースで対応するという事を行う人間であるので、どういう事かというと、低域強めのイヤホンなら「低域成分の多いソース」を聞かないようにします。
得意分野があるのならそのイヤホンの特性に合わせて得意な部分にフォーカスして音楽を聞き込んで行く方がイコライザーを駆使するよりも遙かに有益で簡単だという事です。
ただそこまでしても極力イコライザーには触れないようにしている人間だという事はわかっていただきたいと思います。
【もしイヤホンでイコライザーを活用するとしたら】
もし万が一イヤホンでイコライザーを使うとするのなら、フラット気味か最初から優れたバランスを持った素性が良いイヤホンの特定帯域をほんの少しいじるだけに使うでしょう。
僕ならそうします。
そもそも「イコライザーで音を劣化させずに弄れる範囲は極めて狭い」ので、帯域バランスなどが大幅に狂ったイヤホンはそもそもイコライザーで弄るという選択肢が無いはずなのです。
コレをしてしまうと一発で音に劣化が現れてしまうので、普通ならそんなものは聞いていられません。
それに「完璧な耳」をお待ちでなければそもそも「個人で合わせたバランスと音」など多くの場合で聞くに堪えない音をだしてしまうのが関の山です。
ただ自分では幾ら聞いても音やバランスがおかしいのがわからないので、非常に難しいところだと思います。
イヤホンの場合ですが、結局のところ、まずイヤーピースなどの物理的手段と装着位置の追求などの手段を尽くすべきであって、それらの手段を尽くした上でイコライザーという最後の手段を駆使するべきであり、それも本来なら「禁じ手」の1つではあると云っておきます。
イコライザーを駆使して音を劣化しない範囲で正確に向上させる、等という芸当のできる人は世界でもかなりの少数派でしょう。
それくらいの難易度の高さなので、できればイコライザーには触れずに避けて通るべきなのが本来のやり方です。
ちなみに僕の場合はスピーカーにおいて専用の機材でイコライジングしていることと、特定帯域のみごくわずかにいじるだけです。
それがそもそもイコライザーの限界だと判断しています。
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【次回予告】KZ AS10
どうにも興味がわかないのですがとりあえずKZの新作である片側5ドライバのAS10が発売するようなので行ってみることにします。
この後にBA10というBAドライバ機もでるようなのですが、僕はスペックにはほとんど興味が無く、「出てくる音が全て」なので、BAだろうがDDだろうが多ドラだろうがドライバの材質だろうがすべてどうでもよいので今回の新作も音がよければ全て良し、という事になります。
KZなのでまあ低音向きではないだろうなという事とZS6以降の多ドラ機が全滅なのであまり期待は出来ないな、とは感じているところです。
KZも順調に価格を上げてきているのですが、おそらくこの価格ではZSTなどのようにはとても売れないでしょう。
といっても一定数存在する「多ドラ信仰」の方からすれば「おおすげえ」ということになるのでしょうが、とりあえずレビューはできる限り早く行う予定ですので、いつもの如く「待てる人は待って居て欲しい」とは思います。
僕個人の希望としてはとにかくKZの多ドラで改善希望は「発生しやすい音の雑味」の抑制でしょう。
ZS6以降の多ドラの大問題でもあって、音のチグハグさと同時になんとかして貰いたい点となります。
これがあるので実際の運用では購入後に一度もプライベートで音出ししないということになっていますので・・・
あとZS10と同じハウジングを流用しているようにみえますが、だとすると「デカすぎる」ので装着上の問題は解決しているのでしょうか。
さてどうなることやら。
追記
今アマゾンを見ると発送まで2-3週間以内と云うことになっています。
お届け期限が8/27日~9/8日なので発送までしばらく時間がありそうです。
今のところの価格ではaliexpressとアマゾンでほとんど価格差がなく、コレなら保証が確実なアマゾンでも良いかなと思案しているところです。
一説ではプレオーダーの場合価格が5000円付近になるとの話もある事はあるのですが、いつもなら予約を受け付ける段階でその価格になっているので「本当か?」とも思います。
発送までまだしばらく掛かりそうなのでもう少し様子を見て発注に入ります。
追記
お待たせ致しました。
現着してレビューを書きましたので、興味のある方はどうぞ。
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
イヤホンのレビュー依頼について
ちょこちょこと当サイトについてもイヤホンやオーディオ関係でも「レビュー依頼」を頂くのです。
ですが、今のところはすべてお断りしている状態です。
理由は・・・書きたいようにかけないから。
と云うことが一番の理由となります。
これは先日実際に依頼のあったDMでのやりとりとなります。
問題があるのでユーザーなどは特定できないように切り取っていますが、ほとんどこんな感じとなります。
ここは比較的まともなようで「客観的に書いてくれればそれでいい」との言質をえたのですが、お断りしました。
客観的にかくのであればそこら辺のレビューを参考にすれば良いのであって、僕のサイトは「イヤなら見るな」くらいの心持ちで書いていますので、書きたいことを書きたいように書くことを保証して貰えなければレビュー依頼は受けません。
ですのでいちいち個別に同じようなことをDMで返すのも面倒なのでここで改めて書いておきます。
レビュー依頼を引き受けることも可能ですが、評価への介入は一切受け付けません。
当サイトで〇評価を得れば一定の効果はあると考えますが、はっきりいって「よく分かっていない開発者」が適当に設計し音決めした様なイヤホンではほぼ△が良いところではないかとも思うのです。
またこれだけはハッキリ言っておきますが、開発者たるものが「ケーブルで音が変わるように聞こえたり、イヤホンの定位が」などと訳の分からないようなことをいっているようではそもそも一流品の設計など出来る筈がないのでよい評価を得ることは極めて難しいとも感じます。
そう言う方が設計したイヤホンはチグハグな音色でかなり「独りよがりな音」を出していますのですぐに分かりますが・・・
と云うわけで本当に自信があるのなら評価しますのでどうぞお気軽に連絡して頂ければと思います。
ちなみに僕の評価を見て頂ければ「当たり前の性能を当たり前に達成」していれば✖評価には絶対になりません。
本来なら売るべきものではないイヤホンを無理矢理売ろうとするので✖評価になるだけです。
【帯域バランスについて】
HD650基準で低域すこし多めです。
もしくはATR比で低域少なめとなりますので、ここから大きく外れると評価は下がります。
【エッジについて】
エッジが必要以上に尖るのは「欠陥」です。
オーディオにおいての設計者の腕の見せ所でもあり、輪郭表現の最適な答えのひとつが優しいエッジ表現だと思っています。
特にイヤホンはこの部分が不必要に鋭角になるので開発者は十分に吟味しないとダメだと思います。
【BAドライバについて】
BAを搭載するときには、「本当にその音はBAでなければ出ないのか?」という事を根本的に考える必要があると思っています。
そもそもアンプとケーブルの相性問題でエッジが変わってしまうので設計がやっかいで、それでいて高域側に使うと音量レベルが下がり音が詰まります。
それを防止するために2BAなどにすると今度はクロスオーバーの問題が起こるのでかなりやっかいです。
BAでは「音が繊細」などと言われていますが、本当に繊細かどうかはかなり疑問があります。
おそらくなんですが一部のBAをしっかり使いこなすと「繊細かつ美音」になる可能性は感じているのですが、ほとんどのイヤホンでそう言う音は出てきていません。
【中域について】
とても重要です。
主にフラットバランスだと評価が高くなります。
僕が〇評価したイヤホンはほとんどがフラット気味となっています。
人間というのは人の声には脳がよく反応するので中域はとくに念入りにキチンと吟味しないと評価が下がります。
適当に設計すると△評価になりやすいです。
【低域について】
帯域バランスと低音の階調表現能力はかなり重要視していますが、イヤホンは低域と中高音域が両立しないので、バランスがデタラメとかおそろしく性能が悪いDDを使っているとなどということでなければそれに応じた評価になります。
【高域について】
余程の問題が無ければ「思い込みや他の帯域の影響で音が変わりやすい」高域はシビアに判定していません。
【評価対象外について】
定位ですが、イヤホンにそんなものはありませんので評価対象外です。
クール・ウォームなどは好みの問題でもあるので、そちらも評価対象外です。
音の広がりについては評価したいところなのですが、イヤホンで思い込み以上に音が広がるものは数が少ないので目指すと言うよりも「偶然」の要素が大きいのかと思うところもあります。
イヤホンなので「出来ることと出来ないことがハッキリしている」ので、イヤホンが不得意とする分野はできうる限り評価外となっています。
このようにイヤホンとして「当たり前のことを平均以上にできる」のなら当然評価は〇となりますが、そうでなければ減点されていくだけとなります。
昨今の傾向で言えば、訳も分からずにBAドライバを多数実装したり、グラフェンだ、ベリリウムだ、セラミックだチタンコートだと新素材ドライバをオーソドックスなDDドライバですらマトモに使いこなせないのに導入したりしているようではなかなか難しいかなと思いますが・・・
と云う訳なので、「自信のあるメーカー」が依頼をくれればキチンと評価致します。
△以下なら掲載しない、と云う条件でもOKです。
ただし、レビューを書いて公開する以上は「内容の制限は受けない」という原則は変わりません。
できればキチンと聞き取れる人が設計したイヤホンを聞きたいという思いがありますが。そう言う人が開発したのなら特に問題は無いはずなのですが、自信がある人はいるのでしょうか?
catwalk1101earphone.hatenadiary.jp
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クール系のアンプ? そんなものあるの?
今回はアンプでの音色の変化については書いておきます。
なぜ、この事について書いておこうと思ったのかと言えば、DMで質問を受けたためということになります。
Q 例えばクール系のイヤホンの音色がアンプでウォームに変化したりしますか?
という質問を受けました。
どうしてこう思ったのかと言えば、ある著名なイヤホン販売サイトでアンプの音色をクール・ウォーム・フラット・ドンシャリという分類で分けているのを見たのですが、これによりイヤホンの音が変わるのか?と云うことを疑問に思ったという事でした。
A デタラメです
コレはスピーカーですとアンプで音がガラッと変わってしまうのですが、クールやウォームになるわけではありません。
アンプで音は「地味になったり、明るくなったり」という変化を起こします。
つまり元々クール系のドライバを搭載したスピーカーを鳴らすと、クール系というキャラクターはそのままで音が明るくなったり地味に聞こえたりします。
それ以外にも低音は大きく変化しますし、定位や音の広がりにも影響を及ぼしますが、コレは主に駆動力の問題となります。
ドンシャリとフラットという意味が分かりませんが、アンプでドンシャリになったりはしません。
そう言う変化を起こすとするのならば、もともとそのスピーカーの音は低音多めなのです。
それが駆動力が足らないために低音を鳴らしきれずタイトに纏まっていただけだと言えます。
あるいは制動力が弱くて「ブーミー」になると量感が増えます。
こういった場合も基本的には「駆動力が足りない」だけだと言えますので「増えた」訳ではありません。
つまり本来そう言う音がするスピーカーなのですが使い切れなかったために、アンプをより強力なものに変更したら本来のバランスで鳴るようになったというそれだけのことです。
その時に低音が多くなった=ドンシャリのアンプだと短絡的に判断しているに過ぎません。
よくデノンのアンプは「低音が多い」と言われますが、そんなことはありません。
デノンは伝統的に駆動力を重視する会社なのでキチンと本来のスピーカーの実力を引き出しているだけです。
これは同じ価格帯のマランツの低音と聞き比べるとよく分かります。
またアンプによってはノイズフロアの高低が違うので、ノイズの少ないものを使えば当然、背景は静かになりますが、こういうものの場合はHI-FI調の音がしますが、だからといって音がクール系に変化した訳ではないことに注意して下さい。
これは単なる音の雑味の問題です。
(ノイズはないに越したことはありませんが、全部取ればいいという問題でもありません。ピュアの世界にはノイズはかなり多いのに素晴らしい音色を奏でるものもあります)
【イヤホンではどうなのか】
イヤホンではこの変化がほぼ分かりません。
ですが、アンプで音は変化しているはずなので、基本的には明るくなったり地味になるという変化を引き起こしている訳なのですが、イヤホンの表現力の限界でそのあたりがまったくわかりません。
分からないものをこだわっても仕方がないのでイヤホンにおいてはそう言う変化は無視して頂いて構いません。
つまりアンプでのイヤホンの音の変化は限定的な部分にしか影響を及ぼさないので、従来から語っているとおりで、「低音の質」や「エッジ」「音のクリアさ」などの「変化する部分」に注意して選択すればOKです。
オーディオは思い込みの世界なので、変化しない部分をキチンと見極められないと単なる想像力で補った「架空の音」しか聞くことは出来ません。
その最たるものがケーブルで音が変わるなどという馬鹿げた意見になるのであって、いざテストしてみれば誰ひとりとして「有意差」を確認できないということになるのです。